中3英語の単元まとめ|高校受験でおさえておきたいポイント

更新日 2024.10.14
中3英語の単元まとめ|高校受験でおさえておきたいポイント

中3英語では、現在完了形、It is~to構文、間接疑問文、関係代名詞、仮定法などを学びます。いずれも高校受験にも頻出の重要単元です。

中3は、いよいよ高校受験本番を控える重要な学年です。秋ごろまでに新出単元は終わらせ、受験のための実戦的な問題演習を始めるためにも、早めに弱点発見と克服に努めましょう。ここでは、

・中3英語で学期ごとで学ぶ内容
・中3で学ぶ英文法と覚えておきたいポイント

を中心に、中3英語について解説します。ぜひ参考にしてください。

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目次

中3の1・2・3学期別、英語学習のポイント

中3英語の学期別の学習ポイントをご紹介
中3英語の学期別の学習ポイントをご紹介

学期ごとに分けて、中3の英語学習の進め方を解説します。

なお中3で学ぶ内容については、東京書籍による年間指導計画(略案)【3年】を元にしています。また、3学期制を前提としています。2学期制の中学に通うお子様の場合は、年間指導計画の該当月を参照してください。

【中3英語】学期別の学習のポイント

中3の1学期:中1・中2の弱点克服/現在完了をマスターしよう!

中3の1学期は、新しい単元として「現在完了形」を学びます。中学英語で最難関といえる単元です。その他、”It is〜to”構文など、仮主語”It”から始まる構文を学びます。どちらも高校受験対策に必須の内容です。

【1学期のポイント①】現在完了形を徹底して学習しよう

英語特有の時間感覚にとまどう人が多いのが「現在完了形」です。この単元では動詞の過去分詞形を使いますので、中2の間に過去分詞形をしっかり復習しておくことをおすすめします。

また現在完了進行形についても、通常の現在完了形や進行形とどう違うのか、理解を深めましょう。

【1学期のポイント②】”It is (for 人)to ~”などの構文を理解する

Itを仮主語とする”It is (for 人)to ~”構文は、バリエーションも多く、長文問題の中にもさまざまな形で現れます。高校受験にも頻出のため、何度も解いて身につけておきましょう。

この構文ではto不定詞の知識と理解が必須です。わからないと思ったら中2まで戻って不定詞の用法を確認してください。

中3の2学期:間接疑問文/関係代名詞/仮定法

中3の2学期に学ぶ単元は、いずれも難度の高いものばかりです。文法問題としての出題率が高校入試でも頻出の単元ばかりです。また書き換え問題も多く、難関高校などレベルの高い問題で出題されます。問題演習量を増やして対応する必要があります。

【2学期のポイント①】間接疑問文は文法問題・長文読解両方をバランスよく

文の途中に疑問詞(節)が入っている表現を「間接疑問文」と言います。疑問詞節の中の基本の文型は「疑問詞+主語+動詞〜」となります。使われる疑問詞によって意味は異なります。

間接疑問文は基礎的な文法問題(適当な疑問詞を選ばせるなど)のほかに、よく問われるのは書き換え問題です。設問文を指示に従って間接疑問文に書き換えるものがオーソドックスです。ほか、並べ替え問題もあります。疑問詞以下の節の語順は意外と間違えやすいため練習が必要です。

その他、長文読解問題の中で出題されることも多いです。英作文で使うこともあり、広く出題されます。

【2学期のポイント②】関係代名詞は問題演習量を多くしてマスターする

関係代名詞は、現在完了と並んで中学英語の最難関かもしれません。関係代名詞は2つの文を一つにつなぐ用法で、接続詞にも代名詞にもなるものを指します。問題パターンは多岐にわたります。長文の中で出てくることも多いです。

関係代名詞は現在完了と同じく、構文を理解したうえで問題演習量を増やし、何度も繰り返して感覚を身につけるのが最善です。

【2学期のポイント③】仮定法は出題パターンを覚えよう

仮定法は、2021年度からの新学習指導要領以前は高校英語で学ぶ単元でした。それだけ高度な内容ということになります。ただ、中学英語における仮定法は、ある程度問題パターンが決まっています。ある程度覚えてしまえば得点源にすることができます。

中3の3学期:中学英語の総復習を行おう!

