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【高校受験】中学生が塾を選ぶ前に考えるべき7つのポイント
お子様が中学校に入学すると、将来の高校受験や大学受験を考えて塾通いを検討し始める保護者の方は多いのではないでしょうか。
実際、通塾している中学生は学年が上がるごとに増えているという調査結果もあります。しかし、いざ塾に通うにしても「なんとなく」で選んでしまうと、子どもの性格に合わずすぐやめてしまう、成績が上がらない、費用が思った以上にかかるなど、さまざまなトラブルが起こる可能性があります。
この記事では、中学生の塾の選び方で大切なポイントを具体的に紹介します。お子さんの現在の状況や性格に合わせた塾の選び方を知って、最適な塾と出会うヒントにしてください。
中学生が塾を選ぶ前に考えたい7つのポイント
ここでは中学生が塾を選ぶ前に考えておきたいポイントを紹介します。
(1)目的に合っているか|補習・学習習慣・受験など
中学生が通塾を考える場合、最終的な大きな目的は高校受験のためということが多いでしょう。例えば苦手科目をなくして定期テストの成績を上げることは、内申点のアップにつながるからです。ただし、直面している問題が「受験のために底上げをする」ことなのか、「数年後の受験に向けて普段の成績を安定させる」かによって、受験塾を選ぶか補習塾を選ぶかが決まります。大きく分けて以下のような3つの目的が考えられます。
中学生の場合、①と②の「基礎学力の定着」「学習習慣」が達成できていることが③につながります。そのため、受験専門塾であっても、中学1年生~2年生の間は主に基礎学力の定着、苦手科目の対策、学習習慣の定着、内申点アップがメインとなります。学力や習熟度別にクラス分けされ、現在の学力に合ったクラスで授業を受けます(補習塾ではクラス分けが無いこともある)。高校ごとの受験対策は中学2年生の後半から行うのが一般的です。
とはいえ、受験塾は中学1年生から高校受験を見据えたカリキュラムになっており、負担も補習塾と比べると大きいです。中学生でも1年生・2年生のうちは、勉強よりも部活動や習い事中心の生活を送っているお子さんもいます。その場合は受験期までの間に安定した成績を取ることに加えて、学習習慣を身につけることに専念するため、補習塾から選ぶとよいでしょう。
このように、中学生が塾に通う最終的な目的は受験であるにしても、学年や生活の在り方、成績の状況によって異なります。保護者の方は我が子がどの状況に当てはまるのかをまず見極めましょう。
(2)塾のタイプと指導方法|集団・個別・映像・オンライン
中学生の塾の指導方法には、大きく分けて「集団指導」と「個別指導」があります。どちらが合っているかは子どもの性格や習熟度、習い事や部活の状況などで異なります。集団指導塾と個別指導塾の違いについては、次の章で詳しく説明します。
ほか、映像授業のみの塾もあります。これは広い意味では個別指導、かつオンライン指導のうちの「オンデマンド授業」にあたります。対面で直接指導を受けない点が、通常の個別指導とは異なります。
また昨今は新型コロナウイルス感染症の流行により、これまでの対面授業ではなくオンライン授業形式の塾も増えました。オンライン指導塾には集団授業のライブ配信またはアーカイブ配信、オンラインによる個別指導(家庭教師)などさまざまな方法があり、費用やサポート体制なども塾ごとに異なるため、事前に確認が必要です。
(5)塾の雰囲気や環境、友人の有無、子どもとの相性
どんなに合格実績を上げている塾でも、評判が良い塾でも、子どもにとって相性が合うかどうかはそれぞれです。子ども本人がどうしても気に入らない、通いたくないと言う場合、塾に通うのは本人なので、最終的には子どもの希望に合わせてあげてください。無理強いすると勉強するモチベーションも下がってしまいます。
同じ塾に友だちがいるかいないかも、子どもによってはモチベーションの上下にかかわってきます。安易に「あの子が通っているから」という理由で入塾すると、失敗することもあり得ます。
無料体験を利用することで「自分に合っている塾かどうか」「続けて通えるか」「勉強を頑張れるか」がわかります。塾を選ぶ前に、ぜひ無料体験を受けるようにしてください。
中学生の塾タイプごとの違い|どんな子に向いている?
