国語の読解問題は誰でもできる!苦手の原因とおすすめ勉強法

更新日 2024.10.14
国語の読解問題は誰でもできる!苦手の原因とおすすめ勉強法

国語のテストや入試で最も配点が高いのは、読解問題です。ところが、お子さんたちが苦手としやすいのも読解問題。「読書しないから、読解問題ができないのか」「本を読ませればいいのか」とお悩みの親御さんは、少なくありません。

今回は読解問題に注目!そもそも読解問題ができない原因や、読書嫌いでも読解ができるようになる勉強法などを解説していきます。

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読書嫌いでも国語は得点できる!

「国語の読解」と「読書」では、求められている力が異なる
「国語の読解」と「読書」では、求められている力が異なる

「国語の読解」と「読書」。一見すると関係性が強そうですが、国語の読解問題の点数アップに読書好きかどうかは関係ない、ということはご存知でしょうか。

似ているようで違う、読書と国語の読解について見ていきます。

国語の点数アップに読書好きかどうかは関係ない

(1)「読書好き=国語が得意」とは限らない

「読書が好きなお子さんは、国語も得意とは限らない」という事実があります。

とくに読書好きな女子生徒に、この傾向が強いかもしれません。図書館が好き、本が好き、いつも本を読んでいた…、にも関わらず、中学2~3年から国語の点数が伸び悩んでしまうのです。反対に、本なんてほとんど読んでこなかった生徒、数学や理科が得意な生徒が、国語も伸びはじめるということもよく見られます。

一般的には「読書好き=国語も得意」と考えられがちですが、そうともいえないのです。これはなぜでしょうか?

(2) 読書と国語の読解では、必要なスキルが異なる

読書量と国語の成績が比例しない原因は、読書と国語では必要なスキルが異なることにあります。

読書では、「自分の好きな小説や物語を、好きな解釈で味わう」ように読むことが多いですよね。一方、国語(特に説明的文章)の読解に必要なのは、「情報処理力」です。書かれている内容を、論理的に整理し読み解く力ということですね。

このように、読書と国語の読解では、必要な能力も目的も異なります。だから、「読書が好きなら、国語も得意」とは限らないというわけです。

(3) 読書が嫌いでも、国語の「問題」は解けるようになります!

読書と国語で必要な力は異なるということは、普段読書をしていなくても、情報処理力や解き方を知れば、国語の成績はちゃんと伸ばせるということです。

ちなみに、普段あまり本を読まないお子さんに、「国語のため!」と読書を強要しても良い結果にはなりません。読書したからといって国語が得意になるとは限りませんし、無理に読まされたことで活字嫌いになっては元も子もありません。

後ほど、国語の成績アップに直結する勉強法を紹介しています。ぜひ、チェックしてみてください。

国語の読解問題ができない原因5つ

「考えながら読む」ことができないと、国語は伸び悩む
「考えながら読む」ことができないと、国語は伸び悩む

国語の勉強法を解説する前に、お子さんがなぜ国語ができないのかという原因を探ってみましょう。読解問題で得点できない原因を5つにまとめました。

国語の読解問題ができない原因5つ

(1) なんとなく読んでいる

最も多いのが、「なんとなく読んでいる」というケースです。説明的文章は筆者の主張や論理展開を把握しながら、つまり「何が書かれているのか」をつかみ、考えながら読まないといけません。

しかし活字が苦手、文章を読むのが面倒だというお子さんは、ただ文字を目で追っているだけで、内容を理解しようとしていないことがあります。

(2) 自分の解釈で読んでいる

読書が好きなお子さんでもやってしまいがちなのが、「自分の解釈を加えて読む」ということ。国語の読解問題では説明文でも物語文でも、書かれている内容をつかむことが大切です。しかし、書かれている内容と「自分ならこうする」「私はこう思う」という自分なりの解釈を混同してしまうと、正確に読み解けなくなります。

(3) 語彙が不足している

語彙とは、知っている言葉の量のことです。語彙が少ないと、文章中に知らない言葉がたくさん出てくることになり、結果的に文章の内容もわからなくなります。

高校入試の問題では、難しい語彙が多く登場します。語彙は身に付くまでに時間がかかるものですから、気づいた時点で早めに対策を始めましょう。

(4) 段落のつながり・関係を意識していない

説明的文章において、段落にはきちんと意味があります。段落の関係を意識せず読んでいては、全体の論理展開はつかめません。段落同士の関係を無視して読むと、話題の転換についていけず、文章全体の流れがわからなくなってしまいます。また接続詞を読み飛ばすお子さんにも、同じ傾向が見られます。

