【中学生】理科の正しい勉強法は?テスト対策&高校受験まで

更新日 2024.01.25
【中学生】理科の正しい勉強法は?テスト対策&高校受験まで

理科は好き嫌いが分かれやすい教科だと言われます。「2分野はいいけど、1分野は全然できない」「興味が持てず、勉強する気にならないようだ」といった、勉強についてのお悩みが多いのも理科です。

また、理科は学習範囲が広く、一度苦手になると何から手をつければいいかわからなくなる場合も。

でも大丈夫、理科の成績を上げる勉強法は存在します!

今回は理科が苦手になる原因やテスト・入試対策のポイント、高校受験に向けた勉強法などを解説していきます。お子さんの理科の成績や取り組み方と比べて参考にしながら、ぜひ最後までお読みくださいね。

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理科で苦手になりやすい分野と原因は?4つのポイント

一口に「理科が苦手」と言っても、ひも解くと一人ひとり様子は異なります。お子さんの「苦手」にピンポイントで対策を打つためにも、苦手になりやすい分野や原因を具体的に探っていきましょう。

【苦手ポイント①】1分野(物理・化学):計算が難しい、厄介

計算の多い1分野は、中学生が最も苦手としやすい分野です。代表的な苦手ポイントを見てみましょう。

1分野(物理・化学)の苦手になりやすいポイント①
1分野(物理・化学)の苦手になりやすいポイント①

【苦手ポイント②】1分野(物理・化学):事象の理解が難しい

1分野にはもうひとつ、苦手ポイントがあります。それは「事象の理解が難しい」ということ。問題が何を言っているかわからない、というお子さんはこちらのパターンかもしれません。

一例を見てみましょう。

 1分野(物理・化学)の苦手になりやすいポイント②
1分野(物理・化学)の苦手になりやすいポイント②

苦手とする中学生が多い分、テストや入試では理解度が顕著にあらわれ、得点差が開きやすいのが1分野です。本質を理解するまでに時間がかるため、できるだけ早く対策を講じた方が良いでしょう。

【苦手ポイント③】2分野(生物・地学): 暗記が多い、イメージしにくい

2分野は暗記すべき知識量の多さに圧倒されることや、壮大なテーマを脳内で処理しきれずに苦手意識を持つ場合があります。

2分野で苦戦しやすい例を見てみましょう。

2分野(生物・地学)の苦手になりやすいポイント

ひと昔前は、高校入試でも「2分野は暗記で解ける」が定説でした。しかし近年は、実験の目的を考えさせたり、実験結果から考察させたりという問題も増えています。

2分野でも事象の本質的な理解が重要になってきていると言えるでしょう。

【苦手ポイント④】「興味が持てず」理科が苦手になるケースも

具体的に特定の単元が苦手というより、「理科は全般的にキライ!」というお子さんから聞かれるのが、「そもそも興味が持てない」という声です。

興味がないから勉強する気にならない、勉強法も分からない、気づいたら分からないところばかりになっていて、もうどこから手をつければよいか見当もつかない…、という悪循環に陥っている中学生も少なくありません。

しかしこうしたお子さんは、興味を持てさえすれば勉強が進むことも期待できますよね。お子さんが腰を上げ、理科に向き合うきっかけがどこにあるか考えながら、具体的な勉強法を見ていきましょう。

【定期テスト対策】理科の基本の勉強法

つまずき克服には、教科書ワークや学校からもらった問題集がピッタリ
つまずき克服には、教科書ワークや学校からもらった問題集がピッタリ

具体的な勉強方法として、まずは定期テスト対策から解説します。テストのタイミングで学習範囲を区切り、テスト範囲単元の基本事項を「丁寧に」理解していくのが基本方針です。

【定期テスト対策】中学生の理科の基本の勉強法

【対策①】理科の教科書を音読し、つまずきを発見する

はじめに理解不足や苦手意識を持っている箇所を見つけましょう。つまずきを見つけるには、教科書の音読がおすすめです。

音読とは不思議なもので、知らない/分からない箇所でかならず読みよどむのです。保護者の方もやってみてください、興味深い感触が得られますよ。

スラスラ読めなかったところが、お子さんがつまずいている箇所です。つまずきを発見し、ピンポイントで対策を打っていきましょう。

【対策②】教科書ワークや学校の問題集に取り組もう

つまずき克服には、教科書ワークや学校からもらった問題集がピッタリ。難しすぎず、理解から演習までスムーズに進んでいける教材だからです。

1問1問、教科書と見比べながら「どうしてこうなるのか」「この事象は、つまりどういうことか」と考えながら取り組んでみましょう。

教科書や解説を読んでも理解できない点があったら、かならず解決しておきます。解決方法は学校の先生に質問しにいくほか、塾で行っているテスト対策を利用するという方法もありますよ。

