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【中1理科】学習内容のまとめ&成績が上がる勉強のポイント
中学生の理科では物理・化学・生物・地学の4分野について、事象と理論を詳しく学びます。イメージしにくい内容に苦手意識を持つ中学生も多いため、中1の最初からしっかりと対策しましょう。
この記事では中学1年生が学ぶ理科について、もっとも重要な内容や勉強のコツを単元ごとに解説します。理科の学習をサポートする親御さんができる取り組みも紹介しました。
成績アップのため、理科を得意教科にする指針としてご活用ください。
はじめに、中学理科の全体像を理解しよう
中学生になると理科が1分野と2分野にわかれます。1分野は物理・化学、2分野は生物・地学が範囲です。
物理現象や化学変化などを扱う1分野は、内容を論理的に理解できる力が要求されます。一方、植物・動物、火山・岩石などが登場する2分野は暗記が学習の中心になります。いずれも「実体験」を伴うと理解しやすくなる点を押さえましょう。
教科書に登場する身近な題材を「教科書の中の情報」と区別せず、実体験できる機会を与えてみてください。実体験による深い納得を伴った知識は本当の実力になり、定期テストや高校入試の強い味方となります。
全中学生に共通!中学理科の勉強で気をつけること
中学生の理科は「理解と暗記のバランス」が大切です。
理科において、理解と暗記は学習の両輪です。どちらかに偏っても、どちらかが欠けても学習はうまく進みません。事象や解説の本質を理解し、用語を正しく暗記するバランスの良い学習を心がけましょう。
中1理科で学ぶ内容【物理分野】
中1の物理分野では光や音、力を学習します。光と音は中1だけで扱います。高校入試にもよく出題されるため、早めに考え方を習得しましょう。
(1) 光
光の性質では「反射・屈折・凸レンズ」が重要ポイントです。光の進み方は目に見えないため、教科書の解説と事象を関連づけられず苦手意識を持つ生徒がいます。
用語の理解を入り口として、最終的には自分の力で作図を完成させられる状態を目指しましょう。作図はこの単元の定期テストで必出です。
・屈折とは?入射角に対する屈折角の大小も重要
・凸レンズでは焦点と焦点距離、実像と虚像の正しい理解を
(2) 音
音の性質では「伝わり方・大小と高低・速さ」が重要ポイントです。私たちが普段から耳にしている音の大小や高低は「揺れ(振動)」によって生まれる事実を体感的に理解できるかが肝になります。
音の振動を見える化する機械「オシロスコープ」を使った実験は、音を実感できるまたとない機会です。
・音の大小や高低は、「振動数」「振幅」で決まる
・音が大きいとき/小さいとき、高いとき/低いとき、それぞれの振動数・振幅はどのようになるか?
さらに詳しい理論は高校物理で扱います。中学生のうちにさまざまな実体験を意識して積ませておくと高校への橋渡しとしても役立ちます。
(3) 力
中1で学ぶ「力」は、中学物理の土台となります。力は物体にどのように働きかけるのか、矢印をつかった図と事象を結び付けられるかがポイントです。
大気圧・水圧など、普段意識しない力の存在も学びます。「私たちには常に1hPa(ヘクトパスカル・1気圧)の圧力がかかっている」といった見えない力の存在を理論化できるかは今後の学習にも影響します。具体例を多用し、できるだけ実感を伴った納得ができるようサポートしてあげましょう。
・圧力とは面積1㎡を垂直に押す力の大きさ
・大気圧、水圧、浮力も圧力の一種
中1理科で学ぶ内容【化学分野】
中1の化学では、化学分野の基本となる密度や気体・水溶液の性質を学びます。中2で習う「化学反応式」、中3で登場する「イオン」の土台となる単元でもあります。化学分野全体の理解度や定期テスト・高校入試にも影響する重要単元のため、丁寧に進めましょう。
(1) 密度
密度とは「ある物質の体積あたりの質量」です。公式自体は難しいものではないため、困ることは少ないでしょう。
ただし密度の「考え方」はとても大切です。問題で出てきた数字をただ公式に当てはめて解くのではなく、「物質の体積あたりの質量」であることを意識して進めてください。
・密度の公式「密度(g/㎤)=物質の質量(g)/物質の体積(㎤)」が割り算である理由
