【高校受験】入試国語で点数をとる最も効率的な勉強法を解説

更新日 2024.10.14
【高校受験】入試国語で点数をとる最も効率的な勉強法を解説

国語の成績はどうやって上げればいいの?

入試までにどのようなスケジュールで勉強すべき?

国語は塾に通った方がいい?

このような疑問をもつ保護者の方は非常に多いです。特に高校入試が近づいているのに、お子さんの模試での結果が振るわなかったりすると、不安はより大きくなるのではないでしょうか。

この記事では、元中学教員である筆者が、高校受験国語の効率的な勉強法を徹底解説させていただきます。

私は現在、学習サイトの運営やYouTuberとして教育活動をしています。サイトの月間アクセス数は30万回、YouTubeの登録者数は5万人ほどです。2022年の秋には学習参考書も出版します。そのため、いつもたくさんの中学生や保護者から勉強に関する質問を受けており、勉強法の研究を欠かしません。

この記事がみなさんの参考になり、高校入試突破の一助となれば、これほど嬉しいことはありません。

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国語は成績を上げることが難しい教科

国語は最も成績を上げるのに時間がかかる教科
国語は最も成績を上げるのに時間がかかる教科

まず知っていただきたいのは、「国語は最も成績を上げるのに時間がかかる教科である」ということです。

以下は、一般的に教員や塾講師が考える5教科の成績の上がりやすさを並べたものです。

1.社会
2.理科
3.数学
4.英語
5.国語

国語は、難しいとされる「数学」や「英語」よりも成績を伸ばすことが難しいと考えられています。その一方で、国語が「苦手だ」と考える生徒の割合は少なめです。

これは筆者が自身のYouTubeチャンネルで中学生7000人にとったアンケートの結果です。国語を苦手と考える生徒の割合は、英語や数学を比較するとそれほど多くないことがわかります。

なぜ国語は、苦手意識のあるな生徒が少ないにも関わらず、成績を上げることが難しいのでしょうか。

それは国語という教科が、他の教科と比べ圧倒的に「身近」なことが原因です。国語以外の教科の学習は、早くても小学1年生からです。しかし国語(日本語)は、生まれた瞬間から子どもたちは身近に関わわっていきます。

そのため「苦手」「わからない」と感じる生徒は少なくなります。ただし、身近であるがゆえに、教科としての「成績」を上げることには直結しづらいのです。

国語の成績は、成長の過程でどれだけ日本語と関わり、読書をしたか、考えを言語化する機会がどの程度与えられてきたかによって大きく差がつきます。以下はベネッセの調査結果です。読書量が多いほど、成績が伸びやすいことが明らかになっています。

(出典)ベネッセ教育情報サイト「小学生の読書量と国語の学力、どれくらい関係する? 学力を伸ばすだけでなく、心の安定にも効果あり?!」より

国語が苦手な生徒の多くは、生まれた時から日本語にふれあう機会や読書をする機会が少ないことが多く、このハンデの克服は中学生の数ヶ月では簡単にはできないのです。

国語の点数アップ勉強法|得点しやすい分野から始めよう

点数になりやすいところを効率的に勉強する
点数になりやすいところを効率的に勉強する

ここからは、国語の成績の効率的な上げ方を具体的に解説します。

国語は成績を上げることが難しく、時間がかかります。そのため受験では無理に国語に力を入れるよりも他の教科に力を入れたほうが効率的なことも多いのは事実です。しかし、国語の成績を上げることは将来的に必須。国語に苦手意識がある生徒さんほど、高校受験をきっかけに国語との向き合い方を考えるのはよい機会といえるでしょう。ぜひ取り組んでみてください。

【高校受験】国語の点数アップ勉強法|得点しやすい分野から始めよう

まずは日常生活で多様な体験をする

国語の成績を効率的に伸ばすためには、座学での勉強以前に日常生活で多様な体験ができるよう意識して生活することが大切です。

「国語の勉強と、日常生活の体験、何の関わりがあるの?」と感じる方も多いかもしれません。しかし、国語の基礎力の最も根幹となる部分は、日常生活の体験にあるのです。

具体的に例を上げていきましょう。

「タカシ君が昼休みに野球をしていると…」
「タカシ君が昼休みにクリケットをしていると…」

この2つの文は、多くの中学生にとってどちらが理解をしやすいでしょうか?もちろん前者の「野球をしている」という文です。

クリケットとは、野球とほぼ同じスポーツですが、日本ではあまり知られていない競技です。多くの中学生が「体験した」り「見た」ことがある野球に対し、体験したことのないクリケットの文章はイメージが掴みにくいものになってしまうということです。

