【2025最新】大手進学塾（集団指導塾）がこれから採るべき集客戦略

ここにきて、集客に苦戦する塾が増えているといいます。大手の進学塾や集団指導塾も、例外ではありません。実際、市場の変化が速すぎ、有効な対策を打てずに困惑しているとの声も聞かれます。

またAI検索の利用拡大にともない、公式サイトへの流入数の減少に悩まれている担当者の方も少しづつ増えてきています。

本記事では、現代という時代をあらためて捉え直しつつ、時代に即した集客戦略の展開にあたって、押さえるべきポイントや具体策をまとめました。また、集客チャネルの多角化に効果的なサービスも紹介します。

難局を乗り切り、塾の集客基盤を強化したい方、必見です。ぜひ、最後までご覧ください。

大手進学塾（集団指導塾）の集客は、転換期を迎えている

集客に苦戦するのは、貴塾だけではありません。いま、塾業界全体が、大転換期ともいうべき局面を迎えています。

※ 参照：我が国のこどもの数－「こどもの日」にちなんで－｜総務省

子どもの数は異常ともいえるレベルで減少しています。2024年の出生数が、史上初めて70万人を割り込んだとのニュースを覚えている方も多いでしょう。塾業界での生徒の奪い合いは、これまで以上の激化が避けられません。

一方、「我が子に合った指導を」という保護者の個別対応ニーズの高まりは止まるところを知らず、さらにオンラインやAI教材といった目新しいサービスも次々登場。また、SNSの浸透やAI検索の拡大により、ユーザーの情報収集や行動の動線にも変化が見られます。

集団指導を軸とする大手進学塾において、これまでのやり方が通用しない時代に入っているのは、否めない事実です。

(1) ブランド名での集客が困難

現代の保護者は、「大手＝安心」とは考えません。入手できる情報が増え、保護者自身が情報を精査し、「我が子に合った教育」を重視して選択する傾向が見られます。

誰もが知るブランド塾だから選ばれる、との考え方は、今後は通用しなくなる可能性が高いでしょう。塾が飽和する中、「誰から・どのような指導を受けられるのか」を厳しく審査される時代が始まっています。

(2) AI検索の普及による公式サイトへの流入数減少

Googleのオーガニック検索の結果に、AIによる要約（AI Overviews）が表示されるようになりました。これによって、公式サイトへの流入減少という課題が生み出されています。AIの要約を見れば知りたいことを把握でき、ユーザーが元のウェブサイトをクリックする必要性が低下しているためです。これは集客戦略上の新しい課題であり、早急に対処する必要があります。

特に、情報を知りたい方向けの検索語句への影響が大きく、自社で入試解説や単元解説などの解説記事の展開に力をいれていた会社の流入数減少が大きいといわれています。

(3) 独自性のアピール不足・他塾との差別化不足

「公式サイトを見ても、塾の違いがわかららない」といった保護者の声を、聞いたことはあるでしょうか。どの塾の広告にも同じような言い回しがあふれており、塾ごとの違いがわかりにくく、顧客の行動喚起につながらないという問題です。

統一感を大切にする塾ほど、よく見られる傾向です。統一感を重視するあまり、どの校舎ページも通り一遍の内容しか載せられなくなってはいませんか。保護者が本当に知りたいことを載せられていなければ、離脱を促しているようなものです。

あわせて、SEO（LLMOやAIOも含む）・MEO、SNSの進化をキャッチアップできているか、スタートアップ塾に遅れをとっていないかも見ておく必要があります。

現代の生徒・保護者にとっての「塾」

塾の顧客は、生徒と保護者です。現在とこれからを生きる顧客にとっての塾は、いまどのような存在になっているか、正しく把握できているでしょうか。過去の栄光的な集客戦略から脱却するためにも、「生徒と保護者と塾の現状」をあらためて確認します。

(1) 教育の二極化と支出の厳格化

教育の二極化は、塾の現場でも実感があるかもしれません。保護者が子どもに用意する教育環境は、「難関受験に向けて支出を惜しまない」「安さ・手軽さを重視する」という二極化の様相が出ています。

また、止まらぬ物価高の時流は家庭の教育費にも影響しています。選択と集中の動きが加速し、「無駄（と保護者が感じる）教育には支出しない」といった徹底的なコスト削減の動きも見られます。

(2) 情報収集手法の多様化

オーガニック検索にAI検索、オンライン・オフラインの口コミ、SNSなど、ターゲット層が情報を得る手段は多様化しています。顧客の奪い合いが深刻な現在では、1つの口コミや1回の検索すら逃せません。「塾名＋地域名」といった重要キーワードで上位表示できなければ、塾探しのスタートラインにすら立てない現実があります。

