【中3社会】学習内容のまとめ&成績が上がる勉強のポイント

更新日 2024.01.16
【中3社会】学習内容のまとめ&成績が上がる勉強のポイント

中3の社会では、「2度の世界大戦から現代までの歴史」と「公民」を学びます。

出来事同士の関係が複雑になり暗記事項が増える分、定期テスト・高校入試でも非常によく出題される範囲です。つまり中3の社会をマスターすれば、高校入試の得点もある程度安定します。

この記事では中3の社会で学ぶ内容と押さえるべきポイントを、詳しく解説します。保護者の方ができるサポートも添えていますので、お子さんの成績を伸ばすヒントとしてご活用ください。

※ 本記事の内容は東京書籍が発行する中学の社会科教科書に基づきます。

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中3社会は高校入試直結の内容が目白押し

中3は歴史が終わり、公民が登場!知識の整理に注力して
中3は歴史が終わり、公民が登場!知識の整理に注力して

中3は歴史が修了します。中3で学ぶ歴史は明治維新から現代まで、つまり「戦争と混乱の時代」です。欧米諸国やアジア諸国とのつながりが増え、国際情勢がさらに複雑になります。

また中3の中ほどからは公民が始まります。公民は地理や歴史と比べて暗記事項が少なく、得点源にしやすい分野です。一つひとつを丁寧に理解していきましょう。

中3社会の勉強で気をつけること

中3の2学期以降は定期テストに過去の学習範囲も出る
中3の2学期以降は定期テストに過去の学習範囲も出る

中3の社会は計画的な復習がカギになります。

これまでの定期テストは、直近で習った範囲から出題されていました。しかし中3の2学期からは定期テストが高校入試仕様になり、最近習った内容に加えて過去に習った内容も出題されるようになるためです。

現在授業が進んでいる範囲だけを勉強していても、得点が伸びにくくなる点を理解しておきましょう。

さらに問題の難度も徐々に上がり、中3の冬には高校入試レベルの問題が出されます。

中3の社会は、次の3つの柱を意識して進めましょう。

1.今習っている範囲の学習

2.計画的な復習

3.難度の高い問題にチャレンジ

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中3社会で学ぶ内容【歴史分野】

中3では明治維新から2度の世界大戦、現代までを一気に学ぶ
中3では明治維新から2度の世界大戦、現代までを一気に学ぶ

中3の歴史は「激動の時代」を学びます。

明治維新で世の中が一気に変わり、富国強兵策によって欧米列強と肩を並べるまでになった日本が世界大戦に突入。第二次世界大戦の敗戦を経て、戦後復興、そして現代にいたるまでの約130年が学習範囲です。

これまでの歴史は日本と世界を別々に扱ってきました。しかしここからは日本の歴史に世界が入り込んできます。国と国との関連が深まるため、理解が追い付かず混乱する中学生も出てきます。

慌てず、歴史のつながりに注目して勉強を進めましょう。

中3で学ぶ歴史について、詳しく解説します。

(1) 明治維新から日清・日露戦争

明治維新による政治体制の変化と産業の発展がキーポイントになる単元です。また産業が急激に発展し国力を付けた日本が、日清・日露戦争の連勝で国際的な地位を向上した点にも注目しましょう。

公民で学ぶ議会政治や国際社会との関わりは、この時代に端を発します。政治の仕組みをよく理解し、日本がどのような変化をたどったか整理していきましょう。

【この単元の重要項目】
明治維新の三大改革富国強兵、文明開化領土問題自由民権運動の高まり日清戦争、日露戦争韓国、中国とのかかわり日本の産業革命

社会の変化は人々の意識にも影響し、自由民権運動が始まります。自由民権運動の概念は中学生にとって難しく、イメージしにくいため苦手意識を持ちやすい単元です。運動の主張と結果に注目し、整理してみましょう。

