【中3数学】三平方の定理とは?三辺の比のパターンと例題・定理を解説

更新日 2024.01.16
【中3数学】三平方の定理とは?三辺の比のパターンと例題・定理を解説

三平方の定理は、入試対策も佳境になり慌ただしさが増すタイミングで習うため学習が不十分になりやすい単元です。

しかし、高校入試では三平方の定理を使う問題は頻出です。受験までに確実に理解し、定着させておきましょう。

この記事では三平方の定理について、基本知識や覚えておくと便利なパターン、三平方の定理を使った問題・定理を解説します。

頻出の問題パターンを中心にわかりやすくまとめましたので、入試直前の特訓に活用してください。

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三平方の定理(ピタゴラスの定理)とは

三平方の定理は直角三角形の3辺の長さの関係を表す公式
三平方の定理は直角三角形の3辺の長さの関係を表す公式

三平方の定理とは、直角三角形における3つの辺の長さの関係を公式の形に表したものです。

【三平方の定理(ピタゴラスの定理)】
直角三角形において、
・隣りあう2辺の長さをそれぞれa、b
・直角の向かいにある斜辺の長さをc
とするとき、a²+b²=c²が成り立つ。
三平方の定理の公式

三平方の定理は「ピタゴラスの定理」とも呼ばれます。古代ギリシアの数学者であったピタゴラスが、古代バビロニアからこの定理を持ち帰り、世界で初めて証明したためにその名がつけられました。

三平方の定理は「直角三角形の2辺の長さだけが分かっているときに、残りの1辺の長さを求める」ときに使うほか、一次関数や二次関数における、座標上の2点の距離を求めるときなどにも利用できます。

図形問題、そして入試でよく出る「図形と関数の融合問題」でも使う知識です。定理を理解し、使いこなせるようになっておきましょう。

三平方の定理を使った基本の解き方|2つの例題

三平方の定理は「繰り返して慣れる」ことから始めよう
三平方の定理は「繰り返して慣れる」ことから始めよう

三平方の定理は、図形分野(三角形)と二次方程式を同時に使って考えます。異なる分野の知識を使いこなす必要があるため、わからなくなったり苦手になったりしやすい単元です。

まず、シンプルな問題を繰り返し解きましょう。三平方の定理に慣れたら、徐々に取り組む問題のレベルを上げていけばOKです。

例題を見ながら、三平方の定理の使い方を理解していきます。

【例題1】
図のxの長さを求めよ。  
三平方の定理の使い方<その1>

もっとも基本的な三平方の定理を使った問題です。直角三角形である点に注目し、三平方の定理を素直に使って解きましょう。

三平方の定理は、

(斜辺の長さ)2=(他の1辺の長さ)2+(もう1辺の長さ)2

です。

したがって、

x2=42+32
x2=16+9
x2=25
x=±5

三角形の辺の長さは0より大きいため、

x=5

答え  x=5

もう1題、解いてみましょう。

【例題2】
図のxの長さを求めよ。  
三平方の定理の使い方<その2>

斜辺ではない辺が、xと置かれているパターンです。この手の問題は、高校入試第1問の小問として出題される場合があります。

解き方をマスターし、得点源にしてしまいましょう。

まず、三平方の定理に図の値をそれぞれあてはめます。

42=22+x2

この二次方程式を解いていきましょう。

16=4+ x2
x2=12
x=±√12
x=±2√3

x>0なので、
x=2√3

答え  x=2√3

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【覚えておきたい】三平方の定理・7つのパターン

よく使うパターンは暗記してスピードアップを狙おう
よく使うパターンは暗記してスピードアップを狙おう

三平方の定理は2乗の計算が入るため、数字が大きくなると計算に手間取ってしまいます。少しでも時間を節約したいテストや高校入試では、できるだけ計算はスピーディーに済ませたいですよね。

そこで、よく出る・よく使う、また覚えておくと便利な7つのパターンを紹介します。

三平方の定理は三角形の辺の長さの組み合わせを表す公式ですが、同時に3つの数字の組み合わせでもあります。

公式を成り立たせる数字の組み合わせを直角三角形の形とともに覚え、三平方の定理の計算スピードをグンと向上させましょう。語呂合わせなどの便利な覚え方も紹介していますので参考にしてください。