中3の3学期は、高校受験をする人にとっては最後の追い込み時期でしょう。これまでに習った英語の文法を完璧に定着させ、過去問などに取り組む時期です。わからないところを放置しないで解き直すことは重要ですが、この時期から中1や中2の単元まで戻ってやり直す時間はありません。3学期になる前にすべての単元を終わらせておくことが大切です。

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中学3年生で学ぶ英語の文法事項・表現一覧

現在完了形や関係代名詞など、難度の高いものが多いが基本を押さるようにしよう
現在完了形や関係代名詞など、難度の高いものが多いが基本を押さるようにしよう

ここでは中3の英語で学ぶ主な文法事項や表現について紹介しています。

(1)現在完了形

・現在完了形の基本の形と3つの意味

現在完了形は、「have +過去分詞」で表されます。動詞の過去分詞形は中2の後半に受け身の文を学習したので、もう慣れているでしょうか。忘れている場合は復習しておきましょう。

現在完了形には以下の3つの用法があります(完了と結果を分けて4つとしている場合もあります)。

①継続
「(ずっと)~している」

②経験
「~したことがある」

③完了・結果
「(ちょうど)~したところだ」「(もう)~し終わった」
「(否定文で)まだ~していない」

現在完了形は難しいとよくいわれます。同じ形で意味が3つあることもですが、現在完了形はそもそも日本語には無い用法・考え方なのが原因です。

「現在完了形」は、「(現在から見た)過去に起きたある事柄が、現在まで続いて影響を与えている」ときに使われる、と考えましょう。

過去形・現在進行形のポイント

①継続「(ずっと)~している」
(例)I have lived here since 2001.

「2001年からここに住んでいる」、つまり「現在も」ここに住んでいるというニュアンスが含まれています。”I lived here in 2001.”だと、「2001年当時、ここに住んでいた」という過去の話になり、現在はここに住んでいないことになります。

また、”have been +形容詞”で、「ずっと〜(形容詞)の状態だ」という意味になります。

以下は継続の問題でよく出題されるものです。直訳すると「ずっと死んでいる状態」。日本人はぎょっとしてしまいますが、これは欧米の死生観によるものです。書き換え問題で出題される傾向がありますので覚えておきましょう。

(例)
She has been dead for ten years.(直訳:彼女は10年間ずっと死んだ状態だ)
=She died ten years ago.(彼女は10年前に死んだ)

【見分け方のポイント】
「継続」の用法では”for”(~の期間)や”since”(~以来、~から)などが使われます
一時点を表す「yesterday」のような語は間違いとなります。

②経験「~したことがある」
(例)He has been to Germany three times.(=私はドイツに3回行ったことがある。)

この「●●回行ったことがある」文は、「行く」と言いながら”go”の過去分詞を使わないことがポイントです。基本問題として頻出なので覚えておいてくださいね。

goを使うと、次の「完了・結果」の意味になります。③を参照してください。

「経験」は過去形との区別が難しいと感じる生徒もいます。「3回行った」は経験談だとしても過去の話なのに、どうして完了形なのか?と。

現在完了形の「経験」は、現在とのつながりを強調する場合に使われると考えてください。

例えば、「3回ドイツに行ったこと」が現在につながっている場合です。大学でドイツ文学を専攻しているなど、「ドイツに行ったことがある(だから今、彼はドイツについて勉強している」となるため、完了形を使います。

上の例文では、ドイツに3回行って、今は戻ってきている(ドイツにはいない)状態でもあります。

【見分け方のポイント】
「回数」「頻度」を表す表現を伴うことが多いです。
「1回」=once、「2回」=twice、「何回も」=many times などです。

③完了・結果「(ちょうど)~したところだ」「(もう)~し終わった」
(例)He has already gone to Germany.(=彼はドイツに、もう行ってしまった。)

上の、②との違いがわかるでしょうか。ドイツに行ってしまって、彼はもうその場にはいません。このように「完了」「結果」では、「過去の行為によって現在の状態になっている」ことが示されます。

(例2)I have already finished my homeworks.

「宿題はもう終わったよ」という表現の裏側に「終わってるんだから、今はもう遊んでもいいよね?」など、現在につながる意味があります

また否定文のときはhave not +過去分詞になります。この場合は「まだ~終わっていない」となります。

【見分け方のポイント】
「まだ」を表すyet、「もう、すでに」を表すalreadyなどを伴います。
また「ちょうど~したところだ」の意味のjustもよく使われます。

・現在完了進行形

現在完了進行形は、「have/has+been+動詞(動作)+ing」の形になります。現在まで、ある動作が継続している状態を表します。

通常の現在完了形の「継続」との違いは、使われる動詞が異なることです。現在完了形の「継続」が「状態」を表す動詞が用いられるのに対し、現在完了進行形は「動作」が継続することを意味します。

(例)The baby has been crying for three hours.(=その赤ちゃんは3時間ずっと泣き続けている。)

