元公立中学校の理科の教員です。教員経験は11年。現専門は理科教育学。所持教員免許は中学と高校の理科。
理科の教材や学習法を研究中。さまざまな出版社の理科教材や解説を作成してます。
「子どもが高校受験を控えているが、勉強時間は十分なのか不安……。」
「高校受験をする子どもの平均勉強時間はどれくらい?」
「勉強が苦手な子どもは、どのくらいの勉強時間から始めればいいの?」
この記事では保護者様のそのような不安や疑問について解説していきます。
筆者は公立中学校での教員経験が11年あり、現在も教育の最前線でさまざまな活動を続けております。今回の記事の執筆にあたり、現役中学生へ独自のアンケートも行いましたので、ぜひ参考にしていただければと思います。
まずは高校受験生の平均的な勉強時間をみていきましょう。ここで重要なのが、いわゆる「受検に必要な勉強時間」が、「理想」で語られる場合と「現実」で語られる場合があるということです。この2つには大きな隔たりがあります。
この点を理解しておかないと、親子そろって受験勉強の理想と現実のギャップに苦しむ結果となってしまうため、注意が必要です。
では、「平日」「休日」ごとに高校受験生の平均勉強時間をみていきましょう。
高校受験生の平日における「理想」の平均勉強時間は3時間です。これは学校や塾の先生などからも最も求められやすい、目安の勉強時間といえるでしょう。元教員としての経験からも、「平日3時間」というのは十分満足できる勉強量といえます。時期や志望校の偏差値に関わらず十分だといえるでしょう。
逆にいえば平日4時間以上の学習を長期的に続けるのは、オーバーワークの心配が出てきます。中学生の自由時間は、基本的に21時〜23時前後です。その他の時間を上手に活用したとしても、やはり平日3時間が理想的かつバランスの取れた時間というのは納得できそうですね。
では次は、高校受験生の平日における「現実」の平均勉強時間をみてみましょう。今回は私のYouTubeチャンネルに登録してくれている中学生3000人以上に対してアンケートをとりました。(結果は塾等の時間を含めたものです)
このような結果になりました。3年生以外もアンケートに答えてくれているので、それを除いてまとめると以下のグラフのようになります。
2021年12月(高校受験直前期)のデータですが、この時期の中学3年生でさえ、平日に平均3時間以上学習できているのは2割に満たないという結果になっています。
この結果をまとめると、高校受験生の平日における勉強時間の「現実」は約1.5時間程度ということがいえそうです。
この現実を理解し、保護者の皆様には「子どもが勉強しない!」とあまりカリカリせず、温かく子どもに接してくださればと思います。(受験生との接し方のコツは後半お伝えします!)
続いては休日の平均勉強時間をみていきましょう。
高校受験生の休日における「理想」の平均勉強時間は「8時間」と言われることが多いです。これも「平日の3時間」に引き続き十分な勉強量だと言えます。休日にこれだけ学習に向き合うことができれば、「進学先が見つからない」という悩みとはほぼ無縁でしょう。
学校の提出物などに当てる時間も十分に確保できていると考えられるため、内申点も上がりやすくなります(よく部活動などが内申に関わると言われますが、日常の提出物が最も内申に与える影響は大きいです)。
では、「現実」として高校受験生は休日に平均どの程度学習をしているのでしょう。こちらも、3000人以上にアンケートをとりましたので、結果を見てみましょう。
このような結果になりました。3年生以外もアンケートに答えてくれているので、それを除くと以下のグラフになります。
休日において、3時間以上勉強をしている受験生は3割程度となりました。
このうち「3時間以上」と回答した全員が8時間勉強していると考えるには無理がありますよね。そもそも約7割の生徒は3時間未満しか勉強していません。「休日8時間」がいかに理想を述べた数字なのか、おわかりいただけるかと思います。教員としての経験からも「この程度だろうな」という実感があります。
