【小学生】家庭学習で勉強の習慣を身につける5つのポイント

更新日 2024.08.09
【小学生】家庭学習で勉強の習慣を身につける5つのポイント

「子どもに勉強の習慣をつけさせたい」「家では宿題以外、勉強しないので困っている」「親が言わなくても勉強する子になってほしいが、どう声かけすればいい?」とお悩みではないでしょうか。

小学生から勉強の習慣を身につけることで、将来にわたって自学自習ができる、自分に自信のもてる子になり、成績も上がりやすくなります。しかし、やみくもに「勉強しなさい!」というだけでは、子どもは逆にやる気をなくしてしまいます。勉強の習慣を確立するためには、最適な環境づくりや、親から子どもへの適切なかかわり方が大切です。

この記事では、小学生が勉強の習慣を身につけるための効果的な方法について紹介します。

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小学生のうちに身につけたい「勉強(学習)の習慣づけ」

小学6年生の約40%が、日常的な学習習慣がほとんどない
小学6年生の約40%が、日常的な学習習慣がほとんどない

ここでは小学生のうちに勉強する習慣を身につけた方がよい理由を、データをもとに考えていきます。

小学生のうちに身につけたい「勉強(学習)の習慣づけ」

【調査から見る】小学生の家庭学習の時間はどれくらい?

学習習慣(小学6年生)
学習習慣(中学3年生)

(出典)文部科学省 教育課程部会 教育課程企画特別部会(第6回) 配付資料3-2

上図は文部科学省調査資料からの抜粋です。小学6年生の約40%が、日常的な学習習慣がほとんどない(0~1時間未満)ことがわかります(平日の項目参照)。

一方、中学3年生では平日の学習時間が0~1時間未満と答えた生徒は約30%になっています。理由として中学生には定期テストがあること、調査対象の中3が受験学年であることなど、「学習のための強制力」が働くことが考えられます。

しかし見方を変えると、約3割の子どもは小学生の頃から中学生になっても、家庭学習(学校以外での学習)習慣が身につけられていないともいえます。学校以外で勉強する習慣を小学生のうちに身につけておかないと、中学3年生まで影響するのかもしれません。

勉強の習慣をつけるべき時期は?

以上から、特に高校受験・大学受験まで視野に入れるなら勉強する習慣は小学生のうちに身につけておいたほうがよいでしょう。吸収力の大きい、柔軟性のある小学生のうちに勉強を習慣づけすることで、一生使える能力となるでしょう。

塾に通ったほうがよい?

まずは家庭学習のやり方と環境を見直すことが大切です。しかし、家庭ではどうしても勉強できない場合は、塾を利用することも検討してみてください。

家庭で無理やり机に座らせて「勉強しなさい!」と親が言うばかりでは、子どもは学ぶことそのものを敬遠してしまいかねません。また学校の宿題や市販の問題集をやるだけでは「勉強はつまらない」と子どもが思い込んでしまう可能性もあります。

子どもの好奇心を刺激して「もっと知りたい・学びたい」気持ちにさせるには、家庭学習では親が工夫をする必要があります。親が働きかけることが難しいならば、学習のプロである塾を利用するのも一つの方法です。塾に行くことで、学校とは別の学びや発見も得られます。

小学生が勉強の習慣を身につける5つのポイント

勉強することがごく自然になるような、適切なアプローチや動機付けが大切
勉強することがごく自然になるような、適切なアプローチや動機付けが大切

一般的に小学生は(中学受験をする子どもを除いて)、親からの声かけなどある程度の強制力が無いと、自ら机に向かうことはまれです。小学生に学習習慣をつけさせるには、勉強することがごく自然になるような、適切なアプローチや動機付けが大切です。

ここでは家庭でできる、学習習慣を身につけるためのポイントを紹介します。

小学生が勉強の習慣を身につける5つのポイント

【ポイント1】勉強する場所を決める(アンカリング)

特定の場所や行動などをきっかけとして設定し、モチベーションの上がるプロセスを意識的に作り出すことを「アンカリング」とよびます(アンカーとは「錨」を指し、心理学では「引き金」を意味する)。

子どもにも、「さあ勉強を始めるぞ」という合図、きっかけが必要です。そのために、勉強する場所を決めましょう。「この場所に座ったら勉強する」と決めてその動きを繰り返すことで、スムーズに勉強する態勢に入れるようになります。

できれば本人の勉強机があればよいですが、なければダイニングテーブルでもかまいません。その場合は、食事をする席と勉強する席を変えておくとよいでしょう。また、玩具やゲーム、スマホやタブレットは、勉強するときは目のつかない場所に片付けておきましょう。

