高校受験時の通塾費用、7割の保護者が「高い」と実感!想定以上にかかった費用項目は?

更新日 2025.11.10
高校受験時の通塾費用、7割の保護者が「高い」と実感!想定以上にかかった費用項目は?

お子さまの塾選びをサポートする【塾探しの窓口】が、全国の保護者に独自調査

全国の塾情報を掲載し、保護者の方の効率的な塾選びをサポートする「塾探しの窓口」は、中学生の高校受験に際する塾の利用状況に関して、「費用」の面から調査を行いました。

多様性を尊重する世相を受け、高校受験も塾も「子どもに合っていること」を是とする傾向が強まっています。一方で、子どもに合うことを追求しすぎた結果、費用が高額になり、家計を圧迫しては本末転倒。教育費と家計の兼ね合いに悩むご家庭も、少なくないのではないでしょうか。

高校受験のための塾通いには、どれくらいの費用がかかるのか。また、過去に塾を利用した保護者が「想定以上にかかった」と感じる費用項目は何か。調査から見える傾向を分析します。

〈調査概要〉
調査対象:子どもを持つ全国の保護者(30代~50代・男女)
調査実施期間:2025年9月~10月
有効回答数:521
調査方法:インターネットを通じたアンケート調査

※ 本調査では、2人以上の子どもを持つ保護者には、子どもそれぞれに関して回答を得ています。また、複数回答可の設問もあります。そのため、数値の合計が100%にならない場合があります。

【結果概要】7割の保護者が「塾の費用を高い」と感じる結果に。塾の形態別に費用感を分析すると…?

【高校受験時の塾費用】7割超の保護者が「高い」と感じていた

本調査では、高校受験にあたり教育サービスを利用した保護者を対象に、費用に対する感覚を調査しました。その結果、総合的に「高い」と感じた保護者の割合が全体の7割を突破しました。以下が、調査結果のデータです。

【高校受験に際して利用した教育サービスの費用について、どのように感じましたか?】
・非常に高いと感じる:20.4%
・高いと感じる:33.2%
・やや高いと感じる:23.2%(ここまでの合計:76.8%)
・どちらでもない:20.2%
・やや安いと感じる:2.3%
・安いと感じる:0.2%
・非常に安いと感じる:0.5%

保護者に「高い」と感じさせた具体的な費用項目は、後ほど詳しく分析します。ここでは、教育サービスの形態別に、費用感をさらに詳しく見ていきます。

主要な教育サービスである集団指導塾と個別指導塾、家庭教師(訪問型)、オンライン指導、タブレット教材の5サービスに分けて、費用感を以下にまとめました。

費用感/サービス形態集団指導塾個別指導塾家庭教師(訪問型)オンライン指導タブレット教材
非常に高い22.4%25.0%15.8%45.0%20.2%
高い34.8%37.8%31.6%25.0%27.4%
やや高い24.8%18.3%31.6%35.0%23.8%
どちらでもない18.8%18.3%21.1%10.0%26.2%
やや安い0.4%1.2%5.3%0.0%4.8%
安い0.0%0.0%0.0%0.0%1.2%
非常に安い0.0%0.6%0.0%0.0%0.0%

まず、学習塾の2大形態である集団指導と個別指導をご覧ください。一般的に、個別指導塾のほうが「費用は高い」と考えられています。しかし、調査結果からは、集団指導塾を「高い」と感じる保護者の割合(82.0%)が、個別指導塾を「高い」と感じる保護者の割合(81.1%)をわずかに上回っています。

「『集団指導塾は安い』と思い込み申し込んだが、思った以上に高かった」との声もありました。高校受験生は月謝が高額になり、特別講座等も増える傾向があります。入会当初には考えられなかった費用項目が発生するケースもあり、「(集団指導塾でも)高い」との感想につながると考えられます。

ただし、「非常に高い」「高い」の2項目では、個別指導塾が集団指導塾を上回ります。一般的にいわれるとおり、「個別指導塾は予想通り高かった」「家計への影響が大きかった」と感じる保護者が多いようです。

さて、もう1点、オンライン指導の調査結果にも注目してください。オンライン指導の利用では、「非常に高い」と回答した割合(45.0%)が、他の教育サービスより高くなっています。なぜでしょうか。

オンライン指導は実校舎を構えない分、割安感をアピールする傾向があります。ただ、実際には対面指導の塾と変わらぬ費用を請求するサービスもあり、集団指導塾と同様に「想定より金額がかさんだ」「高い」との感覚につながるケースが多いと考えられます。

あわせて、自宅受講が基本になるオンライン指導には、お子さんの主体性が欠かせません。目に入るお子さんの取り組み度合いが保護者の期待値を下回ると費用対効果の悪さを感じやすく、「(相対的に)高い」との感想につながると考えられます。

調査結果の要点

塾では、さまざまな費用項目がかかります。保護者が「高い」と感じる項目は、具体的に何でしょうか。また、実際にどれくらいの金額を支払っているのでしょうか。調査からわかったポイントを3つ、詳しく解説します。