また、「平日」「休日」問わず「0〜1時間」が約3割を占めているところも興味深いところです。要は「勉強しない子どもは、時間があってもしない。」のです。保護者の方々も、何となく直感でわかっていただけるかと思います(なお、アンケートのコメント欄に投稿があったのですが、「8時間以上している」「10時間以上している」という意見も少数ですがありました。実際に8時間以上勉強している子どもがいることから、「8時間」は現実として不可能ではないこともわかります)。
この結果をまとめると、高校受験生の休日勉強時間の「現実」は約2.5時間程度だということが言えそうです。
では続いて、時期や志望校の偏差値ごとに、勉強時間の目安を解説していきます。
まずは高校受験に向けて、時期ごとの勉強時間の目安を解説していきます。
前提として、勉強時間に「正解」はありません。
子ども一人一人の成績や目標、得意不得意によって合格に必要な勉強時間は変化します。「どんなときでも勉強時間は、多ければ多いほどよい」と一律に結論づけてしまうことも、もちろん間違いではありません。
しかしここでは、10年以上の私の教員経験を元に、現実的な意見を解説させていただきます。
中学3年生になるまでに行ってほしい家庭学習はズバリ「毎日1時間」です。「少なすぎるのでは?」と感じた保護者の方々が多いかもしれません。それこそ「理想」としての学習時間が「平日3時間・休日8時間」なのですから(もちろん、可能なら3時間してほしいところです)。
ではなぜ、ここでは「毎日1時間」と結論づけたのか。それは「学習習慣を身につけておく」ためなのです。
中学生も保護者の方々も、耳にタコができるくらい聞いた話かもしれませんが、「習慣は努力をたやすく凌駕」します。
一般の公立校で成績上位の生徒は、「必死に勉強している」というよりも、毎晩お風呂に入るような気楽さで、「習慣」として学習をしていることがほとんどです。
毎日1時間、習慣として学習している子どもと、月に数回思い立った時に必死に3時間勉強する子どもでは、その結果の差は段違いです。
さらに重要なこととして、毎日1時間(30分でもよい)の勉強が習慣化できていれば、それを2時間〜3時間へと増やすことはさほど難しくないということです。
ぜひ、3年生までにしっかりとした学習習慣をつけられるよう、取り組んでみて下さい。なお、子どもは「3年生になったら頑張る」と言いがちですが、2年生の1月〜3月までに学習習慣がつけられるとベストです。
3年生になると、クラス替えに始まり修学旅行や部活動の試合など、最上級生としての活動が一気に増えます。
2年生の後半は部活動の時間が短く、行事も少ない傾向にあるため、最も学習習慣をつけやすい時期なのです。
続いて中学3年生の春〜夏の勉強時間の目安を考えていきましょう。
この期間の目標家庭学習も「毎日1時間」でよいと言えます(もちろん、3時間勉強できるならしてください)。
「1時間は少ない」という意見もあるでしょうが、すでに紹介したように、現実問題としてこの時期の中学3年生は「勉強以外の活動が忙しい」という事実があるのです。
新しいクラス・委員会・部活動・修学旅行などで、3年生は最上級生として後輩を引っ張る立場になるため、活動量が増加する傾向があります(注:学校によります)。
そのためこの時期は、学習時間を確保するのに最も難しい時期です。「3年生になったら頑張る」が失敗するのはまさにこのためなのです。
春に学習習慣を身につけることに失敗した場合は、部活動が終了する夏、もしくは学園祭が終了する秋の始めあたりまで、ほぼノーチャンスになってしまいます。
「1時間」と言うと少なく聞こえますが、「毎日1時間」です。大人であっても毎日1時間新たな習慣を身につけることの大変さはおわかりいただけると思います。
もちろん理想は3時間と言えますが、あまり欲張らずに「毎日1時間」を確実に身につけることが大切だと私は考えます。
続いては、夏休みの勉強時間についてです。
夏休みの勉強時間はズバリ「3〜5時間」でしょう。先ほどまでの「1時間」よりもかなり厳し目の数字にさせていただきました。それはなぜでしょうか。
