小学生に塾通いは必要か|中学受験する・しない場合の塾の選び方

更新日 2024.01.16
小学生に塾通いは必要か|中学受験する・しない場合の塾の選び方

お子様が小学生になると、塾通いについて気になり始める保護者の方は多いようです。小学生のうちは友達と自由に遊んでほしいと思うものの、塾に通う周りの子たちが増えてくると「うちも早く通わせたほうがいいのでは?」「今の時代は、小学生に塾通いが必要なの?」と悩むこともあるのではないでしょうか。

この記事では小学生の保護者の方に向けて、「小学生の塾通いは必要か」をケースごとに解説します。また受験に関わらず、小学生が塾に通うことのメリットとデメリット、またデメリットに対する対策方法、お子様の状況に合わせた塾の選び方も解説します。

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目次

小学生の塾通いの必要性はケースによって異なる

小学生の塾通いは、子どもの成績の状況や受験の有無によって異なる
小学生の塾通いは、子どもの成績の状況や受験の有無によって異なる

結論から言えば、小学生の塾通いは基本的には不要です。しかし、中学受験を考えているご家庭、お子様の学校でのテストの点数が悪くお悩みのご家庭では状況が異なります。

ここではケースごとに、小学生の塾通いの必要性を解説します。

小学生の塾通いの必要性はケースによって異なる

保護者が勉強を見てあげられる = 基本的には家庭学習でよいが…

小学生という年齢は、勉強よりもさまざまな体験を通して物事への興味をもち知識を増やしていく時期です。子どもの発達段階に合わせたカリキュラムを国が学習指導要領としてまとめており、小学校ではそれに従って授業が進められます。ですので、本来は学校での勉強と家庭での宿題だけで十分と考えられます。

しかし、自分からすすんで勉強する小学生はあまり多くありません。また家庭学習は、保護者の方がお子様と一緒に進めることが前提です。保護者の方が家庭学習のサポート可能で勉強を教えてあげられるなら塾通いは必要ありませんが、仕事の都合などで難しい場合は塾に頼ることも検討してみましょう。

学校のテストの点数が悪い場合は塾(補習塾)通いを検討する

学校の授業についていけない、テストの点数が悪い、などの状態になっている場合は早急に塾通いを考えたほうがよいかもしれません。分からないまま学年が上がると、どんどん勉強が苦痛になってしまいます。勉強への苦手意識が植え付けられてしまう前に対策しましょう。

その場合、「補習塾」を選んでください。中学受験塾や、中学内容の先取り学習を行う進学塾を選ぶことは避けましょう。

中学受験する場合は受験専門塾に通うことが大前提

中学受験の内容は高度で専門的なため、中学受験を考えている場合は、必ず中学受験塾を選び、適切な時期(小3の2月。理由は後述)から通い始めるとよいでしょう。

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塾通いにはメリットもたくさんある!ポジティブにとらえよう
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「小学生から塾通いなんて、勉強ばかりでかわいそう」という考え方は、一定数の大人がもっているものかもしれません。しかし「何かを努力して学び、結果を出す楽しさを知る」「適性を見極める」「興味を引き出し、才能を伸ばす」ことは決して悪いことではありません。塾に通うことで、学校だけではわからないお子様の興味・才能が見えてくることは実際にあります。

ここでは、「中学受験をしなくても小学生が塾に通うメリット」について解説します。

学習習慣が身につく

学習習慣が身につくことは、小学生の塾通いで得られる最も大きなメリットでしょう。定期的に塾に行って勉強することで、その後の中学・高校までつながる良い習慣、良い生活リズムが身につきます。

効率よい学習のやり方を知ることができる

例えば、大人が何か資格を取ろうとするとき、対策問題を解き、採点し、間違えたところは後からもう一度解きなおす。できるようになるまで繰り返す…という方法を取ることが一般的ではないでしょうか。

この方法を「当たり前」と大人は考えがちですが、実際は誰かに教えてもらったり、経験を重ねたりして身につけるのです。誰しも、最初から「学ぶ方法」を知っているわけではありません。

本来は学校でそれを学ぶのですが、学校では大人しくて先生に目にとめてもらえない子もいます。そういう子でも塾に通うことで、正しい学習のやり方を身につけることができます。

学校の授業が分かることで自信がつき、学校生活に余裕がもてる

学校の勉強がよく分かるようになると、自分に自信がつき、学校生活を余裕をもって過ごせるようになります。いろいろなことに積極的に参加するようになる子もいます。

自己を肯定できることで、その後の人生にも良い影響を与えるでしょう。

中学からの勉強でよいスタートを切れる

小学校の学習内容は、中学校の学習のベースになります。中学生活で好スタートを切れるかどうかは小学校で基礎をしっかり定着させているかどうかにかかっています。特に算数の「割合と百分率」「比例と反比例」「場合の数」「平面と立体」などは、直接数学につながっていきます。小学校のうちにしっかり身につけておきましょう。