(1) 3:4:5

三平方の定理でもっともよく出るのは「3:4:5」です。本当に成立するのか、公式に代入して確認してみましょう。

三平方の定理a² + b² = c²に代入し、

3²+4²=5²
9+16=25

見事、成立しました。

辺の比が3:4:5で表される三角形は、以下の形になります。

辺の比が3:4:5で表される三角形

(2) 5:12:13

少し数字が大きくなりますが、「5:12:13」も三平方の定理を成り立たせる組み合わせです。

5²+12²=13²
25+144=169

5:12:13で表わされる三角形の形は、次のとおりです。

辺の比が5:12:13で表される三角形

覚えにくいときは、語呂合わせで暗記しましょう。

【語呂合わせ】
5:12:13
(こ)(いつ)がに(いさん)⇒ コイツが兄さん

(3) 8:15:17

もう1つ、頑張って覚えましょう!「8:15:17」も三平方の定理を成立させる数字の組み合わせです。

一見、何の脈絡もなさそうな数字の組み合わせですが、本当に成り立つのでしょうか?

8²+15²=17²
64+225=289

成り立ちました。

8:15:17で表わされる三角形の形は、次のとおりです。

辺の比が8:15:17で表される三角形

【語呂合わせ】
8:15:17
(は)(いご)で(じゅうなん)たいそう⇒背後で柔軟体操

(4) 7:24:25

整数の組み合わせは、これが最後です。「7:24:25」を見てみましょう。

7²+24²=25²
49+576=625

ここまで数字が大きくなると、確かに暗記しておいた方が計算は速く進みそうです。

7:24:25で表される三角形は、細長い形になります。

辺の比が7:24:25で表される三角形
【語呂合わせ】
7:24:25
(な)(つ)の(よ)に(つ)め(ご)⇒夏の夜に詰碁

(5) 1:1:√2

数字の組み合わせは、残り3つです。ここからは「√(平方根)」が登場します。

まず、絶対に覚えておきたい組み合わせ「1:1:√2」を押さえましょう。

1²+1²=(√2)²
1+1=2

1:1:√2で表される三角形は、以下の形になります。

辺の比が1:1:√2で表される三角形

直角以外の2つの角がそれぞれ45°になるのも特徴です。三角定規セットの中にある「直角二等辺三角形」が該当します。

この角度を使った問題もよく出題されますから、しっかり覚えておきましょう。

(6) 1:2:√3

「1:2:√3」も覚えておきたい組み合わせです。三角定規セットにある、もう1つの三角定規が該当します。

1:2:√3はこれまで紹介した組み合わせと異なり、真ん中の「2」が斜辺である点に注意しましょう。

つまり、

1²+(√3)²=2²

です。計算すると、

1+3=4

確かに成立しました。

1:2:√3で表される三角形の形は、以下の図のとおりです。

辺の比が1:2:√3で表される三角形

この三角形では、直角以外の2つの角がそれぞれ「30°」「60°」になります。図形問題を解く際に生きる知識なので、位置を含めてしっかり暗記しましょう。

(7) 1:2:√5

三平方の定理を成立させる数字の組み合わせも、これが最後です。最後に紹介するのは「1:2:√5」です。

1²+2²=(√5)²
1+4=5

確かに成立しました。

1:2:√5で表される三角形は、以下の形になります。

辺の比が1:2:√5で表される三角形
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三平方の典型問題をマスターしよう<基本編>

