中学生社会の勉強法!社会=暗記は昔の話【定期テスト&高校受験】

更新日 2024.01.17
中学生社会の勉強法!社会=暗記は昔の話【定期テスト&高校受験】

社会は勉強法や対策が立てにくい教科だと言われます。

「急に社会の点数が取れなくなってきた」「暗記が苦手で、社会が苦手だと言っている」など、よくお聞きする悩みです。

英語や数学の勉強が忙しく、社会はテスト前にちょっとノートを見直すのが精一杯という中学生も多いでしょう。暗記メインの教科なだけに、教えるといってもどうすればいいのか…、と行き詰まっているご家庭もあるのではないでしょうか?

この記事では中学生の社会をピックアップし、テストの問題が解けない原因や暗記で押さえたいポイント、高得点を狙える勉強法などを解説していきます。社会の勉強がサクサク進むコツを、一緒に見つけていきましょう!

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【2022年最新】「社会=暗記科目」は昔の話!?高校入試出題傾向を分析

学習指導要領の改訂により、社会でも考えないと解けない問題が増えている
学習指導要領の改訂により、社会でも考えないと解けない問題が増えている

はじめに社会のテスト問題・高校入試問題の傾向を押さえておきましょう。社会はここ数年、傾向が急激に変化しています。対策を立てる上でも、最新傾向を知っておくことは欠かせません。

(1) 知識の暗記で解ける問題は減少している

昔から「社会のテスト問題=暗記で対応できる!」というのが定石でした。ところが近年、知識を暗記しただけでは解けない問題が、急速に増えています。

社会の問題傾向が変わった要因は、2020年度に改訂された現行の学習指導要領にあります。この学習指導要領では、すべての教科で思考力や判断力を育むよう定めているからです。「暗記科目」と言われてきた社会も例外ではない、ということですね。

(2)「思考力・判断力」を問う問題とは?

暗記では解けない問題、思考力や判断力が必要な問題とは、どのようなものでしょうか?2021年度の全国の公立高校入試問題をチェックし、見つけた例をご紹介します。

2021年度の入試問題の例
◎例1:地理
都道府県別の畜産産出額統計表(統計局公表)を見て、都道府県の産出額の特徴や他県との割合比較をさせるもの
参考)神奈川県県立高校入試問題(社会)

◎例2:歴史
近代以降の人々の生活について、新聞の発行部数や書籍の値段など、かなり細かな例を時代順に並べ替えさせるもの
参考)奈良県県立高校入試問題(社会)

◎例3:公民
持続可能な開発目標(SDGs)について、政府の取り組みの意義を資料から読み取り書いた上で、自分の考えもまとめるもの
参考)福岡県県立高校入試問題(社会)

定番の一問一答問題、つまり「~とは何か」と用語を答えさせる問題もないわけではありません。

しかしご紹介したように、「資料を読み解く力がないと解けない問題」「複合的に考えないと解けない問題」「自分の考えを自分の言葉で説明させる問題」が増えているというのが、ここ数年全国的に見られる傾向です。そしてこのような問題は当然、「解答に時間がかかる」ことになります。

社会=暗記教科だと思い込んでいると、足元をすくわれてしまうでしょう。保護者の方も積極的に最新情報を集め、自分たちが学生だった頃の常識にとらわれず、情報のアップデートを心掛けてください。

(2) 中学の定期テストも同様の傾向に

中学校の定期テストの問題は、高校入試の問題傾向に合わせて作られるのが一般的です。そのため学校の定期テストでも「思考力・判断力」が必要な問題、解答に時間がかかる問題が増えています。

発展的な知識を問う問題や、いくつかの知識を組み合わせて解く問題、また教科書では語られていない(新聞やニュースなどから得た知識を元に)深い理解を必要とするような問題が出る中学校もあります。

テスト問題の難化にともない、平均点が数年前より下がっている学校もあるようです。「社会のテストは一夜漬けで何とかなる」という対策は、もう通用しないと言って良いでしょう。

社会の学習対策は「暗記」と「思考・判断」の両輪を大切に

社会学習の基本は変わらず「重要語句や出来事の暗記」にある
社会学習の基本は変わらず「重要語句や出来事の暗記」にある

ここまででご紹介したとおり、現在の社会科の勉強においては「暗記」と「思考力・判断力」のバランスをとることがとても大切。定期テスト対策でも高校入試対策でも、両方を軸に、計画的に取り組むことが重要です。

ここからはすべての中学生に共通する、社会学習の基本方針を3つ、解説します。

中学生の社会の学習は「暗記」と「思考・判断」の両輪を大切に

(1) 重要語句や基本的知識は、やはり「暗記」が基本

資料やグラフの読み取り問題が増えたなら、知識は覚えなくていい?