ここでは中学生が選ぶ塾の4タイプを見て頂いた上で、どのような子が向いているかを説明します。
(1)集団指導塾
【向いている子】他者とのかかわりの中で自分のモチベーションを上げ、頑張れる子
【適している成績区分】平均~上位
集団指導塾は中学校の授業と同じく、講師1人が多人数の生徒を担当します。学力別にクラスが分けられていることが多く、クラスごとに同じカリキュラムで授業を行います。一クラスは数人~数十人程度です(塾によって異なる)。
カリキュラムは固定のため、いつまでにどの内容をどこまで理解すればいいか、目標が立てやすいことがメリットです。一方、多人数に対して一斉に授業を行うため、生徒一人一人の習熟度や理解度への対応は難しいことがデメリットです。そのため、平均以下の成績であったり苦手科目が多い生徒の場合は、集団指導塾に最初から入ることは向いていないかもしれません。
集団指導塾のもう一つのメリットは、周りの友人たちへの仲間意識やライバル意識が芽生え、よいモチベーションを生み出しやすくなることです。
ただし子どもによっては、周りの友人たちの影響を悪い方向に受けてしまい、プレッシャーを感じたり、やる気や自信を失ったりすることもあります。集団指導塾のメリットを上手に利用するためには、ある程度自分のペースや考え方を守り、周りに影響され過ぎないことが必要となります。
費用は他の塾タイプと比べると割安なケースが多いようです。
なお、従来は集団指導塾の大きなデメリットであった「個人都合での授業振替の難しさ」は、コロナ禍の影響からオンライン配信などでカバーできることが増えています。ライブ配信される塾、後日アーカイブ配信される塾とさまざまです。
(2)個別指導塾
【向いている子】自分のペースでじっくり取り組みたい子
【適している成績区分】下位~平均程度(上位でも利用は可能)
講師1人が生徒1人(マンツーマン)、または2人~4人程度を担当するスタイルです。基本的には1対1で、それぞれの生徒に合わせたカリキュラムで授業が進められます。
個別指導塾の最大のメリットは、生徒一人一人の理解度に合わせて授業が行われることです。苦手なところ、分からないところだけを集中して学ぶことができ、効率的です。また集団指導塾のように周りの進捗や成績を気にする必要がなく、自分一人の学びに集中できることもメリットです。
デメリットとしては、ライバルや同じ目標に向かって頑張る友人がいないことから、競争意識やモチベーションが不足してしまう可能性があることです。またカリキュラムが流動的なことも多く、遅れが発生すると受験までに必要な内容がカバーできない可能性もあります。
個別のため講師と1対1で授業内容が可視化されづらく、中には雑談で授業時間が終わってしまっているケースもあります。個別指導塾を選ぶ際は、これらの点に対策がされているか、注意する必要があります。
全体の進捗は集団授業塾を利用し、苦手分野のみピンポイントで個別指導塾を利用するなどの方法もありますが、負担が大きくなるため注意が必要です。その他、集団指導塾と比較すると費用が大きくなる傾向があります。
(3)映像指導塾(オンデマンド)
【向いている子】自分の中で目標を立ててコツコツ頑張れる子
【適した成績区分】平均~上位
近年増えている映像指導塾は、厳選された一流講師の質の高い授業を何度でも繰り返して見られるところが最大のメリットです。あらかじめ編集され用意された(オンデマンド)講義コンテンツが利用される点が、次に説明するオンライン指導の「ライブ」「アーカイブ」と異なる点です。
授業は映像ですが、塾に行けば周りには同じように勉強している友人(ライバル)たちがいるので、個別指導塾よりも集団指導塾に近い感覚を持てるようです。
生徒に合わせたカリキュラムを塾の進路担当者が作成し、それに合った映像授業を選んで受講します。受講する教科や授業の本数は自由にカスタマイズできます。基本的には塾(教室)に通い、決まった時間に受講しますが、映像のため都合に合わせて変更も可能です。またオンライン環境があれば自宅で受講することもできます。
デメリットとしては、生身の講師がいるわけではないため緊張感がなくなりやすく、モチベーションが上がらないおそれがあることです。また自分にどの授業が必要か考える姿勢が必要になるため、自学自習ができる子でないと飽きてしまい、継続できないケースもあります。
