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欠席日数の多い中学生は高校受験で不利になる?対策も解説

「欠席日数が多いと、高校入試で不利」と耳にした経験がある親御さんも多いかもしれません。では、何日以上欠席すると不利になるのでしょうか?
この記事では欠席日数が多い中学生が、高校入試までに知っておきたいポイントを解説します。高校ごとの欠席日数の扱い方や、欠席日数が多くても進学しやすい高校なども解説しました。
お子さんの高校受験を成功させるヒントとして、ご活用ください。
(1) 欠席日数が多いと高校受験で合否判定に影響する
欠席日数が一定を超えると、高校受験で合否判定に影響する場合があります。「審議対象になる」とも言われます。
「審議対象になる」とは、高校側がその生徒を合格(入学)させるか否か、審議する対象になるということです。例えば、筆記試験が合格点を超えていても、「評定に1がある」場合は審議対象になると言われています。同じように、内申書に書かれた中学の欠席日数に対しても各学校で判定基準があり、場合によっては不合格になるかもしれないということです。日数だけでなく欠席の理由によっても、不利になるかもしれません。
対象となる欠席日数は、一般的には中学3年間で30日程度と言われています。1年間で平均10日程度ということになります(ただし、欠席は1日から内申点の減点対象になる学校もあります。逆に、皆勤は加点となります)。
10日程度としましたが、厳密にいえば中学や高校ごとに判断は異なります。「年間10日程度の欠席日数」というのは、あくまでも「大きく減点されない最低ボーダー」と考えてください。
なお、私立高校の推薦入試における欠席日数上限例については、具体的な例を次の章で紹介しています。
このように、高校入試において欠席日数が多いと不利になるため、欠席に正当な理由がある場合は、高校受験出願時に申請しましょう。一般的に「不登校枠」と呼ばれる措置を利用するのがおすすめです。
高校受験の「不登校枠」とは?
高校受験の不登校枠とは、不登校生に配慮した選考方法です。「枠」と呼ばれますが、不登校生に対して定員を別に設けるわけではありません。
「欠席に関する記録を見ない」「欠席理由を十分考慮する」などの特別措置を講じ、できるだけ不利にならないよう合否判定を受けられる選考を指します。
引用:長期欠席者等にかかる選抜方法について|愛知県教育委員会
引用:令和5年度一般入学者選抜募集要項|千葉県教育委員会
(2) 中学での欠席日数の扱いは自治体・高校により異なる
不登校枠などの特別措置を講じるケースも増えていますが、高校受験における欠席日数の扱い方は自治体(教育委員会)や高校に委ねられています。
とくに私立高校は欠席日数を厳しく審査する傾向があるため、欠席日数が多い中学生は厳しい受験となる可能性があります。
志望校が欠席日数をどのように扱うか、事前にチェックしておきましょう。次の章では、高校受験で欠席日数がどのように扱われるか概要を解説します。
高校受験における中学欠席日数の扱い方

高校受験での欠席日数の扱い方は、どのように定められているのでしょうか。ここでは一般的な例を解説します。
(2) 私立高校
私立高校は、学校ごとに欠席日数の扱い方を定めます。
推薦入試では、欠席日数の上限を出願条件とする高校も少なくありません。以下は私立高校の欠席日数基準の一例です。
高校名 | 日程 | 基準 |
---|---|---|
早稲田実業高校 | 推薦入試 | 各学年における欠席日数が原則として7日以内 の者で、欠席理由の明確な者。 |
明治大学付属明治高校 | 推薦入試 | 中学校入学後の欠席日数の合計が15日以内の者。 |
二松学舎大学附属高校 | 推薦入試 | 中学校3年間の欠席合計20日以内、 遅刻合計20回以内、早退合計20回以内の者。 |
※ 2023年度(令和5年度)入試募集要項より
一般入試では欠席日数について言及しない高校も見られます。
(3) 調査書にかかれる内容によっても状況は変わる
高校側は調査書の欠席に関する項目を見て、生徒の状況を把握します。調査書に「何が書かれているか」を知っておくことは、受験に関わる重要ポイントです。
