【中学生国語】成績アップに直結!国語の正しい勉強法を解説

更新日 2024.01.25
【中学生国語】成績アップに直結!国語の正しい勉強法を解説

「国語の成績が上がらない」「国語の勉強法が分からない」といったお悩みをお聞きすることがあります。

「読書すれば、国語の成績は上がる?」「国語って結局、センスでしょ?」というお声があるのも事実。

国語は全教科の基盤と言われる一方で、正しい勉強法を知る機会があまりないのが現実です。でも「センス」に頼らない勉強法は存在します!

この記事では中学生の国語が伸び悩む原因と、正しい対策方法、またテストでプラス10点を実現する勉強方法のポイントを解説していきます。「読める!解ける!」という実感を、この記事を読んで一緒に手にしていきましょう。

お近くの個別指導塾の料金・サポート体制を徹底比較!
【中学生】国語に定評あるおすすめ塾12選|選び方も解説
「国語はすべての学習の土台」と、聞いたことがありませんか。実際、国語力と他の教科の成績には正の相関関係(国語力があれ…
詳しく読む

成績が上がらない3つの原因 | 国語の「間違った」アプローチ法

読解問題を「なんとなく」読み、「なんとなく」答えていませんか?
読解問題を「なんとなく」読み、「なんとなく」答えていませんか?

まずは国語の成績が上がらない原因を分析していきましょう。原因に合わせた適切な対策こそが、効率的な勉強法だからです。

【中学生】国語の成績が上がらない3つの原因

(1) 読解問題は「なんとなく」読み、解答している

テストで最も配点が高い読解問題。お子さんはどのように解いているでしょうか。

国語が苦手という中学生に多いのは、読解問題を「なんとなく」読み、「なんとなく」答えるという姿勢です。読書が好きなお子さんに特に多いと言ったら、驚かれますか?

趣味なら自分の好きなように読んで構いません。しかしテストで求められるのは、「あなたの読み方」ではなく、「出題者の意図に沿って読み、根拠を持って解答する力」です。自分の感覚で読んでしまうと、出題者の意図という観点が抜け、ミスにつながりやすくなります。

「出題者の意図に従って読む」「論理的な根拠を持って解答する」という2つの力が身についていないと、いくら読書をしても国語の成績は伸びません。

(2) 漢字や文法を軽視している

漢字練習や文法学習に手を抜くお子さんも、国語の成績が伸びにくい傾向があります。

毎日の漢字練習の宿題、お子さんは「ノートのマス目を埋めること」が目的になってませんか?新出漢字や重要漢字の練習に、戦略的に取り組んでいますか?

文法はどうでしょう。「よくわからないから」「苦手だから」といって、避けてはいませんか?テストでは必ず出題されるというのに!

漢字や文法は、確かに1問2点程度です。「たった2点、大したことはない」と軽く考えていませんか?その2点が何問も積み重なれば、8点、12点…と失点はどんどん増えていきます。国語の点数アップには、漢字や文法といった細部への対策が欠かせないことがお分かりいただけるかと思います。

(3) 古文や漢文の勉強をしていない

中学生では古典文法や漢文句法をじっくり扱わないこともあり、古文・漢文はどう勉強すれば良いかわからない、だから勉強しないというお子さんも見られます。

また読みやすい題材が多いので、あらためて勉強せずとも読めてしまうという点も、古文・漢文対策の緊急度を下げている理由かもしれません。

難しい問題が出ないからこそ、古文・漢文は得点源にしたいところ。要点を押さえなかったばかりにもったいない失点をする、というのは防ぎたいところです。この後、「古文・漢文対策の基本」もご紹介します。古文・漢文で得点の上乗せを狙っていきましょう。

【ジャンル別】成績アップ直結!国語の正しい勉強法

ジャンル別に正しい勉強法をご紹介
ジャンル別に正しい勉強法をご紹介

国語の成績が伸び悩む原因が見えてきたところで、正しい勉強法を解説していきます。「漢字」「文法」「説明文・論説文」「小説(物語)文」「古文・漢文」の5ジャンルに分け、見ていきましょう。

【ジャンル別】成績アップ直結!中学生の国語の正しい勉強法

(1) 漢字|カタチを正しく、送り仮名や意味も覚えよう

得点できる漢字力には、次の4点を意識した練習が効果的です。

形(止め、ハネ、ハライも正しく)

読み方と送りがな(音読み、訓読み。訓読みは送りがなも正確に覚える)

意味(「へん」や「つくり」も意識しよう)