(2)「It is … (for+(人など))+to不定詞」構文

英語は主語が大きくなりすぎることを避ける傾向にあります。このため本来の意味的な主語を後ろに置き、仮の主語(形式主語)としてIt を先頭に置いたものがこの構文になります。

この構文は「意味上の主語はどれか」を問う問題や、書き換え問題で出題される傾向が高いです。また長文問題の中にもよく出てきます。

to不定詞以下は「〜(する)こと」と訳します。中2で学んだ不定詞の「名詞的用法」です。

(例1)It is difficult for me to climb the mountain.(=私にとってその山に登ることは難しい)

to不定詞の部分が本当の主語です。It=to不定詞以下になります。そのため、この構文ではItを「それは」と訳してはいけません。

また、「for+人」の部分は、意味上の主語になっています。誰がそれを難しいと感じているか=私となります。ただし、人の性質を表す形容詞が使われる場合(kind/good/wise など)は、forではなくofが使われます。

(例2)It is kind of him to take care of the children.(=彼がその子供たちの世話をしていることは親切である。)

また、意味上の主語である「人」が「世間一般の人」である場合は、for+人や、of+人は省略されます。

(例3)It is dangerous to swim at this beach.(=この海岸で泳ぐのは危険です。)

(3)間接疑問文

文の途中に疑問詞から始まる「節」が入っている表現が「間接疑問文」です。1つの文に、主語と動詞が2つ、入れ子状態になります。

(例1)I don’t know when Taro will come here.(=太郎がいつここに来るか、私はわからない。)

疑問詞節の中の基本の文型は「疑問詞+主語+動詞〜」となります。使われる疑問詞によって意味は異なります。

(例2)I know why he is sad. (=なぜ彼が悲しんでいるのか、私にはわかる。)

他にもwhere/how/when などが使われます。

間接疑問文は並べ替え問題や英作文などでよく問われます。中学の英語ではある程度パターン化している問題が多いため、慣れておくと得点源にできます。類題演習をこなして得意単元にしてしまいましょう。

(4)関係代名詞(★難易度高)

関係代名詞は、現在完了形と並んで中学英語で最も難しいと感じる生徒が多い単元です。すでに間接疑問文やIt is to構文でも見てきましたが、1つの文の中に主語と動詞が2つ出てきます。

関係代名詞を使う文の場合、元々は2つの文だったものを、「共通のものを関係代名詞に置き換えてつないで作る」ことになります。

関係代名詞で作られる文は「先行詞」を伴います。先行詞が人か人以外かで使える関係代名詞は異なります。(ただし、最近ではthatを用いることが多い。thatを使えない場合もある)

先行詞主格目的格
who/thatwhom/that
人以外which/thatwhich/that

・先行詞が主格・人の例文(赤字が先行詞、下線が関係代名詞。太字はこの文の主語。以下同)

The boy who is running there is my brother.

元の2つの文に分けると以下のようになります。赤字と下線が同じひとつの「私の弟」を表していることがわかります。

そして、どちらも主語になっています。そのため「主格」の先行詞と呼ばれます。

The boy is my brother.
He is running there.

・先行詞が目的格・人の例文

That is a student whom my mother teaches at the school.

元の文は以下のとおりです。

That is a student.
My mother teaches him at the school.

元の文で、代名詞にした際に目的語になっていることがわかります。そのため「目的格」の先行詞と呼ばれます。

・主格と目的格の見分け方

表で示したとおり、主格、目的格どちらの関係代名詞も、thatで代用することができます。すると、どちらの意味なのか見分けが難しいという生徒もいます。以下のように覚えましょう。

主格 = 先行詞の次に動詞がくる
目的格 = 先行詞の次に主語がくる

関係代名詞は書き換え問題、文法問題、並べ替え問題、長文読解での読み取り(先行詞が何を指すか、など)と、さまざまな問題で問われます。時間をかけて問題演習を行うようにしましょう。

(5)仮定法

「仮定法」とは、「実際には実現していないことを、仮定(~だったらいいのになぁ、もし~なら、…だろうに)で述べるものです。

仮定法に対し、通常のものは「直接法」と言われます。

2021年の学習指導要領改訂により、中学3年生で学ぶようになった単元です。以前は高校生になってから学んでいたことからもわかるとおり、難易度が高いです。またその考え方自体が英語特有の時制を伴うため、慣れるまではいくつかの例文を丸暗記する方法をおすすめします。

中学で学ぶ仮定法は基本のパターンのみなので、何度か繰り返せば得意分野にすることも可能です。

・If~から始まる仮定法

「もし~なら、…だろうに」と訳されます。事実ではなく、実際には起こっていない、起こらないであろうことを仮定で述べます。基本の形は以下のとおりです。

If+主語+過去形~,主語+助動詞過去形(would/should/couldなど)+動詞の原形~.