この時期になると、部活動を引退する子どもが多くなります。そのため受験生として時間に余裕ができ、勉強に本腰を入れるには最適な時期となります。ここまでに学習習慣がついていないお子さんの保護者様は、環境面のサポートを積極的に行うことが大切です(後述)。
「夏が受験の天王山」という言葉を聞いたことがある方も多いかもしれません。これが事実とは言い切りませんが、「夏の努力は受験生を裏切ることはない」と考えておいて間違い無いでしょう。
多くの都道府県では、秋に大規模な学力調査テストが行われます。受験勉強の効果はすぐには現れないため、夏の努力が秋の試験に直結するかどうかは一概には言えません。しかし、冬〜入試に向けては、夏の努力は必ず結果に現れます。
特に志望校に偏差値が5以上足りていない場合は、「夏が最後のチャンス」のつもりで勉強に励む必要があるでしょう。
時間的に余裕がある中3の夏休みだからといって、これまで以上の学習習慣を身につけるのは、保護者の方々が考えるほど簡単ではありません。お子さんと共に、一歩ずつ進んでいってほしいと思います。
最後に2021年の高校受験生に向けた夏休みの学習時間のアンケート結果を載せておきます。参考にして下さい。
秋以降の学習時間の目安は「2時間」です。先ほど平日の平均勉強時間のアンケート結果を見た通り、現実には高校受験を控えた12月であっても中学3年生の平日の平均勉強時間は1.5時間です。そのため目安として2時間とさせていただきました。
この時期に学習をしていない生徒は、日々ライバルから(すなわち、志望校の合格ラインから)引き離され続けるという厳しい時期にさしかかっています。毎日しっかりと勉強時間を確保するとともに、学校や塾の先生と相談しながら志望校を固めていきましょう。
学校も塾も先輩方の受験結果のデータをもっていますので、参考にしながら進路を決定するのが良いでしょう。
ちなみに傾向として、学校は安全策をとり、塾は挑戦をさせる傾向にあります。学校は子どもの進路を固めたい、塾は教室の実績に繋げたいという意識がはたらくためです。多くの意見をもらい、最後は家庭でしっかりと話し合って志望校を決めて下さい。
冬休みは「5時間」程度を目安にするとよいでしょう。毎日の学習時間を確保すると共に、できる限り精神的に安定した状態で毎日を過ごすことが大切です。
都道府県によりますが、推薦入試や前後期制で、不合格を経験する子どもも出てきます。受験は大きなイベントですが、人生で考えるとほんの一部という考え方もできます。不合格が出ても終わったことにこだわらず、気持ちを切り替え、ぜひ最後の一踏ん張りをお子さんと共に乗り越えて下さい。
ここからは、目標偏差値別のおすすめ勉強時間を解説します。数字で表れる成績は本人の「能力」だけでなく、さまざまな要因によるところも大きいです。以下は、あくまでも目安としてお考えいただければと思います。
成績が平均以下である偏差値30〜50未満の中学生に必要な勉強時間は30分〜1時間と言えます。これは先程も述べた「学習習慣を身につける」ことを目標とした数字です。
成績が低い子どもは勉強に対して苦手意識が強く、勉強を行うのに多くの労力が必要でストレスもかかります。
まずはあまり多くを求めず、30分〜1時間の学習習慣を身につけることを意識すべきでしょう。保護者が焦ってイライラしても逆効果なので、根気強く接するようにして下さい。
また少数ですが、毎日の学習時間をきちんと確保しているのにも関わらず、成績が伸びない子どももいます。その場合は、
学習の仕方が悪い、またはわかっていない
本人がそもそも勉強を苦手としている
の2つのパターンが考えられます。前者の場合は頭を使わず、ただ作業のように学習をしていることが多いです。
後者の場合は、現状で精一杯やっていると言えます。勉強が苦手であると自己肯定感も低くなってしまいがちなので、お子さんの努力そのものや、勉強以外の長所を認めることが特に大切になってきます。
どちらのパターンも学校や塾の先生に相談することが効果的です。率直な意見をもらい、お子さんと話し合う時間を設けてみて下さい。
成績が平均である偏差値50〜60未満の中学生に必要な勉強時間は「1〜2時間」と言えます。この成績帯にいる子どもにも2つのタイプがあり、