塾には顧客の動向を熟知し、手法ごとに最適な対策を徹底的に実践するリソースが必要となっています。

(3) 個別最適化を望む風潮

「我が子のペース」を過剰ともいえるほど重視する風潮も、塾の集客に影響してはいないでしょうか。個別指導やAI教材の浸透によって、「集団＝非効率」という誤解を生み、大手集団指導塾の足枷となっている可能性もあります。

多くの個別指導塾は、集団指導塾のデメリットを挙げて、個別の良さを訴求しています。では、集団指導塾は「個別にはない、集団指導塾の強さ」を十分にアピールできているでしょうか。

個別最適化は時代の流れではあるものの、一方で集団だからこその強みを訴求する戦略も必要と考えられます。

(1) SEO・MEOの強化

「地域名＋塾」は、非常に競争率が高いキーワードです。しかし、塾を探したい顧客が、まず調べる可能性が高い重要ワードでもあります。まずはこうしたニーズの高いワードでの上位表示を目指しましょう。

試しに、「貴塾の教室があるエリア名＋塾」で検索してみてください。上位に並んだ塾が、すべて競合です。

ポイントは、SEOとあわせてMEO（マップエンジン最適化）も実施することです。地名が入った検索の結果には、最上部にGoogle MAPの検索結果が入るためです。Googleビジネスプロフィールも整備し、マップからの流入も狙います。

当たり前の施策のように感じますが、Googleビジネスプロフィールの情報の登録が全教室で完了できておらず、一部の教室では未登録（あるいは一部のみ登録している状態）のまま放置されてしまっている事例も数多くあります。

(2) 自塾の個性や強みを「言語化」して発信

公式サイトやSNS等の発信では、保護者や生徒が知りたいことを、誠実に言語化する姿勢を大切にします。「切磋琢磨」「わかりやすい授業」「充実の進路指導」といった表現は、もはや陳腐といって良いかもしれません。これらの表現は他塾との差別化ができておらず、貴塾の強みが明確には伝わってこないためです。

以下は、具体的な発信を考える際の切り口におすすめの要素です。オリジナリティあふれる表現で言語化していくと、信頼性の担保につながります。

・塾生たちの日常の様子
・テスト対策、受験対策の具体的なポイント
・受験戦略の考え方
・入塾後の具体的な変化
・講師のリアルな声
・授業準備風景

(3) AI検索への対策

ここではGoogleの「AI Overviews」に対して3つの観点に分けて解説します。

a. 発信のクオリティ向上

AI Overviewsは、既存のコンテンツを参照して回答を生成します。検索結果には、おもな情報源が添えられます。ここに表示されるような、権威性や専門性、信頼性が高く、多方面のニーズを網羅した情報発信を心がけることが大切です。

b. 独自性の高い情報発信

AI Overviewsの要約は、あくまで「要約」です。要約には入らずとも、入塾を判断する上で大切になる情報も多々あります。詳細な分析や塾ならではの専門的な見解、体験談、独自データなど、公式サイトを見なければ得られない付加価値の高い情報を発信します。

c. 新しい流入経路や露出媒体の開拓

前述したとおり、現代の生徒や保護者は、多様なチャネルから情報を得ています。検索エンジンに頼りすぎず、新しい流入経路も開拓していきましょう。

塾専用集客サイトなど、露出媒体を増やす施策もトラフィック源の分散に奏功します。

(3) SNSのさらなる活用

SNSは、「アカウントを持っているだけ」になってはいないでしょうか。SNSからの集客は、まだまだ可能性を秘めています。競合に先駆けた成功事例構築をめざし、今一度投稿内容や運用体制を見直してみてください。

SNSごとに、アプローチしやすいユーザー層は異なります。InstagramやXは保護者層へのブランディング強化、TikTokやYouTube Shortsは生徒層への興味喚起としての活用がおすすめです。動画を投稿する際は、尺を長くしないよう注意してください。塾が、宣伝のための動画で生徒の勉強時間を奪うことは望ましくありません。

(4) オンラインとオフラインを融合させたコンテンツの発信

現代の生徒たちは、オンラインへの抵抗心が薄らいでいます。「オフラインでなければ」、と塾が思い込んでいる施策の中には、オンラインと併用できるものもあります。オフラインとオンラインの融合に挑戦してはいかがでしょうか。入試説明会などは、オン／オフを同時開催しやすいイベントです。会場でオフライン開催しつつ、オンラインでのライブ配信という手法が考えられます。

オンラインは時間的・距離的な負担が少なく、手軽さを訴求できる手法です。「教室に足を運ぶ」という大きなハードルの前の、フット・イン・ザ・ドアテクニックに位置付けると良いでしょう。