いいえ、そんなことはありません。社会学習の基本は変わらず「重要語句や出来事の暗記」にあります。

知識を覚えることは、社会学習の土台。地理も歴史も、公民も、知らないことを覚えて初めて、問題を解く土俵に立てるのです。

思考力や判断力が必要な問題は「知識を覚えていること」は大前提であり、覚えた知識をさらにどう使いこなすか?を問うているということ。覚えていないと、そもそも問題の指示内容すら理解できないでしょう。

社会の土台は、暗記です。まずは確実に覚えることから始めましょう。

(2) つながりや図・グラフの読み取り問題を数多く解く

資料や図、グラフの読み取り問題など「思考力・判断力」が必要な問題は、ある程度の「慣れ」が必要です。

解法ポイントを適切に見つけられるようになるためにも、積極的に数多くの問題に当たっていきましょう。難しそうという先入観をなくす心がけも大切です。

そしてこの時活きるのが、暗記してきた知識なのです。「北海道の畜産業の特徴」「鎌倉幕府が成立した背景」「三権分立の理由」など覚えるべきことを覚えられていると、知識を組み合わせてデータや資料を検証できるようになります。

しっかり暗記し、覚えた知識を使いこなす練習をする。これが社会で高得点を取れるようになるコツです。

(3) 記述問題も積極的に取り組んでみよう

暗記した知識を利用し、考えて解く問題が主流になるにつれ、全体的に記述形式の問題が増えています。

「何を書けばいいのかわからない」「書き方が分からない」といった理由で敬遠されやすい記述問題。しかしみんなが苦手にしやすい記述問題こそ、得点できるとライバル達に大きな差をつけることができます。記述問題も積極的に取り組んでいきましょう。

書いた答案は、社会の先生に添削してもらうのがおすすめ。自分では気づけないミスや、より簡潔な言い回しを教えてもらえますよ。

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効率的に社会の勉強を進めるポイント3つ

社会の勉強は教科書・資料集・地図帳の3冊で十分
社会の勉強は教科書・資料集・地図帳の3冊で十分

社会は学習範囲が広いので、やみくもに進めても大変なだけです。

ここからは効率的に社会の勉強を勧めたい中学生に知ってほしいポイントを、3点に分けてご紹介します。

中学生が効率的に社会の勉強を進めるポイント3つ

【ポイント①】勉強の基本は「教科書+資料集」

社会の勉強は教科書と資料集・地図帳を軸にしましょう。この3冊で十分です。

教材を増やすということは、勉強する内容を増やすということ。英語や数学など、他にも勉強しないといけない教科もありますし、むやみに教材を増やすことはやめましょう。

学校のテストも高校入試も、教科書と資料集の内容から出題されます。教科書と資料集を徹底的にマスターすれば十分対応できるようになっています。

参考書や解説書は、教科書の解説ではよくわからないな、と感じたときだけ追加するくらいで問題ありません。

【ポイント②】問題演習は学校ワーク(学校の問題集)で

問題演習には、学校からもらったワークや問題集がおすすめです。特に定期テストは学校の問題集から出されることも多いですよね。最優先で取り組んでおきたい演習内容だといえます。

学校でもらう問題集は、内容や難易度が適正であるという点でも安心して取り組める題材です。テストや入試に向けて最低限習得しておきたいポイントも網羅されており、無駄のない演習が可能です。

ワークや学校の問題集を、最低3回は繰り返してみてください。社会の点数が見違えるはずです。

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【ポイント③】最新の出題傾向に対応するなら「全国高校入試問題集」

高校入試の傾向に合わせた対策には、「全国高校入試問題集」がおすすめ。タイトルのとおり、全国の高校入試問題を収録した問題集です。

「思考力・判断力が必要な問題」や「資料やグラフの読み取り問題」、「長めの記述問題」などは、過去問を数多く解くのが最も効率の良い方法です。実際に出された問題を数多く解けば、実戦力にもつながるでしょう。

思考力・判断力を問える問題形式は全国的に模索段階にあります。これは学習指導要領の改訂から日が浅いことが要因です。全国版の過去問集を使い、今後出題される可能性があるさまざまなバリエーションの問題に対応する力を養っていきましょう。

「全国高校入試問題集」は市販されているものと、塾専用の精選教材とがあります。自力では計画的な対策が難しい、と感じたら、塾で高校入試対策を受講するのが合格への近道かもしれません。

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【定期テスト&高校入試】社会で高得点を狙う勉強法を解説!

