【中2数学】連立方程式の解き方・加減法と代入法の違いや例題を解説!

更新日 2024.01.16
【中2数学】連立方程式の解き方・加減法と代入法の違いや例題を解説!

連立方程式は中学数学で学ぶ方程式の一つで、高校入試でも頻出の単元です。求める解が2つ(問題によっては3つ以上)に増えることから、苦手とする中学生が多くなります。

しかし解き方を理解してしまえば、定期テストや高校入試では得点源にできる単元でもあります。

この記事では中2で学ぶ連立方程式の解き方、代表的な例題の立式の仕方を解説します。この記事を参考に、連立方程式を得意単元にしてください。

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連立方程式とは

連立方程式は「わからない値が2つある」方程式のこと
連立方程式とは、「わからない値が2つある」方程式のこと

中1では「方程式(一元一次方程式)」を習いました。中1で学んだ方程式はわからない値(求める解)は1つだけで、おおむね「x」に置き換えていたのではないでしょうか。

中2で学習する連立方程式とは、「二元一次方程式」つまり、2つ以上の文字(求める値)があるときに使われる方程式が、2つある方程式です。求める解が2つのときは、方程式は2つなければ解がそれぞれ1つの数字に定まりません。同じように、求める解が3つ、4つとあるときは方程式も3つ、4つと必要になります。

【例】

(1) y=x+2 という式があるとき、このxとyを満たす数字は無限にある。(x=1ならy=3、x=5ならy=7など)

(2) y=x+2, y=3x+6 と2つの方程式があると、以下のようにそれぞれの文字の値が1つに定まる。

x+2=3x+6

-2x=4

答え x=-2, y=0

連立方程式の解き方|加減法と代入法

はじめに、連立方程式を解く2つの方法を理解しよう
連立方程式を解く2つの方法を理解しよう

連立方程式を解く方法は2つあります。

・加減法
・代入法

どちらの方法でも、2種類ある文字の一つを消してもう一つの文字だけの式にすることで解ける仕組みになっています。ここではこの2つの解法について説明します。

(1) 加減法

「加減法」は、数式を足したり(加法)、引いたり(減法)して解くため、こう呼ばれます。

連立方程式のすべての文字に係数がついている場合は、加減法で解いたほうが確実でスピ-ディ-です。とはいえ、計算ミスに注意して進めましょう。

加減法を使った連立方程式の解き方

加減法の基本手順は、次のとおりです。

1.連立方程式の2つの式を見比べ、係数が同じものを見つける。
  係数が同じ文字がない場合は、最小公倍数を使うなどして、係数を同じにできる項を見つける。
2.2つの式を足し引きし、係数が同じ項を消し文字を1つだけにする。
3.計算して、一方の文字の解を求める。
4.出た解を使い、もう一方の文字の解を求める。

数式を使って解いてみましょう。

加減法を使った連立方程式の解き方

上記①の2xと②の3xのそれぞれの係数は、2と3の最小公倍数「6」にできることに気づく。(yの係数3と4の場合は最小公倍数が12のため、計算が複雑になる。よってこの場合はxの係数をそろえる方針にする)

それぞれの式に、①×3、②×2の操作を行うと、以下のようになる。
6x-9y=-24     …③
6x-8y=-18     …④

③-④を計算すると、
-y=-6 両辺に-1をかけて、
y=6         …⑤

⑤を①に代入すると、
2x-3×6=-8
2x-18=-8
2x=10
x=5            

答え x=5, y=6

【POINT】
加減法では「係数を同じにする項」「一方の解を代入する式」は、1つではありません。x、yのどちらの係数を同じにしても、出た解をどちらの式に代入してもOKです。
 
ただしスピ-ディ-に計算を終えるためには、できるだけ簡単に計算できる方に代入することがマストです。
 
「どちらに代入したほうが、より簡単に計算できるか」と見極める力も、問題を解きながら身に着けていきましょう。

(2) 代入法

代入法は2つある式の片方を、もう一方に代入して解くやり方です。「x+y=5」「y=3x-1」など、xやyに係数がない式があるときに利用します。

係数がある式でも代入法で解けないことはありませんが、計算プロセスが増えるため、計算ミスが起きやすくなります。すべての文字に係数がある場合は、上で解説した「加減法」を使ってください。

代入法を使った連立方程式の解き方

代入法の基本手順は、次のとおりです。

1.係数のない文字を含む式を変形し、「x=~~」「y=~~」の形にする。
2.1をもう一方の式(B)に代入し、xもしくはyの解を出す。
3.出た解を1にあてはめ、残りの文字の解を出す。