熟語や使われ方

漢字の形や読み、意味を正しく覚えることはもちろん、熟語や実際の使われ方も調べるのがポイント。初見の漢字問題や長文読解にも生きる力になりますよ。

漢字練習教材は、学校でもらったドリルで十分です。「知っている漢字/知らない漢字」「書ける漢字/書けない漢字」といった印を付けながら進めるのも良いでしょう。

【参考】漢字はシステム的におぼえよう!
漢字は、意外にシステム=理論的な構造になっています。左側の「偏(へん)」で「意味」を表し、右側の「つくり」で「音(音読みの読み方)」を表すことが多い…というのを、聞いたことがあるのではないでしょうか。

例えば、部首の「にくづき(月)」がついていれば「肉体の一部」を表します。「肌」「肝」「脳」「腕」「腸」「眼」など、色々ありますね。

右側の「読み方」は、漢字が渡来してきた時代の国(昔の漢、明など)の読み方がもとになっているので、今の漢字の音読みそのものと全く同じとは言い切れません。しかし、意識して見ていると「これは●●と読む仲間だな」と共通性が分かってきます。

例えば碗、椀、腕はみな「ワン」と読みます。つくりの「苑」は単独漢字としては現在「エン」と読み、全く同じ音ではありません。

それでも、「腕」の音読みがわからなくなったときに「椀」の読み方が分かっていれば、気づける可能性が高くなります。漢字は音も意味も、関連付けて覚えるのがポイントです。

なお、漢字の構造だけでなく、漢字の熟語も、ルールにもとづいて作られています。色々調べて、理屈を理解し、連想的に覚えるようにすると、忘れにくく記憶に定着しやすくなりますよ。ぜひ試してみてくださいね。

(2) 文法|教材は解説の丁寧なものを選び、「まとめノート」で徹底的に理解してしまおう

学校の授業では、文法を不定期に扱います。学習進度が分断されてしまうので、学校では文法を体系的に理解しにくいともいえます。

そこで文法は、短期集中で全体を理解してしまいましょう。文法ドリルを1冊用意し、次の4つの項目で「まとめノート」を作ってみるのがおすすめです。

品詞の名前と、それぞれの役割

活用の有無による分類

活用の仕方

助詞の意味と使い方

教材を選ぶ際は、解説ができるだけ平易でかみ砕かれたものを選んでください。一般的な文法解説、たとえば「連体詞とは、ほかの言葉を詳しく説明する役割を持つ自立語。活用がなく、後につづく体言を修飾する」という解説では、正直お子さんは分からないでしょう。

通り一遍の解説を、「つまり、どういうことなのか」と、さらに詳しく説明しているものがベスト。良さそうな教材がない場合は、塾に短期の文法対策をお願いしてみるのも良いですね。

(3) 説明文・論説文|段落ごとに、要点を見つけながら読んでみよう

説明文・論説文は、「意見文」です。すなわち、筆者が何らかの「意見」を言うために、その根拠となる具体例や事例を挙げて説明し、結論として「意見」を述べるものです。

ということは、ほぼ必ず段落ごとに「筆者の意見=要点」があることになります。段落ごとに要点の一文を見つける練習をしましょう。

説明文・論説文は筆者の主張に説得力を持たせるため、段落が論理的に組み立てられています。段落の中にも論理展開があり、最重要文・具体例・想定される反論の検証・まとめ……、などさまざまな役割の文章が存在します。

こうした文章ごとの役割を見つけながら読む手法が、いわゆる「論理的な読解法」です。

「段落ごとに最も重要な一文を見つける」という姿勢は自然と一文一文の役割を区別させ、論理的読解力の養成に役立つのです。

実はこの読み方、大学入試まで使える本質的な読解法です!中学生のうちに身につけておくと、高校の現代文も得意科目にすることができますよ。

(4) 小説文|心情は本文にある記述を正確に見つけよう

小説問題では「心情理解」を問う問題が頻出です。

さてこの心情理解問題、やりがちなのが「自分だったら……」と想像して解答するパターン。この解き方はミスのもとです。

問われているのはお子さんの気持ちでもなければ、お子さんが想像した登場人物の心情でもありません。「作者が、登場人物に持たせようとしている感情」を読み取ってほしいのです。

どんな感情を持たせようとしていて、それは本文のどの部分を根拠として読み取れるのか、を考えることが大切。小説文も、あくまで解答の根拠は本文にある!という姿勢で臨むようにしましょう。

(5) 古文・漢文|基本を丁寧に押さえることを意識しよう

中学生の古文・漢文は勉強が得点に直結しやすい、お得なジャンルです。

古文では次の4点を押さえることが大切!

