【中2国語】単元まとめ | おさえておきたい学習ポイント

更新日 2024.01.16
【中2国語】単元まとめ | おさえておきたい学習ポイント

中学2年生の国語は中1からさらに難しい抽象的な文章読解が増え、語彙力が必要になってきます。また知っておくべき言葉の質や量が上がり、文法的な知識が問われることも増えます。

そのため、「これまでは勉強しなくても国語の成績は良かった」という生徒さんでも、急に国語の成績が伸び悩み不安を感じているかもしれません。

この記事では中2の国語で学ぶ内容と、おさえておきたいポイントについて解説します。

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中2で学んでおきたい国語の概要

中2で学ぶ国語の内容とつまずきやすいポイントを知っておこう
中2で学ぶ国語の内容とつまずきやすいポイントを知っておこう

中2では中1の内容の発展として、以下を学びます(参考:文部科学省の学習指導要領 19ページ~)。太字の箇所は中2で新たに増える箇所です。

文や文章:読解問題のレベルが上がるほか、「単語の活用」「助詞や助動詞などの働き」「文の成分の順序や照応」など文の構成について理解する

漢字:中1までに習った常用漢字などのうち350字程度から450字程度までを読む、また中2で学ぶ配当漢字を適切に用いて書く

語彙抽象的な概念を表す語句の量を増やす。また「類義語と対義語」「同音異義語」「さまざまな意味を表す語句」などについて理解する

言葉遣い敬語の使い方を理解する

古典:我が国の言語文化に親しむ。古典に表れた、その時代のものの見方や考え方を知る。漢文に触れる

このうち、中2で多くの生徒がつまずくのが「活用形」「活用の種類」「文の成分」です。ルールを理解し問題演習を繰り返せば、それほどおそれることはありません。高校受験の際には得点源にもなり得ます。

また活用の知識は、中3〜高校生で学ぶ古文の活用の基礎になります。しっかり身につけておきましょう。

そのほか、敬語や謙譲語の使い方を学び、類義語、対義語、同音異義語、多義語などの知識を増やします。また、古文に加えて簡単な漢文に触れる機会も出てきます。

【中2国語】文や文章の勉強法:読解

文章の構成を見極める力をつけよう
文章の構成を見極める力をつけよう

中2の「文と文章」には、文部科学省の分類では文法上の知識が含まれています。ここでは読解の復習とともに、中2の重要単元である「活用形」「活用の種類」「品詞」について解説します。

現代文の読解の概要

中1では、文章読解においては「指示語」「接続語」の役割に着目しました。また多くの生徒が苦手と感じる文章読解の勉強法について、「事実」「意見」を見分けて線を引く方法を解説しました。中2の読解も同じです。まだ良く分からないと言う方は、ぜひ「中1の国語の勉強法」の記事を参考にしてくださいね。

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文学的文章(小説、物語文など)の読解の復習

①「変化」に注目する
②人物関係や場面、状況を把握する
③書かれていることから判断し、書いていないことを勝手に想像しない

説明的文章(説明文、論説文、随筆、新聞記事など)の読解の復習

①具体的な事例など「事実」が書かれている文と、
 筆者の考えである「意見」が書かれている文を見分ける。
②段落ごとに「一番大切な文(=中心文と呼ぶ)=筆者の意見」を探して線を引く。

詩、俳句、短歌について

詩や俳句、短歌については形式的な知識や約束事を覚える必要があります。定期テストや、高校受験の問題でも問われます。

【言葉遣いの種類】
口語:現代の言葉
文語:古い時代に使われていた言葉。明治頃までの言葉も含む

【形の種類】
自由詩:字数や段落など形に決まりがない
定型詩:字数、段落に含まれる行数,配置などに規則性がある(五・七・五の俳句や五・七・五・七・七の短歌も定型詩の一種)

例えば谷川俊太郎は口語自由詩がほとんどです。

明治期の北原白秋は文語定型詩から始まり文語自由詩、口語自由詩も多く書いています(今の口語や自由詩と比べると、文語や定型詩の影響が残っていますが)。短歌では「枕詞」、俳句では「季語」なども、よく問われるものについては覚えておきましょう。

ほか、文学史的な知識として、作者の情報と作品も関連付けて覚えておくとよいでしょう。

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【中2国語】活用形・活用の種類・品詞の勉強法

「活用形」「活用の種類」「品詞」は中2の重点項目。しっかり覚えよう!
「活用形」「活用の種類」「品詞」は中2の重点項目。しっかり覚えよう!