実際に数式を使って解いてみましょう。

代入法を使った連立方程式の解き方

①に係数がないyがあるため、この式をy=ax+bの形に変形し、代入法で解く(方針決定)。

2x-y=-1(①)を、移項してy=ax+bの形に変形すると、
y=2x+1        …③

③を②に代入する。
3x-2(2x+1)=-5  …④

④を解く。
3x-4x-2=-5
-x=-3
x=3          …⑤

⑤で出たxの解を、③にあてはめるとyの解が出る。
y=2×3+1
y=6+1
y=7

答え x=3, y=7

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連立方程式の鬼門「文章題」典型パターン例題4つを解説

連立方程式の文章題は高校入試でも必出の重要単元
連立方程式の文章題は高校入試でも必出の重要単元

連立方程式の計算を習得できたら、文章題に取り組みましょう。定期テストや高校入試では、連立方程式の文章題がかならずといって良いほど出題されます。

「苦手」「嫌い」という中学生も多い連立方程式の文章題ですが、実はいくつかの典型パタ-ンに分けられます。ここでは頻出の4パタ-ンを解説しますので、解き方とポイントをしっかり理解してください。

【典型パタ-ン例題1】 速さの問題

典型的な問題パタ-ンの1つめは「速さ」をテ-マにしたものです。「道のりの問題」と呼ばれることもあります。

<問題例>
310km離れた目的地まで、車で移動する。はじめ、高速道路を時速100kmで走り、
途中から一般道に下りて時速50kmで進んだ。目的地までの所要時間は3時間30分だった。
高速道路と一般道の走った道のりをそれぞれ求めよ。

まず、どの要素を文字に置くか決めます。今回は「高速道路と一般道の走った道のり」を求めなければならないので、これを文字にしましょう。

・高速道路の道のりをx
・一般道の道のりをy

目的地までの道のりは310kmでした。つまり高速道路で走った道のりと一般道で走った道のりを合計すると310kmということです。

したがって、次の式が成り立ちます。

x+y=310      …①

次に、もう1つの要素である「速さ」に注目しましょう。

高速道路xkmを時速100kmで走り、一般道ykmを時速50kmで走った結果3時間30分かかったという情報から、次の式を立てられます。

x/100+y/50=3.5   …②

※ 「3時間30分」を時間の単位に合わせて「3.5」としている点にも注目してください。30分は0.5時間ですよね。

①と②から連立方程式ができました。

速さの問題の連立方程式の解き方

②は分数があって計算しにくいですね。両辺に100をかけ、分数ではなくしてしまいましょう。

②の両辺に100をかけると、
x+2y=350      …③

①-③を計算して、
y=40

y=40を①に代入し、
x+40=310
x=270

したがって高速道路を走った道のりは270km、一般道を走った道のりは40kmだとわかりました。

答え 高速道路 270km、一般道 40km

【POINT】
・解として出た値がマイナスだったり、合計走行距離310kmを超えていたりした場合は、計算ミスをしています。見直してみてください。連立方程式の文章題は、出た値が問題の答えとして妥当かどうかも大切なチェックポイントです。

・道のりや速さの問題は、さまざまなパタ-ンがあります。紹介した問題は「道のり」を答えさせるものでしたが、速さや時間を答えさせる問題もあります。パタ-ンが変わると難しく感じるかもしれませんが、「文字に置く要素を見つけ」「速さと時間、距離の関係から立式する」基本手法は変わりません。さまざまな問題を解き、コツをつかんでください。

【典型パタ-ン例題2】整数の問題

「整数を題材にした問題」もよく出されます。どのような問題が該当するか、問題例を見てみましょう。

<問題例>
2つの整数がある。大きい数の3倍と小さい数を足すと、和が6になる。
大きい数から小さい数の2倍を引くと、差が23となった。
大きい整数と小さい整数を、それぞれ求めよ。