勉強が得意だが習慣的な家庭学習をしていない
勉強は得意ではないがコツコツ努力ができる
に分けられます。どちらのタイプの子どもも、十分に恵まれた資質をもっているといえるでしょう。成績が大きく伸びる可能性があるのは前者であり、学習習慣を身につけることでさらに大きく成績を伸ばすことができるでしょう。
後者の、勉強が得意ではないがコツコツ努力できる子どもは、現在の勉強時間をキープした上でさまざまな学習法に挑戦し、効率を高めていくことで成績アップが望めます。
また、中学生は一度身につけた学習法を改善せず、思考停止で惰性的に続けてしまう傾向があります。お子さんが「きちんとやっているのに伸び悩んでいるようだ」と保護者の方が感じたら、より効率の良い学習方法を提案するのも一つの方法です。
偏差値60以上の子どもに必要な学習時間は「3時間以上」と言えるでしょう。この成績帯の子どもは、一部の例外を除き受験に向け日々努力を重ねています。
勉強時間が2時間以下では周り(同じ高校を志望するライバルたち)から差をつけられる可能性がある、厳しい世界で受験に挑むこととなります。子どもたちももちろん、そのことを理解しています。
自分独自の学習法をすでに身につけている子どもも多いです。保護者の方は、お子さんのオーバーワークに気をつけ、環境を整えるなどのサポートをしてあげられるとよいでしょう。
ここでは、お子さんの勉強時間を増やすために効果的な方法を紹介します。
最も大切なことは「ムダな時間を削る」ことです。「いつもの生活に勉強時間を加える」のではなく、「毎日のムダな時間を削り、そこに勉強時間を入れる」ことが大切です。
中学生のほとんどは毎日2時間以上の自由時間がとれるはずなので、勉強時間にあてるために、ムダな時間がないかチェックして削りましょう。勉強している間はテレビやスマホを見られない環境にすることが基本です。
また、「継続が可能な範囲の学習時間を作り出す」ことも大切です。一日に大量の勉強時間を確保するよりも、10分でもいいので毎日の時間を増やすよう意識してください。一日10分増やすことができれば、一ヶ月で6時間もの学習時間を増やすことができます。
次に効果的なことは学習のモチベーションアップです。とはいえ、これは簡単なようで難しいことです。「勉強は将来役に立つ」といくら言って聞かされても、子どもにとっては今一つ納得できないのではないでしょうか。受験生で志望校が決まっている子どもの場合は、その高校に入ったときのメリットや出来ることなどを「イメージしやすく」「具体的に」伝えてあげることが効果的です。
例えば、家や車のテレビCMでは、「家」「車」そのものよりも、「それを手に入れたときの幸せそうな家族像」をアピールします。これと同様に、志望校そのものの魅力とともに、そこに入学して得られる生活やメリットなどを保護者から伝えてあげられると、モチベーションアップに繋がるでしょう。
ちなみに、「お金」や「ほしいものを買ってあげる」なども、不純に感じるかもしれませんがモチベーションアップには効果的なお子さんもいます。
「物のために頑張らせるのは良くない」とする考え方もあるので、ご家庭ごとの判断にはなるでしょうが、現役で教員をしていたときにはこのような動機で成績を上げていた子どもも実際に多くいました。
大人だって成績で大きくボーナスが上がるのであれば、頑張れる人もいるでしょう。一時的な手段として試してみるのもよいのではないでしょうか。
子どもによっては受験に対して過度なストレスを感じることがあります。
「受験を失敗できない」と考えてしまうことがストレスの原因となる場合が多いです。受験に対する不安は誰もが感じるものですが、それが過度になってしまってはよくありません。これらのストレスを和らげてあげることも、学習を続ける上ではとても大切になってきます。
対策としては、保護者が受験を意識しすぎないことです。子どもにとって大切な時期であるからこそ、家族が笑顔で生活できていることが鍵になるのです。子どもの様子を伺いながら、子どもの思いを聞く姿勢も大切になります。
子どもの気持ちを聞くことで、子どもがより集中できる環境づくりや気分転換などがさせやすくなり、さらに良い循環が生まれます。