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【対策③】理科の動画配信も利用して理解を深めよう

最近では、理科(授業だけでなく実験なども)を動画で解説するチャンネルも増えてきました。中には有名な予備校の講師の先生や、国立大学附属中高の先生などがわかりやすく説明してくれるものもあります。

授業動画は、保護者の方がまず内容を確認し、お子さんが見ても大丈夫なものをすすめてあげてください。

動画で見ることをおすすめする大きな理由の一つは、教科書や問題集ではわかりづらい具体的な動きや事象を、動画では実際に見ることができるからです。実験だけでなく天体の動きなど、実際に見ることが難しいものも動画ならば簡単に見られます。

理科が苦手な子は問題文の意味が理解できないことが多いとお伝えしましたが、問題文とともに関連する動画や画像を見ることで、「問題が何を説明しようとしているのか」「何を答えるように求めているのか」がわかりやすくなります。

【対策④】「ここならできそう」という単元から始めよう!

テスト範囲の中でも、「ここならできそう!」とお子さんが感じる単元から手をつけるのも良い戦略です。

苦手単元から始めてしまうと、モチベーションが上がらずダラダラしがち。結果、勉強時間がなくなり、できそうだった単元に手が回らなくなっては困りますよね。

お子さんがやる気になる単元から着手し、サクッと完成させてしまいましょう。その後、残った時間を使って苦手単元にじっくり取り組むのが、無理なく効率的に理科の勉強を進める手順です。

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【高校受験対策】理科の高得点を狙える勉強法

高校受験対策に有効なのは「類題」に数多く取り組むこと
高校受験対策に有効なのは「類題」に数多く取り組むこと

高校受験は中学3年間で学習したすべての範囲から総合的に出題される点が、定期テストとの違いです。

理科が苦手な中学生が、高校受験で目標点をとるために打つべき対策を紹介します。

【高校受験対策】理科の高得点を狙える勉強法

(1) 類題に数多く取り組もう

高校受験対策に有効なのは、教科書ワークで基本を理解した上で「類題」に数多く取り組むことです。

さまざまな問題に触れ、問題の解き方やアプローチのバリエーションを増やしておくと、初見の問題でも解法が思い浮かびやすくなります。

練習する類題の難易度は、難関私立高校を受験する場合を除き、教科書準拠~標準程度で十分です。高校入試は中学の学習成果を測ることが目的でもあるため、教科書レベルを逸脱した難問はほぼ出されません。

等速直線運動や質量パーセント濃度の計算、オオカナダモの光合成実験、地層のでき方など、オーソドックスな問題ほど出題されやすいものです。類題にチャレンジし、どんな問われ方でも答えられるよう準備していきましょう。

(2) 実験は「図・用語・目的・操作」をセットで覚えよう

理科では実験を題材にした問題もよく出されます。近年の高校入試では実験を通じて思考力や判断力、表現力を問う難度の高い問題も見られるようになりました。

実際に多くの都道府県高校入試で、実験の目的や操作手順、予想される結果、結果から考えられる考察などを書かせる問題が出ています。

こうした問題に対応するには、発展的な思考が欠かせません。実験を丸暗記しておけば解けるわけでもないのです。

主な実験については、以下の6点をセットで押さえましょう。

1.目的|何を調べるための実験か

2.準備するもの|道具の名称、使い方も

3.手順|危険なポイントは特にチェック

4.想定される仮説|こうなるはず、という予想

5.実際の結果|実際に得られた結果

6.考察|結果からどんなことが言えるか

実験用のまとめノートを作るのもおすすめです。図やグラフをコピーして貼りつけ、重要ポイントを書き込んでも良いですね。

ただしまとめノート作りは、凝りすぎないよう気を付けてあげてください。カラフルで美しいノートづくりが目的ではありませんからね。

(3) 記述問題も積極的に解いていこう

高校入試では記述問題もよく出されます。事象が起きる理由や原因、実験手順、部分の役割、物質のでき方など、問われる内容はさまざまです。

思考力や表現力を重視する新学習指導要領(2020年度改訂)の影響もあり、記述問題は全国的に増加傾向にあります。数多く練習し、自信をもって書けるよう準備しましょう。

記述問題が得意になるコツは2つあります。

1.解答に必要な要素をきちんと入れる

2.問題に対して適切な形で答える

「~はなぜか」と聞かれたら、「~だから」と答えるように。同様に「~はどのような現象か」と問われたら、「~現象」、「~どのようなことが原因か」と聞かれたら「~こと」と、問題文と答え方を呼応させるのがポイントです。

「1.解答に必要な要素」は入っていても、「2.適切な表現」で書いていないだけで減点対象になります。問題に呼応した形で書くだけで、10点アップも夢ではありませんよ。

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【高校受験】理科は中3からでも間に合うって、ホント?