中1では「自立語」「付属語」の大きく二つの分類から始まり、それ以外の語の分類を学びました。「活用」「活用の種類」「品詞」については中1では簡単に触れるだけでしたが、中2ではこれらを重点的に学びます。特に自立語の「動詞」「形容詞」「形容動詞」の活用を覚えましょう。

活用形・活用の種類の意味

自立語、付属語の違いは中1で学んでいます。自立語にも付属語にもそれぞれ「活用する語」「活用しない語」がありましたね。

「活用する語」とは、語幹のうしろについている部分が、文の中でその語が置かれている前後関係によって、変化するものをいい、それぞれの活用した形には名前がつけられています。それを「活用形」とよびます。未然形・連用形・終止形・連体形・仮定形・命令形の6種類があります。

「活用の種類」とは、動詞・形容詞・形容動詞の活用のパターンを分類したそれぞれを指します。活用の種類には、五段活用・上一段活用・下一段活用・カ行変格活用・サ行変格活用があります。

品詞とは

品詞とは動詞・形容詞など、単語を形とはたらきで分類した種別をいいます。名詞はそのものの名前、代名詞は「それ」「あれ」「彼」など、名詞をそのものの名前ではなく代理の名前で呼ぶ言葉です。形容詞はものの様子を表す言葉で、語尾が「~い」で終わります。「形容動詞」は形容詞と似ていますが「~だ」という語尾で終わります。

中2では「動詞」「形容詞」「形容動詞」の活用を主に学びます。

品詞①動詞とは

動詞とは、主に動作を表す言葉です。基本の「言い切りの形」は、語尾が「五十音表のウ段」の音で終わっているのが特徴です。

(例)
「走る」→語尾は「る」→「る」はラ行のウ段

品詞②形容詞とは

形容詞は「美しい」「かわいい」「おいしい」「悲しい」などで、語尾が「い」で終わります。

品詞③形容動詞とは

形容動詞は「きれいだ」「見事だ」「静かだ」などで、語尾が「~だ(~である・~です)」で終わります。

動詞の6つの活用形

「走る」は、文の前後や内容によって、「走らない」「走りなさい」「走る」「走れ」「走れば」「走ろう」など、語の後ろが6つの形と意味に変化します。この変化の形を「活用形」といいます。

