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【高校受験生】冬期講習の6つのメリットと上手な活用法を解説
冬休みは受験直前の中学3年生にとっては正念場です。ここで総仕上げをすることで受験に向けてのよい流れをつくることができます。しかし冬休みはクリスマス・お正月とイベントが多く、家では集中して勉強できない可能性が高いでしょう。この時期だからこそ、塾の冬期講習を利用することは高校受験生にとってとても大切です。
ここでは高校受験生とその保護者の方へ、冬期講習を受けるメリット、効果的な活用方法、注意点などについて紹介します。冬期講習を上手に活用して、受験直前の時期を無駄なく乗り切ってください。
冬期講習6つのメリット|高校受験生が冬期講習で「できる」こと
高校受験では、冬期講習を受けずに志望高校、特に難関校に合格した生徒はほとんどいないと考えられます。直前の時期だからこそ受験勉強に適した環境が必要です。ここでは高校受験生が冬期講習を受けるメリットを解説します。
(1)受験勉強のための時間・環境・生活リズムが確保できる
塾の冬期講習に通うことで、受験勉強のための「時間」「環境」「生活リズム」が確保できます。具体的には、以下の3つの効果が期待できます。
必要な勉強時間が毎日、確保できる
勉強のための空間で、遊びや楽しい雰囲気、慌ただしさに煩わされず集中できる
学校が休みでも毎日規則正しい生活が送れる
最初にもお伝えしたとおり、冬休みは子どもには楽しみなイベントが複数控えています。受験生であっても、家にいると楽しい雰囲気にのまれてついつい勉強しないまま日が過ぎ去ってしまう…ということになりかねません。また年末年始の家庭内は何かと慌ただしく、落ち着いて勉強できる状況ではないことも考えられます。
何より、学校が休みのうえに寒い時期のため、なかなか布団から出られず、ついだらだらと過ごしてしまうかもしれません。
これらの問題が、冬期講習に通うことですべて解決できます。
特に、塾には自習室や自習ブース、音読室など勉強のための静かで快適な空間が準備されています。冬期講習の授業が終わってからも、落ち着かない家ではなく、これらのスペースを使って集中して勉強することができます。普段は塾に通っておらず冬期講習だけに参加する生徒でも、自由に使えることがほとんどです。勉強できる環境づくりのためにも、塾と冬期講習を利用してください。
(2)志望校対策のための効率的な勉強ができる
高校受験では志望校の傾向をつかみ、各入試問題に対する対策をすることが合格への近道です。塾の冬期講習は受験本番直前の中学生のために、高校ごとに合わせた対策講座が開設されます。各塾が最新の入試情報や志望者動向を分析し、合格のために授業で扱う問題や課題で取り上げる問題を厳選しています。入試の最新情報は冬期講習を受けないとわからないので、もし冬期講習を受けなければ、入試動向をはずした勉強に偏ってしまうおそれがあります。
志望校合格へ向け限られた時間を有効に使うためにも、冬期講習を受け最新の情報を得て、効率的な勉強を行いましょう。
(3)受験本番前の緊張感をもって勉強できる
受験本番はふだんとは全く違う緊張感におそわれる受験生が大半です。本番の雰囲気や緊張にのまれないためにも、冬期講習で受験に近い雰囲気に慣れておく必要があります。
本番では緊張のあまり普段はしないようなミスをしてしまうこともあります。ケアレスミスひとつで合否が左右されることも少なくありません。
冬期講習では受験本番直前ということで、講師の先生も周りの生徒たちも、いつもとは違った緊張感があります。その空気にふれることで、受験本番への緊張感の高まりも体感でき、ある程度慣れることができるでしょう。「緊張して実力が出せなかった」とならないためにも、冬期講習に参加して勉強に取り組むことは有効です。
(4)模試で本番に近い雰囲気を体感でき、作戦を練られる
冬期講習では直前模試が行われることも多いです。模試は自分の実力をうつす鏡のようなもの。解き直しを必ず行い、定着していない項目を見つけ出して、本番までにしっかり復習しておきましょう。
特にこの時期からは、時間配分が重要になります。
落ち着いて解き進めるためにどの問題に最初に着手するのか、ルーティンを決める
自分が最も得点率が上がる問題の着手順序はどれか、傾向を探る