文章を理解するには、文章の内容を子どもがどれだけ体験をしているかが大切なのです。

「春のあたたかな日差しが…」
「マラソンの後半、息が上がり足がますます重たくなって…」
「友人の何気ない言動を今日は許すことができなくて…」

このような文章を理解するとき、私たちにその「体験」があるとイメージしやすくなります。豊富な日常体験が多ければ多いほど、文章に書かれている内容が身近で共感しやすくなるということです。特に小説(物語文)、随筆などでは顕著です。

昭和〜平成の時代は、多くの子どもが同じ遊びや、同じテレビを見て過ごすことが多かったです。

しかし現在は一人一人の興味が特定の方面に偏り、幅広い日常体験をしている子どもが減ってきています。勉強以前の生活として、外に出かける機会を増やしてみたり、保護者の方とお子さんで同じテレビや映画を見たりしてみましょう。可能なら感想を述べあうといいですね。このような繰り返しが国語の基礎力を高めるということを理解しておきましょう。

漢字や熟語の基礎知識をつける

国語の学習を進めていく上で、まずは「漢字」「熟語」「慣用句」などの基礎知識を身につけていくとよいでしょう。

これらを学習するメリットは、次の3つがあります。

1.学習内容が明確で、勉強に取り組みやすい
2.漢字問題や慣用句の問題で直接得点につながる
3.文章の読解力アップにも効果がある  

先にお伝えした通り、国語は点数を上げることが難しい教科です。その中で、確実に点数を上げられる問題があります。それが漢字問題や熟語、慣用句などのいわゆる暗記問題です。

これらの問題は練習をすることで、確実に点数に結びつきます。配点は決して多くはありませんが、必ず出題される問題です。手を抜かずに取り組めば、点数の底上げに繋がることは確実です。

さらに、漢字や熟語、慣用句の知識が豊富になると、文章の読解力アップにも繋がります。読めない漢字や聞いたことがない言葉が出てくると、文章を理解することが一気に難しくなりますが、言葉の意味が分かれば内容もスムーズに頭に入りやすくなるでしょう。

古文と漢文の基礎を身につける

「古文」「漢文」の基礎を身につけると、得点に結びつきやすくなります。

古文や漢文に苦手意識をもつ中学生も多いですが、出題範囲や勉強内容はかなり限られており、学習がしやすいです。また、配点は多くないものの出題される確率は非常に高いため、ぜひ学習しておきたい単元です。

古文の学習は音読から

古文の学習は、まずは音読ができるようになることが大切です。

・はひふへほ→わいうえお(いろはうた等で確認してみましょう)
・てふ→ちょう、けふ→今日(きょう)

など、独特の読み方に慣れていきましょう。読むことに慣れると苦手意識はかなり軽減されます。はじめはゆっくりで構わないので、音読の練習をくり返しましょう。

古文単語を覚える

音読ができるようになったら、古文単語の知識を身につけましょう。

あたらし → もったいない
ありがたし → 珍しい
ののしる → 勢力が盛ん
はしたなし → 中途半端だ
あからさまなり → あとちょっと

など、現在とは異なる意味で使われる古文単語は非常に多いです。必要になる単語の数は、それほど多くはありませんので、少しずつ学習を進めましょう。

表現技法を理解する

音読と古文単語の基礎が身につけば苦手意識はほぼ無くなっているはずです。仕上げに表現技法を理解しましょう。

古文は多用される表現が決まっています。代表的なものは

対句 → リズムが同じでペアになる言葉を並べる
倒置 → ことばの順序を逆にする
体言止め → 句や歌の最後を名刺または代名詞で結ぶ

などが挙げられます。ここまで理解できれば、あとは問題練習をくり返すだけです。慣れないうちは、先に現代語訳を読んでから古文の問題にチャレンジすると良いでしょう。

一度現代語訳を読んでから問題を解くことで、通常よりも格段に解きやすく、問題慣れをすることができます。国語はテストによって点数にムラが出やすい教科ですが、古文で確実に点数をとれるようになれば点数の底上げができ安定してきます。