まずは基本をスラスラ解ける状態を目指そう
まずは基本をスラスラ解ける状態を目指そう

三平方の定理を使う問題には、いくつかの典型パターンがあります。ここからは基本レベル・高校入試レベルに分けて典型問題の解き方を学びましょう。

ここでは基本レベルの問題を解説します。基本レベルの三平方の定理の問題は、次の3パターンに分けられます。

・直角三角形の一辺がわからないパターン
・直角三角形の2辺がわからず、角度がわかるパターン
・辺の長さから直角三角形かどうか見極めるパターン

順に解き方と、解法のポイントを見ていきましょう。

(1) 直角三角形の一辺がわからないパターン

直角三角形の一辺が分からない問題は、もっとも基本のパターンです。

【例題】
下の三角形のxの長さを求めよ。  
直角三角形の一辺が分からない問題

直角三角形であり、2辺の値が分かっていることから三平方の定理で解けると目途を立てます。

三平方の定理に、図の値を当てはめましょう。

x²+6²=8²
x²+36=64
x²=28
x=±√28
x=±2√7     

x>0であるから、
x=2√7

答え  x=2√7

【POINT】
√が出てきても、慌てずに計算しましょう。根号の中を小さくする方法が不安な場合は、「平方根」の単元を復習してみてください。
 
また求める値は「x>0」です。マイナスを付けたり、±のまま解答したりしないよう気を付けてください。

(2) 直角三角形の2辺がわからず、角度がわかるパターン

三角形の辺の長さのうち、2辺が分からない問題もあります。このパターンでは1つの角度が与えられるため、角度をヒントに解き進めましょう。

【例題】
下の三角形のxの長さを求めよ。  
三角形の辺の長さのうち、2辺が分からない問題

2つの辺がわからないので、このまま三平方の定理に入れても解けません。ただし、1つの角度が30°と分かっている点に注目します。

直角三角形で、2つの角の大きさは90°・30°という条件より、残りの角は60°と分かります。

さて、30°・60°・90°という角を示す三角形の辺の比を、先ほど暗記しませんでしたか?

そうです、「1:2:√3」ですね。

辺の長さの比が分かれば、x,yそれぞれを求められます。

対応する辺を間違えないように当てはめましょう。

 x:y:8=1:2:√3

ここから、xとyに分けて解いていきます。

x:8=1:√3
√3x=8
x=8/√3

つまり、x=8√3/3            ・・・①

続いてyを求めます。

y:8=2:√3
√3y=16
y=16/√3 

つまり、y=16√3/3          ・・・②

①②より、

答え  x=8√3/3、y=16√3/3

(3) 辺の長さから直角三角形かどうか見極めるパターン

3つの辺の長さだけが与えられ、それぞれが直角三角形かどうかを問う問題も頻出です。与えられた辺の長さで実際に描いてみるわけにもいかず、辺の長さをヒントに解かなければなりません。

【例題】 次の3辺で表される三角形のうち、直角三角形になるものはどれか。
1. √3cm、2√2 cm、√11 cm
2. 6 cm、10.5 cm、12.5 cm
3. 12 cm、12 cm、17 cm

この問題は「三平方の定理の逆」を使って考えます。つまり3つの数字の組み合わせが「a²+b²=c²」を成り立たせるとき、それは直角三角形であるといえる、ということです。

辺の組み合わせのうち、最も長い1つが斜辺(c)になる点に注意して計算してみましょう。

1. √3cm、2√2 cm、√11 cm
もっとも長い辺は√11。よって√11を斜辺(c)とし、残りの2辺をそれぞれa、bとして三平方の定理(a²+b²=c²)にあてはめます。

計算した結果が成立すれば、この三角形は直角三角形といえるということです。

計算してみましょう。

(√3)²+(2√2)²=(√11)²
3+8=11

式が成立しているため、この三角形は直角三角形です。

2. 6 cm、10.5 cm、12.5 cm
1と同じように考えます。もっとも長い辺は12.5cmですから、これを斜辺(c)としましょう。三平方の定理にあてはめると、

6²+(10.5)²=(12.5)²
36+110.25=156.25

左辺は146.25、右辺は156.25と式が成立しません。

よって、この三角形は直角三角形ではないとわかります。

3. 12 cm、12 cm、17 cm
もっとも長い辺は17cmです。よって17cmをcとして三平方の定理にあてはめてみましょう。

12+12=17
144+144=289

左辺は288、右辺は289と、惜しくも式が成立しません。

よって、この三角形も直角三角形ではないとわかります。

答え  直角三角形になるのは1

【POINT】
今回の問題のように辺の値が与えられる場合と、図で示される場合とがあります。
たとえば「3. 12 cm、12 cm、17 cm」の図は、以下のようになります。

図だけ見ると直角三角形のように見えますが、実は直角三角形ではありませんでしたね。
 
図で示される問題も見た目だけで判断せず、かならず計算して確かめる姿勢がミスを防ぎます。
img_直角三角形ではない三角形_15.jpg

三平方の典型問題をマスターしよう<高校入試レベル編>

思考が必要になるが、丁寧に取り組めばかならず解ける
思考が必要になるが、丁寧に取り組めばかならず解ける

高校入試レベルの問題は、これまで紹介してきた問題のように「数字を三平方の定理にあてはめれば解ける」とは限りません。三平方の定理の性質を踏まえ、どのように活用すれば解を求められるのか思考が必要になります。

ここでは高校入試でよく出る三平方の定理を利用した問題を、2パターン紹介します。

(1) 自分で直角三角形を作って解くパターン

直角のない三角形を与えられ、辺の長さを求めさせる問題の解き方を解説します。

【問題】
下の図の三角形における、xの長さを求めよ。  
直角のない三角形を与えられ、辺の長さを求めさせる問題<その1>

図の三角形には、直角がありません。一見、三平方の定理が使えないように見えます。

しかし、この問題は三平方の定理で解けます。

【POINT】
直角が与えられていなくても、自分で直角をつくれないか考えよう。直角をつくれさえすれば、三平方の定理が使える!