【保護者の方ができること】
教科書では、竹島・北方領土・尖閣諸島は「日本の領土」と学びます。また日本政府も同様の見解を出しています。
 
しかし現実社会では、韓国・ロシア・中国および台湾と領土をめぐる問題が起きています。
 
歴史的に見ても、領土問題は国際紛争の原因になってきました。ロシアとウクライナの戦争でもロシアが一方的に領土保全を主張するなど、領土問題は現代でも戦争を引き起こしています。
 
なぜ、領土問題が起きるのでしょうか?親子で考えてみてください。

(2) 二度の世界大戦と日本

いよいよ世界大戦の時代に入ります。

日本は第一次世界大戦では協商国側(イギリス・フランス・ロシア)に加わって戦勝国となり、第二次世界大戦ではドイツ・イタリアとともに枢軸国として戦い敗戦しました。

資料集に掲載されている解説図や特徴的な風刺画のせいで、国同士の組み合わせをパズルのように暗記するだけの学習になりやすいかもしれません。

しかし暗記だけでは高得点は取れない単元です。「なぜ、国際社会はそのようなつながりを持ったのか」「なぜ、日本は2度も参戦したのか」など、歴史の本質を理解しようとする姿勢を大切にしてください。

【この単元の重要項目】
第一次世界大戦国際協調の高まり大正デモクラシー世界恐慌、ブロック経済ファシズムの台頭満州事変、軍部の台頭第二次世界大戦、太平洋戦争戦後社会、冷戦現代社会の諸問題

戦争を引き起こしたさまざまな要因のうち、しっかり理解しておきたいのは「社会運動の高まり」と「世界恐慌」です。

社会運動の高まりは人々の政治・経済に対する意識を変え、普通選挙を実現しました。選挙制度は形を変えながら、公民で習う現代の選挙政治につながります。

また世界恐慌は、間接的に第二次世界大戦を引き起こします。第一次世界大戦の敗戦国となり、莫大な賠償金の支払いに苦慮するドイツ経済に追い打ちをかけたためです。国内経済がさらに混乱したドイツは、ヒトラーが率いるナチス(国家社会主義ドイツ労働者党)に躍進の機会を与え、やがて第二次世界大戦に突入してしまいました。

歴史は国内外で起きた出来事が相互に関連して進みます。

重要用語や出来事を単体で覚えるのではなく、「なぜ起きたのか」「その結果どうなったのか」というつながりを意識して勉強していきましょう。

【保護者の方ができること】
中学生の保護者の方の世代なら「自分の祖父母が戦争世代である」という人も多いのではないでしょうか。戦地での体験や戦時下の生活についてもし話を聞いたことがあれば、ぜひお子さんに話してあげてください。
 
身内が経験した話は、教科書や資料集で学ぶ内容よりずっと生々しく、血の通った話としてお子さんの記憶に残るはずです。
 
筆者の祖父は、第二次世界大戦で激戦地・ラバウルで従軍していました。祖父から聞いた話を、いま自分の子どもに話しています。「ラバウルに行くまでの船が魚雷に遭った話」などは、経験者でしか知りえない戦争のリアルだと話しながら感じます。

中3社会で学ぶ内容【公民分野】

公民は「政治・経済」をメインに社会問題を学ぶ分野
公民は「政治・経済」をメインに社会問題を学ぶ分野

中3・1学期の終盤、もしくは2学期からは「公民」に入ります。公民では、日本の政治・経済や社会問題を学びます。

地理や歴史よりも授業と高校入試までの期間が短く、得点源にしやすい分野です。私たちの生活に密着した内容でもあり、保護者の方が体験的に教えやすいのも公民の特徴でしょう。

中3の公民について、詳しく解説します。

(1) 現代社会と私たち

公民分野の導入となる単元です。少子高齢化や情報化、グローバル化などの現代日本の特色と、社会に対する見方・考え方を学びます。

【この単元の重要項目】
持続可能な社会とはグローバル化とは現代社会の課題(少子高齢化、情報化)多様な文化 社会集団の中で生きる

【保護者の方ができること】
多様性や公平性、権利と責任など、大人になるまでに身につけておきたい考え方の規範も登場します。「決まりはなぜあるか」「全員が納得するにはどうすれば良いか」など、実生活にも役立つ知識も多い単元です。
 
