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【2023最新データで見る】小学生はいつから塾に通う?最適な時期を解説

小学生のお子様の充実した学びのために、塾の利用を考える方は多いでしょう。しかし、「小学生はいつから塾に通わせるべきなのか?」「周りの子はもう通っているみたい。うちも行かせるとして、いつが最適なの?」とお悩みの保護者の方も多いかもしれません。
小学生の塾通いをいつから始めるかは、塾に行く目的によって異なります。この記事では、小学生の塾通いについて、その目的・目標別に、最適な時期を説明します。
目次
【データで見る】小学生はいつから塾に通っているのか?
まずは信頼できるデータから、一般的な小学生の塾通いが始まる時期を見てみましょう。以下は、文部科学省が公表した「令和3年度子供の学習費調査」から、「公立・私立小学校別による各学年の学習塾費」のみを抜粋して表とグラフにしたものです(調査対象者総数は公立19,336人、私立3,339人、合計約23,000人。調査する費用の対象期間は1年間)。
(出典)文部科学省「令和3年度子供の学習費調査 2.調査結果の概要:表6 学年別補助学習費」より抜粋・作成
公立・私立ともに4年生から大きく出費が増えていることがわかりますね。ここから、4年生頃から塾に行く小学生が多いと推測できます。
理由としては、以下が考えられます
・中学受験対策塾のカリキュラムが、小学校3年生の2月に開始されるため
・4年生から学校の授業内容が複雑になり、分量も増えることから、学校の授業が理解不足となる子が増えるため
同じ調査から、公立小学校では塾を利用している子どもは全体の約40%、私立小学校では約70%程度と分かっています。塾が必要か不要かは個々の目的や事情によることはおさえておきましょう。
(1)学習習慣をつけさせたい場合:いつでもOKだが、できるだけ早い方が有利
学習習慣を身に着けさせることだけが目的ならば、いつ塾に通い始めても問題ありません。ご家庭の都合や本人のやる気で検討してください。ただし、
・小学校から出された宿題をしない
・テストにケアレスミスが目立つ
・特に打ち込むもの(例:習い事)もなく、毎日なんとなく過ごしている
などの場合は、塾に通って勉強する癖をつけることも検討してみましょう。そして生活習慣化するには、できるだけ早い時期からの方がよいといえます。
学習習慣だけでなく、提出物を期限までに仕上げて提出することや、ミスをなくすためにテストの見直しをすることは、ある程度訓練しないと身に付きません。集中力も必要です。そしてそれらは、親が言うよりも他人である塾の講師や塾の友だちに指摘されるほうが子どもは納得して自分からできる可能性が高くなります。
(2)小学校の勉強を補い、不明点をなくしたい場合:テストの点数で判断。下降が大きくなる前にできるだけ早く
例えば、「これまではほとんど満点だった学校のテストが急に70点前後になってきた」という場合、きちんと学習内容を理解できていない可能性が高いです。このような時は、まずは家で保護者の方が宿題などを見てあげて、どこでつまずいているのかを確認しましょう。その後点数が回復したならば、塾に急いで通わなくても大丈夫と考えられます。
しかし、
・算数・国語のどちらか一教科、テストの点数が継続的に70点以下になっている場合
・保護者の方が忙しく家でケアをしてあげられない場合や、教え方がわからない場合
・通信教育で勉強するように環境を整えたが、やりっぱなしで状況が改善しない場合
などのケースでは、塾に通うことを検討する時期といえます。
特に国語の点数低下は、算数よりも軽く見られてしまいがちですが、国語は全ての学習の基礎になる能力です。国語の理解力が不足している=全ての学科で今後理解が不足する可能性がある、と考えられます。
実際、国語の成績が良い子は他の教科の成績も総じて良い子が多い傾向があります。語彙力や読解力は経験の積み重ねになるため、成績を短期に上げることが最も難しいのも国語です。国語に苦手意識があるお子さんには、塾通いを考えることをおすすめします。
なお、急にテストの点数が下がってくるのは、多くの場合4年生からと言われます。4年生になったら、お子様の学習状況を注意深く見てあげるようにしてください。
(3)中学受験をしたい場合:小学校3年生の2月から!
