夏休みを控え、塾の「夏期講習」「短期集中!」といったキャッチフレーズが気になる親御さんも多いでしょう。勉強内容も難しくなる中学生は、多くの生徒が塾に通いますが、「周りが行くから」という理由だけで夏期講習に行くのは危険です。目標と目的をハッキリさせておかないと、何となく夏期講習に通い、何となく夏休みが終わるだけになりかねません。
今回は中学生の夏期講習について、目的や費用相場、効果的な受講方法などを詳しく解説していきます。
1学期のテスト結果や成績は、期待通りだったでしょうか。夏休みを前に「しっかり勉強した方が良いのでは」「このままでは受験…
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夏期講習の目的と授業内容は?
1か月に及ぶ夏休み期間を利用して行う夏期講習。どんな勉強をさせてくれるのでしょうか。夏期講習の目的や指導内容について見てみましょう。
(1) 1学期に習った内容の復習
夏期講習の目的として最も多いのが、「1学期に習った内容の復習」です。進級して習う内容も難しくなり、重要事項が次々出てくるのが1学期。夏期講習での復習には、「理解を深める」「知識を定着させる」という狙いがあります。
2学期以降の勉強をスムーズに積み上げるためには、夏休み中の復習が欠かせません。
(2) 苦手教科や弱点分野の克服
夏休みの「他の長期休暇より時間がとりやすい」「学校の授業が進まない」というタイミングを利用し、苦手教科・弱点分野の克服をさせる塾もあります。すでに苦手になってしまっている部分は、自分だけの力で乗り越えるのは難しいもの。夏期講習を通じてプロの手を借り、効果的に克服してしまいましょう。
(3) 中3生:高校入試の準備と対策
中学3年生の夏期講習は、半年後に迫る高校入試の準備と対策にも重要な意味を持ちます。
学習内容の総復習をし、入試を意識した問題を解いたり、過去問の傾向を分析したりする取り組みは、時間がある夏休みにぜひやっておきたい勉強です。夏休みに入試対策をした反省点を、2学期の勉強に活かせる点もメリットです。
部活も引退し、時間がたっぷりある中3の夏休み。でも、燃え尽き症候群になっている暇はありません、高校受験まではわずかに半…
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中学生の夏期講習、授業料の相場はどれくらい?
夏休みを有意義に過ごすためにも、前向きに検討したい夏期講習。でも気になるのは費用面、という方も多いのではないでしょうか。
編集部で調査した夏期講習の費用相場を、塾のタイプ別に解説します。
(1) 集団指導塾の場合
「集団指導塾」とは、学校のように大勢の生徒が一斉に授業を受ける塾を指します。1クラスの人数は10~30人程度でレベル別に分かれていることが多く、頑張る周囲の姿を見て刺激を受けることができます。競争心の強いお子さんや、積極的に授業に参加できるタイプのお子さんに向いています。
集団指導塾で夏期講習を受ける場合の費用相場は、次の通りです。
中3は受験対策などの特別カリキュラムが組まれることもあり、費用が高くなる傾向にあります。中1・2生は、通常期の月謝の2倍程度と考えておくと良いでしょう。
(2) 個別指導塾の場合
「個別指導塾」とは生徒1~3人に講師が1人付き、一人ひとりのペースに合わせて指導する塾を指します。学習計画や進度は個別に相談して決まるため、一斉授業にはついていくのが困難なお子さんや、反対にハイペース学習をしたいお子さんにも向いています。
個別指導塾で夏期講習を受ける場合の費用相場は、次の通りです。
個別指導塾は、授業のコマ数(回数)で費用が決まります。一般的に受講教科やコマ数が増える受験学年の方が費用が上がりますが、中1・2年生でも、5教科の対策をしたい、たっぷり授業を受けたいといった場合は、費用がかさむことになります。
(3) その他(家庭教師、映像授業塾など)
家庭教師はご家庭に訪問、あるいはオンラインでマンツーマン指導を行います。映像授業塾とはあらかじめ用意されている授業映像を見て学ぶ塾を指します。いずれも「夏期講習」という既成カリキュラムがあることは少なく、授業回数を増やす・夏休みだけ受講するといった形で夏期講習に代えているところが多く見られます。
家庭教師や映像授業塾を夏休み中に受講した場合の費用相場は、次の通りです。
特にオンラインスタイルは費用が比較的安い傾向にあります。授業も必要な回数だけを指定できるので、無駄なく効率的に受講できるのもメリットでしょう。ただし既成の夏期講習カリキュラムがないため、学習計画は別途考える必要があります。
(4) 授業料以外の料金もチェック
夏期講習費用の大半を占めるのは授業料ですが、他にも細々とした費用が必要な場合があります。以下のような料金が掛かるかどうかは、事前にチェックしておいた方が良いでしょう。
夏期講習修了後も継続して通う場合は、入会金や8・9月の月謝を支払う必要があります。場合によっては夏だけで数十万の出費になることもありますから、事前に塾に問合せ、必要な費用を正確に調べておくと安心ですね。
中学生のお子様を塾に通わせる場合、「どれくらいの費用がかかるのか」は保護者の方にとって最も気にかかるポイントでしょう…
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夏期講習が必要かどうか、判断する方法はある?
