高校受験の「推薦入試」ってどんな制度?わかりやすく解説!

更新日 2024.01.24
高校受験の「推薦入試」ってどんな制度?わかりやすく解説!

お子さんの高校受験を考えたときに、「推薦入試」が気になる親御さんも多いですよね。

ところが調べるほどに、「推薦入試」や、よく似た「特色選抜」や「前期選抜」など、さまざまな方式が出てきます。違いは何なのか、うちの子に合うのはどの選抜方法かと、お困りではないでしょうか。

今回は高校の推薦入試に注目し、さまざまある方式の違いや推薦入試の合否基準、推薦に向けて準備しておくべきことなどをまとめました。

最後まで読めば、推薦入試のすべてがスッキリわかります!さっそく、推薦入試とは?というところから見ていきましょう。

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高校受験の「推薦入試」とは?

推薦入試とは、中学校長の推薦書を携えて受験する方式のこと
推薦入試とは、中学校長の推薦書を携えて受験する方式のこと

高校受験の推薦入試は、都道府県ごと、また公立か私立かによって形態が異なります。まず高校受験の推薦入試とはどんな制度なのか、他の選抜方法とも比べながら整理していきましょう。

高校受験(公立・私立)の「推薦入試」とは?

(1)【公立高校】「推薦入試」とは?

公立高校の推薦入試は、いわゆる「学校推薦」だとお考えください。中学校長の推薦があって初めて出願できる、ということです。推薦が可能かどうかを決める「推薦基準(推薦要件)」を設けている自治体もあります。

推薦入試ではほとんどの場合学力検査はなく、調査書や推薦書、面接、作文や小論文の結果で合否が決まります。合格内定時期は1~2月と、「一般選抜」より早く判明するのも特徴です。

ただし岩手県のように推薦入試でも中学校長の推薦が不要なところや、宮崎県のように「推薦入学者選抜」という名称なのに学力検査を行うところもあります。

後に、推薦入試を実施している都道府県と内容をまとめてありますので、あわせてご覧ください。

(2)【公立高校】「特色選抜」「自己推薦型入試」とは違うの?

都道府県の中には、推薦入試と似た「自己推薦型入試」を行っているところもあります。

自己推薦型入試とは、学力検査だけでは測れない生徒の個性や活動実績を評価する目的で行う選抜方式のこと。「特色選抜」「前期選抜」などの名称で呼ばれています。

自己推薦型入試が推薦入試と異なるのは、「基本的に中学校長の推薦は不要」「学力検査が課されることもある」という点です。

推薦入試の場合は「推薦書」を中学校が発行しますが、自己推薦の場合は自分で「志願理由書(自己PR書)」を書くことになる点も押さえておきましょう。

ただし新潟県のように、特色化選抜と呼ばれるにもかかわらず、学校長の推薦を必要とする自治体もあります。

(3) 【公立高校】推薦入試を実施している都道府県一覧(2023年度入試最新)

推薦入試は、すべての都道府県公立高校で実施しているわけではありません。また選抜方法や名称、要件もさまざまです。

以下に、推薦入試、もしくは自己推薦型入試を実施している都道府県をまとめました。推薦入試について情報収集をする際、選抜方式の名称を区別するのにもご活用ください。

記載されていても、すべての高校で推薦入試を実施するかは都道府県によって異なります。詳しくは学校の先生に尋ねるか、教育委員会のホームページでご確認ください。

※ 「中学校長の推薦」欄の※は、推薦基準があるなど条件付きであることを示します。

 選抜の名称検査時期中学校長の推薦学力検査
北海道推薦入学者選抜2月不要英語の聞き取りテスト実施の場合あり
岩手推薦入学者選抜1月不要
山形推薦入学者選抜2月不要※
栃木特色選抜2月不要作文・小論文・独自検査から1つ
東京推薦選抜1月
新潟特色化選抜2月
富山推薦入学者選抜2月
石川推薦入学2月要※
福井推薦入学者選抜1月
山梨前期募集2月不要
長野前期選抜2月不要
愛知推薦選抜
特色選抜
2月推薦:要
特色:不要
三重前期選抜
スポーツ特別枠選抜
2月不要
滋賀推薦選抜
特色選抜
スポーツ・文化芸術推薦選抜
2月推薦:要
特色:不要
スポーツ・文化芸術推薦:不要
大阪特別入学者選抜2月不要3教科
兵庫推薦入学
特色選抜
2月推薦:要
特色:不要
奈良特色選抜2月不要3教科(高校選択制)
和歌山特色化選抜2月要※
鳥取特色入学者選抜2月要※高校による
島根推薦選抜、特別選抜・スポーツ特別選抜1月要※
岡山特別入学者選抜2月不要3教科
山口推薦入学2月
徳島育成型選抜2月不要5教科
香川自己推薦選抜2月不要3教科(高校選択制)
愛媛推薦入学者選抜2月
福岡推薦入学者選抜2月
福岡特色化選抜1月不要
佐賀特別選抜2月不要3教科
長崎前期選抜2月不要高校による
熊本前期(特色)選抜2月不要
大分推薦入学者選抜2月
宮崎推薦入学者選抜2月不要3教科/適正検査のいずれか一方
鹿児島推薦入学者選抜2月
沖縄推薦入学1月