これらのデメリットをカバーするため、学習の進捗具合や成績推移を管理するアドバイザーがつきます。定期的な個別面談や、生徒同士のグループ面談などを行ってお互いのモチベーションを高める工夫がされています。ただし、実際に授業を行っている講師ではないため、細やかなサポートが難しい場合もあります。
費用は塾によって異なります。集団指導塾より割高で、高額になるケースも見受けられます。塾ではなく教材提供型の場合は、比較的安価で済ませられるようです。
映像指導塾は、向いている子と向いていない子が大きく分かれます。他人に影響されず、自分の中で目標を立ててコツコツ頑張れる子には最適といえます。
(4)オンライン指導塾
【向いている子】自分のペースで取り組みたい子・感染症への不安がある子(持病があるなどの理由により)
【適した成績区分】下位~上位まで全て
近年増えているオンライン指導塾は、パソコンやタブレット、スマートフォンなどを利用して講師からオンラインで指導を受ける形式のものです。塾により様々なスタイルがとられており、通常の対面授業と同じように行われるものもあれば(双方向性がある)、大手塾の授業を後日配信するもの(双方向性はない)もあります。映像指導塾も、広い意味ではオンライン指導塾に入るといえるでしょう。主に以下の2種類があります。
① 「同時配信授業」
講師がリアルタイムに授業を配信する方式です。生徒は通塾しません。双方向型のため、質問なども可能です。後日、アーカイブ配信される場合は、後から何度でも視聴できます。
② 「オンデマンド授業」
映像指導塾の方式です。あらかじめ用意された講座を配信します。双方向性はないため質問などはできません。
オンライン指導塾の最大のメリットは「場所を選ばず、オンライン環境さえあればどこでも学べる」ことです。この特性を活かし、実際は通えないような遠方に居住していても、有名講師のいる塾で学ぶことが可能です。
また、直接の対面授業ではないので感染症の不安が軽減されるメリットもあります。持病があって他人との接触をできるだけ避けたい場合や、急な体調不良で塾に行くことが困難なときなどに、オンライン指導塾は大変便利です。
授業形式は塾によりさまざまです。1対1の個別指導をオンラインで行うものもあれば、集団授業を配信し、それに参加する形式のものもあります。また授業ごとにそれらをブレンドする形式もあります。
いずれにせよオンライン指導を受けるためのweb環境や機材が必須となります。塾によっては専用のタブレットを貸し出しているところもあります。詳しくは各オンライン指導塾に問い合わせてみてください。
デメリットとしては、直接会っているわけではないため緊張感が少なく、モチベーションが上がらないおそれがあることです。また実際に塾に行くわけではないので、学習やメンタル面のサポートが上手く機能しないケースもあります。
また個別指導と同じく、ライバルがいないため、競争意識を持ちづらく、集団での自分の立ち位置がわかりづらいことも大きなデメリットです。
しかし、オンライン指導で学力が上がらないかというとそんなことはありません。複数の高校の調査により、遠隔授業(オンライン授業)に半数以上の生徒が満足感をもっており、学力向上を実感しているという結果が出ています。オンライン指導は、適切に利用することによって高い効果が得られることがわかります。
塾を選んだら無料体験授業を受けよう
どのタイプの塾を選んだ場合でも、正式な入塾前に必ず無料体験授業を受けましょう。上に紹介した以外にも、
実際の授業はどのように進められるのか
講師の声は聞き取りやすいか
自習室や音読室などの設備はあるか、自由に使えるか
塾の立地はよいか、通塾の際の安全面は問題ないか
外の音がうるさい、空調が悪い、感染症対策が整っていないなどの問題はないか
受験までのトータルサポート体制は整っているか
追加で費用がかからないか(体験の際に説明を受ける)
など、体験しないとわからないことがあります。
せっかく入った塾を長く続けて目的を達成できるように、合わない塾を選んでしまわないように、塾を選んだら、入塾決定前に必ず無料体験を利用しましょう。最初に紹介したポイントを参考にしてぴったりの塾を選んでください。
まとめ
この記事では中学生の塾の選び方について紹介しました。
中学生の場合は小学生までと異なり、高校受験合格という目標のために塾に入るケースが多くなります。現在の成績や生活習慣、本人の性格などを総合的に判断して、お子さんに合った塾を選ぶ必要があります。
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