【高校受験】出やすい問題や分野はある?科目別に徹底解説!

更新日 2024.10.14
【高校受験】出やすい問題や分野はある?科目別に徹底解説!

「高校受験の勉強は、何からやれば良いのか」「効率の良い勉強法はあるのか」とお悩みの親御さんは、意外といらっしゃいます。受験が迫ってくると時間もなくなるため、「高校入試で出題されやすい問題に絞って対策したい」とお考えのご家庭も多いのではないでしょうか。

この記事では、高校受験で出題される問題を科目ごとに徹底分析しました。出やすい分野や問題形式、勉強のコツも解説しています。

記事を参考に正しい対策法を知り、第一志望校合格に近づいていきましょう。

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高校受験に出やすい問題種類・レベル・配点を教科別に解説

高校受験には「出やすい問題形式や分野」がある
高校受験には「出やすい問題形式や分野」がある

高校受験の問題は、中学3年間分が均等に出されるわけではありません。よく出る分野・単元や問題形式が存在します。

効果的な対策のためには、入試に出やすい問題を知っていることが大切です。はじめに「良く出る問題の傾向」を解説します。

(1) 英語

英語のオーソドックスな形式は以下のとおりです。

大問内容配点(例)
第1問リスニング15
第2問語彙などの小問10
第3問文法15
第4問長文(対話文)25
第5問長文(説明文・物語)25
第6問英作文10

※ 配点例は100点満点の場合です。自治体によって、満点が100点以外の場合もあります(以下、各教科同)。

英作文は都道府県・学校によって、出題の有無が変わります。過去問を確認し、傾向をチェックしておきましょう。

以降では、各大問の出題内容を詳しく解説します。

リスニング

「音声に当てはまるイラストを選ぶ」「質問の答えに該当する選択肢を選ぶ」などの問題が出されます。

配点は15~20点分であることが多く、無視できないボリュームとなっています。

日頃から、できるだけ英語の音声に触れる機会を増やしましょう。アプリや動画教材を活用すると、隙間時間でもリスニング対策ができます。

文法・語彙など

意味に合う単語を選ぶ「語彙問題」や、文脈に合う選択肢を選ぶ「文法問題」が続きます。これらは独立した大問で出される場合と、長文読解の中に含まれる場合とがあります。

出題レベルは教科書程度で、配点は20〜35点ほどを占めます。長文読解に十分な時間を確保するために、速く正確に解く必要があります。単語は「意味・スペル」をセットにし、正確に覚えておきましょう。

長文読解

長文読解は「2~3人の対話文」「説明文」「物語」など、さまざまな題材が扱われます。大問数は1〜3題で、1題あたり500〜700語です。

単語力や文法知識はもちろん、内容をスピーディーに把握する速読力、情報を適切に処理する論理的な思考力も必要です。

メールやポスター、広告などから問題に合わせて情報を組み合わせて答えるタイプの問題も増えています。

英作文

英作文は独立した大問の場合と、長文読解の中で小問として出題される場合とがあります。

書くべき語数は15〜20語程度のものが多く、「メールの返信としてふさわしい文面」「会話が成り立つような返答」などを書かせる問題が目立ちます。

難しい表現を使う必要はありません。知っている単語を使い、正しい文法で書ければ正解できます。

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(2) 数学

数学は1つの分野が1つの大問として出される入試が多く見られます。ただし「関数と図形」など、2つ以上の分野が融合した問題もあります。

数学の一般的な問題構成は、以下のとおりです。

大問内容配点(例)
第1問計算などの小問集合40
第2問数と式/データの活用/方程式など (短めの文章題)20
第3問関数20
第4問図形20

小問集合(計算問題など)

数学の第1問は「小問集合」と呼ばれます。基本的な計算問題や一行問題を中心に、10〜12問ほど出題されます。

注目したいのは、配点の高さです。都道府県や学校によって異なりますが、高い場合で35~40点ほどが第1問に割り当てられます。

「簡単な問題ばかりだから」と高をくくっていると、大きな失点につながります。確実に得点源とできるよう、1問1問を大切に取り組みましょう。

数と式、データの活用、方程式など

第2問には「データの活用」「確率・場合の数」「方程式」などの単元から、短めの文章題が出題されます。

関数や図形など、いわゆる「重い」単元より後回しにされやすい単元のため、思わぬ失点につながる受験生も多い箇所です。とくに「確率」「規則性」は、糸口を見つけられないと手も足もでません。