漢文もまずは読めることが大切

古文と同様に、漢文もまずは読む練習から始めましょう。

漢文には
・白文
・訓読文
・書き下し文
などの種類があります。

まずは書き下し文と訓読文を読む練習をしていきます。訓読文を読めるようになるためには

レ点
一、二点
而、於、耶、哉などの読まない漢字
などを理解していく必要があります。

レ点や一、二点を使用した読み順の問題も頻出なので、しっかりと練習をしましょう。読む練習を続けることで、漢文独特のリズムなどにも慣れることができます。

現代語訳の練習をする

読み方に慣れたら、現代語訳の練習をしていきましょう。古文と同じように、初めは現代語訳を読んでから漢文を読んでもよいでしょう。

中学生の漢文は、「矛盾」「五十歩百歩」「四面楚歌」などわかりやすく面白いストーリーも多いため、慣れてくると漢文が好きになり得意科目になる中学生も多いです。

漢文もほとんどの高校入試では必出です。貴重な得点源になりますので、前向きに取り組んでみましょう。

読解問題の練習をする

最後は読解問題についてです。ここが最も難しく、点数を上げにくいところです。数ヶ月で読解力が格段に上がることは、基本的にはありえません。

地道に鍛えていくことが大切でしょう。

読解力を上げることは一朝一夕にはいきませんが、生涯にわたって役に立つ力でもあります。読解力を身につけるには、「読書」「要約」などが基本です。読むものは新聞がおすすめされることが多いですが、ハードルが高い場合はやさしめの本でも構いません。

読むことに慣れてきたら、要約を練習することもおすすめです。新聞であれば「何について述べているのか」「結論は何か」などに着目をしてまとめることで、文章のポイントを掴む力がついてきます。

論説文・説明文

論説文や説明文の読解問題を練習する際は、特に次のポイントを意識するとよいでしょう。

・接続語をていねいに捉えて読む
・指示語を明確に捉えて読む
・筆者が伝えたいことを捉える

などがポイントとなります。

接続語とは「つまり」「さらに」「だが」「しかし」「たとえば」など数多くあります。この接続語に注目して読むことができると、「たとえば」ときたから先ほどの文の例がくるんだな、「しかし」ときたから先ほどとは反対の内容がくるな、など文章を論理的に読解することができるようになります。

指示語とは「あれ」「それ」「このように」など、文章中のくり返しを避けるための言葉です。

この指示語を明確に捉えることができないと、文書を読み進めるにつれて内容の理解があやふやになっていってしまいます。

テストで直接「これらとは何を差しますか。本文より書きぬきなさい」のように問われることも多いです。普段の読解練習のときから、意識して指示語が具体的に何を指しているか、とらえる練習をしておくとよいでしょう。

小説・随筆

小説や随筆を読解する際は、

・場面設定
・登場人物の心情の「変化」

に注目して読み進めると良いでしょう。特に序盤は登場人物が多く登場します。慣れないうちは、用紙に人物名と立場をメモしながら読み進めることもおすすめです。

そして、物語の中で、人物の心の揺れ動きや心情の「変化」が発生します。ここは問題で問われることが多いポイントになりますので、見逃さないようにあらかじめ意識して読むことが大切になるでしょう。

読解力の向上は、簡単にはできませんが、日々の練習の積み重ねで少しずつ向上していきます。コツコツとトレーニングをしてみてください。

読解問題の学習方法については以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてみて下さい。

国語の読解問題は誰でもできる!苦手の原因とおすすめ勉強法
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高校受験国語の勉強スケジュール

計画的に学習をし、受験の成功を掴み取る
計画的に学習をし、受験の成功を掴み取る

ここでは、おすすめの国語の勉強スケジュールについて解説をしていきます。

高校受験国語の勉強スケジュール

中3の冬休みまで

中3の冬休みまでの間に、

漢字・熟語
古文・漢文

の基本的な学習を終えるようにしましょう。国語はよほど得意な生徒でも点数の振れ幅が大きくなることが他教科より多い教科ですが、これらの基礎知識が身につけば、悪い時でも点数が大幅に下がることは無くなります。

