【高校入試必出】記述式問題の解き方と記述問題5タイプを解説

2022.03.07
最終更新日 2022.07.02
【高校入試必出】記述式問題の解き方と記述問題5タイプを解説

定期テストや模試で、記述問題を面倒がる中学生は少なくありません。確かに選択問題と比べると、記述式問題は「書く内容を考える」「筋道を通してまとめる」という手間が必要なだけ、厄介だというのも分かります。

しかし記述問題には、勉強のとても大切な力を養う目的が隠されています。「選択問題より配点が高い」というだけではない、記述問題の重要性や対策・勉強法について解説します。

なぜ、「記述式問題対策」が重要なのか?

記述問題はテストでも入試でも頻出の問題形式
記述問題はテストでも入試でも頻出の問題形式

学校の先生もよく、「記述式の問題も、ちゃんと頑張れよ!」とおっしゃるかもしれません。選択問題の方が、解答する方も採点する方も楽で良いと思うのですが、なぜ記述式問題は重視されるのでしょうか?

(1) 高校入試問題では、記述式問題の出題量が増えている

実は近年、高校入試ではどの教科でも解答を記述させる問題が増えています。東京都立高校・大阪府立高校、それぞれの入試問題を見てみましょう。

◎ 東京都立高校入試問題(令和4年度入試・国語)

引用:東京都教育委員会|令和4年度都立高等学校入学者選抜 学力検査問題『国語』第4問-問5

◎ 大阪府立高校入試問題(令和3年度・英語)

引用:大阪府教育委員会|令和3度一般入学者選抜 学力検査問題 『英語』第7問

※ 問題主旨:4行分の英文を読み、自分の考えを英語で書く。

まとまった文字数を書かせる問題は、5教科に共通して増える傾向にあります。学習指導要領が改訂され、「思考力・判断力・表現力」を重視する指導に変わりつつあること、つまり勉強も「結果」だけではなく、どうやってその答えに辿り着いたかという「過程」も重視されるようになったことが、記述問題の増加の要因だといわれています。

大学入試共通テストでも、記述問題の導入が盛んに議論されていましたよね。結局、共通テストでの記述式問題導入は断念されましたが、あの議論もすべては「子どもたちに考える力」を付けさせることが必要だ、という社会からの要請があったことは確かです。

社会動向の影響も受けている記述問題は、今後も減ることはないと考えられます。

(2) 定期テストでも記述式問題の出題量が増えている

中学校の定期テストは、高校入試の問題形式を踏襲して作られます。よって高校入試で記述問題が増えると、定期テストもそれに合わせて記述問題が増えるのです。

実際、ベネッセ総合研究所が行っている経年調査でも、「記述式問題・論述式問題を出す」と考えている中学校教員は年々増えているという結果が出ています。

◎定期テストで「論述式(記述式)の問題を出す」ことを考慮している 中学校教員(経年変化)

また同じ調査では、「高校入試を意識した定期テスト問題を出す」と考えている教員も同程度以上いたことも分かっています。

高校入試でも、それを見据えて作られる定期テストでも、記述式問題は増えている実態がわかりました。問題が増えるということは、配点も大きくなるということです。面倒かもしれませんが、これからは記述問題を解く力がないと、テストや高校入試で目標点突破が難しくなるということですね。

対策の前に「記述式問題」のタイプを知ろう!入試頻出の記述問題5タイプ

記述式問題は5タイプに分けると対策しやすい
記述式問題は5タイプに分けると対策しやすい

記述問題の勉強法を解説する前に、よく出る問題形式を知っておきましょう。ひとくくりに「記述式問題」といっても、問題は5タイプに分けられます。

(1) 一問一答タイプ

「一問一答」とは文字通り、1つの問題に対して1つの答えを書く形式を指します。理科や社会でよく見かける「~~とは、何のことか」といった問題が該当し、記述問題の中でも最も易しい部類に入ります。「これならできる」という中学生も多い問題タイプです。

引用:神奈川県教育委員会|令和3年度 共通選抜 学力検査問題『社会』問1-エ
引用:東京都教育委員会|令和4年度都立高等学校入学者選抜 学力検査問題『理科』第5問-問3

(2) 書き抜きタイプ

「書き抜きタイプ」問題とは、国語で良く見られる問題形式です。問題の指示に合致する部分を本文中から抜き出す問題を指します。文字数制限が付くことが多く、適切な箇所を過不足なく見つけられる力が問われます。

引用:大阪府教育委員会|令和3度一般入学者選抜 学力検査問題 『国語』B問題 第4問-1

(3) 理由記述タイプ

「理由記述タイプ」とは、事象の原因や根拠を延べさせる問題のことです。理科の実験操作を行う理由のように「教科書内容の暗記」で対応できる問題と、生徒本人の思考を問う問題とに分かれます。前者は比較的できる中学生が多いのですが、自分で考えるひと手間が必要な後者は、苦手とする中学生もよく見られます。