大人である保護者が、受験に対して適切な距離感をとることで、子どものストレスも緩和されていくでしょう。
ここまで、「勉強時間」に焦点を当て解説をしてきました。しかし、成績を上げるために必要なことは、「勉強時間」だけでなく「学習効率」に目を向けることも大切です。
ここからは効率的な勉強方法について解説していきます。
本記事でくり返しお伝えしていますが、「習慣化」は学習の効率化にも効果的です。習慣化された行動は、勉強に対するストレスやハードルを下げてくれます。
また、週1日だけ7時間の学習をするよりも、毎日1時間の学習を7日続けたほうが、定着率ははるかに高くなります。まずは「習慣化」を第一に考えるとよいでしょう。
学習環境の最適化は重要です。学習を行う場で誘惑が多いとどうしても気が散ってしまいます。家庭によってとれる対策は異なると思いますが、極力誘惑が少なく集中できる環境を整えましょう。
特にスマホは注意が必要です。スマホアプリはそもそも気を惹きつけられるような作りになっています(開発者側の視点にたてばそれは当然のことでしょう)。すぐ手元にあるスマホに気を取られないようにすることは、子どもの意思ではほぼ不可能です。
可能であれば、勉強中は保護者が預かることがベストです。
自分にあった勉強法を見つけましょう。しかしこれは、高校・大学・社会人と長期的な視点で見つけていく必要があるため、それほど簡単ではありません。
また勉強法だけにとらわれてしまっても、本末転倒の結果となってしまいます。セオリー通りに定期テストを学期ごとに解きなおして振り返るほか、Google検索を利用して関連する事項の知識をつなげて覚える、YouTube動画で学ぶことで記憶に残りやすくするなど、さまざまな学習法を試し、自分に合ったものを取捨選択していくのがよいでしょう。
この地道な活動が、将来的に大きな力になっていきます。
学習効率を上げるためには、睡眠時間を削らないことが大切です。「ベネッセ教育総合研究所」によると、中学生の平均睡眠時間は7時間30分ほどです。
(出典)睡眠時間:放課後の生活時間調査(速報版)- ベネッセ教育総合研究所
子どもの体質によって異なりますが、できれば毎日6〜7時間の睡眠をとり、寝不足で勉強することは避けるようにしましょう。
休日であれば昼寝も効果的です。その際は30分程度にとどめるようにしましょう。長時間の昼寝は逆効果になってしまいますので、気をつけて下さい。
毎日の学校の授業も疎かにしないようにしましょう。学校の一日の授業は中3ではおおむね6時間(6コマ)ですが、これは毎日の家庭学習時間よりもはるかに長いです。この時間に集中して取り組むことは、授業の定着の効率をはかり成績を上げるだけでなく、内申点の向上にも繋がります。
受験勉強をしていると学校の提出物に追われることが面倒になるかもしれません。しかし、提出物は忘れず、必ず期限までに出すようにしましょう。「教員は好き嫌いで成績をつける」などと世間で言われることがありますが、現実にはそのような先生はごくごく一部です(少なくとも私の10年以上の教員経験では1人も出会ったことがありません)。
教員は保護者から成績の付け方の説明を求められれば説明を行う必要があります。その際「やる気」などの曖昧な判断ではなく、「提出物」など誰が見ても明確なものに重きをおいて判断をするのが通常です。確実に加点できる提出物を疎かにしないようにしましょう。
塾や家庭教師の利用も効果的です。これらの活用には以下のようなメリットがあります。
つまずきやすいポイントを解説してくれる
勉強のやり方について相談にのってくれる
強制的に勉強時間が作れる
同じ受験生たちと競うことでモチベーションを上げられる
デメリットはお金がかかることでしょう。また、子ども一人一人に合った塾や家庭教師選びに失敗しないことも大切なポイントです。
「どんな塾が合うかわからない」という方は、「塾探しの窓口」を利用することで、費用や通いやすさ、授業方式など自分の求める塾を見つけることが可能です。ぜひ「塾探しの窓口」を利用して、効率よく学習が進められる塾を探してみてください。
