【中学生】数学の正しい勉強法は?テスト対策&高校受験まで

更新日 2024.01.25
【中学生】数学の正しい勉強法は?テスト対策&高校受験まで

「うちの子、数学に苦手意識があるようだ」「5教科の中で数学が足を引っ張っている」といったお悩みをお聞きすることがあります。

数学は英語と並ぶ重要教科、頑張らないとダメじゃない!とお子さんに発破をかけてみるものの、具体的にどこからどう手をつければよいのかわからなくて困っている…、というのが保護者の方の本音ではないでしょうか。

この記事では中学生の数学にスポットをあて、つまずく原因や今日からできる苦手克服対策、テストや受験を見据えた得点アップ勉強法まで解説していきます。数学が得意教科になる道を、一緒に見つけていきましょう!

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【学年別】数学の成績が伸び悩む原因

中3で数学が伸び悩んだ場合は、中1・中2に遡っての対策が必要
中3で数学が伸び悩んだ場合は、中1・中2に遡っての対策が必要

まずは、数学の成績が伸び悩む原因を学年別に分析していきます。

【中学生の学年別】数学の成績が伸び悩む原因

(1) 中学1年生でつまずきやすいポイント

中学1年生では「”算数”と”数学”の違い」に戸惑い、つまずくお子さんが多くみられます。

小学校の算数は具体的な数字や物を使って考えるので、子どもたちも内容がイメージしやすい傾向にあります。ところが中学では、a、b、x、yといった「文字」を使い、抽象的に考えるよう求められます。この壁が超えられず、苦手意識を持ってしまうお子さんが少なくないのです。

特に多いのは、中1の1学期期末テスト~2学期中間テストで成績が落ちるケース。教科書前半の「文字式」「方程式」「比例・反比例」という単元でつまずいていることが原因です。

「文字式」「方程式」「比例・反比例」は、中学数学の基盤でもある大切な単元です。苦手なまま放置すると、数学という教科全体に影響を及ぼしてしまいますから、早めに克服対策をした方が良いでしょう。

(2) 中学2年生でつまずきやすいポイント

中学2年生では単元の難しさに加え、問題文が長くなることで苦手意識を持つお子さんが増えます。

長い問題文を読み解くには、情報を探しつつ論理的に読み解く力が必要です。同時に単元の内容も難しくなっていますから、中2生には「論理的な読解力と、教科書内容の理解」が同時に求められるということです。

もしお子さんが数学の問題を読みながら「何を言ってるのか、よくわかんないんだよね」などとボヤいていたら、まさに「中2の壁」にぶつかっているのかもしれません。

長い問題文がよく出るのは、「連立方程式」「一次関数」「図形の証明」という3つの単元。そしてこの3つは、高校入試でも必ずといいっていいほど出される最重要単元でもあります。

高校受験も意識し始める中2だからこそ、本当に苦手になってしまう前に対策を始めることが大切です。

(3) 中学3年生でつまずきやすいポイント

中学3年生で数学が苦手になった原因のほとんどは、1~中2内容の理解不足にあります。というのも、中3の数学は一部の単元を除いて、中2までの内容を発展させたものがほとんどだからです。

中3では、これまで習った知識や単元を組み合わせ、深く考えさせる問題が増えます。深い理解が求められることで、これまでは気づかなかった理解不足・定着不足が明るみに出てくるというわけです。

たとえば高校入試でも頻出の「図形とグラフ」「場合の数と方程式」といった融合問題が代表的でしょう。既習範囲を確実に理解できていないと、手をつけることすら難しいこともあります。

中3で数学が伸び悩んだ場合は、中1・中2に遡っての対策が必要だと考えてください。受験までの残り時間を踏まえ、少しでも早く手を打つことが大切です。

中学数学の勉強法3ステップ!苦手意識を克服しよう

1日10分でも数学の問題に取り組む習慣を持つことが大切
1日10分でも数学の問題に取り組む習慣を持つことが大切

まずは数学が苦手になる原因を探ってきました。ではすでに数学が苦手になっているお子さんの場合、どのように対策していくのが有効でしょうか?