(5) 新しい集客施策の検討と導入

従前の集客手法に限界が見られたら、新しい手法を取り入れるのも一案です。先に紹介した集客サイトは、もう導入済みでしょうか。集客サイトとは、塾を紹介しつつ、塾に問い合わせを送る機能を持ったサービスです。

たとえば、「塾探しの窓口」は、完全入塾課金型の集客サイトです。送客した生徒が入塾しなければ、費用は不要。月50件の送客実績があり、入塾率は20～25％に達します。

少コストで確実な成果を求めたい塾は必見のサービス。ぜひ、詳しくチェックしてみてください。

大手進学塾（集団指導塾）の集客施策で注意すべきポイント

大手の進学塾や集団指導塾がこれからの集客施策の実施において、注意すべきポイントをまとめました。集客施策は、クリック数やコンバージョン数（問い合わせ数）、お気に入りの保存数など、数字ばかりが注目されがちです。しかし、目的は、自塾の理念に共感してくれる生徒を集め、彼らの目標達成を通じて夢の実現を応援すること、のはずです。

数字だけを追うのではなく、都度「生徒のためになっているか」「保護者の期待に寄り添えているか」と原点に立ち返る姿勢も大切にしてください。

(1) 短期的な成果を求めすぎない

成果は、長期的にみるものです。これは勉強にもビジネスにも共通するポイントでしょう。短期的な成果を求めすぎると、築き上げてきた塾ブランドへの信頼が崩壊し、施策が失敗するおそれがあります。

集客動線を丁寧に設計して実行し、結果を精緻に検証しつつ、時流にあわせて調整しながら、ベストを模索する流れを徹底するべきです。

広告はアクセス数の向上には寄与しますが、すべてが問い合わせにつながるとは限りません。意図せぬタップによる課金や冷やかし等により、コストの無駄遣いになるおそれもあります。広告は、CVまでの動線を確実に構築し、戦略的な運用が成果につながります。

(2) 地域性を大切にした集客施策を立案する

どの塾も、地域性と無縁ではいられません。地域によって教育ニーズやおもな進学先にも違いが見られます。集客施策も、当然地域性や学校事情に合わせて行われるべきです。

地域を意図した施策は、生徒・保護者に「自分ごと」と捉えてもらいやすいというメリットもあります。塾全体の方針は前提として大切にされるべきですが、一方で校舎現場の声をつぶさに拾い、時流に乗りつつ、生徒や保護者に共感してもらえる塾になる工夫も集客では重要なポイントとなります。

(3) わかりやすく伝える努力を怠らない

塾から情報を発信するすべての媒体を見直してみてください。チェックポイントは、十分にわかりやすいか、です。専門的な用語や堅苦しい言い回しが入ってはいないでしょうか。

時短や効率が重視される現代、「わかりにくさ」は集客の敵です。わかりにくいと感じられた瞬間、ユーザーは簡単に離脱します。

入塾前の生徒や保護者に、塾内の言い回しは伝わりません。受験の場では当たり前に使われる「隔年現象」「二段階選抜」といった表現も、解説が必要な用語です。

AIによる要約機能など、ユーザー負担軽減の流れの中で、難解な言い回しはご法度ともいえます。離脱回避とコンバージョン率（問い合わせ率）を意識した発信をめざし、わかりやすい表現を徹底してください。表現を精査する専門チームを設けたり、外部のプロ人材に校正を委託したりしても良いでしょう。

まとめ

少子化や教育の二極化、オンラインやAI教育など新しいツールの台頭など、塾業界はかつてない難局に直面しています。どれも、今後を考える上で、決して無視できない要素ばかり。大手の進学塾や集団指導塾は、あらためて「競い合いや協働による価値」を再訴求する必要に迫られているといって良いでしょう。

集客施策も、これまで以上に戦略性が重要になります。塾探しの窓口などの集客サイトも活用し、多様化する集客チャネル一つひとつを目的から再構築するつもりで、施策を推進していきましょう。

塾におすすめの集客方法8選 | 良質な問い合わせを増やす方法も解説

少子化や教育サービスの多様化の影響を受け、集客に苦戦する塾は少なくありません。マーケティング手法も複雑になるいま、何…

詳しく読む

塾の集客サイトおすすめ4選｜効果を高めるコツやサイトの選び方も解説

顧客ニーズが多様化し、既存のマーケティング戦略では生徒集客が難しくなった、と感じる場面はないでしょうか。指導の質やサ…

詳しく読む

塾集客におすすめ広告媒体10選＆効果向上のポイントを解説

少子化や家庭の可処分所得の伸び悩みなど、社会的な要因の影響もあり、集客が課題の塾は少なくありません。どの広告手法を選…

詳しく読む