ぼんやり眺めていても問題は解けません。与えられた状況を整理し、「何を文字に置くべきか」から考えていきましょう。

今回の問題では、「大きい整数と小さい整数」を求める必要があります。したがって、次のように文字に置くのが正攻法です。

・大きい整数を、x
・小さい整数を、y

文字に置く要素が決まったので、文字を使いながら問題を式にしていきます。

まず「大きい数の3倍と小さい数を足すと6」を式にすると、

3x+y=6       …①

次に「大きい数から小さい数の2倍を引くと23」を式にすると、

x-2y=23       …②

①と②で連立方程式ができました。

整数の問題の連立方程式の解き方

解いていきましょう。

①に係数のないyがあります。代入法で解けそうですね。

①をy=の形に変形し、
y=6-3x       …③

③を②に代入し、
x-2(6-3x)=23
x-12+6x=23
7x=35
x=5

x=5を①に代入すると、
3・5+y=6
15+y=6
y=-9

x=5、y=-9 と答えが出ました。

答え 大きい整数 5、小さい整数 -9

【POINT】
「整数」と指示された場合は、負の数も含みます。問題の中には「正の整数」とするものもあるため、気を付けてください。「正の整数」と指示された問題で解がマイナスになったら、式の立て方か計算プロセスのどちらかにミスがあります。

【典型パタ-ン例題3】割合を使った食塩水の問題

「食塩」をテ-マにした問題も典型例です。小学校で習った「割合」の考え方を使う問題で、割合が苦手だった生徒はこの問題も苦手としやすいようです。

<問題例>
A、Bの2つの食塩水がある。Aは濃度が5%、Bは8%である。
AとBの食塩水を混ぜ合わせ,6%の食塩水600gをつくりたい。
A、Bそれぞれ何gずつ使えばよいか求めよ。

速さの問題と同じように、求める値を文字におきましょう。今回は「必要なAの食塩水(g)とBの食塩水(g)」を求めなければならないので、これを文字にします。

・Aの食塩水の量    x
・Bの食塩水の量    y

次に、状況が2つに整理できることに注目します。

1. (A・5%)+(B・8%)=6%
2. 6%の食塩水の重さは600g

どうやら連立方程式が作れそうですよ。それぞれを式にしてみましょう。

1より、
x×5/100+y×8/100=600×6/100   …①

2より、
x+y=600             …②

①の理解が厄介かもしれません。①にある「5/100」「8/100」「6/100」は、それぞれ5%、8%、6%であることを示します。%は百分率、100で割った割合であることを思い出してください。

そしてそれぞれの食塩水の量がxg、yg、600gであるため、百分率をかけています。

さあ、立式できたので①と②を連立方程式にして解いてみましょう。

割合を使った食塩水の問題の連立方程式の解き方

①の分数が計算しにくいので、また両辺に100をかけて分数を消します。

①の両辺に100をかけると、
5x+8y=3600      …③

②の両辺に5をかけると、
5x+5y=3000      …④

③-④を計算して、
3y=600
y=200

y=200を②に代入すると、
x+200=600
x=400

答え Aの食塩水400g、Bの食塩水200g

【POINT】
食塩水の計算は、割合の考え方が重要です。何を文字に置いたか、また割合をどのように表わせばよいのか、丁寧に考えてみてください。
 
百分率、歩合の基本も復習しておきましょう。

【典型パタ-ン例題4】割合を使った全校生徒の増減の問題

苦手意識を克服するために、割合の典型問題をもう1題紹介します。全校生徒の増減に関する問題です。

<問題例>
ある中学校では、昨年度360人が入学した。今年の入学者数は、
昨年より男子が3%減少、女子が5%増加した。
全体では2人増加したという。昨年の男子、女子の入学者数をそれぞれ求めよ。

この問題も、まずは落ち着いて求めるべき値を文字に置きましょう。「昨年の男子、女子の入学者数をそれぞれ求めよ」との指示ですから、次のように置きます。

・昨年の男子の入学者数       x
・昨年の女子の入学者数       y

次に、与えられた情報を整理します。

まず、昨年度の入学者総数は360人であることがわかっていますね。したがって、次の式がつくれます。

x+y=360       …①

次に今年の入学者数を式にしますが、ここがポイントです。今年の入学者数は「男子が昨年人数(x)より3%減少」「女子が昨年人数(y)より5%増加」したとのこと。これを式にしなければなりません。

増減がなく、昨年と同人数が入学した場合の増減割合は100%、つまり100/100です。これを踏まえ「男子が3%減少」を式にするとどうなるでしょうか。

今年の男子の入学者数は、100%から3%減らして
97/100×x       …②

とあらわせます。97/100とは、97%のことです。

同様に今年の女子の入学者数は、100%から5%増やして
105/100×y       …③

とあらわせます。105/100とは、105%です。増えているのですから、100を超える数字になります。

さあ、②と③から式を作りましょう。

今年の入学者数は「男子が97/100×x、女子が105/100×y」で、結果的に2人増えて362人になったそうですから、
97/100×x+105/100×y=362   …④