(2) 気体
「気体」は定期テスト・高校入試で必出です。暗記内容が多いため、特徴や違いに注目して正しく覚える勉強が得点アップにつながります。
気体の発生方法では、化学反応の基本的な考え方も身につけます。「何と何を使うと、何の気体になるのか」、その変化に注目してみましょう。
・暗記マストの気体発生方法⇒酸素、二酸化炭素、水素、アンモニア
・気体の性質の調べ方
・気体の集め方(水上置換法・上方置換法・下方置換法)
1. 二酸化マンガンにオキシドール(うすい過酸化水素水)を加える
2. 過マンガン酸カリウムを加熱する
この「二酸化マンガン」「オキシドール」「過マンガン酸カリウム」がそれぞれどのような物質なのかイメージできず、なぜ酸素ができるのか納得できない中学生もいます。
その場合は中1では出ない内容ですが、化学反応式を使って解説してあげると良いでしょう。1の発生方法は、次の化学式であらわせます。
2H2O2 → 2H2O + O2
物質はこうしてさまざまな状態に変化していると知るだけでも、中2以降の学習につながります。
(3) 水溶液
水溶液とは、水に物質を溶かした液体です。「溶けている」とはどのような状態なのか、正しく理解しましょう。その上で「濃度」の問題に繰り返しチャレンジしてください。
中1の水溶液単元では、水溶液の濃度を求める問題が頻出です。物質ごとの溶解度(一定量の水に溶ける溶質の限界量)の違いも理解しましょう。
・質量パーセント濃度の問題の考え方
・質量パーセント濃度を求める公式「質量パーセント濃度(%)=溶質の質量(g)/溶液の質量(g)×100」
単に公式に値を当てはめるのではなく「なぜ、この値をそこに入れるのか」を考えながら解くようにしましょう。
(4) 状態変化
状態変化とは、物質が「固体・気体・液体」の3つの状態を行き来しつつ変化することを指します。
定期テストや高校入試では、物質の沸点(液体と気体の境目の温度)・融点(固体と液体の境目の温度)の違いを利用し、物質を特定させる問題もでます。
・融点と沸点
・物質の状態による体積の変化、質量の維持
・水(水蒸気←→水←→氷)
・ドライアイス(液体を経ず、固体から気体に直接変化)
・アイスクリーム(固体から液体に)
中1理科で学ぶ内容【生物分野】
中1の生物分野の学習は、8割が植物に関連した内容です。身近な植物を観察しながら、つくりや分類、増え方を学習します。
動物単元を含めて、ひたすら暗記が続くのが特徴です。暗記が苦手な中学生は、最初の方で嫌になってしまうかもしれません。実物やビジュアルを活用し、興味を持って学習できるようサポートしてあげましょう。
(1) 植物
植物はその特徴によって、さまざまな種類に分類できることを学びます。「種子か・胞子か」「被子か・裸子か」といった大きな区別から押さえていきましょう。
葉の蒸散と光合成は、定期テスト・高校入試で非常によく出題されます。それぞれの現象が起きる理由と仕組みを正しく理解しましょう。
・植物の分類を決定づけている要因(違い)
・蒸散と光合成の仕組み
庭や公園の植物を観察し、模式図と現物とを関連付けるきっかけを与えてあげてください。
(2) 動物
動物単元では、動物の分類を学びます。動物は脊椎動物と無脊椎動物に大別できること、食べ物や生活スタイルによって特徴的な体つきがあることを理解します。
また「魚類・両生類・は虫類・鳥類・哺乳類」の5分類も学びます。両生類とは虫類は混同しやすいため、注意して区別しましょう。
・動物の5分類と特徴
・カエル、サンショウウオ、イモリ
・カメ、ヘビ、トカゲ、ワニ
前者が両生類、後者がは虫類です。「水から離れると生きられない=両生類、水から離れても生きていける=は虫類」と考えます。
慣れるまでは図鑑を使い、クイズ形式で勉強するのもおすすめです。
中1理科で学ぶ内容【地学分野】
地学分野では地震が起きるメカニズムや火山と岩石の種類、地層のでき方を学びます。地球の不思議な歴史に思いを馳せられる単元である一方、実感が伴わない暗記に飽き飽きする中学生も散見されます。
ただしこの範囲は、定期テストで記述問題化しやすいところでもあります。「なぜ起きるのか」「どうしてそうなるのか」といった本質的な理解を大切にし、単純な暗記作業からの脱却を目指しましょう。