(5) イメージする力が足りない

文字は追えているのに、イメージ(具象化)する力が足りないせいで内容理解ができていない、というお子さんもいます。書かれている内容は、瞬時に自分の経験や知識とつなぎ合わせてイメージすることで、はじめて理解できるのですが、文字を追う目とイメージする脳が連動していないと、読んでいてもよく分からない、となることがあります。

例えば、登場人物が多くなってくると、誰が誰とどういう関係なのかがわからなくなるというお子さんがいます。また、登場人物の性格や外見も言葉で説明されていると、「どういう人物なのか」を自分の脳内で想像することができないというケースも多いようです。

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国語の読解問題が解けるようになる勉強法〈説明的文章編〉

読書嫌いのお子さんにこそ効き目大!読解の勉強法
読書嫌いのお子さんにこそ効き目大!読解の勉強法

ここからは、すでに読解に苦手意識を持っているお子さんにおすすめの、本当に文章が読めるようになる(読解できる)勉強法をご紹介します。

手をつける順に解説しますので、お子さんに合うステップから始めてみてください。

(1) 語彙力をつけよう!

まず、説明的文章を1ページ分読んでみましょう。知らない単語が4~5個あったら、語彙力が足りていません。まず語彙力、つまり知っている言葉の量を増やす取り組みから始めてください。

語彙力を増やす手っ取り早い方法は、「日常の中で多くの言葉に触れる機会を持つ」こと。普段見ていないテレビ番組や雑誌、漫画など、見たり読んだりするのが苦にならない媒体を使って、新しい言葉を知っていきましょう。また知らない言葉は、きちんと意味を調べることも大切です。

>>語彙の増やし方について、詳しい解説はこちらをどうぞ!

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(2) 主題(テーマ)をつかもう

「何となく読む」「文字だけを追う」といった、“考えない読み方”を避けるには、「何についての話だろう?」と疑問を持ちながら読む姿勢が有効です。説明的文章には、必ず主題があり、筆者の主張がありますから、「何について、どんなことを伝えたいのか」を本文中から見つけるように意識するだけで、“考えながら読む”姿勢が身に付きます。

このとき、文章全体の主題を最初からつかもうとするのではなく、段落ごとに中心となる文(筆者の意見が書かれている部分)に線を引いておき、最後にそれをまとめるという方法が有効です(この方法で、文全体の要約も作れます)。

説明的文章で頻出のテーマは次の通りです。慣れないうちは、今読んでいる文章が、リストのどれに該当するかを考えるだけでも良いでしょう。

頻出のテーマ
● 言語・コミュニケーション
● 科学
● 人間とは
● 歴史・戦争
● 現代社会
● 国際問題
● 文化(日本文化、伝統文化)
● 芸術・文学

(3) 段落ごとの「役割・つながり」を意識して読もう

説明的文章において、段落は「話題のカタマリ」を示します。「この段落は、何について語られているのだろう」と段落を意識して読むよう練習しましょう。

段落の中で、最も大切だと思われる一文・筆者の言いたいことが詰まっていると思う一文に傍線を引くのは、上でも述べたとおりおすすめの方法です。

また接続詞に注目するのもおすすめです。接続詞は文と文、段落と段落の関係性を表しますから、論理展開を追って読めるようになります。

接続詞意味・働き
しかし/だが/ところが/けれども【逆説】前と後ろで反対の内容が述べられている。
つまり/要するに/すなわち【言い換え】前の内容を後ろで言い換えている。
なぜなら/というのは【理由】前の内容の理由を、後ろで説明している。
たとえば/いわば【例示】前の内容を分かりやすくするために、後ろで具体例を説明している。
接続詞は「読解マーカー」とも呼ばれる重要な要素

(4) 設問は「何を問われているか」を正しくつかもう

設問もしっかり読みましょう。「何を問われているか」「答えないといけないことは何か」を正しく理解することが大切だからです。

説明しなければいけないのか、理由をまとめないといけないのかといった指示を理解できなければ、正しい解答は作れません。問題文の指示されている部分には傍線を引くなど、意識的に注意を向けるようにしましょう。