お子さんを無理なく数学の勉強に向かわせつつ、苦手意識も和らげられるアプローチ法を3つ、ご紹介します。

中学数学の勉強法3ステップ!苦手意識を克服しよう

(1) 教科書の例題レベルから取り組む

数学のテストで結果を出したいからと、焦ってテストのやり直しや応用問題に取り組ませてはいけません。数学が苦手なお子さんには、「自分にもできるかもしれない」という期待と達成感を持たせることが大切です。

最初は教科書の例題から取り組むと良いでしょう。要点が分からない場合は、「教科書ガイド」を利用するのもおすすめです。解説をじっくり読み、例題を「自力で最後まで解ける」よう導いてあげてください。

例題が解けたら、直後の練習問題にも取り組みます。はじめは例題を見ながらでも構いません。「基本の理解」と、「例題・練習問題を自力で解けるようになること」が、この時点の目標です。

(2) 問題演習の基本は「学校のワーク」

教科書の問題がある程度自力で解けるようになったら、問題演習量を増やしていきましょう。数多く問題を解いて慣れることも、数学が得意になる秘訣です。

おすすめの教材は学校のワークです。中学校で配布された教科書準拠のワークや問題集を利用しましょう。問題の難易度も適切で、基本の習得にはピッタリです。

勉強する際は、ワークには書き込まないことがポイント。書き込んでしまうと繰り返し学習ができなくなるため、問題はノートに解いていきます。

問題番号に印を付けておくと効率良く学習が進みます。「自力でできた⇒〇」「できなかった⇒×」等をつけるだけ。復習が必要な問題が一目で把握できますよね。印を付ける勉強法についてはこちらの記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。

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またできなかった問題や、できない問題が多いページに、付箋(ふせん)を貼っていくのもおすすめです。繰り返し解いて、できるようになったら、付箋をはがします。最初は付箋だらけ(=できないところだらけ)だったテキストから付箋がどんどん減っていくと、勉強した効果が目に見えるのでモチベーションアップにもつながります。

学校のワークを最低3周はしてみてください。きっと苦手意識はどこかに行ってしまうはずです。

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(3) 毎日勉強する習慣を付ける

苦手克服にもう1つ大切なのが「短時間でいいから、毎日数学の勉強をする」ということです。

人間の脳は、触れる頻度が高い情報ほど重要だと認識し、忘れにくくなるという特性があるそうです。逆に言えば、勉強の間隔が広ければどんどん忘れていってしまうということ。

毎日数学に取り組むことで、知識は少しずつ脳に定着していきます。そして、知識と知識がつながり「そうか、わかったぞ!」という瞬間がやってくるのです。

1日数問でも、1日10分でも、お子さんが取り組みやすい分量で構いません。少なくて良いので「毎日やる」ことにチャレンジしてみてください。1カ月が経つ頃には、見違えるほど数学ができるようになっていますよ。

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さらに数学が得意になれる勉強のコツ

文章問題が苦手な中学生は、「問題文が読めていない」ケースが非常に多い
文章問題が苦手な中学生は、「問題文が読めていない」ケースが非常に多い

数学への苦手意識が薄まってきたら、さらにレベルアップを狙える勉強法に挑戦してみましょう。

これからご紹介するのは、短期間で成果が実感しやすい勉強のやり方です。テストの得点アップにも直結しますよ!

【中学生】さらに数学が得意になれる勉強のコツ

基本計算を徹底的にトレーニングする

数学勉強のコツ一つ目は、「基本計算を徹底的にトレーニングする」というもの。実は大学入試まで使える、非常に本質的な数学学習の手法です。

正しく速い計算力は数学の基本中の基本ですが、じっくり取り組んでいる中学生は意外と少ないもの。だからこそ、トレーニングして周りと差を付けてしまいましょう。

計算力アップに大切なのは、「正しい計算方法」で「手際よく処理する」意識です。また、いちいち計算しなくてもいいよう、「12×12=144、√24=2√6」などよく使う数値を覚えておくのもコツ。計算スピードがグンと上がりますよ。

繰り返し計算問題に取り組むうちに、式を見た瞬間「これはあの手法で解けそうだ」と思い浮かぶようになります。頑張っていきましょう。

問題文を論理的に読めるよう練習する

文章問題が苦手な中学生には、そもそも「問題文が読めていない」ケースが非常に多くみられます。「問題文を論理的に読める」練習は、数学の得点アップに欠かせないアプローチのひとつです。

「問題文が論理的に読める」とは、単に音読できるという意味ではありません。与えられた数値や情報、条件を的確に発見し、それぞれの関係性を見抜き、数式の形で再現できる力のことです。

たとえば、次のような練習方法を取り入れてみてください。

問題文にある数字や文字に印を付ける

印同士の関係を考える

考えた関係を立式する

じつはこれ、数学が得意な生徒が脳内で行っている処理を言語化したものです。

数学が苦手なお子さんは、自力ではまだこの変換ができません。そこで保護者の方の出番です。対話相手になり、思考と変換を進めるヒントを与えてあげてください。

やり方は簡単です。一緒に問題文を読みながら、「これは何を表す文字かな?」「この数字とこの文字はどんな関係かな?」「それを式にすると、どうなりそう?」と問いかけてあげるだけ。