また、2020年から教科化された英語も実は落とし穴です。小学校では文法は習わず難しい英文も出てこないため、中学からでも大丈夫と考える保護者の方もいらっしゃいますが、小学校の教科書で出てくる単語は、中学では「既出単語」とみなされることをご存じでしょうか。

教科書により異なりますが、小学校のうちに習う英単語は600語~700語に及びます。これが全て、中学の教科書では既出単語扱いになります。単語を知らないと英文は読めないため、小学校で定着していない子は大きな遅れをとることになります。

小学校のうちから塾に通うことで、これらの不安がなくなり、中学からの学習にもよいスタートを切れるでしょう。

なお、高校受験には内申点が必須のため、中1から定期テストで良い成績をとっておくことは重要です。

<参考>文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語活動・外国語編

塾とはどういうところかわかり、高校・大学受験の塾通いのハードルが下がる

高校受験や大学受験では、多くの生徒が塾を利用します。小学校で少しでも塾を経験しておけば、いざ受験のために塾に通うことになったときも、塾がどういうところか、どんなスケジュールで授業が行われるかなどがある程度予測でき、スムーズに馴染めるでしょう。

先取り学習ができる

進学コースのある塾や個別指導塾では、小学校の上の学年の内容だけでなく、科目によっては中学の内容の先取り学習にも取り組めます。自分一人で予習をするのは小学生には難しいですが、塾を利用すれば効率よく先取り学習ができます。先に学んでおくことで、学校の授業に余裕をもって臨めるようになるでしょう。

勉強の楽しさがわかり、将来の夢にもつながる

塾に通うことで成績が上がったり、得意科目ができたり、苦手科目が克服できたりすると「勉強って楽しいな」と思えるようになります。知らなかったことを知り、理解することで、自分の得意な教科や適性がわかり、もっと勉強したいと思えるでしょう。塾で見つけた勉強の楽しさが、将来の夢や職業につながるかもしれません。

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中学受験しない小学生が塾に通う3つのデメリット

塾に通うデメリットもあるが、対策をすれば大丈夫
塾に通うデメリットもあるが、対策をすれば大丈夫

塾のメリットを解説してきましたが、ここでは中学受験をしない小学生が塾に通うデメリットと、それを解決するための対応策を解説します。

遊びや習い事など、小学生の頃にしかできない体験時間が減る

塾に時間を取られることで、小学生という発達段階でしかできない遊びや、友達とのかかわり、習い事を身につける時間が減ることはデメリットと言えるでしょう。

【対策】受講科目を最初は1科目から始めてみよう
最初から4科目全ての塾や、週に3日以上通うのではなく、まずは1科目(苦手科目または得意科目)からスタートして、塾に慣れさせてあげましょう。例えば毎週月曜日だけは塾に通って算数を勉強する、というふうにすると、ほかの習い事と同じように週ベースのサイクルができ、生活習慣にメリハリがつくでしょう。
 
学ぶ楽しさが分かってきたら、他の科目を徐々に増やしていくこともできます。このような場合、一教科から選んで受講できる塾を選ぶ必要があります。

費用がかかる

当然ですが、塾に通うとお金がかかります。教育熱心な保護者の方ほど子どものために教育費を大きくかける傾向があります。しかし、家族のライフプランを考え、適切な金額をかけることが大切です。

【対策】将来設計を立て、いくらお金をかけられるか計算しよう
将来、お子様にはどのような高校、大学に行ってほしいでしょうか。国立なのか、私立なのか。お子様が小学生のうちからライフプランを立て、世帯年収から「いくら塾にお金が出せるか」を算出しましょう。FPの無料相談などを利用するのもおすすめです。
 
塾の費用は、学校の費用と異なり、支出の幅をある程度動かせます。苦しくなったらやめることもできますので、まずはお子様の才能や適性、興味・関心を知るために塾に通わせてみることも一つの方法です。

本人が行きたくない場合、勉強嫌いになるおそれがある

勉強が嫌いなお子様を、成績が悪いからと無理やり塾に入れると、かえって勉強きらいが悪化することがあります。

【対策】お子様とよく話し合い、合う塾を慎重に選ぼう
まず、なぜ塾に通ってほしいかしっかりお子様と話し合ってください。そのうえで、どうしても塾に行きたくないとお子様が言うならば、無理強いはやめましょう。通信教材、オンライン教材での家庭学習という選択肢もあります。無理やり塾に通わせても、本人のやる気がなければ続きません。
 
ただし、通信教材やオンライン教材は、親が採点をするなど、ある程度かかわる必要があります。それが難しい場合は、お友達と一緒の塾を選ぶなど、まずは成績を上げることよりも、お子様が楽しみながら通える塾を選んであげてください。

中学受験しない小学生の塾選び・4つのポイント

お子様の状況によって選ぶべき塾は変わってくる
お子様の状況によって選ぶべき塾は変わってくる

中学受験をしなくても塾通いは小学生にとって良い経験になることがおわかりいただけたのではないでしょうか。ここでは受験しない小学生はどのように塾を選ぶべきか、ポイントをお伝えします。