日頃から多くの問題パターンに当たり、さまざまな解き方を知っておく対策が大切です。

関数

関数では中2の「一次関数」が頻出です。「動点P」「水槽の水量」といった定番問題に加え、「図形とグラフを融合させた問題」も増えてきました。

難度が高い場合が多く、受験生の得点差が開きやすい問題です。

関数は、日頃から「数値同士の関連性と変化」をつかむ意識で練習すると克服できます。ある数値が変化する条件は何か、連動して変わる数値はどれかなど、一つひとつのプロセスを丁寧に思考していきましょう。

図形

図形分野からは、記述式の「平面図形の証明」が頻出です。「空間図形の体積を求める問題」を出す都道府県も、よくみられるようになってきました。

平面図形に比べて空間図形の方が難しくなりやすい傾向があります。頭の中で立体を回転させたり、切り取ったりといったイメージトレーニングを繰り返しましょう。

また体積を求める公式は、立体ごとに正しく覚えておきます。球体は混乱しやすいため、丁寧にチェックしておいてください。

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(3) 国語

国語の出題形式は、どの都道府県でもおおむね共通しています。以下をご覧ください。

大問内容配点(例)
第1問漢字(読み・書き) 語彙 文法 など30
第2問小説・物語25
第3問説明文25
第4問古文20

長文は「小説・物語」「説明文」「古文」という3題構成が多く見られますが、第5問として「作文」を出す都道府県もあります。漢字の読み書きも必ず出題されます。

漢字

漢字は独立した大問で出される場合と、長文読解の中で小問として出される場合があります。いずれも中学校までに習った基本的な漢字の読み書きを問うもので、得点源にするべき問題です。

また、「文法問題」「語彙に関する問題」が1~2問入る場合もあります。

小説・物語/説明文

小説・物語は、3000字前後のボリュームで出題されます。比較的読みやすいものが多いのですが、登場人物の心情や表現の特徴をこまかく問う問題が多く、手は抜けません。

説明的文章のボリュームは2500字〜3500字ほどです。文化や思想、歴史、建築、また現代の社会問題や思春期特有の悩みなど、さまざまな題材が扱われます。

さらに選択肢も長く、それぞれの違いを読み解くのに時間がかかるかもしれません。

国語の長文問題の正答率を上げるコツは、選択肢同士の違いを見極め、本文中に根拠を求めながら正解を絞り込むことです。「自分だったらこうするだろう」という主観で答えると不正解となります。あくまで本文に書かれているかどうかで判断してください。

古文

古文はオーソドックスな題材と問題形式が多かったのですが、2020年度学習指導要領の改訂以降、「融合問題」と呼ばれる新しい形式も増えてきました。

融合問題では、古文に関する解説文を読んで解答する形式が目立ちます。古文だけの場合より本文量が圧倒的に増えるのが特徴です。

本文解釈を中心とした勉強を基本に、さまざまな問題形式に慣れておくことが大切です。

作文

作文は120〜300字程度を書くよう指示されます。与えられたテーマに従って書くものや、資料を読んで自分の考えをまとめるものなど、問題形式もさまざまです。

資料が難しい場合や、問題文だけで説明文並みの分量がある場合もあります。作文を書き上げる記述力だけではなく、読み取り力も試されていると考えましょう。

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(4) 理科

理科は「物理・化学・生物・地学」の4分野からまんべんなく出題されます。多くの入試での出題形式は、以下のとおりです。

大問内容配点(例)
第1問小問集合20
第2問物理分野20
第3問化学分野20
第4問生物分野20
第5問地学分野20

「小問集合」は、重要用語や実験器具の説明など、基本知識を問う1行問題の集まりです。暗記で対応できる問題が多いため、理科が苦手な受験生の得点源にもなります。 また学習指導要領の改訂(2020年度)以降、「図やグラフ、資料を読み解くもの教科書では見ないような新しい題材を扱ったもの物理と生物など、分野をまたいだ融合問題」のような新傾向問題も増えています。

過去問や新傾向に対応した問題集を活用し、さまざまな方面から問題にアプローチできるよう練習してみてください。

物理

物理分野からは、「力と運動」「磁界」「電気・電流」の分野が頻出です。公式にあてはめるだけで解ける問題は1〜2問で、それ以外は問題をしっかり理解し、一つひとつ考える力が必要になります。