①と④で連立方程式にします。

割合を使った全校生徒の増減の問題の連立方程式の解き方

④の分数が厄介なので、両辺に100をかけて分数を外します。
97x+105y=36200       …⑤

①に105をかけ、加減法で解きましょう。
105x+105y=37800      …⑥

⑥-⑤より、
8x=1600
x=200

x=200を①に代入して、
200+y=360
y=160

答え 昨年の男子の入学者数 200人、昨年の女子の入学者数 160人

※ 200と160を足すと360になり、たしかに問題文に合致します。もし足して360にならない場合は、どこかで計算ミスをしています。見直してみてください。

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連立方程式を苦手に感じる2つの理由と対策

連立方程式は問題演習で「慣れる」ことが大切

連立方程式を「苦手」「難しい」と感じる理由は大きく2つあります。ここではその理由と、それぞれの対策方法を解説します。得意にするための方法については、次章を参考にしてください。

【苦手理由1】複雑でミスを起こしやすい→問題演習で慣れる

連立方程式の計算は、加減法と代入法のいずれかで必ず解けます。「解き方」自体はそれほど難しくありません。連立方程式の計算が厄介なのは、「係数を合わせるために最小公倍数を探す」「出た解を元の式に代入してもう1つの文字を出す」など、途中の計算が煩雑になりやすい点です。

【対策】問題演習を繰り返し、パターンを覚えて慣れよう

基本問題・典型問題からやや難しいレベルの問題まで載っている問題集を利用し、数多くのパタ-ンを解いてみてください。計算する1行1行で「いま、何をしているのか」「何を求めたくてこの計算をしているのか」と意識しながら解くと、連立方程式の計算を徐々に理解できます。

【苦手理由2】文章題の立式が難しい→言葉を式にする練習を行う

連立方程式の文章題が難しい理由は、2つあります。

・どの要素を文字に置けばよいか迷いやすい
・要素同士の関係を式に表すのが難しい

中1で習った方程式は、問題文のなかで不明な要素(文字に置き換える要素)が1つだけでした。ところが連立方程式は、不明な要素が2つあります。

2つの要素について関係性を見出し数式にしないといけないため、考えるべき項目が多くなります。「何を文字にして式を作ればいいのか」「関係を式にするにはどうすればいいのか」と悩んでしまう中学生が大勢います。

また1つの問題文に複数の単位が登場する点も、連立方程式の文章題を難しく感じる原因です。速さの問題なら、「時間(分、時間)」「距離(km、m)」「速度(時速、分速)」と、いくつもの単位が出てきます。

それぞれの単位同士の関係が見いだせず、解けなくなる中学生もいます。

【対策】言葉を式にする練習を、簡単なものからトライしよう

連立方程式の文章題は、解く前に立式ができるかが重要です。「適切な要素を文字に置けるか」「要素の関係性を見極められるか(式に起こせるか)」で決まります。そこで、連立方程式の立式が苦手な人は、日本語を数式にする練習に取り組んでみましょう。

連立方程式が得意になる4つの勉強法

連立方程式は操作の目的とパターンを理解することが必勝法
連立方程式は操作の目的とパターンを理解することが必勝法

連立方程式は、正しい練習法で取り組めば得意分野にできます。まずは基本計算を、次に文章題を練習し、得点源にしましょう。

ここでは連立方程式の勉強法を4つの手順に分けて解説します。

連立方程式が得意になる勉強法を4つご紹介

(1) 計算は1行1行、丁寧に解く

連立方程式は、それまでの単元よりもかなり計算量が増えます。問題によっては分数や小数、大きな数字を扱う問題も多いため、必然的に計算ミスが起きやすくなります。

そこで、連立方程式の計算は、1行1行を丁寧に・確実に進める意識を大切にしましょう。

連立方程式の計算ミスを減らすコツは、2つあります。

◎ 【コツ1】次の行に進んだら、直前の式と見比べる

計算過程が長くなりやすい連立方程式は、最終的な解を出してからミスに気付くと、かなり大変です。もし入試なら、時間がなくて修正ができないと合否を左右するおそれも…。早めに計算ミスに気づけるよう、1行ごとの確認を癖づけるのがおすすめです。