未然形・連用形・終止形・連体形・仮定形・命令形の6種類です。

動詞の活用の種類

変化のパターンは5種類あり、パターン分類は「活用の種類」といいます。

活用の種類:五段活用・上一段活用・下一段活用・カ行変格活用・サ行変格活用

①五段活用

語幹に続く部分が「アイウエオ」と、五段の文字に変化するため五段活用といいます。

(例)「洗う」
ない…未然形
ます…連用形
………終止形
とき…連体形
ば……仮定形
………命令形

②上一段活用

語幹に続く部分が「イ・イ・イル・イル・イレ・イロ」とイ段の文字に変化します。

(例)「起きる」
ない……未然形
ます……連用形
きる………終止形
きるとき…連体形
きれば……仮定形
きろ………命令形

③下一段活用

語幹に続く部分が「エ・エ・エル・エル・エレ・エロ」とエ段の文字に変化します。

(例)「食べる」
ない……未然形
ます……連用形
べる………終止形
べるとき…連体形
べれば……仮定形
べろ………命令形

④カ行変格活用

「来る」だけがこれにあたります。この活用は一種類だけなので、「こ・き・くる・くる・くれ・こい」をそのまま唱えて覚えましょう。

ない……未然形
ます……連用形
くる………終止形
くるとき…連体形
くれば……仮定形
こい………命令形

⑤サ行変格活用

「する」「~する」だけがこれにあたります。

ない・よう(させず・せ………未然形
ます………連用形
する…………終止形
するとき……連体形
すれば………仮定形
しろ(せよ)…命令形

形容詞・形容動詞の活用形

形容詞・形容動詞の活用形は、未然形・連用形・終止形・連体形・仮定形の5つです。動詞にあった「命令形」はありません。

【中2国語】漢字:同音異義語と同訓異字の勉強法

読み方が同じで違う意味の漢字を正しく使えるようにしよう
読み方が同じで違う意味の漢字を正しく使えるようにしよう

文科省のくくりでは「表現」の中に入っていますが、ここでは漢字の学習の一環として解説します。

中2では同音異義語と同訓異字を学びます。

・音=音読みのこと
・訓=訓読みのこと
・異=違う、異なること
義=「意味」という意味

これを組み合わせた言葉です。「同音異義語」とは「同じ音読みをする、違う意味の言葉」。「同訓異字」とは「同じ訓読みをするが異なる字を使う言葉」です。

国語辞典を引くと、いくらでも出てきますよね。小学校の頃から実は学んでいますが、それをあらためて中2で意識して学び、語彙力を高めましょう。

【同音異義語の例】
「関心」「感心」「歓心」
「開放」「解放」「快方」「解法」
「追求」「追究」「追及」

【同訓異字の例】
「修める」「納める」「収める」「治める」
「表す」「現す」「著す」
「立つ」「経つ」「建つ」「絶つ」「断つ」「発つ」「裁つ」「起つ」

【漢字の勉強のポイント】関連付け、音読とともに書いて覚える

覚え方のコツとして、その熟語がどのような漢字でできているか、意味や組み合わせを考えるクセをつけましょう。これは一朝一夕ではできませんが、身につけておくと、わからない言葉に出会ったときにも応用が利く方法です(考え方としては英語の単語暗記、接頭辞や派生語の暗記にも利用できます)。

また、例文単位で覚えることも大切です。同音異義語または同訓異字が、どのようなシチュエーションの文の中で使われているか、関連付けることで記憶定着が進みます。

(例)「ついきゅうする」
①追求
②追究
③追及

①は、訓読みの「追い求める」のとおり、「求める」意味が強くなります。「幸福を追求する」「利益を追求する」のように使われます。

②は、「究」が「研究」「探究」などに使われるとおり、「何かの道理・理屈・真理を追いかけはっきりさせる」意味になるときに使います。「真理を追究する」「原因を追究する」のように使われます。

③は、人の責任などを追い詰めるときに使います。なので、あまり一般的ではないので、上の二つとは明らかに違う際に使うと覚えておきましょう。「犯人を追及する」「責任を追及する」「罪を追及する」のように使われます。

このように「同音異義語・同訓異字」と「意味・漢字の組み合わせの理由」「例文」をセットで覚えることがポイントです。

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【中2国語】語彙の勉強法

語彙力は読解の基礎。語彙力がつくとさまざまな問題に対応できる
語彙力は読解の基礎。語彙力がつくとさまざまな問題に対応できる

中1に引き続き、語彙力を身につけましょう。その言葉や語句が「文脈上どのように使われているか」を覚え、使えるように、多くの文章を読む「インプット」を増やしましょう。

【語彙力の勉強のポイント】簡単なものから、読む量・覚える量を徐々に増やしていこう

中1の学びでお伝えしたように、わからない言葉は意味を調べる地道な作業を継続しましょう。また文章の中でどのように使われているかを知るには、さまざまな文章を読むことが近道です。

「文章を読むためには語彙力が必要」「語彙力を増やすには文章を読むことが近道」と言われると、「どっちを先にやればいいの!?」と困ってしまうかもしれませんね。

この2つはそれぞれが影響しあうので、どちらか片方だけを重点的にやっていればいいわけではありません。文章を読むのがどうしても苦手な場合は語彙力アップが先なのですが、ただ言葉の意味を増やしても、それも苦痛ですよね。

ですので、自分の実力よりも少しだけ簡単な文章問題を読んでみましょう。その中で知らない言葉が出てきたら調べて覚える方法で、先に進みます。焦らず、簡単なものを着実に理解できるようにして、それを繰り返してください。