■ 塾でかかった費用のうち、「想定以上に高かった項目」は授業料・季節講習費・特別講習費

【高校受験時の塾費用】想定以上にかかったと感じる費用は、「授業・指導に関する項目」

調査対象のうち、塾(集団指導塾:58.0%、個別指導塾:38.1%)を利用したと回答した保護者に、「塾でかかった費用のうち、想定以上に高かった費用項目」を尋ねました。結果は以下のとおりです。

順位費用項目割合
1授業料46.7%
2季節講習費46.4%
3特別講習費30.9%
4教材費25.4%
5模試受験料20.7%
6入会金10.8%
7管理費・諸経費10.2%
8手数料8%
9送迎費用6.4%
10子どもの交通費5.5%
11子どもの食費・雑費5.2%
12その他2.2%

「授業料」は毎週ある授業の費用(月謝)を指し、季節講習費は春休み・夏休み・冬休みに実施される講習を指します。特別講習は、受験生向けに開かれる「志望校対策講座」「入試直前講座」といったものです。

この授業にかかる費用が、「想定以上に高いと感じた費用項目」のトップ3を占めました。

当然、どの保護者も、入会時に授業料を確認しているはずです。ただ、「授業料が頻繁に値上げされた」「教育費以外の出費が増え、塾の費用を圧迫した」といった声もありました。不可抗力的要素もあり、想定以上に高いと感じる人が多かった様相が見て取れます。

また、季節講習費・特別講習費は、受講する授業数や授業のレベルによって費用が決まる塾も多く、申し込みが確定しないと費用が分からない点も問題でしょう。

これらの結果から、塾の費用には「想定外」の項目があること、“その時”になってみないと費用が確定しない項目があると押さえておくことが重要だとわかります。

■ 高校受験に際し利用した塾の費用は、年間30万円程度。指導形態による差はほぼない

【高校受験時の塾費用】実際に支払った費用には、指導形態による顕著な差は見られない

調査では、高校受験に際し利用した塾に支払った具体的な金額もリサーチしました。以下は、集団指導塾・個別指導塾を利用した保護者が、年間に支払った金額のまとめです。

支払った金額(年)集団指導塾個別指導塾
~30万円60.4%59.7%
~50万円21.2%21.4%
~70万円8.0%12.2%
~90万円3.2%1.8%
~100万円9.2%5.5%
~120万円1.2%2.4%
~150万円1.6%1.2%
~180万円0.4%0.6%
~200万円1.2%1.2%
それ以上0.0%0.6%

ボリュームゾーンは、どちらの塾形態も「年間30万円まで」となっています。年間30万円は、1か月平均2.5万円。一般的な個別指導塾で1~2教科を受講した月謝に相当します。

ただし、「~100万円」と回答した保護者が、集団指導塾で9.2%、個別指導塾で5.5%存在することに注目してください。100万円以上かけたとの回答も、少ないながらもありました。

現在、値上げの波は教育業界にも押し寄せています。大手塾にも授業料や諸費用を上げる動きがみられ、この流れは今後も続くと考えられます。

これまでのように「集団指導塾=安い」「月謝の値上げはない」と思い込まず、お子さんの場合に必要な金額をできるだけ具体的に、見積もりとして出してもらうことが“想定外”を防ぎます。

■ 利用した塾の形態は「集団指導塾」がトップ。他の教育サービスとの併用も多い

高校受験に当たり利用した教育サービスでは、「集団指導塾(58.0%)」が最多でした。次いで、個別指導塾(38.1%)、タブレット教材(19.5%)と続きます。

ただ、ある教育サービスと同時に他の教育サービスも利用した、いわゆる「併用」も多く見られました。

〈集団指導塾と併用されたサービス〉
個別指導塾           20.8%
訪問型家庭教師   4.4%
オンライン指導   4.4%
タブレット教材   10.4%
教科専門塾          5.6%

〈個別指導塾と併用されたサービス〉
集団指導塾           31.7%
訪問型家庭教師   4.9%
オンライン指導   5.5%
タブレット教材   17.7%
教科専門塾           9.8%

※ それぞれ上位5つを抽出

「教科によって利用先を選ぶ」といった声や、「自宅学習用にタブレットを利用」「塾での学習や自習した分の質問解消用に家庭教師/オンライン指導を利用」といった声が見られました。高校合格に向けて、多くの保護者がより良い学習環境を模索し、必要に応じて複数のサービスを併用している様相が見られます。

ただし、併用の際は費用面に注意が必要です。家庭教師やオンライン指導、タブレット教材、教科専門塾を利用した保護者からは、「授業料や教材費が思った以上にかかった」との声も聞かれました。合格に向けた教育サービスは、適切なものを厳選し、不要な出費を極力抑える工夫が大切です。

総括

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・引用元が「塾探しの窓口による調査」である旨の記載
・本調査ページ(https://jyukumado.jp/column/251)へのリンク設置
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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

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