【高校受験】入試社会で点数をとる最も効率的な勉強法を解説

更新日 2024.10.22
【高校受験】入試社会で点数をとる最も効率的な勉強法を解説

この記事では、高校受験を控えたお子さんと保護者の方に向けて、元中学校の教員が「高校入試・社会」で点数をとるための効率的な勉強法を解説します。

社会は最も点数を上げやすい教科ですが、ただやみくもに暗記をするだけでいいというわけではありません。

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社会で塾が必要なのはどんなとき?

このような疑問をお持ちの方は、ぜひご覧ください。

私は元中学の教員という経験を活かして学習サイトやYouTubeなどで教育活動を行い、効率のよい学習法の知見について公開しています。この記事が参考になり、お子さんの受験成功の一助となれば幸いです。

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社会は最も点数を上げやすい教科

受験勉強で社会は最も力を入れるべき教科である
受験勉強で社会は最も力を入れるべき教科である

まず初めに知っておいていただききたいこと、それは「社会は最も点数を上げやすい教科」ということです。

【高校受験】社会は最も点数を上げやすい教科

一般的に主要5教科の成績の上がりやすさは以下のような順だと言われています。

1.社会
2.理科
3.数学
4.英語
5.国語

そして社会は2位の理科よりもはるかに成績を上げやすい教科と言われています。社会が苦手な中学生は、数学・英語・国語が苦手な中学生よりもかなり有利なのです。

なぜ社会はそれほどまでに点数が上がりやすいのでしょうか。テスト問題には、大きく分けて2種類の問題があります。

1.暗記だけで正解できる問題
2.理解をし、その内容を暗記して正解できる問題

の2種類です。具体的には以下のような違いです。

問1:日本で最初の銅銭である貨幣をなんというか
問2:下の図でBE=C Dであることを証明しなさい(あくまで例題なので、わかりやすく数学から出題。問題を簡略化しています。)

「問1:日本で最初の銅銭である貨幣をなんというか」の答えは「富本銭」です。これは暗記できているかどうかの単純な問題ですね。

しかし「問2:BE=C Dであることを証明しなさい」という問題を解くためには、証明のやり方や証明できる条件などを理解し、その上で解き方を暗記できている必要があります。

極端な例ではありますが、この2種類の問題のうち点数がとりやすい問題はどちらでしょうか。

言うまでもなく、「富本銭」の問題。「暗記だけで正解できる問題」の方が点数をとりやすいです。

そして社会は、「暗記だけで正解できる問題」の割合が他教科に比べて圧倒的に多い。これが社会の成績が伸ばしやすい理由です。

社会への苦手意識が強いお子さんは、初めはとっつきにくいかもしれませんが、ぜひ前向きに取り組んでみてください。

入試社会は「暗記」が最重要

入試社会で成績を伸ばすためには、暗記が最重要
入試社会で成績を伸ばすためには、暗記が最重要

続いては、入試社会の勉強法を解説していきます。

最大のポイントは、「入試社会は暗記をすれば点数がとれる」ということです。暗記は全ての教科の勉強の基本ですが、社会は特に暗記が大切なのです。

社会が得意な中学生は、さまざまな用語や人物名をしっかりと暗記ができています。これができずに社会が得意な中学生は存在しません。まずは「社会の点数を伸ばすためには暗記が必要」という事実をしっかりと押さえましょう。

ただし、私がお伝えする「社会は暗記だ」というのは、いわゆる「丸暗記」を指すわけではありません。これについては後ほど、分野別の勉強法のところで詳しくお伝えします。

【高校受験】入試社会の勉強法

点数につながる暗記とは?

点数をとるための暗記方法について詳しく解説をしていきます。

ポイントは「繰り返し学習する」ということにあります。

どの程度繰り返せばよいかというと、「問題を読んで、一瞬で答えが思いつくまで」です。この状態になるまで、日をおいて何度も暗記を繰り返すことが大切です。

イメージをつかみやすいよう例を上げると、例えばテスト用紙に名前を記入する時、自分の名前に悩む中学生はいないでしょう。自分の名前は一瞬で思い出せるはずです。

理想としては、解きたい問題全てをこの状態までもっていくことが大切なのです。この状態になったとき、「点数につながる暗記ができた」ということができます。

悪い勉強例としては、

1.問題を解く
2.わからなかった
3.答えを見た
4.思い出せた

これで勉強を終えてしまうこと。

つまり、「答えを見ればわかった」という状態で放置をしないことです。この状態を放置すると、テストで「この問題勉強したのにわからない…」となってしまいます。

解けなかった問題があったときは、必ず後日解き直しをおこないましょう。それにより、一瞬で答えを思い出せる状態までもっていくことができれば、テストでも確実に正解をすることができるでしょう。

これが「点数につながる暗記」です。繰り返し学習法に関しては以下の記事で詳しく解説しています。

繰り返し学習で復習効率アップ!受験まで使える勉強法を解説
テスト範囲のお知らせをもらうと、必ずといっていいほど「繰り返し勉強しておくこと」という一言が書かれていることに気づき…
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問題集での学習法が効率的