計算を1行進めたら、1行上の式と見比べて「おかしなところがないか」さっと確認するだけです。しかしこの一瞬の確認で、「マイナスになるべき数字がプラスのまま」「桁を書き間違えていた」などのミスに気づけるようになります。

◎ 【コツ2】ノートは贅沢に、たっぷり使う

連立方程式に限った話ではありませんが、数学の勉強は「ノートをふんだんに使う」のが大切です。

時々、ノートを“きれいに”まとめたい意図からか、途中計算やメモを余白に小さく書く生徒がいますが、それはおすすめできません。小さく書く計算は、ミスの巣窟です。マイナスを見落としたり、スペースがなくて途中計算を十分書けなかったりと、間違いにつながる原因が詰まっています。

ノートは贅沢に、たっぷり使ってください。「スペースがありすぎるかな?」くらいでちょうど良いです。

そして、途中式=解法を必ず、順を追って、きちんと書きましょう。見直しをする際も、途中式があることで自分がどこで間違えたのかがわかります。何より、正しい途中式の書き方は徹底的に守ってください。自己流は禁物です。

英語のテストで文末にピリオドが抜けていたら減点されるように、数学も、解法の書き方そのものがおかしいと採点対象とみなされません。これは、高校入試でも大学入試でも全く同じです。早い段階で身に着けておきましょう。

(2)文字に置く数字と関係性を見極める

先に解説した、連立方程式の文章題を思いだしてください。どの問題でも「どの要素を文字に置くか」「要素同士の関係性はどうなっているか」を、はじめに考えました。

繰り返しになりますが、連立方程式の文章題が解けるかどうかは、「適切な要素を文字に置けるか」「要素の関係性を見極められるか(式に起こせるか)」で決まります。

連立方程式の立式が苦手な人は、日本語を数式にする練習に取り組んでみましょう。

たとえば問題文で「合わせて」とあったら、足し算(加法)ですね。「~より」「~と比べて」とあったら割合を使います。「時速」という表現は、距離/時間で数式にできます。分速と秒速が混ざっている場合は単位をそろえなければなりません。

文章題が苦手な中学生は、日本語と数式の転換がうまくいかないケースが多く見られます。ごく簡単な文章題から、日本語と数式の転換練習をしてみてください。やっているうちに、日本語と数学の式の関連するパターンが見えてきます。

(3) 典型パタ-ンの問題を中心に演習する

要素を文字に置けて、数式を立てられるようになったら、典型パターンの問題を繰り返し演習します。

定期テスト対策におすすめの教材は、学校から配布されているワークや問題集です。「A問題」「基本問題」とされる問題は、連立方程式の文章題を解くために必要な力がつく、典型問題で構成されています。

まず「A問題」「基本問題」を何も見ずに完答できる状態を目指しましょう。「A問題」「基本問題」ができるようになったら、次は「発展問題」へとレベルアップしていきます。

高校入試対策には、全国の入試過去問を集めた「全国高校入試問題集」がおすすめです。市販されていますので、書店などでチェックしてみてください。

(4) どうしてもわからなければ、塾や家庭教師の力も借りる

連立方程式の文章題を解くキーポイントである、「適切な要素を文字に置けるか」「要素の関係性を正しく式に起こせるか」をマスターするのは、一人で習得するのは実は簡単ではありません。

正しく式に起こすためには、割合や速さ、整数など、これまで習った単元の正しい理解が不可欠なためです。これらの理解があいまいなまま、連立方程式をマスターしようとしても頓挫してしまうでしょう。

連立方程式の習得と過去の単元の復習を効率良く進めるには、プロの手を借りるのが近道です。塾や家庭教師のサポートを受けながら、弱点を補強しましょう。理解不足があった単元をマスターできると、連立方程式もスムーズに解けるようになります。

まとめ

この記事では、連立方程式の2つの解法、文章題でよく問われる典型パターン例題、難しいとされる理由と対策、勉強方法について解説しました。

連立方程式は高校入試でもかならず出題される、中学数学で最重要な単元の1つです。

計算そのものの難度は高くないものの、文章題に苦戦する中学生が続出します。とくに「割合」「速さ」などは、頻出の典型問題であるにもかかわらず、得点できないケースがよくあります。

割合や速さの連立方程式を解くためには、小学校で学習した内容の理解も欠かせません。塾や家庭教師の力を借りつつ、忙しい合間を縫って効率的に復習と習得ができるよう学習計画を立てましょう。

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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

塾探しの窓口編集部

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