今こそ塾のビラ配りが有効！効果性を高める具体手法と注意点を解説

「今日、学校の前で〇〇塾がビラを配っていたよ」という話が、塾の校舎内で飛び交う日もあるでしょう。競合塾がビラ配りをしていたとは、聞き逃せない情報です。一方で、「ビラ配りは効果があるのか」「うちの塾も配るべきか」と思案するマーケティング担当者もいるのではないでしょうか。

今回は、塾がビラ配りをするメリットや効果性を高めるコツ、実施に当たっての注意点など、順を追って解説します。手間に見合うリターンが得られそうか、最後まで読みながら考えてみてください。

(1) 塾の認知度向上

ビラ配りには、塾の認知度を高める効果があります。即効性はなくとも、継続的に配り続けると、塾の名前が顧客に刷り込まれていきます。

実際、「いつもビラを配っている塾で、名前を覚えていた」「学校前でもらったチラシが気になって」という理由で、問い合わせ・入塾につながった事例も、少なくありません。

ビラ配りの地道な努力が、「知ってもらう・覚えてもらう」成果を生み出します。

(2) 講師やスタッフの認知度向上

塾の講師やスタッフがビラ配りをすると、「塾にいる人」を生徒に知ってもらうきっかけになります。

生徒の立場に立って考えてみてください。初めての塾、知らない人ばかりの塾に行くのは、緊張するのではないでしょうか。そんなときに、「いつもビラ配りで会う人」がいる塾なら、問い合わせの心理的ハードルが、わずかに下がります。心理的なハードルを下げられるのは、顧客と対面できるビラ配りならではのメリットです。

(3) タイムリーな情報提供

チラシと人手があれば、「明日配りに行こうか」とフットワーク軽く動けるのも、他の広告宣伝手法にはない、ビラ配りの強みです。学校別のテスト日程に合わせて、長期休みに入る前、受験直後など、勉強に関心が高まるタイミングに、興味を喚起する情報をすぐに届けられます。

この「情報を届けに行ける」点も、見逃せないメリットでしょう。ビラ配りは、いわゆる「プッシュ型」のマーケティングツールです。顧客からの接触を待たずに、こちらから能動的に宣伝できます。

塾のビラ配りは「ターゲット」×「内容」が重要

塾が、ビラ配りを活用して集客力を高めるためには、戦略的かつ計画的な実践が重要です。ビラ配りでまず押さえるべき、ターゲット設定とチラシの内容について解説します。

(1) ターゲット設定の重要性

塾のビラ配りは、学校前で待ち構え、登校する生徒に手渡す手法が一般的です。「生徒本人に直接手渡せる」前提で、最適なターゲットを決定します。

ここで考慮すべきは、通塾の決定権を持つのは誰か、という点です。

たとえば小学生なら、通塾の決定権はほぼ保護者が持っています。小学校前でビラ配りをしても、そのチラシが保護者の手に届かなければ、配った成果にはつながりません。

朝受け取ったチラシを、丁寧に持ち帰って保護者に渡す小学生は、果たしてどれくらいいるでしょう。

一方、高校生になると、通塾の要不要を生徒本人が考えるようになります。保護者も、通塾に関しては本人の意志を尊重する、というスタンスに変化します。つまり、高校生なら、受け取ったチラシを自分自身で検討し、必要なら問い合わせるというアクションを起こすことが期待できるのです。

生徒本人に手渡せるビラ配りは、ターゲット自身が通塾の決定権を持つケースの方が、効果が期待できます。この前提を踏まえて、配布する学年やペルソナを検討することが大切です。

(2) 内容の工夫の重要性

ご自分の場合を考えてみましょう。街頭で受け取ったティッシュの裏にある広告を、まじまじと見るでしょうか。大半の人は一瞥もせず、ポケットにしまうはずです。

塾のビラ配りも同様です。「見てもらえる」前提で作成しても、効果は出ません。「見てもらえない」をスタート地点とし、いかに見てもらえるか工夫を凝らした内容構成が重要です。

「テストで20点上げたい生徒」「模試がD判定で困っている受験生」など、具体的なターゲット像に合わせて、チラシを作成しましょう。ターゲットが一瞥しただけで刺さるキャッチコピー、思わず見てしまうデザイン、封筒の中身を空けたくなる仕掛けなど、アイデア次第でさまざまな工夫が凝らせます。

(3) 受取率を上げる工夫も大切

ビラ配りは、受け取ってもらえるかどうかが、成果に影響します。受取率を向上させるためには、ノベルティ（景品・粗品）の同封も大切なポイントです。「ノベルティ次第で、受け取るか決める」「ノベルティがなければ、受け取らない」と明言する生徒もいます。

ノベルティは高価なものでなくて構いません。消しゴムやマーカー、クリアファイルなど、学校で使える文具がおすすめです。塾名を入れたノベルティを作成すれば、ノベルティ単独で宣伝の役割を果たしてくれます。花粉症の季節にはティッシュ、冬ならホッカイロなど、季節を意識したノベルティも喜ばれます。