参考:各都道府県教育委員会発表の公立高校入試募集要項

(4) 【私立高校】私立高校で実施されている「推薦入試」の種類

私立高校でも推薦入試を行っています。

私立高校の推薦入試は学校ごとに要件が異なりますが、中学校長の推薦は必要です。合否判定は推薦書や調査書、面接、実施した検査の結果で決まります。

また3~5教科の学力試験や、適性検査を実施する私立高校もあるので、詳しくは各高校の募集要項をご確認ください。

私立高校推薦入試のポイントは「専願」と「併願」という2種類がある点です。

「専願」とは、受験する私立高校が第一志望の受験生が受ける方式で、合格したら必ず入学することが受験条件となります。万が一、合格後に入学辞退した場合は翌年から母校中学の後輩受験生が不利になるかもしれません。入学を決めてから出願しましょう。

「併願」とはその私立高校も受験するが、他の高校も受験したい場合に選択する受験方式です。公立高校のいわゆる「滑り止め」として私立高校の「併願」を利用する受験生が多く見られます。

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推薦入試の試験内容と合否基準は?

推薦入試で最重要視されるのは「調査書」!
推薦入試で最重要視されるのは「調査書」!

学力検査がない推薦入試では、どのような試験が行われるのでしょうか?推薦入試の合否が決まる仕組みと合わせて、見ていきましょう。

(1) 試験は「面接」「作文」などが一般的

ほとんどの高校では、推薦入試で「面接」を実施します。面接は集団、あるいは個人で行われ、中学校で頑張ってきたことや入学後の希望などについて聞かれることが多いようです。

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また作文・小論文や適性検査、専門科の受験では実技試験が行われる場合もあります。

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志望校の試験内容を知りたい場合は、担任の先生に相談してみてください。中学校には推薦入試の試験内容もストックされているはずです。

作文・小論文は、いいかげんな内容を書いたり、あきらかに指定の文字数に不足したものしか書けなかったりすると、不合格にされるおそれがあります。必ず受験までに過去の出題例を確認し、実際に書く練習をしておきましょう。

「文章を書くのは苦手」「小論文って、どう書けばいいかわからない」という場合は、学校の先生に相談してみてください。また塾にも作文・小論文対策講座を行っているところがあります。頼れるところは遠慮せずどんどん頼って、当日までに準備を確実に行いましょう。

(2) 推薦入試の合否基準

高校の推薦入試では、主に以下の資料を使って合否を判定します。

調査書(内申書)

推薦書、自己PR書など

面接の結果

実技試験や適性検査など、実施した検査の結果

それぞれの資料をどのくらいの割合で評価するかは自治体・高校によって異なりますが、一般的には「調査書50%+面接25%+その他の要素(作文など)25%」と割り振ることが多いようです。

合否判定の半分は、調査書(内申点)が占めているということですね。

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推薦入試を受けるべきなのは、こんな中学生!

調査書が優れており、アピールポイントがある生徒に最適
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推薦入試には、向いている中学生タイプというのがあります。推薦入試を受けるべき生徒像を、公立高校・私立高校別にまとめました。

高校受験の推薦入試に向いている中学生のタイプ

(1) 公立高校編

公立高校の推薦入試は、内申点、つまり9教科の評定が良い生徒に向いています。学力検査を課さない推薦入試で最も大きな比重を占めるのが、内申点だからです。

また高校側が推薦基準を設けている場合は、内申点が基準に達していないと出願できません。この点からも、推薦入試には内申点が良い生徒が向いているといえますね。

部活動や生徒会活動、課外活動などで良い実績がある生徒は、自己推薦型入試を検討しましょう。高校も、自己推薦型入試を使って自校の特色を伸ばしてくれる生徒が入学してくれることを期待しています。高校の募集要件をチェックし、自分が要件を満たせているか確認しておきましょう。