中学受験しない小学生の塾選び・4つのポイント

補習塾を選ぶ

中学受験しないなら、小学校の授業内容を補い、定着を目的とする「補習塾」を選びましょう

ただし、公立中高一貫校受験の可能性があるなら、そちらに対応可能な塾を選ぶとよいでしょう。公立中高一貫校対策塾は私立中学受験塾より費用も安く、公立中学への進学も見据えたカリキュラムのため無駄がありません。

なお、中学受験をしない小学生を中学受験塾に通わせることはおすすめしません。実際に、難しい勉強ができるからと、受験させる気は無いのにお子様を中学受験塾に通わせている保護者の方が時々います。周りの子たちにとって、同じクラスに受験をしない子がいるのはモチベーション上で迷惑になります。本人にとっても、勉強したところで受験できないなら意味がないため、真面目に勉強しなくなるおそれがあります。

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勉強が嫌い、苦手科目があるなどの場合は個別指導塾を選ぶ

学校のテストの点数が低く、授業内容が理解できていない様子のお子様には、集団指導塾よりも、最初は個別指導塾をおすすめします。

理由として、学校のテストの点数が悪いお子様は、つまずいているところや苦手なところが自分で分かっていない可能性が高いからです。また勉強の仕方やタスクの進め方、課題提出の大切さを知らないケースも多くみられます。

個別指導塾の場合、一人一人のお子様に合わせた指導を行ってくれます。個別指導塾で勉強に対する自信をつけさせてから、状況を見て集団指導塾に転塾するとよいでしょう。

習い事が忙しいならオンライン指導塾も一つの選択肢

社会情勢の変化により、オンライン指導塾がここ数年で増えています。時間や場所を選ばず勉強ができるため、使い方によってはとても便利です。習い事が忙しいお子さんには向いているかもしれません。

ただし、オンライン指導塾は対面指導塾と異なり、生徒への直接の指導や声掛けの面で物足りないと感じる保護者の方もいるようです。入塾前に、面談や相談サービスはあるのかなどを確認しておきましょう。

費用・通いやすさ・先生との相性などを必ず体験授業で確認する

塾を選ぶ際は、必ず体験授業を受けて授業内容や講師への印象を確認してください。体験授業の後の面談では費用や授業カリキュラム、サービス内容、自習室の有無などをたずねてみましょう。またお子様が通いやすいか、治安のよいエリアにあるか、保護者が送り迎えしやすいかなども確認しておくとよいでしょう。

その他、小学生の塾の選び方については以下の記事も参考にしてください。

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小学生が塾に通うならいつからがベスト?

めやすの時期はあるが、お子様本人がやる気になっているならいつから通ってもOK
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小学生が塾に通うなら、最適な時期はあるのでしょうか。ここではいつから通うべきか、ケースごとに説明します。

小学生が塾に通うならいつからがベスト?

成績が悪くて困っているならできるだけ早く!

お子様の学校のテストの点数が悪いなら、できるだけ早く塾を選び、通わせてあげてください。早めに対策するほど勉強への苦手意識はなくなります。

中学受験しないなら小5頃を目安にスタート

受験をせず、学校の成績も特に悪くないけれど塾に通いたい場合、小5頃を目安にするとよいでしょう。小5頃から中学の内容に直接つながる単元が増えてくるためです。

ただし、可能なら小4からをおすすめします。理由として、急に授業内容が難しいと感じる子が増えてくるのが小4の時期と言われているからです。全教科でなくても、苦手科目だけでも塾に通って復習しておくと、中学に入ってからの好スタートにつながります。

中学受験するなら小3の2月から

中学受験のカリキュラムは小3の2月スタートになっています。中学受験の内容は小学生にとって高度なため、どの塾もスパイラルなカリキュラムで定着を図っており、3年かけることが妥当と判断されているためです。

よって、中学受験を考えているなら、小3の2月より前から塾の説明会などに参加し、検討しておきましょう。それ以外の学年からスタートして合格することも不可能ではありませんが、リスクも伴うため十分に家族で相談してください。

小学生が塾に通う最適な時期については、以下の記事を参照してください。

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まとめ

この記事では小学生に塾が必要かどうかをケースごとに解説しました。

小学生は本来、基本的に家庭学習だけで十分とされています。しかし勉強に苦手意識があったり、テストの点数が良くなかったりするならば塾通いを検討した方が良いでしょう。

成績が悪くなくても塾に通うことは悪いことではありません。むしろ、お子様の適性や得意な教科、興味のある分野が分かり、将来への布石になるかもしれません。ほかにも、勉強が好きになる・学習習慣が身につくなど塾には多くのメリットがあります。お子様が塾に行きたいと言ったら、費用には気を付けながら良い塾を選んであげましょう。

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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

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