引用:大阪府教育委員会|令和3年度一般入学者選抜 学力検査問題『国語』C問題第3問-3

※ 理由記述と書き抜きの融合タイプ

(4) 説明タイプ

「説明タイプ」とは、「~とはどういうことか、説明せよ」と問われる問題形式のことです。多くの問題は、要点の説明を求められます。本文に即しつつ、問題の指定に合わせて書き換えが必要になるため、記述問題の中では最も難度が高いといわれています。

引用:長野県教育委員会|令和3年度後期選抜学力検査問題『国語』問1-(5)

(5) 自由記述タイプ

「自由記述タイプ」とは、問題文の指定に沿って自分の考えなどを述べる形式です。国語の「作文」や英語の「自由英作文」などが該当します。英語なら20~50語、国語では150~200字程度というまとまった字数を要求されることが多く、簡潔にわかりやすくまとめる力が必要になります。

引用:東京都教育委員会|令和2年度都立高等学校入学者選抜 学力検査問題『国語』第4問-問5
引用:大阪府教育委員会|令和3年度一般入学者選抜 学力検査問題『英語』B問題-第3問

記述式問題で失点するパターン

やっちゃダメ!記述問題で減点されるポイント
やっちゃダメ!記述問題で減点されるポイント

よく出る記述問題5タイプが分かりました。続いては、記述問題で減点されるパターンを見ておきましょう。

お子さんが次の4パターンのどれかをやっていたら、すぐに手を打ってください。次のテストから得点が上がるかもしれませんよ。

(1) 字が汚い、何が書かれているか読めない

何が書かれているか採点者が判読できないような乱雑な字は、減点要因になります。

解答は自分だけが読めれば良いものではなく、採点者に「見てもらう」ためのものですよね。見てもらうという意識が欠落した文字には、「6と9」「め と ぬ」などが判別しにくかったり、句読点の有無が見分けられなかったりするものもあります。採点者に解答が正確に伝わらず、減点になってしまうこともあるのです。

文字の上手・下手を言っているわけではありません。字は「他人に見てもらうもの」という意識を持ち、丁寧に書くようにしましょう。

(2) 設問の指示に応答していない

設問の指示にきちんと応答してない解答も、減点対象となります。

よくあるのは、「~はなぜか」と理由を問われているにもかかわらず、「~なこと」と答えてしまうパターン。なぜか、と聞かれているのですから、答えは「~だから」となるはずなのに、です。

同じように「本文中の言葉を用いて書け」という指示に対して、本文をそのまま書き抜く生徒もいます。「本文中の言葉を用いて書け」とは、本文の言葉を使いながらあなたの表現でまとめなさい、という指示なのです。

何を問われているのか、どう答えれば良いのかを意識するだけで結果が変わってきますよ。

(3) 入れるべき情報が不足している

解答に必要な要素や情報が不足している場合も、減点されてしまいます。使うよう指示された言葉を全部使い切っていない、即すように指示された資料に触れていないといった例です。

こうした解答は「問題文を正確に読めていない」と判断され、×を付けられてしまいます。問題をしっかり読み、何を・どのように入れるのかを読み取れていれば、防げるもったいないミスだといえます。

(4) 空欄のまま出している

そもそも空欄で出しては、得点できるはずがありません。ただし、「なぜ」空欄のままなのかを知ることが大切です。

空欄のまま出す生徒の中には、本当に何もわからなくて書けないタイプもいますし、「完璧な答案じゃなきゃ書いちゃいけない」と思い込み、結局何も書けずに出すタイプもいます。

前者は勉強を頑張ろうね、という働きかけで良いのですが、後者の生徒はプライドの高さが答案作成の邪魔をしている可能性がありますから、本人の気持ちに配慮が必要です。

頭ごなしに「書きなさい!」と言うのではなく、寄り添って丁寧に「分かることを書くことが大切」と繰り返し伝えていきましょう。

今日から実践!記述問題の勉強法

記述問題が得意になる勉強法5ステップ
記述問題が得意になる勉強法5ステップ

実は記述問題は日頃からの勉強が実りやすい問題形式です。コツを押さえられれば、同じような記述問題は全部解けるようになる、ということも多いからです。

ここからは毎日の勉強に取り入れたい、記述問題対策を5つに分けて解説します。

(1) 「問われていること」「答え方」を正確につかもう

初めは「問題文をよく読もう」という話です。当たり前に聞こえるかもしれませんが、できていない生徒が意外と多いのです。

問題文は「何を問われているのか」「何を・どう答えれば良いのか」に注目して、丁寧に読む習慣を付けます。定着するまでは、指示や注目ポイントに下線を引いても良いでしょう。