(1) ビラ配りに適したタイミングを見極める

ビラ配りは、タイミングを見極めて実施します。おすすめのタイミングは、ターゲットが勉強に対して意識を高めるとき。具体的には、以下のタイミングです。

タイミングに合わせ、日数をあけて2～3回配ると良いでしょう。勉強ニーズが高まるタイミングに集中的に配布することで、認知してもらいやすくなります。

(2) 元気よく、にこやかに配布する

街頭のティッシュ配りを思い浮かべてください。元気でにこやかに配る人と、不愛想でやる気がなさそうな人。つい受け取ってしまうのは、前者ではないでしょうか。

ビラ配りも、同じです。受取率向上には、配る人の表情や声掛けが大切です。まして、塾のビラ配りは、登校という一日の始まりに実施します。ポジティブなエネルギーとともに配布すれば、生徒にも良い印象を与えられるでしょう。

ビラ配りでアルバイトスタッフを稼働させる場合、狙いを理解させ、必要に応じて研修を実施してから学校に向かわせましょう。

(3) あいさつ＋αの一言を添える

配布時、塾名だけを連呼するビラ配りは、単調で敬遠されます。「あの塾、また配ってる…」と生徒に煙たがれるようでは、わざわざ悪評を広げに行っているようなもの。

ビラ配りは、あいさつに一言を添えて、生徒とコミュニケーションするつもりでやってみてください。「おはようございます！今日のノベルティは◎◎です！」「おはようございます！△△に関する情報が入っています」「来週はテストですね！頑張ってくださいね」など、生徒がつい耳を傾ける一言を工夫します。

こうした一言がビラ配りの印象を強め、教室で「そういえばさっきチラシをもらったな、見てみようかな」という行動につながります。

(4) 効果検証を続ける

ビラ配りを実施したら、かならず効果性を検証します。データを蓄積していくと、最適な配布戦術が見えてきます。

最低限、以下の項目は検証を続けましょう。

また、ノベルティを変えつつ、受取率を検証すると、効果的なノベルティがわかってきます。費用対効果も見ながら、ベストなノベルティを見付けてください。

(5) 競合塾のビラ配りをチェックする

競合塾もビラ配りをする地域なら、ぜひとも競合塾の配布物も入手したいところです。競合塾の配布物を分析すると、自塾のマーケティングに活かせるヒントを発見できます。

競合塾がビラを配る学校の生徒は在籍していないでしょうか。その生徒に、「次に配っていたら、もらってきてほしい」と頼んでみてください。ポイントは、信頼関係が築けている生徒に頼むこと、です。信頼関係がない状態で依頼すると、あらぬ懸念をいだかせる恐れがあります。本音で話せるくらいの関係性を築いてから、頼んでみてください。

(1) 配布前には許可を取る

初めてビラ配りを実施する学校には、事前に許可を取ります。窓口は教頭、もしくは進路指導担当です。電話をかけて要件を伝え、必要なら学校に赴いて挨拶を済ませましょう。

学校付近でのビラ配りを禁止する学校もあります。断られたのに、配布を強行してはいけません。学校とは、友好関係を築くことが鉄則です。

また、公道や駅前での配布には、警察への届け出が必要です。所轄の警察署・交番に問い合わせておきます。

(2) 受け取りを無理強いしない

ビラ配りでは、生徒たちに無理矢理押し付けたり、受け取りを無理強いしたりすることはやめましょう。無理に渡そうとしても、悪い印象が残るだけです。

いまは、ネガティブな口コミも簡単に広がる時代。対応には、十分に注意してください。

記事で紹介した「受取率を高める工夫」を参考に、生徒が受け取りたくなるような配り方を模索します。

(3) ホームページの情報を正しく、最新にしておく

ビラ配りと同時に、ホームページの内容を更新しておくことも大切です。チラシを見た生徒が、ホームページを訪れ、より詳しい情報を取得しようとするのは、自然な行動だからです。

チラシの情報と、ホームページの内容に齟齬があると、どちらが正確なのかわからなくなり、生徒に不安と懸念を抱かせます。

とくに住所や電話番号、開校時間、休日などは、重要な情報です。あらためて、確認してください。

(4) Webと連動させた問い合わせ動線をつくっておく

チラシを見てホームページを訪れた生徒を、確実に問い合わせにつなげる動線構築も忘れずに整えてます。

「チラシで訴求したキャンペーンは、ホームページでもわかりやすく配置する」「トップバナーに、タイムリーな情報を掲載する」などは、基本の施策です。

あわせて、問い合わせフォームもシンプルに、わかりやすく改善しましょう。入力すべき項目が多いと、入力途中で意欲が減退し、離脱させかねません。

また、ホームページのほかに、LINEやSNSのDMなど、ターゲット層が使い慣れているプラットフォームも用意すると、問い合わせのハードルを下げられるでしょう。

(5) 保護者への訴求も別媒体で実施する

ビラ配りは、生徒がメインターゲットになる広告宣伝手法です。一方で、塾には大切にすべき顧客が別にいます。そう、保護者です。費用を支払う保護者の同意が得られなければ、問い合わせも入塾につながりません。

ビラ配りを実施して生徒認知を広めると同時に、別の媒体を駆使して保護者への訴求も実施しましょう。ビラ配りでもらったチラシを見た生徒が、保護者に相談したときに「あの塾なら、良いのでは」と思ってもらえるような土壌を作っておきます。

発信の充実とともに、良い口コミ・評判を広げる戦略も練り実践してください。

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まとめ

ビラ配りは、生徒に広告を手渡せ、さらにコミュニケーションも取れる、唯一無二の宣伝手法です。継続的な実施により認知を広めることが、ビラ配りの目的です。直接的・爆発的な成果をもたらすというよりは、問い合わせが生まれる土壌を耕す手段と考えてください。

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