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【高校受験の日程】入試はいつあるの?準備はいつから始める?
中学1年・2年のうちは、高校受験についてそれほど深く考えていないお子さんもいることでしょう。中には、入試の仕組みすらよく分かっていないというケースも…。でも、入試の本番はあっという間にやってきます。
高校受験は多くのお子さんにとって、初めて経験する人生の岐路。「その時」になって慌てないために、長期的な計画を立てて準備する必要があります。この記事では高校受験の日程など入試の基礎知識や仕組み、入試当日までの流れについて説明します。
高校受験はいつ行われる?
高校受験が行われるのは、だいたい中学3年の1月上旬から3月上旬にかけてです。まず1月上旬から私立高校の入試が始まり、その後、1月下旬から私立高校の一般入試が行われます。公立高校の入試がスタートするのは、2月上旬からです。
私立高校と公立高校では、入試の時期が異なります。また推薦入試と一般入試でも、受験日程がずれています。そのため、1月上旬から約2カ月間という少し長めの期間になってしまうのです。
なかには、中学3年の秋に入試を行う高校もあります。ですから中学3年の後半はすべて受験シーズンと考えておいたほうがいいでしょう。
公立高校と私立高校の違い
公立高校とは、都道府県や市町村などの地方自治体が作った高校のことです。県が作った高校なら県立高校、市が作った高校なら市立高校と呼ばれます。
公立高校の入試制度は都道府県によって違っているので、自分の住んでいる場所ではどんな入試が行われているのか、よく知っておく必要があります。
公立高校には、国が作った高校も含まれます。国立の高校は全国に17校あり、そのすべてが国立大学の附属高校です。同じ公立高校でも、地方自治体が作った高校とは違い、入試の制度や日程は各校によってバラバラです。
私立高校とは、民間人や企業が作った高校のことです。大まかな授業内容は法律で決められていますが、指導方針や雰囲気は学校によって大きく異なります。
私立高校の入試制度も、学校によって大きく違っています。なかには一般推薦、特別推薦、一般入試、単願入試、併願入試と、バラエティ豊かな入試制度をそろえている学校もあります。
推薦入試と一般入試の違い
入試の制度として、推薦入試と一般入試があります。一般入試とは、受験生を集めて学力検査のテストを行う方式を指します。同時に、中学校での成績を記した調査書での書類審査や、面接などが行われることもあります。
推薦入試とは、中学校の校長から推薦された生徒だけが受けられる入試制度です。推薦されるには、学校によって定められた基準をクリアしていなければなりません。
推薦入試は基本的に、一般入試より早い日程で行われます。多くは学力検査を行わず、書類審査や面接、集団討論、小論文などで合否を決定します。
推薦入試の中にも、一般推薦と特別推薦があります。特別推薦とは、スポーツや文化活動などで優秀な成績を収めた生徒だけが受けられる入試です。
推薦入試は、すべての高校で行われているわけではありません。以前はほとんどの公立高校で推薦入試が行われていましたが、現在は一般入試に一本化する都道府県が増えてきました。
公立高校の入試制度は毎年改革されています。自分が受験するときにはどんな制度になっているのか、つねに最新の情報をチェックしておきましょう。
都道府県によって違う受験の日程
公立高校の入試は、大学入学共通テストのように全国一斉に行われるわけではありません。都道府県によって入試の日程も違いますし、入試制度そのものも異なっています。
そのため、自分の住んでいる都道府県の入試日を事前に調べておく必要があります。
公立高校受験の仕組みは都道府県によって違う
同じ都道府県内の公立高校なら、基本的に同じ日程で入試が行われます。そういうと「公立高校って1校しか受験できないの?」と思うかもしれません。でもじつは、2校以上受験できる都道府県もあります。
たとえば東京都や兵庫県などでは、推薦入試と一般入試、合わせて2回の試験が行われます。推薦入試で不合格になったけれど、一般入試を受けて合格したという人も少なくありません。
愛知県の公立高校は、入試日程がAグループとBグループに振り分けられていて、各グループから1校ずつ、合計2校の志望校が選べます。合格発表はAグループもBグループも同じ日に行われ、どちらの志望校に合格したのか分かる仕組みになっています。