お子さんの能力にもよりますが、基本的には毎日1時間の学習を2〜6ヶ月継続すれば、これらの基礎学習を終わらせることができるでしょう。

もちろん余裕があれば、読解力をつけるために新聞を読むことや、読解練習用の問題集に取り組むのもよいでしょう。

入試直前

冬休みが終わり入試直前の場合はどのような勉強をすればよいでしょうか。

まず、「漢字・熟語」「古文・漢文」の基礎学習が終わっていない人はそちらに全力をそそぎましょう。場合によってはすべて終わらせることが困難かもしれませんが、そもそも全てのテスト勉強が完璧に終わることの方が稀です。諦めずに学習を続けましょう。これらの学習は直前でも成績アップに繋がります。

基礎学習に目処がついている場合は、過去問や模試を利用して入試問題の練習に取り組んでみるとよいでしょう。

ここで大切なことは、点数に一喜一憂しないことです。本番の点数が全てなので、練習の点数に気持ちが左右されすぎないことが大切です。

それよりも、本番を意識した時間配分の練習をおすすめします。何度も過去問を練習すると、「どの問題にどのくらいの時間がかかるのか」「どのくらい時間がかかったらまずい状況なのか」などがわかり、それぞれの問題にかける時間のペース配分ができるようになってきます。

時間配分が上手になると、入試本番で焦ることが少なくなります。焦って自分の力が出しきれないことが最も悔やまれる状況だと思います。少なくとも1ヶ月前には入試本番を想定した練習をしておくことをおすすめします。

特に国語は入試の1教科目に行われることが多いです。つまり、緊張感が最高潮の状態で解かなければいけない教科なのです。入試直前の過去問練習が、本番に役立つ可能性は高いでしょう。

おすすめ問題集

最後におすすめの問題集を紹介させていただきます。

「国語が苦手・国語が嫌い」というお子さんには「中学国語をひとつひとつわかりやすく」がおすすめです。

国語の成績が5段階評価で「1」や「2」のお子さんにも安心して進めることができます。一方で、平均以上の成績の中学生には、少し物足りない内容かもしれません。

国語の成績が平均以上で、入試に向けてしっかりとトレーニングしていきたい場合は「解き方がわかる国語」がおすすめです。

有名予備校講師の解説はとてもわかりやすく、多くの中学生におすすめです。

最後に、教科書にそって学習したい場合は、学校指定の問題集や教科書ワークを利用するとよいでしょう。入試の勉強に力を入れすぎて、学校の定期テスト対策が不十分になってしまうことは避けたいです。特に3年生であれば、ほぼ全ての都道府県で成績が内申点として高校に送られます。定期テストの対策も手を抜かないようにしてください。

【高校受験】国語指導に定評ある塾5選

独力で進めにくい場合は、積極的にプロのサポートを頼ろう
独力で進めにくい場合は、積極的にプロのサポートを頼ろう

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まとめ

この記事では高校入試における国語の効率的な学習方法を解説しました。

「漢字・熟語」「古文・漢文」の苦手を無くし、読解力をコツコツとつけていきましょう。さらに一人一人に寄り添った具体的なアドバイスや学習計画が必要な場合は、塾を利用することもおすすめです。

塾を利用すれば、お子さん一人一人にあった指導や学習計画はもちろん、希望する進学先の情報も入手することができるでしょう。「塾探しの窓口」では、塾を無料で簡単に検索することができるので、ぜひ利用してみてください。

この記事が参考になり、第一志望の高校で充実した生活を送れることを心よりお祈り申し上げます。

また、他教科の高校入試に向けた効率的な勉強法は以下の記事を参考にしてください。

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この記事を書いた人

さわにい

さわにい

元公立中学校の理科の教員です。教員経験は11年。現専門は理科教育学。所持教員免許は中学と高校の理科。

理科の教材や学習法を研究中。さまざまな出版社の理科教材や解説を作成してます。

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