中学受験対策に特化した受験専門塾は、小学校3年生の2月がカリキュラムのスタート時期になっています。基本的にはこの時期から塾に通う準備をしてください。
なお、近年は公立中高一貫校も増えており、そちらの入試は適性検査と呼ばれます。多くは科目横断型試験(4教科の知識を活用して答える問題。資料やグラフなどから読み解き表現する力を問われる)です。筆記試験のほかに作文と面接が課されます。
公立中高一貫校のみを志望する子どもの場合は、私立受験より学ぶ範囲や科目数が少ないため小学校5年生~6年生から塾通いを始める子も多く、塾のカリキュラムも2年で組まれていることがあります。直接、塾に問い合わせてみることをおすすめします。

(4)中学での勉強を先取学習して高校受験に備えたい場合:英語はできるだけ早く。その他は小学校の内容を全て理解してから
例えば、英語を小学生のうちからしっかり勉強すれば、英検2級程度まで取得することも可能です。英検2級の能力があれば、高校受験がぐんと楽になります。また英語を学ぶことで、国語の文法の理解が進むこともあります。
子どもの言語習得能力は柔軟性があり大人よりも優れていることが多いので、英語に関してはできるだけ早く始めるとよいでしょう。
大学受験でも、英語は合格を左右する最重要ファクターと言われます。英会話レッスンで英語の発音に対応できる「耳」を鍛えることも、早ければ早い方がよいといえるでしょう。グローバル化により英語能力の高い人材は常に求められていることからも、早く学び始め、語彙力を高めておくだけでもメリットになります。
数学は、小学校6年生の後半からでも十分です。理由として、小学校6年生で順列組み合わせ、小数・分数の乗除、比例と反比例、文字の式、統計、円の面積など、中学校の数学に直接つながる重要な単元を学ぶからです。これらを理解してからでないと中学の数学は難しい可能性があります。
ただし、本人が算数をとても好きで、6年生になる前に小学校の単元は全て理解できている場合や、早く難しい数学を学びたい場合(中学受験をしない場合)は、好きなタイミングで塾に通わせてあげるとよいでしょう。
(5)専門的な知識や技術、技能を伸ばしたい場合:本人の希望でいつでも
専門的な知識や技能を伸ばす塾は、子ども本人がやりたいと思ったときに通わせてあげましょう。もし保護者の方の希望で通わせる場合は、無理強いをせず、興味をもてるように工夫が必要です
なお、音楽やスポーツ、囲碁・将棋、そろばん、語学(会話)など右脳を発達させる習い事はできるだけ早く、早い時期から始めたほうが上達し、一生ものの能力になります。
中学受験塾は、3年間で受験のために学ぶべき内容を網羅したカリキュラムを立てて提供しています。他の子が3年間かけて学ぶことを1年程度で学ぶことは、子どもに大きな負担を強います。また中学受験のための学習は、親が家で教えることが難しくなっています。大人の考え方で勝手に教えると子どもは混乱してしまい、かえって悪影響を与えることになりかねません。
どうしても費用などの問題で「中学受験の塾通いを短期間で終わらせたい」と考える保護者の方もおられるでしょう。短期間の中学受験の塾通いでも合格できる子どもは、以下のような特徴があるかもしれません。
・学校の授業は全て理解しており、テストはほぼ満点が取れる
・学びに対して積極的で、色々な物事に対して好奇心が旺盛である
・集中力がある
・自分の好きなスポーツ、音楽、その他の習い事などに楽しく情熱をもって取り組める
・体力がある
・読書が好きで、作文や発表など言語を用いた表現が得意
全部は当てはまらなくても、これらの特徴を複数併せ持つ子どもに対しては、小学校5年生程度までは好きなことを存分にやらせてあげてから、本人が受験を望む場合に限り、中学受験の勉強を開始しても成功する可能性は高いと言ってよいと思われます。