「教科書の中だけの知識」から発展させ、日々の生活でもさまざまなものの見方ができるようチャレンジしてみましょう。
 
「家族全員が納得する家庭のルールを決める家族会議を任せる」など、取り組みはアイデア次第です。

(2) 個人の尊重と日本国憲法

基本的人権や人間の尊重を学び、日本国憲法の理念を理解します。同時に人権には多くの種類があり、それぞれ尊重されるべきものであることも学びます。

歴史で学んだ人権思想や自由民主主義運動、民権運動からつながる単元です。覚えた知識をつなげていくと、日本国憲法の在り方がより理解できるでしょう。

【この単元の重要項目】
人権の歴史日本国憲法(3つの基本原理)国民主権平和主義(安全保障条約、自衛隊)基本的人権さまざまな人権(平等権、自由権、社会権、新しい人権 など)

「新しい人権」の学習では、情報化社会の発展にともなって生まれた「インターネットと人権」も学びます。

SNSで誰もが簡単に情報を発信でき、世界中とつながれるようになった世の中だからこそ、インターネットの危険性や配慮しなければならない人権、守られるべき権利について正しく知ることが大切です。

【保護者の方ができること】
昨今、SNSに投稿される動画が物議を醸したり、炎上したりするニュースが相次いでいます。またSNSやインターネット掲示板を利用したいじめも、後を絶ちません。
 
あらためて、お子さんと一緒にインターネット・スマートフォンとの付き合い方を考えてみましょう。
 
公民は、習う内容が私たちの生活に直結している点が特徴です。しかし放っておいては、子どもたちは「教科書は教科書、生活は生活」と切り離してしまいます。
 
習ったことを実生活に生かす、その橋渡しを保護者の方が担ってあげてください。

(3) 現代の民主政治と社会

国会を中心とした日本の民主政治の仕組みを学ぶ単元です。選挙制度や三権分立、地方自治も登場します。

問題を作成しやすい単元でもあり、高校入試では必ずといっていいほど出題されます。用語を正しく覚え、仕組みが採用されている理由も押さえていきましょう。

【この単元の重要項目】
民主主義と選挙国会の仕組み裁判の仕組み三権分立地方自治の仕組み

「衆議院議員の被選挙権は満25歳以上、参議院議員の被選挙権は満30歳以上」「民事裁判は私人間の紛争を解決、刑事裁判は訴訟された人の犯罪行為を裁く裁判」…と、呪文のように覚えるだけになりがちな単元です。

中学生にとって、これでは面白くありません。

具体的で身近なエピソードと関連させ、興味を持って学べるようナビゲートしてあげましょう。

【保護者の方ができること】
選挙の投票に連れていきましょう。
 
「小選挙区制は候補者の名前を書くが、比例代表制は政党名を書く」「最高裁判所裁判官の国民審査では、辞めさせたい裁判官に×をつける」といった知識も、教科書でならっただけでは“暗記すべき文字列”の域を出ません。
 
しかし親御さんが投票する姿を見れば、単なる文字列情報から実体験へと昇華します。
 
実体験したことのほうが忘れにくいのは、言うまでもありません。高校入試でも自信を持って解答できるようになるはずです。

(4) 私たちの暮らしと経済

消費生活を中心に、経済活動全体を習います。市場経済の仕組みや金融、労働、また財政や租税まで学習範囲が非常に広い単元です。

とくに「市場原理」は難しく感じる中学生が多いようです。苦手とする中学生が多い分、定期テストや高校入試でも頻繁に出題されます。

教科書と実生活を結びつけることで理解しやすくなるため、できるだけ具体に置き換えて勉強するようアドバイスしあげてください。

【この単元の重要項目】
消費生活流通企業の種類、株式会社の仕組み労働の意義と課題市場経済の仕組み、価格の決まり方金融、景気財政、社会保障

成人年齢が18歳に引き下げられ、お子さんもあと数年で成人を迎えます。成人すると「消費契約」ができるようになります。しかし、判断力が未熟なうちはトラブルに巻き込まれるケースも少なくありません。

