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【中学英語】to不定詞とは?3つの用法の見分け方と練習問題を解説
to不定詞は、英語の基本的な文法の一つであり、重要な要素の一つです。
to不定詞を苦手としている中学生は少なくありません。to不定詞をきちんと理解することで、英語の文法や長文読解のハードルが下がり、高校受験対策もスムーズに進めることができます。
ここではおもにto不定詞について、3つの用法(名詞的用法・形容詞的用法・副詞的用法)の違いなどを、例文や練習問題を使いながら詳しく解説します。
to不定詞とは
英語における不定詞には、”to”と動詞の原形から構成される「to不定詞」と、動詞の原形のままの「原形不定詞」があります。特に中学で習う重要な不定詞は「to不定詞」です。
動詞は、主語や時制によって形を変えますが、このような影響を受けない動詞の用法を「制限を受けないもの、定まらないもの」=「不定詞(英語ではInfinitives)」としています。toがつくものをto不定詞、そのままの形のものを原形不定詞といいます。
「I can go. / I want to go. における go,to go のように人称・数・時制・法などの限定を受けない動詞形; to のつくものを to‐infinitive (to 付き不定詞), to のつかないものを bare [root] infinitive (原形不定詞)という.」
weblio英和辞典・和英辞典
to不定詞の形
to不定詞は、動詞の原形の前にtoを付けた形で表されます。形は同じですが、文の中で名詞、形容詞、副詞など、様々な役割を持つことができます。
(例)I want to play soccer.
この文では、”to eat”というto不定詞が「(サッカーを)すること(を)」と名詞のような意味になり、これは動詞”want”の目的語になります。
詳しくは「名詞的用法」「形容詞的用法」「副詞的用法」、それぞれの用法の章でのちほど解説します。
to不定詞の名詞的用法
to不定詞のうち、名詞のような働きをするものがあり、その働きを「名詞的用法」と呼びます。
日本語で考えてみましょう。「動く」だと動詞ですが「動くこと」と「こと」を後ろにつけると、名詞の扱いになりますよね。これと同じように、不定詞の名詞的用法は、中学英語ではほとんどの場合「~(する)こと」と訳します。
(例1)I want to play tennis.
この「want to~」を使った文は、小学校の英語で「~したい」と学んだのを覚えている人もいるかもしれません。そのためなのか、「『~すること』になっていないので、名詞ではないのでは?」と質問してくる生徒がときどきいます。
この文を直訳すると「テニスをすることを望む」となりますね。それを自然な日本語にして「テニスがしたい」と訳しているだけなので、不定詞の用法としては名詞的用法となります。
以下に、to不定詞の名詞的用法を使った文のパターンを紹介します。
(例2)To study is important.(勉強することは大切です。)
(例3)She likes to read books.(彼女は本を読むことが好きです。)
(例4)Her dream is to be a doctor.(彼女の夢は医者になることです。)
(例5*)It is important to study.(勉強することは大切です。)
例5は、例3を、形式主語Itを使った構文にしたもので意味は同じです。この構文ではItがto不定詞以下を指しています。高校受験でよく出る問題ですので覚えておきましょう。
to不定詞の形容詞的用法
形容詞のような働きをするto不定詞です。
形容詞は日本語でも英語でも、主に名詞を修飾する品詞です。例えば「あれは大きい車です。」の「大きい」は「車」という名詞を修飾(=詳しく説明)しているので、形容詞です。(That is a big car.)