最後に子どもを合格に導く保護者の関わり方について解説します。受験生は大変ナイーブなため、関わり方に悩む保護者は非常に多いです。その反面、子ども自身に受験生という意識が全く見られず、どうすれば勉強をしてくれるのか悩むケースも多いです。
ここでは受験生と関わる保護者が押さえておくべき、基本的なポイントを紹介します。
子どもが勉強に集中して取り組むためには、「親は自分の味方だ」と感じられることが大切です。原則として保護者は「温かく見守る」というスタンスをとるのがよいでしょう。
勉強について言いたいことが出てきてしまった場合も感情的にならず、落ち着いたタイミングで話し合うのがよいでしょう。
頻繁に喧嘩をしてしまう場合は、一度子どもと距離をとるのも効果的です。喧嘩をするくらいなら勉強のことには口を出さず、干渉しすぎないようにしてください。また保護者の方自身もアンガーマネジメントを心掛けるようにしましょう。
子どもの話をしっかりと聞く姿勢も大切です。これは、勉強に関すること、関係しないこと、どちらについても必要です。保護者としてはつい勉強の話をしたくなってしまうかもしれませんが、それは子どもにとって負担になってしまう場合が多いです。
保護者は理想の上司のように、温かい心で他愛もない会話をして見守ることが、子どもの心の安定につながります。プレッシャーがかかる時期こそ、家族で明るい日常を送れるよう心がけましょう。
子どもがストレスなく勉強できる環境づくりも大切です。子ども一人の部屋があるとよいですが、家庭の都合で一人部屋がない場合も多いでしょう。そのような場合も、保護者がテレビをすぐ傍で見ないなど、子どもの勉強を妨げる行動を減らすことで、子どもは集中力を高めることができます。
保護者が読書などに積極的に取り組むのもよいでしょう。「集中している人の近くは集中でき、集中していない人の近くは集中できない」というのは教師が教室でよく使うフレーズです。
簡単ではありませんが、家族一丸で受験に取り組めるよう、チャレンジしてみて下さい。
勉強を継続して続けていくためには、気分転換も大切です。これには毎日(平日)の気分転換と、休日の気分転換があります。平日は美味しいものを食べるなど、一人でリラックスできる時間をつくってあげるとよいでしょう。休日はどこかに出かけるなどして、体を動かす活動をすると良い気分転換になります。
受験シーズンは子どもだけでなく、保護者にとってもストレスが溜まりやすい時期になります。保護者の方々も積極的に気分転換を行ってほしいと思います。
最後は「過程を認める」ことです。どんなに努力をしても、テストや受験本番で失敗してしまう可能性は存在します。多くの子ども達はこの「本番での大失敗」をプレッシャーに感じています。
しかし残念ながら、「失敗してはいけない」と考えれば考えるほど、失敗しやすくなってしまいます。これを改善するには「子どもの勉強してきたこれまでの過程を褒める」ことを日頃から継続的に行っていくことです。
過程を認めてあげることで子どものモチベーションも上がり、継続的に勉強に取り組みやすくなります。また試験直前にも「出来る限りの努力はした」と前向きな気持になれます。
「うちの子は褒めるところがないから……」という保護者の方もいらっしゃいますが、そんなことは決してありません。子どもはみんなそれぞれ、良いところ、頑張っているところがあります。大きな目立つ成果ではなく、ぜひ小さな成果を認めて褒めてあげて下さい。
「理想の勉強時間と現実にギャップがある」「勉強時間の捻出が困難」と悩む保護者の方も、少なくないでしょう。時間があっても、勉強のやり方がわからず困るケースもあるかもしれません。
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受験に限ったことではないですが、「理想」だけにとらわれると苦しくなってしまうことも多いのではないでしょうか。この記事を参考に、お子さんの実態に合わせて学習計画を立て、実践していただければ幸いです。
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