用語周辺の知識を整理して覚えることが、高得点につながる学習のポイント
用語周辺の知識を整理して覚えることが、高得点につながる学習のポイント

社会は暗記だけでは伸びません。暗記した知識を使いこなしてこそ、グンと伸びる教科です。

定期テストや高校入試で高得点を狙いたい!そんな中学生におすすめの、ハイレベルな勉強法をご紹介しましょう。

(1)  実戦で活きる知識は、覚え方にひと工夫を

お子さんは社会の用語、たとえば「兵農分離」という歴史用語を、どんな風に覚えているでしょうか?もし「戦国時代に行われた、武士と農民の身分を分離させる政策」とだけ覚えているようなら、これからが苦しいかもしれません。

テストや高校入試では、「兵農分離がどんな政策だったか」と単純な知識を問われる問題よりも、「兵農分離が行われた理由や後世への影響」を問う問題が頻度高く出されるからです。

「兵農分離」が何か、を覚えるだけでは不十分。周辺知識や他の出来事とのつながりまで押さえて、はじめて思考力問題や記述問題まで解けるようになるというわけですね。

「兵農分離」の場合、以下の点まで網羅して覚えておくと完璧です!
● 時代背景:
戦になると農民が戦いに駆り出されていた。その結果、戦のたびに収穫量が減り、領地の経済が停滞していた。

● 政策の内容:
戦に専従する武士と、農業に専従する農民を明確に区別する。

● 政策の狙い:
① いつでも戦える常備軍を確保できる+農業が停滞する心配がなくなる。
② 農民から武器を取り上げ、一揆の発生を防止する(関連、豊臣秀吉の「刀狩り」)。

● 政策の結果:
① 年貢の納入が安定した(領地基盤が安定した)
② 武士が城下町に集まり、城下町が発展し始めた

時代背景や目的、結果、周辺知識まで覚えていくと、どんな問題へも対応できる力が身に着きます。記述問題でも、覚えた知識から必要な要素を抜き出し、組み合わせれば解答が完成するということですね。

用語周辺の知識を整理しつなげて覚えていくこと。これが高得点につながる学習のポイントです。

(2) 要点を押さえた社会対策には塾がおすすめ

高得点を目指すには知識同士のつながりを重視した勉強が必要です。

ただし、この「知識同士のつながりの取得」を、教科書を見ながら自力で進められる中学生は学年に数人いるかどうかといったところでしょう。地理・歴史・公民と教科書3冊分となると、もはや手に負えないのが現実かもしれません。社会で高得点を狙うには、実はとてもレベルの高い学習法が必要なのです。

短時間で効率良く、要点を押さえた対策のために、塾の利用も検討してみましょう。

塾は長年の経験からテストに出やすいポイントを知り尽くしています。テストや高校入試で押さえるべき事項も整理されており、場合によってはオリジナル教材として完成させていることもあります。

覚えることが多い社会は、いかに効率良く暗記を進められるかがカギ。要点を押さえ、新傾向の問題対策も指導してもらえる塾は、受験生の強い味方です。

(3) 失敗しない塾探しの秘訣は、早めの資料請求にあり!

塾探しは予想以上に時間がかかるものです。

近くの塾から資料を取り寄せ検討し、体験授業を受けて話を聞いて……、と手順を踏んでいると、あっというまに数週間経ってしまうことも。

受験生であればなおのこと、勉強する場所探しに数週間もかけてはいられません。最適な環境はさっさと整え、1日でも早く勉強をスタートしたいところではないでしょうか。

失敗しない塾探しは、余裕のある時期にできることから始めておくのがポイント。資料集めはもちろん、可能なら体験授業まで済ませ、お子さんに合った塾に目星をつけておきましょう。いざ塾を探したいタイミングになったときに慌てずに済みます。

お近くの塾から「お子さんにピッタリ」のひとつを見つけたいときには、「塾探しの窓口」を利用してみてください。資料の一括請求や体験授業の申込が簡単に進められます。もちろん、利用料はかかりません。

まとめ

ここでは、中学生の社会勉強法についてまとめました。

社会は学習する範囲が広く暗記量も多いため、「面倒」「嫌い」といった印象を抱かれやすい教科です。また「暗記すればいい」というひと昔前のイメージで取り組んだために、新傾向の問題に対応できず、得点が伸び悩むという中学生もいます。

そうならないためにも、要点を押さえた効率的な勉強法で進めていくのが社会対策のポイントです。

塾などプロの手を借りるのも良いでしょう。短期集中特訓の成果が出やすいのも、社会です。

第一志望校合格に向けて、ぜひ頑張っていきましょう!

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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

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