「なぜそうなるのか」「なぜその公式を使うのか」といった本質的な理解をした上で、基本問題を繰り返し練習しましょう。わからない点はかならず質問し、解決しておきます。

化学

化学分野では、「化学変化」「原子・分子」「気体と水溶液」「電気分解・イオン」が頻出です。

化学分野は「暗記」と「計算」の両輪を押さえた学習が大切です。まず重要事項をしっかり覚え、問題演習を通じて化学的な思考を身につけましょう。 小数点第3位までの細かい計算にも慣れておく必要があります。

生物

生物分野は、「植物」「細胞分裂」「生殖・遺伝」「消化・吸収」などが頻出単元です。実験の目的や結果、考察を問う問題が多く出されるため、「暗記で乗り切れる」と思ってはいけません。

数十字ほどを書かせる記述問題もよく扱われます。記述問題は、理科の先生や塾の先生に添削してもらいましょう。

光合成や消化・吸収などは、化学分野に近い内容も含まれます。分野を切り離して学習するのではなく、化学分野の教科書を開きながら生物の勉強をするなど、柔軟に取り組んでいきましょう。

地学

地学分野は「地層」「地震」「天気」などが主に出題されます。

得点源にしたいのは、岩石の特徴です。暗記すれば、即得点につながります。早めに完成させてみてください。

天気は苦手意識を持つ受験生が多いかもしれません。等圧線や前線の変化がどのように天気に影響するのか、動画教材などを使うと視覚的に理解できます。

中3の最後に習う「天体」も出題されやすい単元です。

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(5) 社会

社会では「地理・歴史・公民」各分野からまんべんなく出題されます。「日本地理から1題・世界地理から1題」といった具合に、1分野あたり2題ずつ、合計6題前後となるのが一般的です。以下の表をご覧ください。

大問内容配点(例)
第1問地理① 日本地理20
第2問地理② 世界地理15
第3問歴史① 日本の歴史20
第4問歴史② 世界の歴史15
第5問公民① 政治・経済15
第6問公民② 倫理15

また近年は、分野を超えた融合問題も見られるようになりました。「歴史的な出来事を、地理的視点から分析する」「地政学的観点から歴史を考証する」などが、一例です。読み取りが必要な表や資料・史料、グラフ、さらに記述式の問題が多いのも社会の特徴です。

地理

地理は「地形図」「雨温図」「地図」など、資料やグラフの読み取り問題が数多く出されます。焦る気持ち、また面倒な気持ちから適当な読み方をすると、失点につながります。

グラフは1目盛りずつ見るつもりで、丁寧に読みときましょう。また単にデータを把握するだけではなく、「そのデータからいえることは何か」を考え、自分の言葉でまとめられるようにしておくことも大切です。

歴史

歴史は古代から現代まで幅広く出題されます。特定の時代に「ヤマ」をはる勉強は避けましょう。

用語だけを答えさせる「一問一答形式」の問題は少なく、歴史上の流れを問うものや、政治的な狙い、後世への影響などを答えさせる問題が目立ちます。

教科書に出てきた出来事について、その出来事が起きた理由やきっかけから結果まで、つながりを意識して学習しましょう。

公民

公民は「政治」「経済」「国際」の各分野から広く出題されます。基本レベルの問題が多く、比較的得点しやすいのが公民の特徴です。

ただし統計資料や法令といった公的文書が資料となることも多く、読み取りに慣れていないと苦戦するかもしれません。

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高校受験で必ず出る分野と対策のコツは?

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頻出問題を確実に押さえていくのが、効率の良い受験勉強のコツです。ここからは高校入試によく出る分野と、それぞれの分野を克服する方法を解説します。

高校受験で必ず出る分野と対策のコツは?

(1) 英語は長文、文法の「時制」「不定詞・動名詞」、英作文を優先する

英語は、長文読解問題の正答率アップが合格点への近道です。

長文読解に必要な力は、単語力・文法知識・速読の3つ。3つの力を身につけるために、以下を意識してください。

大切なポイント
・問題で見た単語は必ず覚える
・英文法は繰り返し習得する
・英文をアタマから理解する「直読直解」の力をつける

英文法力が伸びると、文法問題での安定得点が狙えます。時制や不定詞・動名詞といった頻出単元を中心に、文法問題は満点を目指しましょう。

英作文も、文法知識と単語力があれば怖くありません。知っている表現で正しくシンプルに書けるようになれば、十分得点できます。

(2) 数学は「一次関数」「平面図形の証明」、そして「確率」

数学は「一次関数」と「平面図形の証明」が2大頻出分野です。確実に克服しましょう。

一次関数は、変化する数字の関係を式に正しく表せるよう基本を習得し、動点・水槽・速さなどさまざまな応用問題に取り組んでください。

平面図形の証明問題は記述解答が求められます。図形の定理や合同・相似条件を理解し、抜け漏れなく書けるよう練習しましょう。

また「確率・場合の数」にも注意!事象の数だけ問題が作れるのがこの単元の特徴で、見たこともない問題に当たることもあります。問題文をじっくり読み、図に表すと解法のヒントが見つかりやすくなります。