点数につながる暗記を行うためには、問題集を活用して学習することが効果的です。ここでいう「問題集」とは、演習問題がたくさん載っているものとします。

・教科書を読む
・参考書を読む
・ノートまとめ

などの学習法は、基本的におすすめしません。

まず、教科書や参考書を読むだけの学習法は非常に効率が悪いです。「読むだけ」という行為は記憶に結びつきにくいためです。

必ず自分で「思い出す」という行為をしないと記憶は定着しません。そのため、問題集を自力で解くという練習が必要なのです。

また、ノートまとめも効率が悪い勉強法の代表例です。自分が理解していない内容をノートにまとめるという行為は、非常に時間がかかるためです。問題集にはテストに出やすい大切な問題が凝縮されていますので、問題集を解いた方が効率よく重要なポイントの理解を進めていけます。

ノートまとめに時間がかからないという場合は、そもそも内容を理解している可能性が高いです。次の「問題集の使い方」で詳しく解説をしますが、理解している内容をもう一度学習する、という行為も効率が悪いのです。

社会の効率のよい学習方法は、「問題集を利用して行うこと」と心得ましょう。

問題集の使い方

問題集の使い方について解説をしていきます。

まずは通常通り問題集を解いていきます。その際に印をつけながら問題集を解いていきましょう。

◎ カンペキにできた。もう解かないでよい問題
○ 解けたが、もう一度解きたい問題
△ 解けなかったが、答えを見れば理解できた問題
× 解けなかったうえに、答えを見ても理解できない問題

このような印をつけながら問題集を解きましょう。(これは一例なので、印はアレンジしていただいて構いません)

◎の問題は、答えや解き方が一瞬で思い出せた問題なので、もう解く必要はありません。◎の問題を何度も解くことは時間の無駄になりますので、2週目以降は飛ばしてよいでしょう。(読んで確認くらいはしてもよいです)

そして、「○」と「△」の問題を重点的に取り組みます。繰り返し挑戦し、◎になるようにしていきます。

○と△の問題が◎になるということは、解ける問題が増えているということ。つまり得点が上がっているということです。これを繰り返せば、成績はどんどん上がっていくでしょう。

×の問題については、一旦は放置して構いません。力がついた時に挑戦するとよいでしょう。全くわからない問題に挑戦すると、勉強した気になるかもしれませんが、残念ながら点数は上がりません。

それどころか難しい問題にチャレンジしていると、勉強に対するモチベーションが無くなっていきます。全くわからない問題は一旦保留しておくことで、勉強がスムーズに進むようになります。

印をつける勉強は以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

印をつけるだけ!勉強の効率がみるみる上がる勉強法を解説
学力、あるいは成績は「できなかったことを、できるようにする」ことでしか伸びません。これが簡単なようでいて難しく、中学…
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問題集の選び方

続いては問題集の選び方です。問題集を選ぶ時のコツは「パッと見て、7割ほどは解けそうな問題集」を選ぶことです。

これが最も効率よく学習できる問題集の選び方です。これを聞いた方は「7割も解ける問題集を買っても意味がない、もっと難しめの問題集を買ったほうがいい」と思う方もいるかもしれません。それこそが落とし穴です。

難しめの問題集を購入すると高い確率で挫折します。学習習慣がないお子さんでしたらなおさらです。

だれしも、問題集を買うときはやる気があるのです。難しい本にチャレンジしたくなるものです。ですが、机に向かった途端にやる気が無くなります。全くわからない問題が並んでいるので当たり前です。

大人だって、全くわからない外国語の、それも難易度の高い本を与えられてやる気が出る人はいないでしょう。

必ず易しめの問題集を購入してください。「スラスラ解けて、たまに難しい問題がある」これが丁度いいのです。最もやる気が長続きする難易度なのです。

余談ですが、ゲームもこのような難易度でつくられています。簡単に進めるステージと、難しいステージが交互にくるのです。これが人を引き付ける難易度だからです。ゲームであろうと、とてつもなく難しくて全く先へ進めないゲームなんて多くの人はやりません。

話がそれましたが、問題集は必ず「パッと見て、7割ほどは解けそうな問題集」を選びましょう。また、問題集を一度に何冊も買うのもNGです。何冊もあると解く気がなくなり、結局解かないまま机の上に積み上げてしまうことになります。

まずは一冊を集中的にこなし、曖昧な問題や解けなかった問題が確実に解けるように練習しましょう。

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社会の分野別勉強法

分野別に効率がよい学習法を把握し、成績を伸ばそう
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続いては、社会の分野別の学習法について解説をします。

