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【中1社会】学習内容のまとめ&成績が上がる勉強のポイント
中学生の社会は教科書が3分野に分かれ、体系的に世界と日本について学びます。
学習指導要領の改訂以降、社会の授業も「考える力」「表現する力」を重視する方向性に変わってきました。暗記力に加え、論理力も必要な教科が社会だといえます。
中学社会の入り口である中1では、どのような内容を学ぶのでしょうか。学習の進め方や保護者の方ができるサポートとあわせて解説します。
※ 本記事の内容は東京書籍が発行する中学の社会科教科書に基づきます。
はじめに、中学社会の全体像を理解しよう
中学で習う社会は、次の3分野に分かれています。
地理歴史公民
教科書も、この3分野で作られます。
地理は「世界の姿」「自然環境と生活」など、テーマを掲げてさまざまな国や地域を比較し深く学習します。地図や図表を読み取る力、地理的思考力の養成も重視されており、高校入試でも記述問題がよく出される分野です。
歴史は日本史を軸に、関わりのある世界の歴史も学びます。文明が始まった紀元前から現代までを網羅するため学習内容が多いのが特徴です。授業も中1から中3までかけて授業で扱う中学が多く見られます。
公民は私たちが暮らす社会の仕組みや人間の生き方、倫理観などについて学びます。「政治」「経済」の比重が大きく、その他に環境問題や国際問題、エネルギー問題など現代社会ならではのテーマも扱います。
全中学生に共通!中学社会の勉強で気をつけること
社会科は、英語・数学とは学び方が根本的に異なります。
例、「比例・反比例(中1)」⇒「一次関数(中2)」⇒「二次関数(中3)」
地理の学習が終わればその後の定期テストに地理は出ません。テストだけを見ていると反復学習の機会が自然と少なくなるため、知識がなかなか定着しないのが特徴です。
ところが、中3になり受験が近づくと「復習問題」と称してまた過去に学習した分野が定期テストに出され始めます。「中1の地理なんて、すっかり忘れちゃった」と、イチからの勉強が必要になる中学生も大勢います。
中学の社会は、習った内容を都度しっかり定着させる意識が大切です。
社会は、きちんと勉強すれば結果につながりやすい教科です。面倒がらずに、一つひとつ丁寧に定着させていきましょう。
中1社会で学ぶ内容【地理分野】
中1の社会は、地理分野から始まります。初めて知る国や地域が多く、戸惑う人もいるかもしれません。
地理の学習は地図帳や参考書を併用しながら「用語の意味を理解する」「事項の関連性を押さえる」学習がテストでの成果につながります。
中1の地理で学ぶ内容を、詳しく解説します。
(1) 世界の姿
まず世界の姿をつかって、地理の基本を習得します。主な学習項目は、以下のとおりです。
大陸と海の位置関係、国境緯度と経度距離と方位
小学校で学んだ内容の復習にもあたる内容です。「地図帳の使い方」「地球儀の見方」など、これから地理で必要になる基本スキルも身につけます。
(2) 日本の姿
日本の国土や地域構成を学びます。世界との違いやつながりも含まれ、「いよいよ中学社会が本格的に始まった」と感じさせる単元です。 おもな学習内容は以下のとおりです。
日本の位置(緯度・経度)時差領域・排他的経済水域、国土問題都道府県と県庁所在地
時差の計算は、苦手とする中学生が大勢出るテーマです。時差の計算をマスターするには「経度を正しく読めること」「時間が早い地域・遅い地域を理解すること」の2つがポイントになります。
経度15度あたり1時間の差があることを理解し、日本と比べて何時間早いのか・遅いのかを考えられるよう練習しましょう。
無料でダウンロードできるプリント教材もありますので活用しましょう。
参照:日本地図 プリント・テスト 無料ダウンロード・印刷|ちびむすドリル