中3からの対策で間に合わせるには「苦手単元がないこと」が条件
中3からの対策で間に合わせるには「苦手単元がないこと」が条件

「理科は中3からでも、中3の冬からでも間に合う」と聞いたことがありますか?本当に中3の冬からで間に合うのか。ウワサの真偽を検証していきましょう。

(1) 理科は中3からでも間に合います!(ただし、条件有り)

結論から申し上げると、理科は本格的な受験対策を中3から始めても間に合います。英数と違って単元ごとに内容が完結しているため、苦手単元だけ重点的に対策するというやり方が可能なためです。

また英数に比べて問題の難度が高くないこと、典型問題が多く克服しやすいことも、中3からで間に合う要因でしょう。教科書を丁寧に理解し、教科書ワークと標準レベルの問題集で演習すれば、十分合格点を狙っていけます。

ただし中3からの対策で間に合わせるには、1つ条件があります。それは「苦手単元がないこと」です。

(2) 中3から理科が間に合うかどうかは、苦手単元の有無に影響される

中3から理科の受験対策を始めたとき、苦手単元の克服に思った以上に時間がかかって驚いた、という声をお聞きすることがあります。

理科は単元同士の関連性が薄く、中3で学ぶ内容と中1の内容は完全に別物です。実際、中学生を見ていても過去の単元は「すっかり忘れちゃった」と言う生徒がほとんど。結局、最初からやり直さないといけないのが理科なのです。

そんな理科の特性に加えて、苦手単元が多かったらどうでしょう。

1単元1単元の克服に、非常に時間がかかりますよね。受験生である中3、理科だけに時間を割いてばかりはいられません。

苦手単元がなく、ちょっと復習すれば思い出せる状態になっていれば、中3からでも理科を間に合わせることは可能です。反対に苦手単元が多いお子さんは、早めに受験対策を始めることをおすすめします。

(3) 苦手分野をつくらないこと・増やさないことを心がけて

理科対策で最も重要なのは、苦手分野をつくらないことです。理科は本質的な理解が求められる教科なだけに、苦手分野の克服に時間がかかりやすい教科だからです。

まず、いま学校で習っている単元は、授業で理解するよう心がけましょう。苦手をこれ以上増やさないことが大切です。

また過去の単元に苦手ができてしまっている場合は、中3を待たずに復習を始めてください。この先、理科以外の教科も受験勉強が始まります。5教科バランスよく進めていけるように、特に苦手な理科だけ先行して始めておくのはとても有効な対策です。

(4) 高校入試の成功は「早期の対策スタート」にあり

高校入試では、理科の全範囲からまんべんなく出題されます。苦手分野をそのままにしておいたばかりに大問1題まるまる大失点!という恐ろしい展開もなくはないのです。

克服に時間がかかる理科は、早めの対策スタートが肝心!受験まで余裕のあるうちに復習を始め、1単元ずつ得点源を増やす作戦で進めましょう。

とはいえ部活も忙しく、英語や数学もある中で、さらに理科も…、というのは難しいかもしれませんね。そんな時は勉強法のプロ=塾に頼るのがおすすめです。塾は中学校の定期テストや高校入試問題を知り尽くしており、お子さんの現状と目標に合わせて無理のない計画を立ててくれます。

塾は英数メインというイメージがあるかもしれませんが、理科克服のために通塾する中学生もたくさんいます。

理科と他教科の勉強バランスを考えてくれたり、学習法のアドバイスや部活と両立する方法を教えてもらえたりと、塾に通うことで良い相乗効果も期待できます。勉強法に迷っている中学生の強い味方になってくれますよ。

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まとめ

この記事では、中学生の理科勉強法についてまとめました。

理科は暗記も計算も多く、事象のイメージがしにくいこともあって「よくわからない」「なんとなく嫌い」と敬遠されやすい教科です。一方、高校入試では思考力を問う問題や記述問題も増えつつあり、いままで以上に「本質的な理解」が必要になっています。

入試で理科が足を引っ張ることがないように、早めに対策を始めるのが合格の秘訣。中3を待たず、できるところから着手していきましょう。

塾などプロの手を借りるのもおすすめです。単元ごとに集中対策が取りやすいのも、理科の嬉しいポイントです。

第一志望校合格に向けて、この記事を参考に、ぜひ頑張ってくださいね!

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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

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