(1) 地震
地震はプレートの移動によるもの(海溝型地震)と、断層のずれによるもの(活断層型地震)にわけられます。どちらの地面がどのように動くのか、頭のなかで再現できるようにします。
「初期微動(P波)・主要道(S波)」の伝わるスピードの違いや、地震発生から揺れを感じるまでの時間から震源までの距離も求められるようにします。
・震度とマグニチュードの違い
・P波、S波の特徴
なぜ、断層型は予測が難しく、海溝型は予測しやすいのでしょうか?お子さんと一緒に、ぜひ調べてみてください。
参考にしたいサイト:地震に活断層型と海溝型 阪神・淡路大震災は? – ウェザーニュース
(2) 火山
「火山」と名前が付いていますが、おもな学習内容は「岩石」です。火山活動の結果としてさまざまな特徴をもって生成される岩石の特徴を理解し、区別できるようにしましょう。
定期テストや高校入試では、模式図からどの岩石か判別させる問題が出題されます。特徴を図と結びつけて暗記しましょう。
・火山活動によって岩石が生成される過程
・岩石のでき方と特徴、名称
(3) 地層
中1の地学では地層のでき方を詳しく学びます。理解しやすく、覚える項目も少ないためサクッと得点源にしてしまいましょう。
ただし地層単元でも岩の区別が登場します。それぞれの特徴をしっかり押さえ、模式図と関連させながら覚えましょう。
・地層をつくっている堆積物の種類(れき岩・砂岩・泥岩・石灰岩・チャート・凝灰岩)
・化石の種類(示相化石・示準化石)
・地層の特徴から地質年代を求める考え方
自分の下にある地層や岩石に関連させた、実感のともなった学習が可能になります。
中1理科 学習のコツ
中1の理科に取り組む際、意識したい学習のコツを3つ解説します。理科を苦手教科にしないよう、中1から丁寧に学習する姿勢をサポートしてあげましょう。
(1) 「理解する」学習を大切にする
理解なしに暗記で乗り切ろうとすると、いずれ無理がきます。とくに1分野は理解が重要です。「なぜそうなるのか」「どうしてそう考えるのか」を自分のことばで説明できる状態を目指しましょう。
もし理解があやふやな単元が見つかったら、塾や家庭教師による早めの対策をおすすめします。理解不十分なまま放置すると、中2・中3の学習内容でつまずく可能性があるためです。
(2) 苦手分野をつくらないよう対策する
一度苦手意識がつくと、克服に手間がかかるのが理科です。できるだけ苦手分野をつくらないように、最初から丁寧に取り組みましょう。
中学生の学習は英数に偏りがちですが、理科も定期的に復習の時間を作るのがおすすめです。塾を利用し理科を学ぶ時間を確保しても良いでしょう。
(3) 学校ワークを中心に反復学習する
中1の理科は、学校で配布されたワークを学習の中心に据えます。学校のワークは基本をまんべんなく理解できるよう構成されており、レベルが最適な問題がそろっているためです。
繰り返し取り組めるよう、ワークには書き込まないのもコツです。問題の図やグラフに書き込みたいときは、ワークをコピーして使ってみてください。
中1から理科を得意教科にする!おすすめの個別指導塾5選
中1理科の単元のポイントや勉強法がわかっても、実際に家庭内で実践するのは難しい場合も多いかもしれません。英語や数学の勉強もある中、理科を勉強する時間が取れない、という中学生もいるでしょう。
そんなときは、塾を利用してみませんか。英語や数学を受講する場所というイメージが強いかもしれませんが、塾は理科も指導します。
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まとめ
中学1年生の理科は、中学3年間の理科の基礎となる重要な内容が目白押しです。計算や単位、難解な用語、さらに覚える事項の多さに驚くかもしれませんが、一つずつじっくり習得していきましょう。覚えるべき内容を先に暗記してしまうと、その後の理解と習得がスムーズに進みます。
また苦手にしないことが大切です。理科は学習範囲が広いため、受験を目の前にした中3で全体を復習しようとすると大変な労力がかかります。一つひとつの単元をしっかり理解し、定着させる習慣を付けてください。
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