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【中2国語】言葉遣い(敬語など)の勉強法

敬語や係り結び、場に応じた正しい言葉の使い方を学びます。普段何気なく使っている日本語だからこそ、国語の授業で「正しい日本語」をしっかり学んでください。

特に敬語は、大人になってからも使います。敬語の使い方がおかしいと評価が下がってしまうかもしれません。

【言葉遣いの勉強のポイント】発する人の立場で覚えよう

尊敬語は、自分から見て相手に対して敬意をはらう言葉です。一方、謙譲語は自分がへりくだる(自分のことを下げる言い方をする)ことで、相対的に相手の立場を上げる言い方です。

謙譲語を間違って相手に使うと大変失礼なことになってしまいます。

尊敬語と謙譲語については、中学生が日常的に使うことはないと思われます。問題集を繰り返して解くことが近道かもしれません。

ドラマやマンガなどで、社長など明らかに地位が高い人に対して使われている言葉を真似してみるのも、一つの方法です。

【中2国語】古典(古文・漢文)の勉強法

いろいろな古文に触れよう。また、漢詩の形式などを覚えよう
いろいろな古文に触れよう。また、漢詩の形式などを覚えよう

「我が国の言語文化に親しむ」と文科省が提言する中に含まれる学びです。古い時代から現在まで読み継がれてきた物語などを学びます。また中2では、簡単な漢文に触れて、漢文とはどのようなものかを学びます。

古文の勉強法

中2では「徒然草」「平家物語」などを取り扱う教科書が多いようです。どちらも名文と名高い古典です。

特に平家物語は、冒頭の「祇園精舎の…」から始まる巻第一・第一節を暗記させられる学校も多いのではないでしょうか。暗記の範囲は中学や先生の判断で異なりますが、稀に第三節まで暗記させる学校もあります。

なお、教科書(採用している原文)によって読み方が微妙に異なることがあります。音読・暗記の際は、教科書に付属している音源があれば必ずそちらを参考にしましょう。

漢文(漢詩)の勉強法

中2では漢詩に触れることから漢文の学びが始まります。漢詩そのものの鑑賞(読み下し文の響きや漢字の並びのほか、韻の踏み方や意味など)、そして漢詩の「形式」を学びます。ここでは簡単に基礎を紹介します。

【漢詩の形式】

 絶句(句が四つ)律詩(句が八つ)
五言(ひとつの句が五文字)五言絶句五言律詩
七言(ひとつの句が七文字)七言絶句七言律詩

「句」とは、漢詩の一行です。

五言律詩の例 「春望」杜甫
國破山河在         国破れて山河在り
城春草木         城(しろ)春にして草木深し
感時花濺淚         時に感じては花にも涙を濺(そそ)ぎ
恨別鳥驚         別れを恨んで鳥にも心を驚かす
烽火連三月         烽火 三月に連なり
家書抵萬         家書 万金に抵(あた)る
白頭掻更短         白頭掻けば更に短く
渾欲不勝         渾(すべ)て簪(しん)に勝(たえ)ざらんと欲す

【漢詩の押韻】

上の漢詩で、青字の箇所は押韻(おういん)といい、「韻を踏む」ともいいます。同じような音を配置する技法です。リズム感を出す効果があります。青字はいずれも「しん」「しん」「きん」「しん」と読むので、確かに似た音ですね。現在のラップのようなものと考えれば大丈夫です。

押韻の場所は形式によって決まっています。例えば上の五言律詩の場合は、偶数の句の末尾で押韻します。

まとめ

中2の国語で学んでおきたい内容について解説しました。

国語は全ての教科の基礎になる科目です。特に中2の内容は、高校受験でも問われる内容が増え、よりレベルの高い読解力や語彙力、文の構造を見分ける力、表現の知識が求められます。

国語は成績を上げることが特に難しく、長期的な計画を立てて勉強する必要があります。しかし国語の苦手な生徒が、一人で国語の成績を上げることは難しいです。高校受験の本番となる中3になる前に、早めに塾などを利用し、対策することをおすすめします。

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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

塾探しの窓口編集部

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