小学生の塾費用は年間30万~50万円程度!間接的な出費にも要注意

更新日 2025.10.03
小学生の塾費用は年間30万~50万円程度!間接的な出費にも要注意。お子さまの塾選びをサポートする【塾探しの窓口】が、全国の保護者に独自調査

お子さまの塾選びをサポートする【塾探しの窓口】が、全国の保護者に独自調査

物価高から支出が増え続ける昨今、教育費とはいえ支出を極力減らしたいと考える保護者の方も多いのではないでしょうか。一方で、塾側は費用を非公表とするケースも多く、塾の費用相場が事前に分かりにくいとの声も聞かれます。実際、どのような項目に、どの程度の費用がかかるのでしょうか。

本調査では、小学生の通塾に注目し、塾に必要な費用や内訳を具体的にリサーチしました。その結果、想定していた以上に費用がかかった項目や、中学受験と費用の相関性も見えてきました。

お子さんの教育資金計画を立て、最適でコスパの良い教育を用意するヒントにお役立てください。

〈調査概要〉
調査対象:子どもを持つ全国の保護者(30代~50代・男女)
調査実施期間:2025年9月
有効回答数:522
調査方法:インターネットを通じたアンケート調査

※本調査では、2人以上の子どもを持つ保護者には、子どもそれぞれに関して回答してもらっています。また、複数回答可の設問もあります。そのため、数値の合計が100%にならない場合があります。

【結果概要】塾で「予想以上に費用がかかった項目」は、季節講習が最多!

【塾探しの窓口】小学生の保護者が「予想以上にかかった」と感じる塾の費用は?

当初の予想以上に費用がかかる項目があると、教育費のマネープランが立てにくくなります。実際、予想以上に必要となる出費はあるのでしょうか。

アンケートでは、小学生の子どもに塾を利用させた保護者に対し、「予想以上に費用がかかった」と感じる費用項目について回答を得ました。結果は、下表のとおりです。

順位費用項目回答率
1季節講習費52.4%
2授業料37.8%
3特別講習費30.7%
4教材費21.7%
5入会金18.9%

季節講習費は、学校が長期休みになる春・夏・冬に行われる期間限定の授業です。カリキュラムの一環として受講必須とする塾が多く、前学期の復習や苦手教科・単元の克服などに取り組みます。費用は月謝とは別に請求され、数万円~数十万円が相場です。

多くの塾は入塾時に季節講習について説明しますが、具体的な金額は受講申し込みまでわからないケースがほとんどです。授業回数によって料金が変動する塾も多く、申し込み段階にならないと料金を確定させられないという事情もあります。

ただ、保護者にとっては通常の月謝とは別に高額の講習費が請求されることとなり、「予想外」と感じざるをえない人が多いと思われます。「入塾面談は説明が多く、季節講習の話題まで把握しきれなかった」との声からは、わかってはいたが、いざそのタイミングになるまでは忘れている、といった実情が垣間見られます。

「予想以上に費用がかかった」と感じる費用項目2位には、授業料がランクインしました。授業料が「予想以上にかかった」と感じる要因は、いくつか考えられます。

◎ 広告やホームページに掲載されている料金と乖離があった
◎ 授業料に諸費用が加算され、引き落とし額が大きくなった
◎ 進級や月謝改定などにより、授業料が増額された

一般的に、塾の広告やホームページに紹介される授業料は、最安のものであることが多いようです。一方、実際には学年や指導内容によって料金は変動します。「思っていた金額より高い」との感想は、こうした塾特有のシステムに起因します。

3位の特別講習費は、テスト対策や受験直前対策などを指します。成績アップや合格のために通常授業と別日程で実施される授業で、実践的な内容に取り組む性質から、高額になりやすいと考えられます。また、教材費は授業料等とは別にかかります。期ごとに加算されるケースも多く、想定外との感想につながりやすいようです。

6位以下には、模試受験料(14.6%)、管理費・諸経費(9.8%)などが続きました。

塾の費用は、月謝(授業料)ばかりに目がいきがちです。しかし、実際には授業料以外にも、多様な費用がかかります。塾の料金体系は非公表であることも多く、複雑になりやすいのも問題点ではあるでしょう。

「予想以上にかかった」という後悔を避けるため、入塾前に費用項目の開示を求める姿勢が重要です。費用を決めにくい季節講習費も、一般的な相場を聞くだけでも参考になります。

なお、小学生の通塾で1年間にかかる費用の相場は、後ほど詳しく解説します。

調査結果の要点

都市部を中心に中学受験熱が高まっている世相を受け、本調査では中学受験の有無による塾費用の差についてもリサーチしました。調査からわかったポイントを3つ、詳しく解説します。