(2) 持てる力を使って「何か」書いてみよう

普段のワークは記述問題だけ飛ばして解いていて、テストのときにいきなりできるかと言われても、それは厳しい相談です。日頃から記述問題に取り組むことが大切です。

記述問題に苦手意識が強い場合は、「何か書く」というところから始めてみましょう。一問一答や書き抜き問題は、比較的取り組みやすい問題です。

(3) 漢字は正確に、字は丁寧に書こう

国語以外の教科でも、漢字の正確さは見られています。また文字は丁寧に書く習慣を付けましょう。

親御さんが、時折解答を見てあげることもおすすめの方法です。お子さん自身では自分の字は読めてしまいますから、客観的に見て丁寧なのか・読みやすいのかを判断するのが難しいからです。

親御さん、つまり「大人の目」から見て、採点者に伝わる文字かどうかチェックしてあげましょう。

(4) 答え方のパターンをおさえよう

記述問題の5タイプのところでも触れましたが、記述問題には問題タイプごとに「答え方の定石」があります。こう聞かれたら、こう答えるという解答のフレームを知っておけば、あとは中身を埋めるだけですね。グンと考えやすくなるはず。

ぜひ知っておきたいのは、次の2つです。

パターン1.説明問題
「~とはどういうことか/説明せよ」という問題には、「~こと」と答える!

〈コツ〉
指示部分を言い換えている箇所探し、もともとの形に合うように整えて入れます。
パターン2.理由記述問題
「~はなぜか」という問題には、「~から」と答える!

〈コツ〉
指示部分の原因や、そうなった理由を探します。

(5) 答え合わせにもコツがある

「記述問題は答え合わせが難しい」という声も聞きますが、コツを押さえれば大丈夫です。

次の3ポイントに気を付けて答え合わせしてみましょう。記述問題の正解率が徐々に上がっていくのが実感できるはずです。

ポイント
◎ 問題の指示に従っているか(制限字数、書き抜きか説明かなど)
◎ 必要な言葉や情報は盛り込まれているか
◎ 正しい文章で書けているか

模範解答と自分の答えを見比べ、解説をよく読みながら、上の3点に注目してください。また文章として正しく成立しているかは、音読するとわかります。不自然さを感じたら、日本語としてどこかおかしいということ。主語と述語が呼応しているか、文章はねじれていないかなど、チェックしてみましょう。

いざ、実戦!記述式問題の基本的な解き方

本番で完成度の高い解答を作れる手順4ステップ
本番で完成度の高い解答を作れる手順4ステップ

ここまでは日頃の記述問題練習法をまとめてきました。ここからは、いざ問題演習!テスト本番!実戦の場で気を付けるポイントをまとめます。

やってみると、これまでよりずっと記述問題が解ける自分に気づくはず。得点力アップに直結する方法です。

(1) 答えるべきことを把握する

はじめに、「答えるべきこと」を正確に把握することが大切。問題文を丁寧に読み、用語を書くのか書き出すのか、知識をまとめて書くのか、自分の意見を書くのかなど、求められていることを正しく知りましょう。

また制限字数や解答の形式などもチェックします。

(2) 解答に必要な要素をチェックする

何を答えるかが分かったら、次に解答に盛り込まないといけない要素を整理しましょう。「資料中の語句を適切に使って」という指示があれば、資料から解答に必要な言葉を抜き出す作業も必要です。また要素は1つとは限りません。

必要な要素を抜けもれなく洗い出したら、次に進みます。

(3) 解答全体の見通しを立てる

まだ解答は書き始めませんよ。全体の見通し、つまりバランスを考えておくのも大切な過程です。特に作文や英作文、数十字になる記述問題では、「何を・どれくらいの分量で書くか」という見通しがないと、情報や文字数の過不足につながることもあります。

時間の制約がある本番で、焦らず解答を完成させるためにも、「何を・どれくらい盛り込むか」と全体を考えるひと手間を挟んでみてください。

(4) 解答として正しくまとめあげる

1~3まで進めたら、後は解答としてまとめあげるだけです。文章の正しさや漢字ミスなどに気を配りながら、答案用紙に書いていきましょう。

いきなり答案用紙に書くのは不安、という場合は余白に下書きしても良いですね。試験問題によっては下書き用のスペースが用意されていることも多いので、活用していきましょう。

まとめ

近年増え続けている「記述式問題」への対策や勉強法を解説してきました。

中学校、そして高校の勉強も、これまでの暗記偏重から、生徒が主体的に考え取り組むスタイル、いわゆる「アクティブラーニング」に置き変わりつつあります。大学入試まで包み込んだ大きな潮流の中で、テストや入試問題も「考えさせる」形式が増えてくるのは、何ら不思議なことではありません。

こうした動向は社会全体の影響の結果でもあり、今後も止まることはないでしょう。「記述問題は面倒だから」と避けてばかりでは、受験や高校入学後にも苦労が続くことが容易に想像できます。

記述問題は、いきなり完璧な答案を書こうとすると、とてもハードル高く感じるかもしれません。大切なのは問題をかみ砕き、スモールステップで始めること。もしご家庭での取り組みが難しければ、ぜひ塾に相談してみてください。塾ではお子さんの現状に合わせて、無理なく問題に取り組ませてくれますよ。

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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

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