繰り返すうちに、情報を発見しようと問題意識を持って読む回路が、徐々にできてきますよ。

グラフや図にはとにかく書き込む

グラフや図形の問題は、とにかく何でも書き込むクセをつけましょう。与えられた情報はもちろん、定義や補助線、考えた仮説など、遠慮せず書き込むよう促してください。

数学が苦手な中学生の中には、「解くために必要な情報しか書き込んではいけない」「そもそも何を書けばいいかわからない」といった理由で、手が止まるケースが多く見られます。

しかし数学は思わぬところからヒントが見つかる教科。ふと書き込んだ1本の線が気づきにつながることもあるのです。

お子さんの手が止まっていたら、またまた保護者の方の出番です。

「y=5x+7 だって!この7は、どこのことかな?」「∠BDAの二等分線だって!二等分線ってことは…?」など、一緒に問題を見ながら、書き込む後押しをしてあげてください。

また、たくさん書き込めた時はぜひ褒めてあげてくださいね。

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【中学数学】定期テスト/高校受験対策はここで差がつく!

定期テスト対策で差をつけるポイントは、良質な精選問題の繰り返しにある
定期テスト対策で差をつけるポイントは、良質な精選問題の繰り返しにある

ここまで数学が苦手な中学生に向けて、克服できる勉強法をまとめてきました。

最後は定期テスト対策・高校受験対策に目を向け、ライバルと差がつくポイントに踏み込んでお伝えします。

定期テスト対策は精選問題の繰り返しが重要

定期テスト対策で差をつけるポイントは、良質な精選問題の繰り返しにあります。

数学は「できたつもり」になりやすい教科です。「数字が変わったらできなかった」「問題文の言い回しが変わったらわからなくなった」という声があるのが、その証拠。

例題や練習問題が解けたからといって安心せず、類題・応用問題にも取り組みましょう。数字や言い回しが変わっても、自信満々で解けるレベルに完成させることが重要です。

またテスト前は、テスト範囲を網羅する計画を立て対策しましょう。目安はテスト2週間前からです。

テスト前には、中学校別にテスト対策を行う塾もたくさんあります。お近くの塾のテスト対策に参加してみるのもおすすめです。

高校受験対策は傾向に合わせた対策が重要

高校受験対策は志望校に合わせた適切な対策が肝要です。

近年の公立高校入試は学習指導要領の改訂を受け、全国的に思考力・判断力が必要な融合問題・応用問題が増える傾向にあります。計算や知識だけで解ける問題より、読解力が必要な問題や解き方に工夫が必要な問題が増えているのです。

数学の基本を定着させた上で、さらに都道府県の傾向に合わせた問題演習が差をつけるといえるでしょう。

一方、私立高校は学校ごとに独自問題を出題します。難易度や解答形式もさまざまなので、早めに過去問を入手し、問題傾向に慣れておくようにしましょう。

高校入試は中学3年間の学習内容がすべて出題されます。苦手分野をそのままにしておくと、大問まるごと失点することにつながりかねません。時期がきたらすぐ本格的な受験勉強に入れるように、苦手分野対策は早めに着手しておくのが肝心です。

塾の資料集め・体験授業は余裕のあるときにやっておく

「高校受験に向けて塾に通うのは、まだ先」というご家庭もあるでしょう。たとえそうでも、早いうちにやっておくと安心なのが「情報集め」です。

お子さんに合う塾を見つけるとき、最初から「ここ!」と一つの塾に決めている方はレアケースといえます。一般的には3~4塾は資料を取り寄せ、比較することになるでしょう。お子さんとの相性や実際の授業内容を知るために、体験授業も受けておきたいですよね。ところがこの塾探し、予想以上に手間がかかるのです。

問い合わせから資料が届くまでに数日、体験授業の日程調整に数日、比較検討に数日…。さらにこの手順を複数塾で行うとなると、通う塾を決めるまでに数週間かかった、というご家庭も珍しくありません。

中3、いよいよ受験生!という段階であればどうでしょう。塾を探すより、勉強に時間を割きたいと思うはずですよね。通うかどうかは後で決めれば良いのです。情報集めや体験授業は、余裕のあるうちに行っておくと時間をロスせずに済みますよ。

塾探しの窓口」なら、お近くの塾にまとめて資料請求ができます。もちろん費用は不要。来る受験学年に向けて、早めの資料集めにご活用ください。

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まとめ

この記事では、中学生の数学勉強法について解説してきました。

数学は一度分からなくなると、あっという間に嫌いになりやすい科目です。数学が伸び悩んだら、あるいは苦手そうだと感じたら、早めに対策を始めることが大事。できるところから取り組み、自信をつけながら進めていくのが数学を嫌いにならないコツです。

また塾などプロの手を借り、短期間で集中的に特訓するのもおすすめです。数学は実はコツコツ取り組めば成果が出やすい教科。思い立った日からすぐに頑張って、ライバルに差をつけていきましょう!

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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

塾探しの窓口編集部

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