(3) 世界各地の人々の生活と環境
世界のさまざまな地域の自然環境と、そこで暮らす人々の生活を学びます。私たちの生活は自然や社会環境の影響を受けていること、また宗教や文化とも切り離せないことを理解する単元です。
おもな学習内容は以下のとおりです(教科書によって扱う国・地域は異なります)。
気候と生活 ・雪と氷の中の生活(イヌイット)
・寒暖差が激しい地域の生活(冷帯:シベリア、温帯、イタリア)
・乾燥した地域の生活(サヘル)
・常夏の島の生活(サモア)
・標高が高い場所での生活(ペルー)
世界にあるさまざまな宗教
日常的に馴染みが薄い地域に関して教科書や地図、資料集で学ぶ時間は、興味がないとすぐに退屈してしまいます。一方で気候の名称や特徴、人々の生活スタイルの要因など覚える内容は盛りだくさんです。
飽きずに学び、しっかり覚えていけるよう学習に工夫が必要な単元でもあります。
同じ気候帯に属する別の国の話題でも構いません。サッカー好きのお子さんにはサッカーの強豪国を題材にするなど、お子さんが興味を持ちやすい切り口を工夫しましょう。
子供向けの地図絵本をリビングに置いておくのもおすすめです。
(4) 世界の諸地域
世界の地域ごとに、社会問題や環境問題などを学ぶ単元です。これまで習った内容を探求する単元でもあり、定期テストにもよく登場します。
統計・図表の読み取り、地理的思考力が必要になるため「よくわからない」「どう勉強すればいいのかわからない」と、ここで地理を嫌いになる中学生も大勢います。
おもな学習内容は以下のとおりです。
アジア/ヨーロッパ/アフリカ/南北アメリカ/オセアニア の各地域について以下の課題を学ぶ ・雨温図
・人口問題(人口ピラミッド)
・経済発展・貿易問題
・エネルギー問題
・宗教的な課題
・環境問題
・国境、移民問題
・自然災害
SDGsをはじめとする地球規模の問題を扱うため、スケールが大きくイメージしにくい単元です。また世界の多くの地域が一気に登場し、知識が混乱し暗記すべき量に圧倒される中学生もいます。
しかし高校入試の地理では、思考が必要な記述問題として登場しやすいのもこの単元です。なぜその問題が起きているのか、背景や要因とつなげて理解できるよう思考の道筋を整えていきましょう。
政治や経済について考えれば、中3で習う「公民」にもつながる発展学習になります。
中1社会で学ぶ内容【歴史分野】
中1の歴史分野は、古代から中世(近世)までを扱います。国際的なつながりは多くなく、日本国内の変遷がメインです。
比較的覚えやすく、得点しやすい時代でもあるため、積極的に学習し歴史の基礎を完成させましょう。中1の歴史で学ぶ内容を、詳しく解説します。
(1) 世界の古代文明と宗教のおこり
人類の出現から世界四大文明の起源、宗教の始まりを扱います。この時点では、日本はまだ登場しません。
おもな学習内容は、以下のとおりです。
人類の出現と進化古代文明のおこりと発展(エジプト文明、メソポタミア文明、インダス文明)中国文明の発展(中国文明から秦・漢まで)ギリシャ・ローマ文明宗教のおこりと三大宗教(仏教、キリスト教、イスラム教)
ピラミッドやギリシャ神話など、子どもにも親しみがある内容が登場します。資料集のビジュアルを見ているだけでも楽しく、あまり苦手意識を持たずに取り組めるはずです。
(2) 日本列島の誕生と大陸との交流
日本の起源を学ぶ単元です。解明されていない歴史も多い時代のため、教科書で扱う内容も複雑ではありません。
おもな学習内容は、以下のとおりです。
旧石器時代縄文時代弥生時代邪馬台国大和政権の時代(中国・朝鮮との交流)
(3) 古代国家の歩みと東アジア世界
いよいよ聖徳太子や藤原道長が登場します。政治の仕組みが整い始め、日本が国家として自立する単元です。国の様子が次々と変わるため、興味を持てるとワクワクしながら自走して勉強を進められるでしょう。
おもな学習内容は以下のとおりです。