【ポイント2】決まった時間に、毎日続ける(ルーティン化)

アンカリングと同じで、毎日、決まった時間に繰り返すことで習慣とすることができます。歯磨きと同じで「しないと落ち着かない」状態になることが理想です(ただし、その日の体調や状況も見て、無理強いにならないように臨機応変に対応しましょう)。

【ポイント3】目標・計画を立てる(見える化)

大人も仕事の計画を立て、何をいつまでにすべきか内容を可視化させるように、子どもにも「いつまでにこれをやる」というふうに、やるべきことを「見える化」してあげましょう。例えば、いつごろどの問題をやるか記載されている問題集や通信教材などを使うと手間が省けます。

ただし計画通りに進められないとストレスになるケースもあります。無理のない範囲で目標を立ててあげましょう。

【ポイント4】一教科(一回)の時間は短めに、目標達成で切り上げる(マイルストーン設定)

ポイント3は長期的な計画でしたが、それとは別に短いスパンの目標を立てます。具体的には「毎日20分がんばる」「この問題を5問解く」などです。少しだけ頑張った先にある目標(マイルストーン)をクリアすることで、子どもに自信がつくでしょう。このとき、きちんとやり遂げたことを十分褒めてあげてください。

また、勉強時間は少し短めに区切りましょう。子どもの集中力は長く続きません。低学年なら1科目あたり10分程度×教科数など、短く区切り、休憩も取ってあげてください。タイマーをかけて、アラームが鳴ったら終わるようにするとよいでしょう。

【ポイント5】親も勉強する姿勢を見せる(ロールモデル設定)

子どもに「勉強しなさい!」「なぜこんな問題も解けないの」というのは逆効果です。子どもは周りの環境、周りにいる人たちの影響を受け、様子を見て真似して育っていきます。子どもに自主的に勉強させるには、子どもの手本(ロールモデル)となるよう、親自身も学ぶ姿勢を見せることが効果的です。

例えば、子どもが勉強している題は、お母さんも一緒に資格試験の勉強をしたり、日頃忙しくて読めない本を読んでみたりしてはいかがでしょうか。子どもも安心して勉強に集中できるでしょう。

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親が「学習の習慣づけ」をサポートする際の6つの注意点

勉強を無理強いすることや、親の自己流で教えるのはやめましょう
勉強を無理強いすることや、親の自己流で教えるのはやめましょう

どんなに学習するための良い環境を整えても、親の不適切な言葉一つで子どもはやる気を失ってしまいがちです。ここでは親が小学生の家庭学習をサポートする際の注意点を解説します。

親が「学習の習慣づけ」をサポートする際の6つの注意点

(1)親の都合でルール変更しない

先ほど紹介した「目標設定」が達成された後に、「じゃあもう少しやってみようか!」と親の都合で勉強時間を増やしてはいけません。子どもは「せっかくがんばったのに、結局まだやらされる」とやる気をなくし、親の言葉を信用しなくなってしまいます。

達成感を与え、親は約束を守ってくれると子どもに信頼させるためにも、最初に決めた目標が終わったら切り上げて好きなことをさせてあげましょう。

(2)「過程」「努力」「勉強した事実」を褒める

心理学者のドゥエックはその研究の中で、結果を褒めた場合と過程を褒めた場合、子どもにどのような影響が表れるかを示しています。テストで「良い点を取れたこと=結果」を褒められた子どもは、自分の能力が否定されないよう同じ問題、知っていることだけを繰り返すようになりました。

一方、「努力したこと=過程」を褒められた子は新しい問題や難しい問題にも果敢にチャレンジするようになったそうです。

このように、子どもは「頑張ったこと」を褒めてあげたほうが、その後の成長が望めます。家で勉強したことを褒めるときには問題の解答がどれだけ合っていたかではなく、きちんと勉強したこと、頑張って考えて問題を解いたことを褒めてあげてください。

(3)規則正しい生活と食事、運動を心がける

学習習慣をつけるためには、生活習慣を整えることが第一です。十分な睡眠、栄養のある食事を適切な時間にとる規則正しい生活リズムを作ってあげましょう。

子どもは基本的に大人より活動量は多いですが、コロナ禍もあり運動が難しいケースもあります。適度な運動は体の血流を良くして脳を活性化させます。適度に体を動かすように一緒に遊んだり、家で体操をしたり、散歩や買い物に出かけたりして定期的に体を動かす機会を作ってあげてください。水泳やサッカーなどの習い事ももちろん良いでしょう。