「中学生は、夏期講習に行くのが当たり前」、そんな雰囲気を感じる親御さんも少なくないかもしれません。しかし、必要ないのに受けても、時間もお金ももったいないですよね。
お子さんに夏期講習が必要かどうか、見極めるポイントを3つご紹介します。
(1) 定期テストの得点は下がっていないか
定期テストの得点を、以下の視点で分析してみてください。いずれかに当てはまったら、夏期講習をきっかけとし、早めに対策をした方が良いでしょう。
得点が下がり傾向の教科がある
⇒ その教科が苦手になってきている可能性があります。
中間テストより期末テストの方が得点が低い傾向がある
⇒ 理解不足の単元が残っているかもしれません。期末テストの方が出題範囲が広いため、テスト勉強でカバーしきれていないことが考えられます。
教科ごとの得点差が大きい
⇒自力では手が回っていない教科がありそうです。
(2) お子さんが自覚している苦手はあるか
日頃からお子さんが自覚している苦手教科や単元がある場合も、夏期講習の受講がおすすめです。誰でも、苦手なことを勉強するのは気が進みません。何か勉強するきっかけを与えないと、ズルズルと受験まで行ってしまうことも考えられます。
もし「苦手は特にない」とお子さんが言う場合は、(1)の方法でテスト分析をしてみましょう。親御さんから見ても苦手がなさそうであれば、わざわざ夏期講習に行かなくても大丈夫かもしれません。
(3) 勉強や宿題の習慣はしっかり付いているか
勉強や宿題の習慣が付いていないお子さんは、集団指導塾の夏期講習に行ってみることをおすすめします。勉強を頑張る仲間の中に身を置くことでモチベーションが上がり、講師から勉強法を教えてもらうことで意欲が目覚めることも期待できるからです。
塾の自習室を使って、夏休みの間に勉強習慣を付けてしまうのもおすすめの活用法ですよ。
せっかく受けるなら!効果的な夏期講習の受け方
夏期講習を受ける!と決めたなら、最大の効果を手にしたいですよね。短期で集中的に勉強する夏期講習で成果を出すには、いくつかコツがあります。
(1) 予習はマスト!分からない点を明確にしておく
夏期講習では、毎回予習をしていきましょう。復習や苦手克服を目的として受ける場合は、予習は必須です。授業で扱う内容に目を通し、基本問題を解いておくだけでも十分なので、頑張って取り組んでみてください。
予習で大切なのは「どこまでは理解できているが、どこからは分からない」という境界線を明確にしておくこと。このひと手間で、自分が集中すべきポイントがはっきりし、メリハリを持って授業に臨むことができます。
(2) 復習や宿題は当日中に終わらせる
その日やった授業内容の復習や宿題は、必ず当日中に終わらせるようにしましょう。
夏期講習は短期間で行われるため、毎日授業があることも珍しくありません。理解不足を翌日に持ち越すと、あっという間に授業が分からなくなってしまい、やる気がなくなる原因にもなります。復習・宿題は帰宅したらすぐ取り組み、分からない点が出てきたら次の日に質問する、というサイクルを作りましょう。
(3) 塾の環境を積極的に利用する
夏期講習だけを受講する時でも、質問ができる・自習室がある・受験情報を得られるといった塾ならではのメリットは、遠慮なく活用しましょう。期間内は塾の付帯サービスを使い切るのも、成果が出る勉強に大切なコツです。
もし夏期講習後も継続して通うかもしれない塾であれば、気の合う講師を見つけておくことや通塾する生徒たちの雰囲気、勉強のしやすさなどを見ておくと、良い判断材料になります。
中学生が「自分に合う夏期講習」を見つけるポイント