聖徳太子と政治改革律令国家の成立奈良時代(天平文化)平安京摂関政治(国風文化)
用語が数多く登場し、苦手意識を持ちやすい単元でもあります。とくに文化は仏像や作品の名前を文字列として覚えるだけの作業になりやすく、苦痛を感じる中学生もいます。
「いかに興味を持てるか」が成績に直結すると考え、取り組みましょう。
「十七条の憲法」「冠位十二階」などを引き合いに出し、健全なクリティカルシンキング(批判的思考)で見直してみましょう。お子さんから思わぬ意見が出て、親御さんの方がうならされるかもしれません。
(4) 武士の政権の成立
ここからは中世に入ります。政治の中心が貴族から武士にうつり、江戸時代まで続く武士政権が始まります。産業が発達し、民衆も原始的な生活を脱し始めます。
争いが多く、人と人・日本と周辺国の関係性が複雑になるため、歴史が急に苦手になる中学生が続出する時代です。知識を単体で覚えようとせず、かならず前後のつながりを含めて理解するようにしましょう。
おもな学習内容は、以下のとおりです。
院政から武士政権へ鎌倉幕府の成立と執権政治鎌倉時代の文化、宗教モンゴルの襲来南北朝の動乱と室町幕府東アジア(明、朝鮮)との交流応仁の乱と戦国大名室町文化武士と民衆の生活、産業
平安時代に続き、さまざまな文化が登場します。文化にはかならず特徴があるため、特徴を理解し具体的な作品を覚えていきましょう。アイヌや琉球王国に関しても扱います。
「歴史上の人物は人間味や個性、トリビアとセットにして覚える」「政令や争いは『その結果、どうなったか』までセットにして覚える」など、お子さんが歴史の流れを理解しながら覚えていけるようアドバイスしてあげてください。
中1社会 学習のコツ
中1社会の学習をスムーズに、かつ定期テストでも得点できるように進めるコツは3つあります。
それぞれの具体的な取り組み方を解説します。
(1) 暗記学習に慣れる
「社会は暗記教科」といわれるほど、暗記量が得点に直結する教科です。小学校までとは比較にならないほどの暗記が必要なため、覚えることに苦戦し社会が苦手になる中学生もすくなくありません。
中1のうちは、まず「覚える」作業を抵抗なくできるようになることが大切です。覚えるべき用語を繰り返しながら、暗記のための新しい脳回路を作る意識で臨みましょう。
(2) 資料の読み取り方法を知る
読み取り問題は定期テストや高校入試でもかならず出題されます。正しいアプローチ方法を知り、練習することで得点源にしていきましょう。
2.グラフ・図表が表すデータを理解する
3.数値を正しく読む
この3点を意識しながら、読み取り問題にチャレンジしてみてください。
(3) マンガや映像授業を利用し、イメージしながら理解する
教科書や資料集だけの学習は、どうしても飽きがきてしまいます。飽きずに学習を続けるために、マンガや映像授業も積極的に利用しましょう。
中学生の社会を得意科目に育てる個別指導塾5選
地理と歴史、公民。広範囲に及ぶ社会は、中学生が自分だけの力で計画的に進めるのは、難しい教科かもしれません。「暗記が後回しになってしまう」「社会は、いつもテスト勉強に手が回らない」と悩んでいたら、塾を利用してみてはいかがでしょうか。
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まとめ
中1の社会は地理分野の「時差計算」「気候の特徴」、歴史分野の「政治体制の変遷」「戦国の動乱」がキーポイントです。
多くの中学生が苦手とする単元のため、しっかり理解し得点源にできればライバルに差をつけやすくなります。
ただし社会は覚える作業が多い教科です。もしお子さんが自力での暗記に苦労しているようなら、塾で暗記のサポートを受けても良いでしょう。
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