テレビやスマホ、タブレットを見るのは夜の何時まで、という約束事もしておくとよいでしょう。ブルーライトにより質の良い睡眠が妨げられるからです。

(4)勉強だけでなく色々なことをさせる

「問題を解く勉強」も大切ですが、さまざまな実体験、経験はもっと大切です。小学生、特に低学年のうちは、無理やり勉強ばかりさせるのではなく、五感を使った体験をさせてあげてください。

中学受験の入試問題は近年、詰め込み型の知識だけでは対応できない問題が増えているのはご存じでしょうか。公立中高一貫校の適性検査では元々その傾向(総合型問題)がありましたが、最近は私立最難関中学などでも増えています。

また大学入試でもこの傾向があります。例えば信州大学の「総合型選抜」では、教科を分けない複合的な知力、思考力、問題発見力、判断力、表現力をはかる問題形式になっています。子どもの頃からさまざまな体験をさせることで、これらの問題にも対応できる、偏らない教養や知力が身につくでしょう。

(参考)信州大学「学部入試に関するFAQ

(5)難しすぎる教材を使わず段階をふむ

先に紹介したように、挑戦する意欲を育てるためには過程を褒めることが重要です。しかし難しすぎる課題を与えると子どもはやりきる前に挫折してしまいます。努力によりステップアップできる、少しだけ難しい課題を与えるようにして、難しすぎるものは避けましょう(もちろん、本人がやりたがる場合は与えてかまいません。できなかったときは少し段階を戻して、再度チャレンジするように励ましてあげてくださいね)。

(6)無理強いしない・自己流で教えない

小学生のうちは復習中心の学習をおすすめします。子どもが好きなら、習っていないことの予習や先取り学習は問題ありませんが、親が無理強いすることや、親の自己流で教えるのはやめましょう。特に、小学生の算数を解くのに中学以上の「数学」の解法を教えることは厳禁です。小学生ならではの思考力やひらめきを奪ってしまうことになります。

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家庭学習が難しい時は塾を検討しよう

学習習慣を身に付けさせるために塾に通うという選択肢もある
学習習慣を身に付けさせるために塾に通うという選択肢もある

家庭で勉強の習慣を継続することは、誰にとっても難しいです。特にご夫婦そろって仕事をしている場合などは、子どもとかかわる時間もどうしても限られてきます。

「子どもによい学習環境を与えたいが家庭では無理」だと思ったら、塾も検討してみてください。塾に行くことで学習習慣が身につき、新しいことを学ぶ面白さも知ることができます。また「勉強は塾でしっかりやって、家では好きなことをしてリラックスする」というメリハリもつけることができます。

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ところで、最初に紹介したデータとは別の文科省資料において、中学生の約7割が塾に通っているという結果が出ています。「塾に通っていない割合」と「学校以外で勉強しないと回答した割合」がほぼ重なることから(調査年度等が異なるため一概には言えませんが)、学校以外で勉強している中学生の多くが塾を利用しているのではないかと推測できます。

小学生よりも勉強の必要性を理解している中学生でも、塾を利用して勉強する時間を確保しています。小学生だからと家庭学習にこだわることなく、塾を利用してみることは十分効果の見込める方法です。塾を検討する際は「塾探しの窓口」など、比較検討できるサイトを利用すると、条件に合った塾を簡単に見つけることができます。

まとめ

この記事では、小学生の勉強習慣、家庭学習の習慣のつけ方について、具体的な方法や子どもへのアプローチの手法について紹介しました。

子どもに勉強する習慣をつけさせるためには、小学生のうちから始めることが大切です。小学生のうちにつけた学習習慣は中学生以上まで維持できる可能性が高いと考えられます。

また、家庭で勉強の習慣づけをするには、環境を整えてあげるとともに、親が適切にかかわってあげる必要があります。

勉強の習慣をつけるための環境づくりや習慣の継続は、実は大人でも難しいことです。家にいると誘惑が多く、ついつい遊んでしまうことになりかねません。どうしても家で勉強する環境が整えられない場合は、学習のプロである塾を検討してみてください。塾で新しい刺激を受けて、子どもはより成長することも期待できます。

「子どもに合う塾がわからない」「どんな塾があるのか、どこを選べばよいかわからない」という場合は、ぜひ「塾探しの窓口」をお使いください。「塾探しの窓口」では地域やタイプごとにさまざまな塾が選べます。資料を取り寄せたら、無料体験授業を受けてみましょう。お子さまが興味をもって行きたいと思える塾がきっと見つかります。「塾探しの窓口」を上手に使って、勉強の習慣が身につく、お子さまにぴったりの塾と出会ってくださいね。

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塾探しの窓口編集部

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