スラスラ音読できる

現代仮名遣いを知る

基本的な古文単語を覚える

省略された主語を補う練習

なめらかに読めるよう音読練習をしつつ、現代仮名遣いを正しく覚えます。「わろし」「をかし」「いみじ」といった基本単語も意味を覚えてしまうのがおすすめ。古文は主語の省略が解釈を難しくしている一因なので、現代語訳を見ながら省略された主語を補って理解しましょう。

漢文は「返り点の使い方」を確実に押さえることが最重要です。

レ点

一二点

上中下点

この3つは、どの順番でどこに戻るのか、間違えずにたどれるように練習しましょう。

塾探しは無料体験で比較してから選ぶ、が正解

さらに10点アップ!テストや受験に使える国語のコツ

読解問題では、「問題文」にも解答のヒントがある
読解問題では、「問題文」にも解答のヒントがある

ここからはさらに10点伸ばせる、国語勉強法・プラスアルファのコツをご紹介します。

さらに10点アップ!テストや受験に使える国語のコツ

(1) 問題の解き方は問題文にヒントがある

読解問題では、「問題文」にも解答のヒントがあります。問題文は何となく読むだけ、最後までしっかり読んでいない、という場合、これを知るだけで得点アップするかもしれません。

たとえば「~~はなぜか」と問われていたら、どう答えますか?理由を問われているわけですから、解答は必ず「~~だから」となるはずです。

あるいは「~~はどういうことか」と問われていたら?詳しく説明するわけですから、解答は必ず「(詳しい説明)ということ」という形になりますよね。

こうして改めて書くと「何を当たり前のことを」と思われるかもしれませんが、テストでは問題の指示に従わない解答を書いたために減点になるお子さんがとても多いのです。

問題文に込められた「何を・どう答えれば良いのか」という指示をきちんと読み取り、問題文に呼応する解答を作るよう意識してみてください。

ところで、この能力(=指示されたことに正しく対応できる)は、実は社会人になってからの仕事でも、苦手としている人が多いのです。今から身につけておけば、一生使えるスキルになりますよ!

(2) 問題を解いた「その後」が実力を伸ばす!

国語の実力を伸ばすのは、問題を解いた「その後」にあります。

お子さんは、答え合わせの後に「解説」を読んでいるでしょうか?中学生に多いのが、「答え合わせをしたら教材を閉じる」パターン。〇×をつけ、記述問題は解答例を書き写し、終わり。

これでは、国語の(そしてすべての教科の)成績は伸びません。

解答だけではなく、解説を熟読すること。「どうしてその答えが〇なのか、どうしてこちらは×なのか」を理解することが大切なのです。どう考えれば自分は正解できたのか、自分に足りない視点を解説から吸収していきましょう。

(3)教科書ガイド・準拠ワークの活用もおすすめ!

高い読解力に必要なのは、語彙力や論理的思考力、創造力などです。学校の授業だけではこうした力が十分についている気がしない、という場合、「教科書ガイド」を活用してみるのもおすすめです。

教科書ガイドとは、名前の通り教科書を詳しく解説している参考書です。重要語句の意味や要点、読解のポイントなどが簡潔にまとめられており、要点を押さえた読み方が分かります。教科書ガイドと同じ読み方ができるよう、真似してみると良い勉強になりますよ。

また「教科書準拠ワーク」はテスト対策に最適です。テストの中心が教科書からの出題を占める中学3年生前半までは、教科書ガイドと準拠ワークを国語学習の柱に据えることで、高得点が目指せるでしょう。

お近くの個別指導塾の料金・サポート体制を徹底比較!

【中学国語】定期テスト対策/高校受験対策はここで差がつく!

読解問題は、ワーク類のほか「予想問題」にも取り組もう
読解問題は、ワーク類のほか「予想問題」にも取り組もう

国語の定期テストや高校入試で成果を出すためには、それぞれの傾向を踏まえた対策が重要です。

テストや受験で成果を出すための、押さえるべき対策のコツをまとめます。

(1) 定期テスト対策は直前に精度高く対策すること

定期テストで高得点を狙うには、テスト直前に精度の高い対策をすることがコツです。

これまでご紹介してきた漢字や文法、古文・漢文、読解などの勉強法は、1年を通じて取り組んでいただきたいもの。テスト範囲が発表されたら、テストに照準を合わせて日頃の学習をまとめていきましょう。

漢字や文法は、テスト範囲に合わせて復習をします。また読解問題は、ワーク類のほか「予想問題」にも取り組みたいですね。テストの難易度に合った初見の問題に取り組むことで、実戦的な解答力がチェックできます。

塾によってはテスト直前対策を無料で実施し、予想問題に取り組ませてくれる場合もありますよ。お近くの塾のテスト対策について、ぜひ問い合わせてみてください。

(2) 高校受験対策は傾向に合わせよう(作文の有無もチェック必須!)