(例)
If I were free, I would go shopping.(=暇だったら、買い物に行くのになぁ。)

実際には暇ではないので、買い物には行けない状態であることを理解しましょう。以下と同じ意味になります。

I am not free, so I can’t go shopping.(暇ではない、だから買い物に行けない。)

なお、If節の中のbe動詞は、以前は主語がなんであってもwereがふつうとなっていましたが、現在の英語ではwasも使われます。ただ、問題として見分けがつきやすいこともあり、wereが用いられることも多いようです。

・I wish ~の仮定法

「〜だったらいいのに」と、「実現できない願望」を表します。実際は実現できていないため、こちらも仮定法です。

I wish + 主語+動詞の過去形(または助動詞の過去形+動詞の原形)

(例1)
I wish Mary were my younger sister.(メアリーが私の妹だったらいいのに。)
=I am sorry Mary is not my younger sister.(メアリーが私の妹ではなくて残念だ。)

(例2)
I wish I could speak English. (英語が話せたらいいのになあ。)
=I am sorry I can’t speak English.(英語が話せなくて残念だ。)

(6)現在分詞/過去分詞

現在分詞は進行形や動名詞で学んだ「動詞+ing」、過去分詞は受け身や現在完了形で習ったものです。関係代名詞の文との書き換え問題などで使います。

例えば、関係代名詞の主格の例文は、以下のように現在分詞で書き換えることができます。running thereが、The boyを修飾しています。2語以上の場合は名詞の後ろに置かれ、1語の場合は名詞の前に置かれます。

【関係代名詞】The boy who is running there is my brother.

【現在分詞】 The boy running there is my brother.

現在分詞、過去分詞はそれぞれ名詞を修飾するほか、分詞構文(高校で学びます)で接続詞の意味をもつなど、非常に汎用性が高いです。ただし中学ではそれほど深い内容までは学ばないので、基本の出題パターンや文例を覚えておきましょう。

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中3英語の勉強法に関するよくある質問

年明けからは苦手な単元よりも、得意な分野を伸ばす方向にシフトしよう
年明けからは苦手な単元よりも、得意な分野を伸ばす方向にシフトしよう

中学3年生の英語によくある質問を紹介します。疑問解消にお役立てください。

Q1.受験直前、どの単元を重点的にやればいいですか?

→A.冬休みまでは、できるだけ毎日まんべんなく、さまざまな種類の問題を解きましょう。ただし、年明けからは苦手なものよりも得意を伸ばす方向にシフトしてください。

英語に限らず、受験直前に苦手なものを無理にやってもあまり成績は伸びません。また苦手なものを勉強することに時間を割くことで全体の効率が悪くなります。さらに、苦手な部分をやってできないと、「こんなにできないで大丈夫なのか」と不安が募り、受験のモチベーション自体に悪影響となります。

冬休みが終わったら、過去問を解き、得意な分野を伸ばし、ふつうにある程度できるところを重点的に、取りこぼしがないかチェックしていきましょう。

Q2.中高一貫校なので高校受験がありません。今から大学受験に向けてどのように勉強すればいいですか?

→A.英語は大学受験で必須です。今から大学受験を見据えて勉強しましょう。塾や予備校をうまく利用してください。

高校受験が無いことはメリットなのですが、どうしても中高一貫校の場合は中学3年生から高校1年生は中だるみしがちです。しかし大学受験はすぐにやってきます。内部進学の場合でも、成績順で行きたい学部に振り分けられるため、英語の学習は絶対に必要です。

英語が教えるのが上手い高校の先生もいるのですが、それほど多くはありません。また、英語は生徒本人のインプット(語彙や文法、定型文)がある程度まで達していないとそれ以上は学力が伸びません。そのため、ある程度は負荷をかけ、集中して学ぶ必要があります。

しかし、英語を自力で大学受験レベルまで高めることは、かなり難しいです。塾や予備校を利用することも検討してください。

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まとめ

中3英語で習う文法や構文、学期ごとの勉強法について解説しました。

中3は、高校受験の年です。秋ごろまでにすべての単元を履修して、受験のための学習に12月頃から切り替えていきましょう。

英語は高校受験はもちろん、大学受験、またその先までずっと必要になる教科です。英語に苦手意識ができてしまっているなら、早めに(中3の春には)塾などを使い、対策することをおすすめします。

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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

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