調査書に欠席日数がどのようにかかれるか、2つの点をチェックしておきましょう。
「保健室に来れば出席」とする中学なら、保健室登校ができれば欠席日数は少なくなります。
◎ 調査書記載対象の学年を確認する
調査書に記録される学年が「中3のみ」という場合もある。中1・2で欠席が多くても中3で登校できていれば影響は少ない。
調査書の記載内容については、担任の先生に問い合わせるのが確実です。また調査書に記載される学年は、教育委員会ホームページや学校の募集要項で確認できます。
欠席日数が多くても合格できる志望校の選び方

欠席日数が多い中学生でも合格しやすい高校を見つける方法を解説します。
1.欠席日数ボーダーを調べる
2.調査書と学力検査の比率を調べる
3.学力検査で十分に得点する
以上の3つの手順で進めましょう。要点を詳しく解説します。
(1) 教育委員会・高校ごとの欠席日数ボーダーを確認する
まず欠席日数ボーダー、つまり「欠席が何日あると入試に影響を与えるか」を募集要項で確認しましょう。不明な場合は、学校の先生に問い合わせるとわかります。
一般的に、公立高校は3年間の欠席日数が30日を超えると審議対象となると言われます(都道府県により異なる)。私立高校は学校によって異なります。
(2) 学力検査結果を重視する高校を志望校とする
欠席日数が多いお子さんは、残念ながら調査書の評価(内申点)が期待できません。調査書点を重視して合否判定する高校を選ぶのは、進んで不利になりにいくようなものです。
調査書より、当日の学力検査結果を重視する高校を選ぶようにしましょう。
合否判定における調査書と学力検査の評価比率は、募集要項で調べられます。例として、大阪府公立高校入試の合格者選抜方法を紹介します。
引用:一般入学者選抜方法について|大阪府教育委員会
タイプI・IIは、調査書倍率が1倍以下です。つまりタイプI・IIの高校は、調査書よりも学力検査結果を重視します。反対にタイプIV・Vの高校は調査書を重視するため、欠席日数が多いお子さんには向いていないとわかります。
(3) 学力検査で圧倒的な点数をとる
調査書より学力検査結果を重視する高校を見つけても、調査書がまったく評価されないわけではありません。調査書が合否に多少なりとも影響を与える以上、学力検査で圧倒的な結果を出すことが大切です。
学力検査結果がボーダーライン(合格・不合格が分かれる得点)ぎりぎりの生徒に関して、高校は調査書を比較し合否を決めます。反対に、ボーダーラインを大きく上回る得点を出した生徒は、調査書を慎重にチェックされることはほぼありません。
欠席日数が心配な受験生は、平均点で50~80点以上、偏差値で5~10以上プラスの結果を出せるよう頑張りましょう。
(2) 保健室登校やフリースクールを活用する
クラスの授業や行事への参加が難しければ、保健室登校ができないか考えてみましょう。保健室に来ていれば「登校」とカウントしてもらえる場合があります。
またフリースクールの活用もおすすめです。フリースクールとは不登校の生徒が学校の代わりに通える施設で、民間団体が運営しています。義務教育期間はフリースクールへの登校を「出席」としてもらえる場合があります。
◎ フリースクールの一例(中学生対応)
スクール名 | 所在地 | 特徴 |
---|---|---|
東京未来大学みらいフリースクール | 都内に2校(綾瀬・六町) | ・週1日から受け入れ ・学習指導も可能 ・設備が充実 |
八洲学園中等部 | 東京都3校・神奈川県1校・ 大阪府3校・兵庫県1校 | ・入学金・授業料不要 ・高等部教職員が指導 ・中学復帰を目指す |
フリースクール ゆうがく | 都内1校(代々木) | ・独自の行事が豊富 ・検定取得指導も可能 ・カウンセラーが常駐 |
※ 2023年8月時点の情報です
保健室登校やフリースクールの利用が出席として認められるかどうかは、所属する中学校によって異なります。まずは担任の先生に相談してみましょう。
(3) 定期テストは必ず受ける
学校を休みがちだったとしても、定期テストだけは受けましょう。教室で受けるのが難しい場合は、担任の先生に相談し保健室などで受けられるようお願いしてみてください。