地理

地理は地域ごとの特徴を理解すると、暗記が楽になります。

先にもお伝えしていましたが、私が言うところの「社会は暗記である」というのは、丸暗記を指すわけではありません。

地理ならば、地域や緯度・経度などの「理屈」も踏まえて暗記する必要があります。理屈が理解できると、暗記の助けになり、暗記の量も減らせます。

地域ごとの特色を覚える方法としては、地図を部屋やトイレに貼る方法がおすすめです。特に、白地図に自分で色や説明を書いたものをはると良いでしょう。

言葉だけよりも、色や図の方が記憶に残りやすい傾向があります。このようにして地域ごとの大きな傾向をつかみつつ、細かいところは問題集で対策をするとよいでしょう。

歴史

歴史は「流れ」を理解することが大切です。さまざまな出来事の裏には、それにつながる物語があるためです。

歴史のストーリーを覚えておくと、暗記がとても楽になります。人はストーリーを暗記しやすい脳のつくりになっているためです。そういった意味では、学研プラスの「マンガでわかる中学社会 歴史」シリーズなどはおすすめです。

小学生でも理解ができるくらいのレベルなので、歴史は苦手だがマンガは好き、というお子さんには効果が期待できます。マンガを繰り返し読むタイプのお子さんには特におすすめができます。

マンガに限らず、映画やドラマ、小説などでも問題ありません。フィクションは本来の歴史とは異なる部分がありますが、「歴史の大きな流れ」と「登場人物」は大きく外れることは無いので、全体像をつかむのに非常に有効です。

これらの方法でおおまかな流れを理解したら、問題集に取り組むとよいでしょう。一つ一つの用語や出来事を、時代の流れと合わせて思い出せるかを確認しましょう。

公民

公民は中学3年生の夏以降に学習することをおすすめします。

高校受験における地理・歴史・公民の中では、公民が最もボリュームが少ないため学習しやすい分野です。特に、日頃からニュースなどを見ておくと、「国会」「衆議院」「裁判所」などの言葉も身近に感じることができます。

受験生になってから学習する単元のため、毎日の復習をしっかりと行いながら問題演習をしていくことが大切です。公民が苦手になってしまうと、受験までの期間がないため、克服することが大変です。苦手になる前に手を打てることがベストでしょう。

注意点としては、予習には力を入れないことです。予習は復習に比べてかなり効率が悪いです。わざわざ先生に教えてもらえる内容を一人で予習する必要はありません。学校で学習した内容を繰り返し復習するほうが、はるかに効率がいいのです。そのため、毎日の授業の復習をしっかりと行うと、苦手にならずに進めることができます。

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学習サービスの利用の仕方

成績を早く伸ばすには、学習サービスの利用も効果的
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最後に、塾や家庭教師、オンラインサービスの効果的な利用方法を紹介します。

結論としては「社会は学習サービスを利用する優先度は低い、だが家庭学習が進まない中学生には効果的」となります。

社会は単純な暗記でかなり点数が伸ばせる教科のため、数学や英語に比べ学習サービスの利用の優先度は低いです。全体的に成績を伸ばす必要がある場合は、数学や英語の学習サービスをまず利用するとよいでしょう。そのうえで、どうしても社会に対する苦手意識があるならば、サブ的に塾などの利用も検討してみてください。

塾や家庭教師の効率的な利用法

基本的に社会は学習サービスを利用する優先度が低いですが、家庭学習が思うように進まない中学生は、塾や家庭教師を利用するのもよいでしょう。

私の教員としての経験上、公立の中学生は受験生であっても半数程度は一人で勉強を進めることが難しいです。

塾や家庭教師を利用する1番のメリットは強制的に学習ができることです。また、勉強に対するモチベーションが上がるきっかけにもなります。地元の塾であれば、高校進学のための情報を多くもっている可能性も高く、進路決定の参考になるでしょう。

個別指導や家庭教師の一番のメリットは、わからないところを直接指導してくれる点です。集団指導塾の授業についていくことが難しい場合は、個別指導塾や家庭教師を利用するのも良い方法です。

オンラインサービスの利用法

現在は、塾や家庭教師以外にオンラインサービスも豊富です。オンラインサービスは

・配信される授業動画(録画編集済)を見るもの
・単元ごとの解説スライドなどがあり、それを元に問題演習を行うもの
・個別にオンラインで会話しながら授業を受けるもの(対面授業をオンラインで行う)

など、さまざまな種類があります。

また集団指導塾などが動画配信を行っているケースもあります。

塾や家庭教師のオンラインサービスは多種多様のため、それぞれのサービスについて問い合わせてから利用するかどうか決めてください。

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まとめ

この記事では、高校入試社会の学習法を解説しました。

社会は入試までの成績を大きく伸ばすことが可能な教科です。そのためには「暗記」がポイントになります。

勉強には問題集を使う

優しめの問題集を利用する

一人での学習が難しい場合は学習サービスを使う

などを心掛けて学習を続けてください。

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この記事を読まれた皆様の受験が成功することを、心よりお祈り申し上げます。

また、他教科の高校入試に向けた効率的な勉強法は以下の記事を参考にしてください。

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この記事を書いた人

さわにい

さわにい

元公立中学校の理科の教員です。教員経験は11年。現専門は理科教育学。所持教員免許は中学と高校の理科。

理科の教材や学習法を研究中。さまざまな出版社の理科教材や解説を作成してます。

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