頂点aから辺bcに垂線を下ろしてみてください。すると、下の図のようになります。

直角のない三角形を与えられ、辺の長さを求めさせる問題<その2>

∠BACは二等分されるため、∠DACは60°になります。

60°、90°とくれば、残りの∠ACBは30°です。

3つの角がそれぞれ30°・60°・90°の直角三角形の辺の比は、いくつだったでしょうか?

そうですね、1:2:√3です。

あてはめて計算しましょう。

CA:CD=2:√3
6:CD=2:√3
2CD=6√3
CD=3√3

求めるべきx(辺BC)は2×CDなので、

答え  x=6√3

(2)紙を折り返してできた三角形の面積を求めるパターン

正方形や長方形の紙を折り返しで三角形をつくり、その三角形の面積を求めさせる問題もあります。

【問題】
下の図における△ABFの面積を求めよ。  
正方形や長方形の紙を折り返しで三角形をつくり、その三角形の面積を求めさせる問題<その1>

ポイントは、「長方形・正方形を折り返してできた三角形は、かならず直角三角形になる」という点です。直角三角形なら、何とかして三平方の定理で解けるのではないでしょうか。

△ABFの面積は、底辺AFの長さが分かれば求められます。AFの長さをxとし、わかる情報を図に書き込んでみましょう。

正方形や長方形の紙を折り返しで三角形をつくり、その三角形の面積を求めさせる問題<その2>

△ABFと△EDFを見てください。

AB=ED=8cm
∠FAB=∠FED=90°

さらに対頂角のため、

∠BFA=∠DFE

2つの角の大きさが等しくなったため、残りの∠ABFと∠EDFも等しくなります。

3つの角が等しいため、

△ABF≡△EDF

したがって、

BF=DF=12-x

次に、直角三角形ABFを見てください。

3つの辺の長さが出たので、三平方の定理が使えます。

x²+8²=(12-x)²
x²+64=144-24x+x²
24x=80
x=10/3

さあ、いよいよ△ABFの面積を求めましょう。

△ABF=(1/2)×(10/3)×8
=40/3cm²

答え  40/3 cm²

【POINT】
三平方の定理は、「求めた辺の長さをつかって面積を出す」「辺の長さをもとに角度を出す」などにも利用できます。

高校入試では三平方の定理をストレートに使わせる問題だけでなく、定理を踏まえて別の値を求めさせる問題も出ることを押さえておきましょう。
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〈証明〉三平方の定理は本当に成立するのか?

三平方の定理は、100通り以上の方法で証明されている
三平方の定理は、100通り以上の方法で証明されている

「a²+b²=c²」で表される三平方の定理は、非常にシンプルな公式です。しかし、本当に成立するの?と思った人もいるかもしれませんね。三平方の定理は、実に100通り以上のアプローチで証明されています。ここではその中でも、中学生の数学で証明できる方法を2つ紹介します。