ただし入試の制度は毎年、見直され改変されています。2校以上受験できると思って安心していると、実際に受験するときには制度が変わっている可能性もあります。
東京都の公立高校受験の仕組み
東京の公立高校の入試には、1月末に行われる推薦入試と、2月末に行われる一般入試があります。推薦入試では学力検査はなく、個人面接のほか小論文や実技検査などが行われます。
一般入試では、国数英理社の5教科の学力検査が行われます。ほとんどの学校は、マークシート方式の共通問題による学力検査となっていますが、一部の高校では独自の記述問題が出題されます。
合否は、学力検査の点数と、調査書の内容を点数化したものを合わせて、総合点で判定されます。調査書の点数は、国数英理社の5教科の点数はそのまま、音楽・美術・保健体育・技術家庭の4教科は2倍にして合算されます。
つまり東京都の高校受験の仕組みは、推薦入試と一般入試で受験のチャンスが2回あること、実技教科の成績が合否に大きく影響してくることの2つが特徴といえるでしょう。
大阪府の公立高校受験の仕組み
大阪の公立高校の入試には、2月に行われる特別選抜と、3月に行われる一般選抜があります。特別選抜は、音楽科や体育科、建築科といった実技テストを行う一部の学科のみで行われる入試です。そのため受験のチャンスは、事実上1回限りと考えておきましょう。
一般選抜では、国数英理社の5教科の学力検査が行われます。特別選抜では学力検査に加えて、実技試験や面接が行われます。さらに調査書の内容を点数化したものを合わせて、合否が判定されます。
大阪の高校受験の大きな特徴は、「チャレンジテスト」と呼ばれる独自の試験があることです。チャレンジテストは大阪府内のすべての中学校で、中学1年の1月、2年の1月、3年の6月に一斉に行われます。
チャレンジテストは、中学校の学力レベルによって調査書の評価が不公平にならないよう導入されました。中学の定期テストが難しすぎて、評価が低くなってしまう生徒や、反対に定期テストが簡単すぎて、評価が高くなった生徒を、同じ内容のテストを行って見分けようというシステムです。
調査書の内容も、中学1年時からの成績が点数化され、合否に関わってきます。つまり大阪府の高校受験は、中学1年から始まっているともいえるでしょう。
高校受験の志望校選定から合格までの流れ
中学3年になると、生徒・保護者・先生で話し合う「三者面談」の回数が増えます。多くの中学では11月に三者面談を行い、どの高校を受験するのかを話し合います。
受験する高校が決まったら、入学願書を受験校に提出します。公立高校の願書は中学校で配られますが、私立高校の場合は、それぞれの高校から取り寄せなければなりません。
入学願書の受付期間も、各高校ごとに違います。また入学願書を提出する時は、調査書、志願理由書などの書類も一緒に提出しなければいけません。
願書を提出すると、受験番号や名前が書かれた受験票が送られてきます。その受験票を持って、入試の当日に学力検査や面接などを受けます。
多くの場合は、入試から数日で合格発表が行われるでしょう。合格していたら、その高校の受付で入学手続きをとります。合格しても入学手続きを行わないと、合格が取り消されてしまうので注意しましょう。
志望校が決まるまで
どうやって志望校を決めたらいいのか、悩む人も多いことでしょう。それぞれの高校の雰囲気や環境、部活動の内容など、決め手になる要素はさまざまです。
でも一番大切なのは、自分の学力レベルに合っていることです。どれほど真剣に「この高校に行きたい」と思っていても、入試で合格しなければ進学できません。
頑張って実力を伸ばそうと思っても、志望校の決定が遅くなると頑張る時間がとれません。そのため中学3年の夏休み中には、大まかな志望を決めておいたほうがいいでしょう。
また、1校しか受験しないと、もし不合格だった場合は進学先がなくなってしまいます。そのため、公立高校より入試の日程が早い私立高校を先に受験しておくのが一般的です。これを「滑り止め」といいます。
私立高校は、入試の日程が重ならない限り何校でも受験できるので、多い人では学力レベルの違う私立高校を5校くらい受けることもあります。志望校を決める時には、受験日程も考えてスケジュールを組んでみましょう。
高校受験の単願と併願とは