定期テストを受けないと、成績が「1」になるおそれがあります。高校入試で審議対象になる項目が増え、さらに不利になってしまいます。
少しでも得点しておけば「1」を回避できる可能性が高まります。定期テストはしっかり受け、「1」以外の成績を確保しましょう。
(5) 意欲ある態度を見せる
学校に行けた日は、授業や活動に意欲的に参加する姿を見せられるよう意識しましょう。調査書には日々の行動について記録する欄もあるためです。出席日数が少なくても、主体的に取り組む姿を見せられれば、特筆してもらえる可能性があります。
挨拶や掃除、部活動、授業中の発言などは意欲を示しやすいポイントです。
(6) 担任とこまめに相談する(主に保護者の方)
不登校や欠席日数が多いお子さんは、担任の先生とこまめに状況を共有しておくことが大切です。登校しなければ担任はお子さんの様子を把握できず、必要なサポートができなかったり、調査書に書く内容に困ったりしてしまいます。
お子さんの様子や気持ち、将来の意向など、できるかぎり伝えておきましょう。
<参考>「不登校」とされるのは「年間欠席30日以上(3年間で90日以上)」から
文部科学省では、病気・経済的理由以外での欠席が年間30日を超えると「不登校」と定義しています。
引用:不登校への対応について|文部科学省
近年、不登校生の数は増え続けています(中学生:全国で12万7千人以上)。一度欠席が続くと、長期化しやすい傾向があるのも特徴です。
引用:文部科学省における不登校児童生徒への支援施策|令和3年10月6日 不登校に関する調査研究協力者会議資料
不登校生に対しては、近年、教育機会を確保する施策がさまざまに講じられています。塾での学習を登校とみなす制度なども文科省通達で始まっています。欠席日数が予想外に多くなってしまったからと悲観せず、学校の担任の先生や塾に相談することをおすすめします。
(資料)文部科学省「義務教育段階の不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」
欠席日数が多い中学生でも受けやすい高校の例

欠席日数が多い中学生でも受けやすいのは、どのような高校でしょうか。通信制や定時制のほか、全日制高校に合格する秘訣も解説します。
(2) 通信制高校
通信制高校は、自宅学習がメインの教育を受けられる高校です。オンラインや郵便、FAXなどを利用し、課題に取り組みます。学校に行くのは、年に数回のスクーリング時だけです。また近年は、実際に通える校舎がある通信制高校や、修学旅行や体育祭などの行事が充実している学校もあります。
不登校や高校中退者の進学先として選択されるケースが多く見られます。入学試験は面接などが課されますが、不合格になることはほぼありません。
学校法人角川ドワンゴ学園が運営するN高校・S高校のように、先進的な取り組みで注目を集める学校もあります。
欠席日数が多い中学生におすすめの個別指導塾5選

個別指導塾は、生徒個々のニーズに合わせた指導を提供します。欠席した分の学習を補完し、個性に合う高校選びと受験サポートも得意です。塾を利用して学力を十分に伸ばしておけば、自信をもって高校受験に臨めるのではないでしょうか。
ここからは受験に向けて、欠席日数が気になる中学生におすすめの個別指導塾を、厳選して5塾紹介します。
個別教室のトライ
個別教室のトライは、生徒一人ひとり全員に、マンツーマンで授業を実践します。マンツーマンだからこそ、授業のペースや学び方、扱う単元、順番なども自由に決められます。教室には教育と受験のプロである教育プランナー「トライさん」が常駐。あらゆるニーズを踏まえた、学習計画を立案してもらえます。
不登校生への手厚いサポートも、トライが得意とするところ。カウンセラー資格を持つスタッフへの相談も可能です。勉強や受験の不安を何でも相談できる、心のよりどころとしても、個別教室のトライを活用してください。
トライのオンライン個別指導塾は、トライ品質の指導を自宅で受講できるオンラインサービスです。きめ細やかなマンツーマン指導を、パソコン・タブレット等を介し、都合の良い時間帯に受講できます。
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東京個別指導学院・関西個別指導学院