夏期講習はどの塾でも開催しています。一体、どこの夏期講習が良いのかと迷ってしまいますよね。失敗しない夏期講習選びのためは、徹底的に「お子さんに合うかどうか」を見極めることが大切です。
夏期講習とお子さんの相性を判断できるチェックポイントを4つ、解説していきましょう。
(1) 指導スタイルをチェック!復習重視か先取り重視か
塾には復習重視型か、先取り型かという特徴があります。お近くの塾がそれぞれ、どちらが得意なタイプかチェックしてみてください。
あわせて、夏期講習でお子さんに取り組ませたい勉強内容が、復習なのか先取りなのかも考えます。塾の指導スタイルや夏期講習のコースと、お子さんのニーズとが合致する塾を選ぶと、間違いありません。
もし「復習を一通り終わらせて、少し先取りもしてほしい」など、細かな希望がある場合は、個別指導塾でオーダーメイドの夏期講習カリキュラムを作成してもらうのがおすすめです。
(2) 授業スケジュールは無理がないか
塾ごとの夏期講習スケジュールも、しっかり確認しましょう。特に夏期講習から初めて塾に通う場合、初めから緊密なスケジュールだと途中で疲れてしまうことがあります。お子さんの体力と相談し、無理なく通えることを重視すると良いでしょう。
部活や家族の予定と重ならないようなスケジュールであることも大切です。もし、お目当ての夏期講習が予定をかぶってしまう場合は、塾に相談してみてください。振替授業など、個別対応をしてくれることもあります。
(3) 校舎の立地や雰囲気は通いやすいか
校舎の立地は「ご自宅や学校から通いやすいか」「安全・防犯面の不安はないか」という点でチェックしましょう。中学生は送迎ではなく、自力で通うことも多いので、実際に使う交通手段も想定し、所要時間も確認します。
また2学期以降も継続して通う可能性がある場合は、塾の雰囲気がお子さんに合っているかというのも気になる点です。お知り合いで通っている方がいれば様子を聞いてみるなど、意識して情報収集をしていきましょう。
なかなか情報が集まらない、情報に偏りがあるといった場合は、「塾探しの窓口」のような、客観的に塾を比較できるサイトを利用するのもおすすめです。
(4) 合う塾が簡単に見つかる!「塾探しの窓口」
お近くの塾の中から、お子さんに合う1つを簡単に見つけられるのが「塾探しの窓口」です。塾の特徴や得意とする指導・対策、対象学年や予算の目安まで、ひと目でわかります。
複数の塾にまとめて資料を請求したり、体験授業を申し込むことも可能。手間がかかりがちな「塾の比較」が、サクッと時短できとても便利ですよ。使い方は下のタブから、「地域/学年」を選択するだけ!もちろん無料で使えます。
「内申点の上げ方や得意科目の伸ばし方などをもっと具体的に知り、子どもに自信をつけさせたい」と考え、塾の利用を考える保…
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まとめ
何かと忙しい中学生にとって、夏休みはまとまった時間がとれる貴重な機会です。これまでの勉強を振り返り、高校受験についても考える良いタイミングでもあります。苦手克服や総復習、学力・知識の定着、志望校対策など、お子さんにとって必要な勉強ができる環境を整えてあげたいですね。
夏期講習も、夏休みを有意義に・効率的に過ごしてほしい、という目的で行われています。申し込む前には塾の特徴や指導方針などをしっかり比較し、お子さんに合うかどうかを見極めるようにしましょう。品質の良い夏期講習なら、2学期になってすぐに効果が期待できますよ!
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