「~するための」「~すべき」と訳せることが多いのがto不定詞の形容詞的用法です。
いくつか例文を見てみましょう。
(例1)I need a pen to write with.(書くためのペンが必要です。)
“to write with” は、名詞 “pen” を修飾する形容詞的なto不定詞です。「書くための」と訳せます。
※withは「それを使って」という意味でwriteとセットで使われてイディオムになっている
(例2)I can bring for you something to drink.(あなたに飲み物を何か持ってこれます。)
直訳すると「飲むための何かを持ってくることができる」となります。
この「something to +原形不定詞」は、不定詞の形容詞的用法の代表的なフレーズです。覚えておきましょう。
(例3)She bought a dress to wear to the party.(彼女はパーティーに着ていくためのドレスを買った。)
※to the party は前置詞句
to不定詞の副詞的用法
副詞のような働きをするto不定詞を「副詞的用法」といいます。
副詞とは、主に動詞や形容詞を修飾する役割を持っています。日本語で考えるとわかりやすいこともあります。
小学校で学んだ”run fast”や”cook well”の、動詞の後ろについている単語は副詞です。「速く走る」「上手に料理する」と、それぞれ「走る」「料理する」を修飾していますね。
ほかに小学校で学んだ副詞の代表的なものに、頻度を表す語があります。
”I sometimes play video games.”(私はときどきテレビゲームで遊ぶ)では、sometimesが副詞で、「遊ぶ」を修飾しています。
中学英語で扱われる副詞も、この2つを最初に覚えましょう。
さて、不定詞の副詞的用法は、「目的」を表すものと「理由・原因」を表すもの、「結果」を表すものの大きく3つに分けられます。
「目的」を表す副詞的用法の基本の訳し方は「~するために」となります。
(例1)She went to Australia to study English.(彼女は英語を勉強するためにオーストラリアへ行った。)
これと同じ例文に以下のようなものがあります。
(例2)I ran to catch the train.(私は電車に乗るために走った。)
(例3)She woke up early to study.(彼女は勉強するために早起きした。)
「理由・原因」を表す副詞的用法の基本の訳し方は「~して」「~なので」となります。(訳し方は状況や文の前後によって変わるため、一例です)
(例4)I’m glad to see you here.(ここであなたに会えて、うれしいです。)
(例5)His mother was sad to hear the news.(彼の母親は、その報せを聞いて悲しんだ)
「結果」を表す副詞的用法の基本の訳し方は「~して」となります。
(例6)My son grew up to be a doctor.(私の息子は、成長して医者になった。)
例6では「私の息子は医者になるために成長した」と訳せなくもなく、またその訳し方のほうが副詞的用法とわかりやすい人もいるかもしれません。
しかし本来の意味としては、前から順に意味を取り、「成長した結果、医者になった」とするほうが自然です。
to不定詞では、特に副詞的用法と形容詞的用法の違いがわかりにくい生徒も多いようです。それぞれの意味と使い方、よく出てくるフレーズをしっかり覚えましょう。どちらも3つぐらい、例文を覚えておくことをおすすめします。
原形不定詞の用法と構文
to不定詞とともに、「原形不定詞」についても解説します。代表的な二つの構文を覚えましょう。
原形不定詞とは?to不定詞との違い
原形不定詞とは、toを付けずに動詞の原形を直接使う用法です。
中学で学ぶ不定詞は、基本「to+動詞の原形」のto不定詞ですが、不定詞の働きをしながらtoがないものもあります。これを原形不定詞といい、名前のとおり動詞の原形です。
中学で学ぶ原形不定詞は、主に使役動詞、知覚動詞を使った構文(主に以下の2つの構文)で出てきます。
(1)知覚動詞+目的語(人)+原形不定詞
(2)使役動詞+目的語(人)+原形不定詞
※注:助動詞の後ろの動詞の原形も不定詞ですが、ここでは割愛します。高校英語で学びます。
(2)「使役動詞+目的語(人)+原形不定詞」の構文
(例2)
I made her clean this room.(私は彼女にこの部屋を掃除させた)
I had her clean this room.(私は彼女にこの部屋を掃除させた)
I let her clean this room.(私は彼女にこの部屋を掃除してもらった)
使役動詞とは人を使役する、つまり「〜させる」「~してもらう」という動作を求める動詞です。
使役動詞で原形不定詞を使うものはmake、have、letの3つを覚えておきましょう。
使役動詞構文の語順は、使役動詞の後ろに人が目的語に置かれ、その後ろに動詞の原形=原形不定詞が置かれます。意味は「(人)に、(原形不定詞)させる」となります。使役動詞自体が「させる」の意味を表します。
使役動詞の意味としては、make>have>letの順で「強制力」が強くなります(makeが最も強制的)。強制力が強いほど「人に対して、~させる(命令してさせる)」という意味になります。
なお、getも「~させる」の意味になりますが、原形不定詞ではなく、to不定詞を使いますので注意が必要です。このgetを使った使役動詞の問題は、書き換えで出題されることがあり、かなり難易度が高い問題となります。
参考までに、(例2)をgetと使って表すと以下のようになります。
I got her to clean up this room.