とはいえ、「期間や費用を少なくする」ことで「リスク(=不合格という結果)」が大きくなります。保護者の方は不合格の可能性も十分に考えて、チャレンジする環境を整え、「公立中学に進学しても失敗ではないこと」「学んだことは必ず全て役に立つこと」を親子で話し合って納得しておくことが最も重要です。
なお、公立中高一貫校の適性検査は私立中学の受験問題と異なるため、専用の学習が必要になりますが、上記のような特徴のお子さんの場合は短期間でも合格できる可能性が高くなります。また公立中高一貫校は受検料や、合格してからの授業料などもほとんどかからないので、費用を抑えつつ子どもに高い教育を受けさせたい場合は検討してみてはいかがでしょうか。まずは「塾探しの窓口」でお子さんにぴったりの塾、短期間でも十分な授業を行ってくれる塾を探してみませんか。
(1)学習習慣をつけさせたい:○塾で達成できる
塾に通うことで、決まった時間に机に向かい、勉強する習慣がつけられます。また家と異なる環境に通うことから、生活にメリハリがつきます。
(2)小学校の勉強を補い、不明点をなくしたい:○塾で達成できる
上で見たように、小学4年生から塾に通う子が増えます。理由の一つは、学習内容の高度化ですが、小学4年生になると国語の読解に使われる文章量も増え、算数も割り算の筆算、小数・分数の計算、平面図形と立体図形、グラフ、面積、そろばんなどつまずきやすい内容にさしかかります。そのためテストでの正答率が下がり、勉強に苦手意識を持ちやすくなるのもこの時期と言われています。
塾に通うことで、分からないところを洗い出し、分かるまで繰り返すことで、苦手意識をなくすことができます。
(3)中学受験をしたい:○塾で達成できる(塾でなければ難しい)
中学受験とは、おもに私立中高一貫校の入学試験を受けることを指します。多くの場合、私立中高一貫校を受験して合格するためには、小学校の学習内容よりはるかに高度な勉強をする必要があります。中学受験を考えているならば、塾通いは必須です。
(4)中学での勉強を先取り学習して高校受験に備えたい:○塾で達成できる
中学の内容を小学校のうちに先取り学習することで、中学に入ってから良好な成績を維持できる可能性が高くなります。成績が良いと生活に余裕ができ、自信にもつながります。先取り学習のコースがある集団指導塾も多くありますので、中学受験をしない場合は検討してみてもよいでしょう。
(5)専門的な知識や技術、技能を伸ばしたい:△学習塾ではなく専門塾や教室で達成できる
ピアノやバイオリンなどの楽器演奏、ロボット・プログラミング、絵画制作、英会話、弁論・作文などプレゼンテーション能力や表現力を磨くもの、囲碁・将棋などの思考ゲーム、そろばん、株や投資に代表される経済分野の理論などを専門の資格を持つ先生について学びます。
学校の授業とは直接関連しませんが、好きなことや得意なことが伸ばせたり、将来の職業への関心が高まったり、脳によい影響を期待できたりというメリットがあります。広い意味でサッカーや水泳など、スポーツの習い事も含まれます。
なお、集団指導塾の中には、これらの専門的な講座を通常授業とは別に行っている塾もあります。興味がある場合は問い合わせてみてください。
費用はいくら?小学生を塾に通わせる前に決めておくこと・調べておくこと

お子様をいつから塾に通わせるか決める際、事前に決めておきたいこと、調べて確認すべきことを説明します。
(1)費用(どれくらいお金をかけられるか)を試算する
「いつから塾に通わせるか」の判断に関わるひとつは「費用」ではないでしょうか。文部科学省の調査で見たように、一般的に小学校低学年の頃よりも、高学年になるほど塾の費用は高くなっていきます。中学になれば高校受験のために塾の必要性がさらに上がり、さらに出費が増えます。