世の中の経済や消費生活について、正しく判断するための基本知識を身につける大切な単元としてとらえていきましょう。

【保護者の方ができること】
「市場原理によって決まる均衡価格」の現実味は、日々生活している親御さんが痛烈に実感しているのではないでしょうか。
 
お子さんを買い物に連れていき、物価の変動・高騰を学ぶ機会としてあげましょう。店舗間の価格差、気候や世界情勢による価格の高騰などが起きる理由を、ぜひお子さんと一緒に考えてみてください。
 
野菜は季節や気候による価格変動を学びやすく、ガソリンは国際情勢の影響を考えやすい題材です。

(5) 地球社会と私たち

公民の最後は、さまざまな社会問題を扱います。国際的な課題もテーマとなるため、領土や国家主権、国際連合など歴史で学んだ内容が再び登場します。

現実社会でも答えが出ていない問題(難民問題、貧困問題など)も学ぶ性質上、生徒たち自身が考えるグループワークスタイルで授業を行う場合もあります。

【この単元の重要項目】
領土問題国際連合の役割環境問題、エネルギー問題貧困問題難民問題世界平和と日本の役割

高校入試や定期テストで多く出題される単元ではありませんが、地球規模で人類が直面する課題を学習する機会はほかにありません。

お子さんの興味関心の幅を広げ、大学入試や将来の夢につながる可能性を秘めた単元ともいえます。中学社会の総仕上げとして、しっかり学んでいきましょう。

【保護者の方ができること】
保護者の方自身が、日々当たり前に過ごす毎日に問題意識を持つ姿勢がお子さんの学びになります。
 
「もし石油が枯渇したら?」「もし日本が戦争に突入したら?」と、万一のケースをお子さんとシミュレーションしてみるのも、良い学習です。
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中3社会 学習のコツ

中3の社会は、入試レベルの問題を解ける実力を身につける学習が大切です。知識をつなげ、問題演習に生かす勉強のコツを解説します。

中3社会の学習のコツは、高校入試を意識して総合的に学習する

(1) 用語は「意味まで理解して」「漢字で正しく書けるように」

これまで登場してきた重要用語は、意味をあらためて確認しましょう。「つまりどういうことか」と考えながら覚えると、本質的に理解できます。

また漢字まで正しく書けなければ、テストや入試での失点につながります。不安な漢字は先生にも見てもらい、正確に書けるよう練習してください。

(2) 身近な問題に置き換えてみると理解しやすいことも

公民で習う内容は、抽象的な概論が多めです。イメージがわきにくく「よくわからない」で通り過ぎてしまう中学生も少なくありません。

そんな時は、できるだけ身近な話題に置き換えてみてください。国会を生徒会に、議決をクラス内の決め事に置き換えてみるだけで、具体的に把握しやすくなります。

(3) 入試過去問は秋以降のスタートでOK

高校入試レベルの問題演習は、地理・歴史と公民の前半までが修了した中3秋ごろから始めるのがおすすめです。早い時期に始めても復習が終わっておらず、演習が意味を成さないケースも多いためです。

社会は、基本をしっかり復習すればある程度得点できる教科です。慌てずにじっくり、復習を完了させてから入試問題演習に入りましょう。

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まとめ

中3の社会は歴史の「戦争と戦後、現代社会」、そして公民が学習のキーポイントです。

複雑な国際社会のつながりや因果関係、また抽象的な概論が多く登場し、油断するとあっという間に置いていかれてしまいます。習った内容はその日のうちに復習し、知識を定着させる学習を意識しましょう。

また秋以降始まる入試対策に備え、塾を利用するのもおすすめです。塾には広大な社会の範囲を効率よく復習できるカリキュラムが用意されています。社会を効率よく進められれば、より多くの時間を英語・数学に割り振ることもできるでしょう。

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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

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