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【中3理科】学習内容のまとめ&成績が上がる勉強のポイント
いよいよ中3、高校入試も近づいてきました。周りを見ても理科は得意・苦手がはっきり分かれはじめ、テストの得点帯が二極化しているかもしれません。
この記事では中3の理科を苦手にせず、しっかり得点できるポイントや家庭学習のコツを解説します。記事を参考に理科を得意科目に育て、自信を持って高校入試に臨みましょう。
中3理科は入試に頻出の内容が目白押し
中3の理科は高校理科の基礎にもつながる、重要かつ難度の高い内容が続出です。中1・2以上に理論的な理解が求められると覚悟しておきましょう。
内容の理解度を確かめるための記述式問題も頻出です。必要な要素を漏らさず自分の言葉で書けるように、知識を定着させ演習を繰り返してください。
中3理科の勉強で気をつけること
中3では、中3の学習と中2までの復習を同時進行させなければなりません。さらに中3で習った内容は入試までの演習時間を確保しにくいため、計画的な学習が大切になります。塾を利用し、理科の学習時間を強制的につくってしまうのもおすすめです。
また基本問題は速やかに習得し、入試レベルの問題を数多くこなすよう心がけてください。中3の夏以降は実戦問題に入れるペースが理想的です。
中3理科で学ぶ内容【物理分野】
中3で学ぶ物理分野は力学分野がメインです。物理法則の理論理解が大切になるため、理解が及ばないとあっという間に苦手になってしまいます。
一つひとつの解説を集中して聞き「そうなる理由」の理解に努めましょう。
(1) 物体の運動と力
この単元では物体にはたらいている力の「向き・大きさ」を学びます。物体が動くのは力に働きかけられているからであり、力の向きと大きさによって動く方向・速さが変わることを理解しましょう。力の合成(合力)の作図は定期テスト頻出です。
・合力の作図、分解のしかた
・力がはたらく向きと速度の変化
・等速直線運動、自由落下運動
・慣性の法則
(2) 仕事
物理での「仕事」は、物体に力を加え力の向きに動かすことを指します。仕事の効率を「仕事率」といい、仕事率を求める計算問題が頻出です。単位や公式を覚えているだけでは一ひねりした問題に対応できません。仕事と仕事率の概念をきちんと理解し、基本を反復しましょう。
・摩擦力、重力とはなにか
・仕事率とはなにか。仕事率(W)=仕事(J)/仕事にかかった時間(S)
※単位に注意!
(3) 力学的エネルギー
物を動かす、熱を出す、電流を出すなどはすべてエネルギーがはたらいていることを学びます。文字で説明される物理理論の解釈が難しいかもしれませんが、内容自体は平易です。暗記し得点源にしましょう。
・力学的エネルギーとは何か
・力学的エネルギー保存の法則
・仕事の原理(斜面や道具を使っても仕事の大きさは変わらない)
エネルギーの単位は仕事の単位と同じ「J」ですが、なぜ同じ単位なのでしょうか。本質を理解するきっかけとして考えてみてください。
(4) 浮力
浮力は水中で物体にはたらく力です。水中で物体の側面(左右)にかかる力は打ち消しあうため物理では無視して考え、上下の面にはたらく力だけを考えます。水深が深くなるほど圧力は大きくなることを理解しましょう。
・浮力の求め方
・「浮力=水中にある体積(㎝³)÷100」で求められる理由
中3理科で学ぶ内容【化学分野】
中3の化学分野は「イオン」を学びます。イオンは「原子・分子」単元を発展させた内容です。もし原子・分子の理解があやふやだと感じたら、はやめに復習しておきましょう。
(1) 化学変化とイオン
原子の構造を学んだあとに、イオンが登場します。イオンとは電気を帯びた原子を指し、プラスとマイナスがあります。元素記号の右上に「+」「-」を書いて性質を表しますが、増減した電子の数を正しく書けるようにしましょう。
・イオンとはなにか
・イオンができる理由
・おもなイオンの種類とイオン式(2価までは暗記を推奨)
・電離とは
・おもな電離式
塩化水素/塩化ナトリウム/塩化銅/水酸化ナトリウム/硫酸/硫酸銅/水酸化バリウム
(2) 酸・アルカリとイオン
水溶液の3つの性質(酸性・中性・アルカリ性)を学びます。それぞれの特徴と電離の仕方を押さえましょう。また酸性・アルカリ性の水溶液を混ぜて中性にする操作を中和といいますが、中和の際に「塩」が生成される理由も重要です。中和の反応式を正しく書けるようにしてください。
・水溶液にしたときに生成される物質
・中和のしくみと反応式
中3理科で学ぶ内容【生物分野】
中3の生物分野は「生殖」、つまり生きものの増え方を学びます。また「遺伝」は計算が必要な問題も出される、生物でもっとも難しい単元の1つです。遺伝の論理を踏まえ、遺伝形質があらわれる比や個数を算出できるように練習しましょう。
(1) 細胞分裂
細胞分裂の定期テストでは細胞分裂の模式図を順番に並べ替える問題が出されます。「細胞のどの部分が・どのように変化し・どうなるのか」を理解しましょう。細胞分裂は暗記で勝負できる分野です。早めに暗記し、得点源としてください。
・体細胞分裂とはなにか
・体細胞が分裂する手順
(2) 生殖