「単願(たんがん)」とは1校しか受験しないことで、「専願(せんがん)」と呼ばれることもあります。「併願(へいがん)」とは2校以上受験することです。単願は不合格になった時のリスクが高いので、多くの人は併願を選ぶことでしょう。
しかし一部の私立高校では、単願の受験生に対して優遇措置を行っています。なぜなら高校側としては、入学する生徒の数を確保したいという思いがあるからです。
単願にも併願にも、それぞれメリットとデメリットがあります。志望校を決める時には、そういった要素も考えに入れる必要があります。
単願の流れとメリット
一部の私立高校では、「合格したら必ず入学する」と事前に約束した受験生を、ほぼ100%合格させるという優遇措置を行っています。これは受験生にとってもありがたいサービスでしょう。
まず志望校がそういった措置を行っているか調べてみましょう。優遇措置を受けるには、中学の出席日数などの基準が決められていることが多いので、条件がクリアできているか担任や進路指導教師に聞いてみるのがベストです。
単願の優遇措置を行っている私立高校の中には、「公立高校となら併願できる」という学校も存在します。受験のプレッシャーを軽減するためにも、単願の優遇措置をうまく利用しましょう。
併願の流れとメリット
複数の高校を受験する「併願」には、合格した高校の中から進学先を選べるという利点があります。第一志望校の入試前に、ほかの高校を受験して合格しておけば、受験のプレッシャーが軽くなるというメリットもあるでしょう。
ただどの高校も、定められた期間に入学手続きをとらないと、入学資格を取り消されてしまいます。ほとんどの場合、入学手続きの時に入学金などのお金が必要になります。何校も合格してその都度入学金を振り込んでいると、それだけお金がかかるということです。そのため、実際の入試では「願書提出期間」「入試当日」「合格発表日」だけでなく、「入学手続き期間」と「入学金振込期日」も確認し、併願する高校全てのスケジュールを網羅した表を作成しておく必要があります。
たとえば、第2志望のB高校の入学金振込期日が第1志望のA高校の合格発表より後ならば、A高校の合否を確認してから入学金を振り込むか決めることができます。
併願する高校を選ぶ時は、それぞれの高校について詳しく調べるだけでなく、家の経済状況も考えて保護者とよく相談するようにしましょう。
高校受験の合格・不合格は何で決まるの?
公立高校の入試制度は都道府県によって違います。しかし基本的に、入試当日に行われる学力検査と、中学校での成績を記した調査書の内容で審査されることに変わりはありません。
問題は、都道府県によって点数配分が違っていることです。学力検査の点数と調査書の点数を、半々で合計する、7対3で見る、4対6で考えるなどさまざまなパターンがあります。
私立高校は、各学校によって判定要素が変わってきます。そもそも、判定の基準を公開していない学校も少なくありません。そのため偏差値や過去の出題傾向を参考にして、対策するしかありません。
学力検査だけではない合否判定
高校受験の合否は、基本的に学力検査と調査書の内容で判定されます。いわゆる進学校と呼ばれる高校ほど、学力検査の結果を重視する傾向があります。
調査書には名前、各教科の成績、欠席日数、総合所見、行動の記録、特別活動の記録などが書かれています。合否判定のメインとして扱われるのは、各教科の成績です。成績は5段階評価で書かれていて、その数値を元に「内申点」を計算します。
学力検査の点数がよくても、内申点が低いと合格できないこともあります。反対に、内申点が低くても、学力検査の点数でカバーできれば合格となります。確実な合格を目指すなら、内申点にも注意しておく必要があります。
高校受験の内申点とは?
内申点は、調査書に書かれた各教科の成績を元に計算されます。ただし都道府県によって、内申点の計算方法が違います。ですから、自分の住んでいる地域では内申点をどう計算するのか、早めに知っておくことが重要です。
5段階評価で書かれたすべての教科の数字を、ただ単純に合計する、主要5科目を重視して計算する、美術や体育など実技系の教科の配点を多くするなど、さまざまなパターンがあります。
また、中学1年から3年2学期までの成績すべてなのか、中学2年の2学期から3年1学期の1年間の成績なのか、中学3年の成績だけなのか、どの時期の成績を計算に入れるのかも、都道府県によって変わってきます。
高校受験の偏差値とは?