(1) 三平方の定理の証明<その1>

まず正方形を2つ使い、以下の図を描きます。

三平方の定理の証明<その1>

大きな正方形CDEFの中に、傾いた小さな正方形ABHGが入っています。小さな正方形の頂点ABHGは、大きな正方形に内接しています。

正方形によって生まれた直角三角形の1つ(△ABC)に注目しながら、面積を使って三平方の定理を証明していきます。

まず、△ABCの底辺をa、直角を挟んだ位置にある辺をb、斜辺をcと置きましょう。はじめに大きな正方形CDEFの面積を求めます。

大きな正方形CDEFの1辺の長さは、

a+b

と表せます。4つの三角形の辺の長さは、すべて△ABCと同じだからです。

よって正方形CDEFの面積は、

(a+b)×(a+b)=(a+b)2                   ・・・①

次に、正方形CDFEの面積を「小さな正方形ABHG+直角三角形4つ分」でできていると考えます。

小さな正方形ABHGの一辺の長さはcであるから、面積は、

c2                                                                   ・・・②

と表せます。

続いて直角三角形の面積です。直角三角形の面積は、

底辺×高さ×1/2=1/2ab                              ・・・③

と表せました。

ここまでの式を、まとめてみましょう。

大きな正方形CDEFの面積(①)=小さな正方形ABHGの面積(②)+直角三角形4つ分の面積(③×4)ですから、

(a+b)2=c2+4×1/2ab
a2+2ab+b2=c2+2ab
a2+b2=c2

よって、三平方の定理が証明できました。

(2) 三平方の定理の証明<その2>

三平方の定理は、中3で習う「相似」を使っても証明できます。三角形の相似を使った証明方法を見てみましょう。

まず、次のような図を描きます。

三平方の定理の証明<その2>

直角三角形ABCを描き、頂点Bから垂線を下ろし、交点をDとしておきましょう。

また辺の長さは、AD=x、DC=y とします。

さて、この図をみて「相似な三角形」を見つけられますか?実は、相似な三角形は3個隠れています。

◎ 相似1. △ABCと△ADB
∠ABC = ∠ADB = 90°・・・①
∠CAB = ∠BAD(共通)・・・②
①②より、2組の角がそれぞれ等しいので △ABC∽△ADB

★ △ABC∽△ADBなので、対応する辺の比も等しくなります。
c : a = a : x
a² = cx   ・・・③

◎ 相似2. △ABCと△BDC
∠ABC = ∠BDC = 90°・・・④
∠CAB = ∠BAD(共通)・・・⑤
④⑤より、2組の角がそれぞれ等しいので △ABC∽△BDC

★ △ABC∽△BDCも、対応する辺の比が等しいですね。
  c : b = b : y
  b² = cy   ・・・⑥

さて、相似な三角形から導かれた③と⑥に注目してください。

③+⑥を計算すると、

a² + b² = cx + cy
a² + b² = c (x + y)
a² + b² = c²

こちらも、三平方の定理が証明できました。

三平方の定理の証明は、ほかにもさまざまあります。興味がわいたら、ぜひ調べてみてください。

三平方の定理を習得する4つのコツ

三平方の定理は短期間で効率よく進めることが大切
三平方の定理は短期間で効率よく進めることが大切

三平方の定理は中3の最後に習う割に高校入試での出題頻度が高く、失点の原因になるケースがよく見られます。

高校入試本番までに十分理解し使いこなせるよう、計画的に練習していきましょう。

ここでは三平方の定理を習得するコツを解説します。

三平方の定理を習得するコツ

(1) よく出る辺の比は早めに覚えてしまおう

記事でも、よく出る辺の比を7つ紹介しました。

【復習】
覚えておきたい直角三角形の辺の比

3:4:5
5:12:13
8:15:17
7:24:25
1:1:√2
1:2:√3
1:2:√5

これらは、できるだけ早く覚えることで、後の問題演習が楽になります。

とくに、最優先で覚えたいのは「3:4:5」「1:1:√2」「1:2:√3」の3つです。その上で「5:12:13」「1:2:√5」を覚える順番にすると、無理なく効率的に学習が進みます。

(2) 典型パターンの問題を繰り返そう

三平方の定理は、先に紹介したようにいくつかの典型的なパターンに分けられます。まずは典型パターンの問題を繰り返し、解き方を身につけましょう。

また「3:4:5」「1:1:√2」「1:2:√3」など、覚えた辺の比は問題演習の中で積極的に使います。知識は使うことで自分のものになり、さまざまな応用に利用できるようになります。

学校の問題集や入試の過去問を利用して、さまざまな問題に取り組んでみてください。

(3) 補助線を積極的に引こう

三平方を利用した図形問題は、補助線を引くことで解答の方針が立つものもあります。図を見たら積極的に補助線を書き込み、ヒントを探すようにしましょう。

とくに「垂線は直角をつくる」という定理は大切です。直角があれば三平方の定理を使える可能性が高まります。垂線にも注目してみてください。

(4) 塾や家庭教師の力も借りる

入試直前は、三平方の定理だけに掛かりきりになってはいられません。他の単元も英語も国語も、勉強したいことが山ほどあるはずです。

そんな忙しい入試直前期に登場する三平方の定理は、塾や家庭教師の力を借りて効率的にマスターするのがおすすめです。プロならではのポイントを押さえた解説で、一気に理解が進み問題が解けるようになります。

まとめ

三平方の定理は「定理の理解」と、理解した知識を使っての「練習」が成果を作る単元です。まずどうして定理が成立するのか、しっかり理解しましょう。その上で問題演習に取り組むと、スムーズに進めます。

またわからない問題に当たったら、きちんと解決しておくことも大切です。入試でも三平方の定理は頻出です。直前に「わからない」と放置した問題が、入試に出るかもしれません。

学校の先生、あるいは塾や家庭教師に質問し、納得できるまで取り組みましょう。しつこくくいさがる貪欲さが、合格につながります。

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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

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