時間不足を招かないために、実際の制限時間より5分少ない時間で練習する
「解ける」「分かる」と、「点が取れる」はまったく別物です。実力を出し切るためにも、冬期講習のうちに自分のテストの際の傾向を知り、「勝つ」ためのルーティンを作っておきましょう。
(5)仲間がいることで、受験へのモチベーションが維持できる
冬期講習では、周りに同じような受験生しかいないため、自然と受験へのモチベーションが高まります。これは自宅学習では得られない、受験に最適の環境といえるでしょう。
周りの生徒たちは志望校によってはライバルでもありますが、何よりも、同じように受験を乗り切る「仲間」です。つらいときにも励まし合って、お互いにモチベーションを高めることができるでしょう。
(6)「勉強」の質問ができ、「受験への不安」なども相談できる
塾に来れば講師がいます。勉強でわからない単元があれば、いつでも質問ができます。また「本当にこの勉強方法でいいのか」など、勉強法についても具体的なアドバイスがもらえます。講師は受験のプロなので、受験合格のために、生徒一人一人に合った最適なアドバイスをしてくれるでしょう。その他、受験への不安なども、ふだん授業を受けている信頼できる講師に相談できます。
さらに、塾によっては心理カウンセラーを常駐させているところもあります。受験前はプレッシャーから不安を感じて、体調にまで影響してしまう生徒もいます。中学生といってもまだ14、5歳の子どもなので当然です。「不安で眠れない」「緊張でごはんが食べられない」などの悩みを、心理カウンセラーは学術的・医学的なアプローチで解決してくれます。
このように、相談できる相手がいることが、塾の冬期講習を受けるメリットの一つです。
冬期講習を受けるリスクと対策
高校受験生が冬期講習を受けるリスクも少しだけあります。ただし、対策をしっかりすることでリスクは回避できます。
(1)感染症のリスクと対策
従来より、冬はノロウイルスやインフルエンザなどさまざまな感染症が流行します。加えて、近年は新型コロナウイルスの世界的な流行もあります。
特に冬期講習は、
・最難関コースでは集団指導がメインのところが多い(三密になりがち)
・対面授業が主に使われる(飛沫感染の可能性がある)
など、感染症に対してはリスクが大きいとも考えられます。
【対策】
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、現在はどの塾もかなり厳重な対策を行っています。その意味では、数年前よりも「一般的な感染症リスク」は低くなっているともいえます。
どうしても三密が不安な場合や、持病があり体調面で不安がある場合は、比較的空間にゆとりのある個別指導塾を利用する方法もあります。また、集団指導塾・個別指導塾ともに、オンラインで授業を受けられるよう対応しているところもあります。これらのサービスをうまく利用して、感染症への対策を行ってください。
もちろん、手洗い・うがい・マスクの着用・こまめな手指のアルコール消毒・ワクチン接種(※新型コロナに関しては政府広報を元に各家庭で判断)など、基本的な対策は必須です。
また、睡眠時間の確保・バランスの取れた食生活・適度な運動は重要です。夜遅くまで勉強しても効率が下がるだけなので、受験に近づくこの時期から、朝型に生活を切り替えるよう、保護者の方も積極的にお子さまに声をかけてあげてください。
(2)冬期講習だけ受ける場合のリスクと対策
ふだんは塾に通わず冬期講習だけを受ける場合は、以下のようなリスクがあるため注意してください。
①受講する講義の内容・レベルが合わない
②自習室や質問対応は塾生だけしか使えなかった
③費用が最初に予定したより多くかかってしまった
それぞれへの対策を説明します。
【対策①】受講する講義の内容・レベルを確認する
授業内容の確認をしておきましょう。塾や選択したコースによっては講習前の授業と連続性があるケースがあり、そのようなコースに申し込んでしまうと授業内容についていけないおそれがあります。
自分の志望校のレベルに合っているかは必ず確認してください。集団指導塾は全ての課程を中2の春~中3の夏には終了させていることが多く、その後は入試に特化した問題演習を行っています。そのため、分からないところを説明してもらいたくて塾に入ったのに、いきなり難しい問題を解かされるということもありえます。