(3) 国語は漢字と文法、基本的な古文解釈も

国語では、漢字と文法で失点しないことが大切です。ライバルも確実に得点してくると考え、完成度を高めましょう。

大切なポイント
・漢字は正しく、読みやすい字で書けるように練習を!
・文法は品詞の名称や役割を押さえ、識別できるように!

古文は「登場人物・場面・心情」の3要素を把握できれば、内容理解がしやすくなります。教科書の古文を題材に全文を現代語訳できるようチャレンジしてみましょう。

省略されている主語は丁寧に補いつつ読む、発話の主体を正確に押さえるといった地道な努力が実を結びます。

(4) 理科は「力」「化学変化」「遺伝」「地層/天体」

理科は苦手分野の克服が、何より大切です。よく分からない問題は質問に行き、本質的な理解ができるよう努めましょう。

暗記すべき項目が多い場合は、休日などにまとめて覚える時間を設ける工夫も有効です。頻出単元は、以下のとおりです。

理科の頻出単元
・物理「力と運動」「電流」
・化学「化学変化」
・生物「遺伝」
・地学「地層」「地震」「天体」

これらは分野を超えた融合問題も出されやすく、難度が上がりがちです。

教科書で基本を理解し、過去問演習で慣れていきましょう。全国の高校入試問題集を活用するのもおすすめです。

(5) 社会は「気候」「歴史の流れ」「現代社会の問題」

社会は記述問題が多く出題されます。どの分野でも「自分の言葉で、情報の抜け漏れなく書けるよう」練習しましょう。

また記述対策に生きる暗記は、用語をつながりで覚えることがポイントです。教科書の重要事項を、因果関係や結果まで流れで覚えていきましょう。

地理は雨温図をはじめとした気候分野、歴史は複雑な近現代史の流れ、公民は現代社会が抱える問題などを重点的に押さえましょう。これらは分野をまたいだ融合問題にもなりやすいので、自分で説明できるレベルにしておくと安心です。

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(1)「なぜそうなるのか」をしっかり理解する

全教科で最も重要なのは、「なぜそうなるのか」をしっかり理解することです。近年の入試問題は、物事を深く理解しているかを問う問題が増えているからです。

たとえばある入試では、『持続可能な社会(SDGs エスディージーズ)』をテーマにした問題が出されました。

実はこの問題は、『持続可能な社会(SDGs)』という用語を知っているだけでは解答できないものでした。参考資料としてゴミ問題が登場する理由や、持続可能な社会の理想像、実現までの課題などを理解していて、初めて解ける内容となっています。

本質的な理解が必要な問題は、すべての教科で出題されます。暗記偏重から理解重視の勉強にシフトしましょう。

(2) 記述問題は実際に書いてみる

記述問題は、面倒でも実際に書いてみることが大切です。

記述問題には、どの教科も定番の「型」があります。

数学の証明問題なら「前提条件を書き、条件から言えることを書き、結論を書く」、実験の目的を問う問題(理科)なら「~を調べるため」という語尾にする、といった具合です。

正解の「型」は、実際に書くことを通じて習得できます。億劫がらず、記述問題は書いてみるということを押さえてください。

(3) 答え合わせが不安なら先生に見てもらう

自分の解答が合っているか不安な場合は、必ず先生にチェックしてもらいましょう。

「なんとなく」「解答と似ているから」と確認せずにいると、いつまでたっても本当の実力にはなりませんし、克服すべき弱点も発見できません。

英作文や数学の証明問題、国語の作文、理科・社会の記述問題は、解いたら必ず先生に見てもらいましょう。

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まとめ

この記事では高校入試によく出る問題の種類を教科ごとに詳しく解説しました。配点や出題バランス、よく出る分野、対策しておくべきところも説明しました。入試対策の一環としてお役立ていただければ幸いです。

現代の高校入試問題は思考力や表現力、幅広い知識を問う問題が増え、従来のように暗記だけで乗り切れるものではなくなっています。

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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

塾探しの窓口編集部

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