東京個別指導学院・関西個別指導学院は、教育大手・ベネッセのグループ塾です。ベネッセグループが持つ情報をフル活用した指導が得意で、「欠席日数が多い場合」「不登校気味の場合」といったケースに合わせ、すべき対策を教えてもらえます。
学習指導では、理解のプロセスを大切にしている点が特徴。単なる暗記やこじつけではない、「なぜそうなるのか」という流れを重視した授業が展開されます。学校の授業を休んでいても、東京個別指導学院・関西個別指導学院の授業でしっかり、理解していけるはずです。
テストや受験に合わせた対策や、苦手克服のための個別計画など、必要に応じて柔軟にサポートしてくれる点も、心強いポイント。受験突破の力強い味方になってくれます。
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個別指導WAM
個別指導WAMは、悩みが多い中学生の年ごろに寄り添い、共感しながら、前を向けるようサポートする塾です。プロや難関大生など、指導力に長けた講師が、生徒の目標と現状を丁寧に確認し、無理なく進める計画を策定。時には勉強や受験の相談、メンタルの相談にも耳を傾けながら、一歩一歩の前進を応援します。
欠席が多い期間のテスト対策も、個別指導WAMなら安心!通常授業とは別日程で実施されるテスト対策で、5教科の学習が可能です。
オンライン家庭教師WAMは、リーズナブルな受講料で人気の、オンライン指導サービスです。自宅で受講でき、対面指導より時間の融通がききやすいと人気を集めています。
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代々木個別指導学院
代々木個別指導学院は、生徒自身の「どうしたいか」という思いを大切にしながら、熱心に指導する塾です。「めんどうみのよさ」「個性と自主性を育てる」という方針で運営されており、気さくな講師陣が、いつでも親身に相談に乗ります。
授業は、「キミ専用カリキュラム」と呼ばれる計画に沿って、進みます。何を・いつまでに・どのレベルにするかを細かく定めた計画で、一人ひとりにオーダーメイド。現状を踏まえて策定するため、無理なく目標まで歩んでいけるでしょう。
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ナビ個別指導学院
ナビ個別指導学院は、褒める指導で生徒の自信を育てる塾です。的確に褒められるよう、講師は「褒めスキル」を伸ばす研修を受講。生徒の小さな頑張りもつぶさに見つけ、言葉にして褒めます。はじめは照れくさくて苦笑いしていた生徒も、徐々に自己肯定感を高め、やる気と自信にあふれた姿に変化するのが、ナビ個別指導学院お馴染みの光景です。
授業の度に、講師と教室長が連携して生徒の状況を共有し、改善策をまとめ、実行します。1人の生徒を、講師と教室長という2人の目で見守るため、様子の変化にもいち早く気づけ、適切なサポートを提供できます。
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まとめ
この記事では、高校受験に影響する欠席日数について解説しました。
都道府県により異なりますが、年間の欠席日数が10日を超えると高校入試に影響を与えると言われています。また私立高校の中には、出願基準に欠席日数を指定する学校もあります。
欠席日数が多い場合、高校入試で有利にはたらくことはありません。できるだけ不利にならないように、早めに対策しておきましょう。
学校にいけないお子さんは、学力面でも受験が心配になるはずです。「学校へは行けないが塾なら行ける」というお子さんも多いため、学習の不足は塾で補うことを検討しても良いでしょう。最近は塾での学びも学校の授業と同じようにカウントしてくれるケースもあります。欠席日数が多くなってしまっていても、焦らず、あきらめず、対策を考え行動してください。
欠席日数が多くなった場合や、不登校のお子様の学びが心配なご家庭には学習塾の利用をおすすめします。塾を見つけるには「塾探しの窓口」をご利用ください。学年と地域を選択するだけで、評判の良い塾を見つけられます。
欠席日数のお悩みが解消でき、高校受験のサポートができる、お子様の状況にぴったりの塾を「塾探しの窓口」で見つけてくださいね。