塾にまったく通った経験がないなら、個別指導塾をおすすめします。個別指導塾で苦手科目のみを教わり、それ以外は自習室で学習するとよいでしょう。
【対策②】自習室や質問対応が利用できるか確認し、最大限に活用する
ほとんどの塾では、生徒のために、自習するスペースや自習のための教室を用意しています。冬期講習を受ければ多くの場合は無料で利用できます。しかし、中には、その塾に通っている生徒優先で自習スペースを使えるケースや、一部または全部の自習スペースが有料になっているケースもあります。冬期講習だけの生徒は自習室を使えないとなると、冬期講習に通うメリットが半減してしまいます。入塾前に、必ず確認しておきましょう。
また質問も自由に受け付けてくれることがほとんどですが、講師の数が少ないと質問対応に手が回らないケースもあるようです。質問対応のシステムやどの程度対応してもらえるかも調べて、冬期講習を申し込む塾を選びましょう。
【対策③】費用を必ず確認する
高校受験直前の冬期講習のほかに、塾によっては「正月特訓」と称する、正月三が日に行われる特別コースもあります。講習費用に追加でかかりますので、トータルでどの程度かかるのかはあらかじめ確認して試算しておきましょう。
特に、個別指導塾は授業コマ数を多く取るほど料金が追加されるため、最初からどの授業を取るか計画をきちんと立てる必要があります。個別指導塾を利用するなら、この時期は入試直前の得点力アップのために、「得意科目のさらなるブラッシュアップ」と「取らなければならない問題を落とさないための訓練」を中心にお願いするとよいでしょう。
また、直前模試があることも多いので、入試までにどれくらいお金がかかるか、書き出しておくことをおすすめします。
冬期講習期間中、ぜひやっておきたい6つのこと
貴重な冬休み、冬期講習で受験までの時間を有効に使いたいと思っておられる生徒さんと保護者の方へ、ここでは冬期講習でやっておきたいこと、冬期講習の上手な利用の仕方、受験までの心得などを紹介します。
(3)苦手科目より得意科目を伸ばすことを意識する
よく「苦手科目をなくそう」といわれますが、これは秋ごろまでの話です。受験直前の冬から苦手科目をあわてて勉強しても、それほど得点率は伸びない傾向があります。苦手科目は受験生の平均得点を目標に、取るべき問題をきちんと得点することを意識してください。そのため、苦手科目は基礎の確認と標準問題までの繰り返し演習が有効です。
一方、得意科目は応用問題など、高度なものでも積極的に、完璧に得点することを目指しましょう。得意な科目で取りこぼすことのないよう、念入りに最終調整してください。
高校受験対応の冬期講習費用の相場
高校受験対応の塾における冬期講習の費用は、受験生と、受験生ではない1・2年生で異なります。以下はあくまでも一例なので、必ず各塾に問い合わせてください。
なお、個別指導塾については、塾によって費用が大きく異なる傾向があります。またマンツーマンか、講師1対生徒複数人数かによっても異なります。
中学1年生:20,000円~50,000円
中学2年生:40,000円~60,000円
中学3年生:80,000円~100,000円
<個別指導塾の費用相場>
中学1・2年生:30,000円~100,000円
中学3年生:50,000円~200,000円
<講習費用以外に必要な費用の一例>
・模試費用
・正月特訓費用
・冬期講習テキスト費用
・暖房費
※各塾によって異なる
まとめ
いかがでしたか。この記事では高校受験生が冬期講習を受けるメリット、冬期講習の上手な使い方、冬期講習でやっておきたい勉強、受験への心得などについて紹介しました。
受験生にとって冬期講習は、受験本番前の総まとめができる貴重な時間と環境です。ぜひ上手く冬期講習を利用して、志望校合格へ一直線に近づいてください。
とはいえ「今まで塾に行ってなかったから冬期講習といっても、どこを選べばよいかわからない」「費用の問題があるし、あまり高いところは無理」など、各ご家庭ごとの事情もあります。お子さまが安心して勉強に集中できる塾と冬期講習を選ぶには、「塾探しの窓口」をご利用ください。地域や沿線、塾のタイプからお子さまにぴったりの塾を選べます。受験直前の時間を大切に過ごすために、「塾探しの窓口」を活用して最適な塾と冬期講習を探してくださいね。