問題にチャレンジ!
ここまでで、to不定詞の3つの用法の役割や意味・訳し方などは理解できたのではないでしょうか。ここでは、to不定詞を使った問題にチャレンジしてみてください。
【問題1】和文英訳
次の英文を、to不定詞(下線部)に気を付けながら訳し、それぞれ何用法か述べなさい。
① My mother needs to see a doctor.
② My today’s plan is to paint the wall.
③ I’m looking for someone to help me.
④ I have no textbooks to learn programming.
⑤ She is studying hard to enter the University.
⑥ ※難問※ I am very happy to see you again.
⑦ ※難問※ He bought that house only to please her.
解答・解説
① 母は医者に診てもらう必要がある。(母は、医者に診てもらうことを必要としている)
この文のto see は、「~すること」と訳せるため「名詞的用法」です。
② 今日の予定は壁を塗ることだ。
to paint the wallで「壁を(ペンキなどで)塗ること」と言っているので、「名詞的用法」です。
③ 誰か私を手伝ってくれる人を探しています。
I’m looking for ~は「~を探す」、someone to help meで「私を助けるための誰か」が直訳です。下線部to helpはsomeoneという名詞を修飾しているので、「形容詞的用法」となります。
④ 私はプログラミングを学ぶための教科書を持っていない。
Textbooksという名詞を、 to learnが説明しているので、「形容詞的用法」です。
⑤ 彼女は大学に入るために一生懸命勉強している。
hard to enterで「入学するために、一生懸命」と、to enterは副詞hardを修飾しています。そのため「副詞的用法」です(動詞や形容詞を修飾するときも副詞的用法となります)。
⑥ あなたにまた会えてとても嬉しい。
happy to see で、happyという形容詞をto不定詞が説明しています。日本語にするとき、「また会えたことを幸せに~」などにしてしまうと、名詞的用法と間違える人もいるかもしれません。日本語訳とともに英文をよく観察してください。このto不定詞は、happyという「感情の原因」となっています。よって、これは「副詞的用法」のひとつの種類です。
⑦ 彼は彼女を喜ばせるためだけにあの家を買った。
He bought that house only to please her.という英文は、日本語にいつも訳すように「後ろから」考えるとかえってわかりづらいかもしれません。英文の前から順に、「彼は家を買った、(その目的は)彼女を喜ばせるためだけに」と読み取ります。to不定詞はboughtという動詞の原因・目的となっており、「副詞的用法」です。
最後の2つのto不定詞の意味・訳し方は少し難しかったかもしれませんね。解けたら自信をもって大丈夫です。
他にもto不定詞には、さまざまな意味を表すものがあります。to不定詞を学ぶことで、表現できることが増えるでしょう。それぞれの用法の、まずは基本的なところからマスターしていきましょう。
まとめ
この記事では、中学英語のto不定詞について解説しました。
to不定詞は中学英語のターニングポイントといえるかもしれません。文法問題では書き換えや並べ替えで頻出となっています。また長文読解問題でも、文中にさまざまな形で現れます。さまざまなto不定詞を学び使いこなせるようになると、表現できる英語の幅が広くなるでしょう。
to不定詞の出題範囲やパターンは多岐にわたるため、なかなか得点できない、苦手意識があるという場合は、塾通いも検討してみてください。英語が苦手な中学生は多く、英語だけ塾に通っているという生徒も少なくありません。自分一人で悩んでいるより、プロの手を借りて効率よく勉強してください。
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