高校受験対策は、公立・私立それぞれ、出題傾向を調査し、対策を立てましょう。出題傾向を調べる際は、次のポイントを見てみてください。

出題される問題ジャンル

1題当たりの本文分量

頻出の問題形式

漢字、文法の問題量(配点)

作文の有無(あればテーマと文字数も)

近年は記述式の問題や作文を課す高校が増えています。これは、選択式問題では分からない、受験生の読解力や論理力、表現力を見るためといわれています。記述式や作文は相応の練習が必要。過去問に取り組み、不足を補える対策を立てましょう。

また高校受験は定期テストとは異なり、必ず「初見の文章」が出ます。初めて見る文章を時間内に読み、解答しきる力が必要だということですね。

私立高校によっては大学入試並みの難易度・分量の問題を出すこともあります。過去問をよく確認し、合格点に向けて入念に対策を立ててください。

【高校入試必出】記述式問題の解き方と記述問題5タイプを解説
定期テストや模試で、記述問題を面倒がる中学生は少なくありません。確かに選択問題と比べると、記述式問題は「書く内容を考…
詳しく読む
【高校受験】入試国語の作文・小論文で8割とる書き方を解説
近年、受験で出題されることが増えている作文・小論文。文章を書くことに苦手意識のある人にとっては、なかなか対策しにくい…
詳しく読む

(3) 塾の資料集め・体験授業は余裕のあるときにやっておく

国語は自力での勉強法がいまいちつかめず、高校受験に向けて塾を検討する方も多い教科です。

まだ検討段階だとしても、「情報集め」だけは早めにしておいた方が良い、というのはご存知ですか?理由は、塾探しには思っている以上に手間がかかるからです!

受験生になり、早く勉強してほしいという時期が来ているのに、塾探しに手間取っていては時間をロスするばかりです。

通える範囲内の塾を3~4つピックアップし、資料を集めておく。できれば体験授業も受けておく。この2点は、時間に余裕があるうちに済ませておくのがおすすめです。

お子さんに合う塾がどこか目星がついてさえすれば、いざ塾へ!となった時も、スムーズに話を進められます。

ピッタリの塾を見つけるのには、数週間かかる場合もあります。塾に通うかどうかは、後で決めれば良いとして、情報集めと体験授業は早めに行っておきましょう。限られた勉強時間を無駄にしないための、ちょっとした秘訣です。

塾探しの窓口」なら、お近くの塾にまとめて資料請求ができます。もちろん費用は不要!定期テストや受験に向けての資料集めに、ぜひご活用ください。

「国語だけ塾に通う」はアリ?国語の成績を伸ばす塾の選び方
お子さんが「国語だけ成績が良くない」「昔から国語が苦手」という悩みを持たれている親御さんは大勢いますが、一方で国語は…
詳しく読む

まとめ

ここでは、中学生の国語勉強法について解説しました。

国語は「勉強法がわからない」と後回しにされやすい教科です。しかし国語の成績不振には必ず原因があり、また適切な対策をすれば得点もちゃんと伸びる教科です。実際、筆者が塾で教えていたときには「中間テスト40点から期末テスト70点まで点が伸びたお子さん」「模試で偏差値45が最高だったのに後々偏差値70まで取れるようになり、高校受験を戦うための主力教科にできたお子さん」もいます。

とはいえ、やはり自力では難しい点が多いのも国語。特に論理的な読解力や表現力は、プロの手を借りて集中特訓した方が成績アップへの近道という場合もあります。記述問題や作文など、添削してほしい問題に出会うことも多いでしょう。

塾というプロの手を借りることも検討しながら、一つひとつ頑張っていきましょう!

塾探しは無料体験で比較してから選ぶ、が正解
【中学生】国語に定評あるおすすめ塾12選|選び方も解説
「国語はすべての学習の土台」と、聞いたことがありませんか。実際、国語力と他の教科の成績には正の相関関係(国語力があれ…
詳しく読む
中学生におすすめの塾15選【高校受験対策&定期テスト対策】
中学生が学ぶ内容は同じ義務教育でも小学校より格段にレベルが上がります。また生徒によってはさまざまな要因で教科ごとの得…
詳しく読む
【高校受験】勉強はいつから始めれば間に合う?元教員が解説
お子さんが高校受験を控え、 ・一般的に受験勉強を始める時期はいつ頃が多いのか・受験勉強は、間に合う(=合格する)た…
詳しく読む

この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

塾探しの窓口編集部

学習塾の口コミ比較サイト「塾探しの窓口」が運営。初めて塾を探されている保護者に向けて、塾を探す上での基礎知識や塾選びを成功に導くためのポイント等を、わかりやすくお届けします。

ページの上部へ