生殖とは命をつなぐ営みです。無性生殖と有性生殖があり、有性生殖では精細胞と卵細胞が合わさったのち「減数分裂」によって生殖細胞がつくられます。難しくはない単元ですが、用語が多い点に要注意です。「精細胞と精子」「受精と受精卵」など、似た用語も多数あります。一つひとつ整理しながらの暗記が重要です。
・減数分裂とはなにか(減数分裂する理由)
・動物、植物それぞれの生殖のしくみ
このあたりは高校の生物で詳しく学びます。高校への期待をこめて、興味を大切にしてあげてください。
(3) 遺伝
遺伝のしくみと、遺伝には規則性があることを学びます。遺伝子は細胞内「核」にある染色体に含まれており、親から子へ形質を伝える役割を持っています。子に同時にはあらわれない形質が2つ存在する場合、形質のあらわれ方に規則性があることが重要です。エンドウマメを使った典型問題を、しっかり理解しましょう。
・優性、劣勢の形質
・遺伝子の本体(DNA)
分離法則の理解には減数分裂の理解が欠かせません。もしお子さんがしっかり理解できていない様子ならば、細胞分裂から復習しておきましょう。
中3理科で学ぶ内容【地学分野】
中3の地学分野は「宇宙」をメインに学びます。太陽系の天体や銀河をはじめ、天体の動きが地球上からどのように見えるか、月の満ち欠けが起きる理由などがテーマです。地球上にいる自分を基準に、天球に各天体がどのように映るかをイメージできる力が必要です。
地学のなかでも難しい単元である分、マスターできると周りと差をつけられます。頑張って取り組みましょう。
(1) 地球と天体
宇宙のなかにある地球と、太陽系の他の惑星について学びます。地球は地軸を傾けた状態で「自転」「公転」しています。地球の自転は社会で習った「時差」に通じ、公転は季節の変化に通じるなど、知識を関連付けた学習が効果的です。
・地球の位置によって異なる季節
・恒星、惑星、衛星のちがい
(2) 天体のうごき
地球上に立つ私たちには、朝から夕方にかけて太陽が天を横切るように見えます。この動きを太陽の日周運動といい、太陽の通り道がある天の面を「天球」といいます。ただ実際には太陽は動かず、地球が太陽の周りをまわっています。季節によって見える星座が変わるのは、地球の位置が変わるためです。
この単元では「みかけ上の動き」と「実際の動き」の違いを理解し、連動させられるようイメージ力を養成しましょう。
・南中高度の求め方
・地球から見た太陽、星座の動きとしくみ
なぜその計算式で求められるのか、理由の理解を大切にしましょう。原理が分かれば、南中高度の問題も怖くありません。
(3) 日食、月食
日食と月食のちがいと、起きるしくみを学びます。「地球は自転しながら公転している」ことと、「月は自転しないが、地球の周りを公転している」という2つの事象理解が必要なため、混乱しやすい単元です。基本問題を丁寧に繰り返し、しくみを理解しましょう
・日食、月食がおきるしくみ
・金星のうごき
中3理科 学習のコツ
中3で習う理科は「高校入試で頻出」かつ、「入試までに十分な演習量を確保しにくい」という特徴があります。英数や社会の対策を考慮しても、理科はできるだけ短期間で効率良くマスターしたい中学生が多いのではないでしょうか。
中3理科の学習効率を上げるコツを、3つ解説します。
(1) 早めに重要用語・基本事項の総復習に着手する
中1・2で習った重要用語は暗記できているでしょうか。基本はしっかり習得できていますか。中3の理科には、中1・2の学習に立脚した内容が続出します。既習範囲があいまいなままだと、すぐにつまずいてしまうでしょう。
重要用語の暗記、基本事項の復習は早めに完了させてください。中3の授業進度に合わせて、関連する単元の復習を同時進行するのもおすすめです。
(2) 基本問題で確実に得点できる状態を目指す
中3理科には多くの難しい単元が登場します。基本をしっかり習得するためにも、典型的な基本問題をマスターしましょう。仕事率の計算や反応式を書く問題、南中高度の算出問題などは、同じパターンの問題を繰り返すと理解が深まります。
学校ワークのA問題(基本)は満点をとれるよう目指してください。A問題をすべて解けるようになったら、入試レベルの発展問題に進みます。
(3) さまざまなバリエーションの問題に取り組む
学習指導要領の改訂以降、高校入試での問題バリエーションも多彩になりました。とくに記述問題や考察問題の増加は、得点(合否)の分かれ目にもなる重要な問題となっています。基本レベルをマスターできたら、さまざまな問題に積極的に取り組みましょう。
お住まいの都道府県で出題された高校入試過去問はもちろん、他地域の問題も参考になります。
まとめ
中3の理科は高校理科につながる発展的な内容が目白押しです。難度が上がり、理解しにくく感じる中学生も続出します。だからこそ、毎回の授業に集中する姿勢を大切にしましょう。実験や観察にも主体的に参加してください。実体験を伴う理解は定着しやすく、本物の知識として応用問題への足掛かりを作ってくれます。
また理科の対策に不安がある場合は、早めに塾や家庭教師の力を借りることも大切です。学校の授業でモヤモヤが残っても、塾や家庭教師に異なる視点から解説してもらえればすっきり解決できるはずです。
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