(2) 私立高校編

私立高校で絶対に推薦入試を受けた方が良いのは、「その学校が第一志望である」場合でしょう。そのような生徒さんには、「専願推薦」をおすすめします。

「専願推薦」が「最も合格しやすい」と言われるのは、入学確約者を早期に確保できるという高校側のメリットも影響していると考えられます。

また公立高校との併願には、「併願推薦」を利用しましょう。受験生が他の高校と併願している、つまり辞退者がたくさん出ることを想定し、定員を大きく超えた合格者を出します。公立高校の本番前に、私立高校の合格通知を手にできるのは心のお守りになりますよ。

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推薦で高校受験するための手順

一般選抜より検査日が早い推薦入試は、早めの準備が大切!
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推薦で高校に出願する手順を解説します。推薦入試は一般選抜より早い時期に検査が行われますから、早めに動くことが大切です。

推薦で高校受験するための手順

(1) 担任や進路指導の先生に相談

「推薦入試を受けてみよう!」と思ったら、はじめに担任の先生に相談しましょう。中学校長の推薦が必要でも不要でも同じです。

そして、自分の内申点が推薦要件を満たしているかを確認してもらってください。推薦の基準を満たしていれば、次の段階に進みます。

(2) 校長先生に推薦書を書いてもらう

中学校長の推薦書が必要な場合は、担任の先生を通じて推薦書を書いてもらうことになります。同時に調査書など、提出書類の準備に入ります。

(3) 志願理由書や自己PR書などを用意し、出願

志願理由書や自己PR文など、生徒側で用意すべき書類があれば、先生から指示があります。指定の形式に従って、書いておきましょう。

志願理由書や自己PR文を書く際のポイントは2つ。

まず、必ず添削を受けること。学校の先生や、あるいは塾にお願いするのも良い方法ですね。塾の中には書類の書き方から教えてくれるところもあります。

次に提出期限に余裕をもって完成させること。ギリギリになると、万一修正が必要になったり、提出が遅れたりした場合に、出願期日に間に合わないおそれもあるからです。

推薦で高校合格を目指す中学生がやっておくべき対策とは

推薦で高校受験するなら、テストの成績アップはマスト!
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推薦で高校に合格したい場合、日頃から意識しておきたい取り組みというのがあります。推薦入試に向けて、今日からできる取り組みのポイントを4つにまとめました。

(1) 定期テストの成績を上げる

推薦入試の合否に大きな影響を与えるのは、調査書(内申書)です。「調査書を良くする」こと、言いかえれば「内申点を良くすること」こそが、推薦入試を希望する中学生が、まずやっておくべきことになります。

内申点とは、9教科の成績を5段階で評価した数値のこと。通知表が5段階評価ならば、通知表の数字(評定)と内申点はほぼイコールだと考えて構いません。

9教科の評定はテストの点数に応じて決まります。テストが90~100点なら評定は5、80~90点なら評定は4…、といった具合ですね。

内申点アップはテストの点数アップから!しっかり成績を上げていきましょう。

(2) 日々の授業に積極的に取り組む

評定には、テストの点数以外にもいくつか影響する要素があります。その一つが、日々の授業態度です。いくらテストの点数が良くても、授業中に関係ない事ばかりしていたのでは、評定は下がってしまうでしょう。

先生の話は真剣に聞く、授業中の課題には真面目に取り組むなど、授業に積極的に臨むよう心がけてください。

(3) 提出物を丁寧に、期限を守って提出する

実はもう1つ、評定に影響を与えるのが「提出物」です。評定はテストの点数を基本に、授業態度や提出物などの様子が加味されて決まっているのですね。

お子さんは、提出物にきちんと取り組めているでしょうか?また期限は守っているようですか?

提出物といっても、日々の宿題から美術コンクールの絵、長期休みの課題、作品など様々です。その一つひとつを「丁寧に、期限厳守で」出すことが大切ですよ。

(4) 時事ニュースにも関心を持っておこう

推薦で高校受験すると決めたら、時事問題やニュースにもアンテナを張っておきましょう。また科学雑誌や文芸書などをチェックし、話題のトピックに詳しくなっておくこともおすすめです。

実はどれも「面接対策」!推薦入試で必ずと言っていいほど課される面接には、「最近気になったニュースはありますか」という定番質問がありますから、その準備というわけです。

まとめ

高校受験の選抜方法のひとつ「推薦入試」について、概要や「特色選抜」との違い、推薦入試に向けた準備などについて解説しました。

推薦入試で最も重視されるのは「内申書」です。内申書の中でも、評定、つまり9教科の5段階評価が大切!評定が推薦基準に到達していないとそもそも推薦を受けられませんし、合否判定の資料としても最重要だからですね。

内申書の評定アップには、日々の学習に積極的に取り組み、定期テストの得点を上げることが近道です。特に定期テストは、中学校ごとの傾向や特徴に合わせた勉強に切り替えるだけで、得点が安定してきますよ!

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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

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