■ 塾にかかった費用は中学受験の有無で大きく変わる

【塾探しの窓口】小学生の1年間にかかった塾費用の最大金額

アンケートでは、中学受験の有無によって塾にかかる費用に違いがみられるか、調査しました。全回答者のうち、子どもに中学受験をさせた(予定を含む)保護者は20.1%、中学受験していない(予定がない)保護者は79.6%、その他が0.3%です。

塾を利用した経験がある保護者が、1年間に塾に支出した最大額を中学受験の有無に分けてまとめた結果が、下表です。

費用帯(年間)中学受験なし中学受験あり
~10万円13.5%11.1%
~30万円27.0%15.6%
~50万円19.0%24.4%
~80万円9.8%15.6%
~100万円4.9%20.0%
~150万円6.1%8.9%
~200万円0.0%7.8%
~300万円0.6%3.3%
それ以上0.0%0.0%
わからない・その他22.7%7.8%

中学受験していない(予定がない)家庭で最多の解答は、年間支出10万円以上30万円未満でした。次いで50万円までとの回答が多く、以降の金額は回答率1桁台となっています。

一方で、中学受験をさせた(予定を含む)家庭での最多回答は、年間支出50万円まで、というものです。そして、100万円以上までという回答が続きます。ここが、注目したいポイントです。中学受験していない(予定がない)家庭と比べて、中学受験をさせた(予定を含む)家庭は、年間100万円以上を塾に支払うケースが多いとわかります。

中学受験の世界では、「小6の1年間に300万以上かかる」といったうわさも、飛び交うようです。今回の調査では、300万円以上を塾に支払ったとの回答はありませんでしたが、300万円までの金額を支払ったとの回答は少ないながらも見られました。

中学受験のために塾に通うと、受験目的以外の通塾と比べて相当に支出が増えることは、確かなようです。お子さんの受験を検討する際は、受験まで塾の費用を支払い続けられるかどうかも、慎重に検討したほうが良いでしょう。

■小学生の通塾率は受験の有無によって差が大きい

「費用が相当にかかるなら、塾なしで中学受験をさせれば良いのでは」と考えたくなるかもしれません。しかし、アンケートからは、中学受験した(予定を含む)の小学生は、大半が塾を利用している事実もわかりました。

◎ 中学受験はしない(予定を含む)小学生の通塾率:21.8%
◎ 中学受験した(予定を含む)小学生の通塾率:75.7%

このことから、多くの小学生は塾のサポートを得つつ、受験に挑戦しようとしているとわかります。

近年は中学受験をする家庭が増え、競争も激化しています。第一志望校合格を勝ち取るには、専門的知見に立脚した戦略や計画が不可欠ともいえます。多くのライバルが塾とともに合格をめざす中、塾に通わず自力で受験を戦い抜くのは、困難な選択といって良いでしょう。

なお、中学受験をせずに公立中学に進学した場合は、3年後に高校受験が待ち受けます。参考までに、高校受験に向けて塾を利用する生徒が多いと考えられる中学生の通塾率は、本調査によると53.8%でした。

■中学受験のために通塾する場合は、間接的にかかる費用にも注意

【塾探しの窓口】小学生の通塾では、「間接的にかかる費用項目」にも要注意!

冒頭で解説した、通塾に際して「予想以上に費用がかかった項目」の調査結果について、さらに深い分析結果を紹介します。それは、中学受験のために塾に通う場合、間接的な費用が思いがけずかかる可能性がある、ということです。ここでいう間接的な費用とは、塾に関連する支出ではあるものの、塾に支払う費用項目ではないものをさします。具体的には、子どもの交通費や食費・雑費、送迎費用(ガソリン代、駐車場代)などです。

下表は、代表的な3つの間接的費用が「予想以上にかかった」と回答した保護者の割合です。

費用項目中学受験なし中学受験あり
子どもの交通費3.1%15.6%
子どもの食費・雑費4.3%10.0%
送迎にかかる費用3.7%13.3%

中学合格をめざして塾を利用する場合、評判が良く、実績が高い塾があれば、多少遠方でも通わせたいと思うのが親心なのでしょう。実際、都市部では小学生が一人で電車に乗り、学校帰りに遠方の塾に通う姿もよく見られます。

塾までの距離が長くなれば、子どもの交通費や送迎費用も比例してかかります。また、遅い帰宅時間を心配し、夕食や軽食を持たせれば、その費用も必要です。こうした交通費や食費、送迎費用などは、塾に入る当初は思い至らない要素ではないでしょうか。入塾し、通塾が始まってから初めて必要に迫られ、その結果「予想以上にかかった」と感じたとの回答が増える展開につながると考えられます。

塾探しの窓口が行った別の調査では、塾選びで多くの保護者が重視する項目は「立地」であるとわかっています。中学受験以外の目的で塾に通わせる場合なら、自宅や学校付近の立地が良い塾も候補となりやすく、間接的な費用があまりかからずに済んでいるものと思われます。

総括

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・本調査ページ(https://jyukumado.jp/column/250)へのリンク設置
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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

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