よって、保護者の方は思いつきで塾に行かせるのでなく、将来的にどの程度までお金をかけられるか、あらかじめざっくりと試算して「いつから」「どの塾に」行かせるか考える必要があります。塾通いは早ければよいというものでもありません。長く通うほどお金もかかります。
塾の費用は塾ごとに異なるため、費用を抑えながら十分な学習効果を得られる塾も多くあります。高ければ質が良く、安ければ悪いわけではありません。費用対効果も考えて資料を取り寄せ検討しましょう。

(2)塾に通う目的をはっきりさせる
ここまででご紹介したことを参考に、「何のために塾に通うのか」をはっきりさせましょう。塾に通うと時間、お子さんの体力、費用がかかります。ただ漠然と「皆が行っているから」程度の理由で、塾に行く目的を明確にしておかないままだと、これらが全てが無駄になってしまいます。
「わからないところをなくす」「毎日勉強する癖をつける」「好きな科目をもっと得意にする」など、具体的な目的をもって塾をスタートさせましょう。
(3)子どものやる気を大切に
子どもが乗り気ではないのに、保護者の一存で入塾を決めてしまった場合、長続きしない可能性が高くなります。なぜ塾に通う必要があるのか話し合い、子どもが気に入り勉強したいと思える塾を選びましょう。子どもと塾の相性を知るには、無料体験を利用して判断しましょう。
(4)塾に任せきりにしない
勉強内容については塾に任せて大丈夫ですが、子どもがきちんと課題をやっているか、どこまでわかっていてどこがわからないのか、塾で楽しく学べているかなど、子どもの様子は保護者が日頃から把握しておきましょう。
特に中学受験塾に通わせる場合は、保護者の方は塾の時間割や模試日程などスケジュール管理、お弁当の準備、子どもの体調やメンタル面の観察、志望校の情報集めなどを行ってあげてください。効率よく成績を上げるために小テストで間違ったところをまとめてやり直しノートを作るなど、「企業における秘書のような視点」でサポートをしてあげるとよいでしょう。
塾を楽しい・好きと感じる子は多い

(出典)文部科学省「子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告」(p.34)平成20年8月
「塾に早くから通わせられている子はかわいそう」「勉強よりやることがある」と考える大人も一定数いるようです。しかし、子どもが塾に通うことはネガティブなことではなく、むしろポジティブなことです。
上は、文部科学省による「通っている塾が好きな理由」を小学生・中学生に調査した結果です。これを見ると、「学校で教えてくれないことを教えてくれるから」「先生(塾講師)の教え方がわかりやすいから」という回答がどの学年でも多いことがわかります。塾は勉強をやらされるつらいところではなく、学びを助けてくれる、子どもたちにとって積極的に「好き」な場所と感じているといえるのではないでしょうか。
小学生に塾通いは必要ないと思われる保護者の方もいるかもしれませんが、子どもが「もっと学びたい!」と思ったとき、すぐに環境を整えてあげられるよう、まずは塾選びから始めてみませんか。
まとめ
この記事では「小学生の塾はいつから通い始めるべきか」について解説しました。小学生が塾に通い始めるのに適した時期は、その目的によって異なります。しかし環境や条件が整い、子どもに前向きな気持ちがあるなら、塾はできるだけ早くから通ったほうがメリットは多いといえるでしょう。
特に、子どもが自分から「塾に行って、もっと学びたい」と言う場合は、すぐ通って大丈夫です。その際は、「塾探しの窓口」を利用することをおすすめします。「塾探しの窓口」は、あなたのお子さんのタイプや学びの目的にぴったりの塾が地域ごとに簡単に見つけられるサービスです。上手に使って、思い立ったときには出来るだけ早く、最もお子さんに合う塾を選んであげてくださいね。