偏差値とは、同じテストを受けた人の中で、自分がどのくらいの位置にいるのかを表す数値です。自分の学力レベルを知るためには、偏差値を見るのがベストでしょう。
テストの平均点は、問題の難しさによって変わってきます。そのため80点を取ったからといって、本当によい成績かどうか判断がつきません。ほぼ全員が90点を取るテストなら、80点は決していい成績とはいえないでしょう。
偏差値は、そのテストの平均点を50に換算して、そこからどのくらい離れているかを数字で示しています。偏差値が50よりも大きければ平均点より上、50未満なら平均点以下と判断できます。
高校受験の倍率とは?
倍率とは、何人に1人が合格するかを示した数値です。倍率2倍なら2人に1人、5倍なら5人に1人が合格となります。倍率が低い方が合格しやすそうな気がしますが、じつはそうとも限りません。
たとえ倍率が1.2倍でも、実力のある受験生が集まっていれば、かなりよい成績を取らないと合格できません。これは高校受験に限らず、大学受験でも同じです。例えば東京大・京都大・一橋大・東京工業大の国立最難関4大学は全国の受験生の中で優秀な最上位層だけが受験しますが、実際の受検倍率はそれほど高くないことからもお分かりでしょう。
反対に倍率が20倍でも、その人の実力が集まった受験生より飛び抜けて高ければ、見た目の倍率ほど難しくなく、比較的簡単に合格できる可能性があります。受検倍率の見た目の数字に惑わされず、模試などで自分の出来具合と受験者の中での立ち位置、志望校への合格確率を参考に、冷静に判断しましょう。
高校受験の準備はいつから始める?
多くの中学生にとって、高校受験は人生を左右する一大行事です。万全の体制を整えるには、なるべく早く準備を始めたいものです。
ただ、どんなに早く準備をし始めても、努力の方向を間違ってしまうと効果が上がりません。志望校に合格するためには、受験勉強をスタートする時期だけでなく、進め方にも気を配りましょう。
高校受験に必要な準備
じつは高校受験では、中学1年・2年で学ぶ範囲から多く出題される傾向があります。また都道府県によっては、中学1年の成績も内申点に影響します。
ですから中学に入学したその時から、授業で教わった内容は確実に身につけておくようにしましょう。中学1年・2年で教わる基礎的な部分がしっかりできていれば、志望校に合わせての勉強や対策は3年になってからでも十分間に合います。
また、実技系科目や、部活動の記録も合否に影響することもあります(内申点という意味では確実に影響します)。勉強というと主要5教科だけを考えがちですが、学校生活のさまざまな要素をバランスよくこなしていくことが、合格への早道だといえるでしょう。
高校受験の準備は早いほうがいい
高校受験対策として、部活を引退した中学3年の夏から塾に通い始める人も多いことでしょう。しかし、その時期からの塾通いはあまりおすすめできません。
中学3年の夏になると、塾の授業内容は具体的な入試対策がメインになっています。中学1年、2年で習った基礎の部分がしっかり身についていないと、いくら塾に通っても成績が上がらないという状況に陥ってしまうのです。
さらに内申点対策を考えるなら、中学1年のうちから準備を始めたいものです。塾に通って学習目標の立て方やポイントを絞った学習習慣を身につけられれば、難関高校合格も夢ではありません。
第一志望校合格に向けた対策におすすめの個別指導塾5選
高校受験は、“何としても失敗したくない受験”といわれます。不合格でも公立中学という確実な進学先がある中学受験、浪人生も多数いる大学受験と異なり、ほとんどすべての中学生が高校に進学するためです。高校受験は、ぜひとも合格、それも第一志望校に合格したいと考えるのは、自然な流れではないでしょうか。
多様化する高校受験を勝ち抜くためには、プロのサポートを頼るのも良い方法です。塾は、学習指導はもちろん、高校受験に関する情報も提供してくれる、頼もしい存在。
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まとめ
公立高校の入試制度は、都道府県によって異なります。私立高校に至っては、各校によってバラバラです。高校受験を突破したいなら、まずは住んでいる地域にどんな高校があるのか、入試の仕組みはどうなっているのか、詳しく調べてみましょう。
入試そのものは中学3年の1月からスタートしますが、合否の判定には中学1年・2年の成績が考慮されることも。ですからなるべく早いうちに、高校受験を意識した勉強を始めたいものです。
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