(5) 答え方は設問にきちんと対応させよう

設問の指示を正しくつかめても、その指示通りに解答を作れなければ減点になります。よくあるミスは「本文から抜き出しなさい」という指示だったにも関わらず、自分の言葉で書いてしまうこと。また字数制限を無視していたり、句読点の使い方が指示通りでなかったりと、大人から見ればケアレスミスでは?と言いたくなるミスもよくあるのです。

解答を作った後は、設問の指示にきちんと呼応できているか、必ずチェックしましょう。

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国語の読解問題が解けるようになる勉強法〈小説・物語編〉

「文学的文章」と呼ばれる小説・物語にも、正しい解き方がある
「文学的文章」と呼ばれる小説・物語にも、正しい解き方がある

続いて小説や物語文の解き方や勉強法を解説します。

小説・物語文は、説明的文章に比べると言葉が易しく、会話も多いなどとっつきやすい印象がありますが、心情・情景の把握に苦戦するお子さんも見られます。

(1) 場面や情景をつかもう

まず場面や情景、つまり「どんなシーンの話なのか」をつかみましょう。場面や情景は単なる背景ではなく、登場人物の心理や物語の展開に影響を与えることが多いからです。

特に「時代・時間・場所」の3ポイントはしっかりチェックします。

時代具体的に書かれていなくても「ダイヤル式の電話」「馬車」など、
時代を象徴する小物から分かることもある。
時間朝と夕方では印象が変わる。物語の途中で
時間経過がある場合は、それぞれをチェック。
場所都心はせわしないイメージ、田園はのどかなイメージ。
場所によって登場人物の生活・性格が印象づけられていることもある。

この3つのポイントによって物語の道筋が作られることもあります。

(2) 登場人物と人間関係を把握しよう

続いて登場人物と人間関係を把握します。登場人物の名前を丸く囲み、誰なのかつかんでいきましょう。「おじ・おば」「先生」「あの時の人」といった、名前以外で出てくる人も多いので、漏れなくチェックします。

登場人物が多い場合は、余白に人間関係をメモしておくと混乱せずに済みますよ。家系図のように、関係性を表す印を決めておくと、サクッと書けるのでおすすめです。

(3) 心情の変化に気を付けて読もう

小説・物語文でもっとも重要なのが、「心情の変化」です。設問にもされやすいポイントなので、特に注目してください。

心情の変化が具体的に書かれていると分かりやすいのですが、お子さんが読み飛ばしてしまうのが「それとなく」書かれている部分です。

たとえば次の文章中、黄色く囲った部分にはどのような心情が隠れているのでしょう?ぜひお子さんと考えてみてください。

引用:東京都教育委員会|令和2年度都立高等学校入学者選抜 学力検査問題『国語』第3問より

(4) 本文中から答えを探そう

小説・物語文でも、設問の答えは「必ず本文中から探す」ことを心がけましょう。

感情移入しやすい小説文では、読んでいるうちに登場人物の心情と自分の感想がごちゃまぜになってしまうことがあります。自分なりの感想を持つのは良いことですが、読解問題の答えとしてはNGです。

読解問題は、本文内容を正しく理解できているかどうかを試されていることを忘れず、答えの根拠は本文から探すようにしましょう。

(5) よく出る問題パターンを押さえておこう

小説・物語文も説明的文章と同じように、よく出る問題のパターンがあります。「登場人物の言動の理由・根拠を問う問題」と、「心情の理由を問う問題」の2つです。まず、この2パターンの設問をしっかり解けるようにしましょう。小説分野の得点が安定してきますよ。

心情や言動は、出来事によって変化することが多いので、「何が起きたか」もチェックしておくと考えやすくなるでしょう。

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【応用編】読解問題のコツをつかむと、高校入試の「作文」にも活かせる

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高校入試では、与えられたテーマに従い、150~200字で自分の考えをまとめる、という「作文」問題が課されることがあります。実は読解力を身につけることは、作文も書けるようになるという副産物が手に入る、お得な勉強でもあります。

ここまで解説してきたように、読解問題を解く時には、「本文の論理展開を正しく追うこと」「段落や接続詞に注意して内容を理解すること」「設問の指示にきちんと応答すること」といったことが大切だとわかりました。

裏を返せば、接続詞の使い方などを工夫し、論理構造をよく考えて書けば、相手に伝わる文章が書けるということになります。読解で身につけた「読み方」を、今度は「書き方」として応用してあげれば良いというわけです。

まず接続詞を適切に使いこなせることを目指し、頑張ってみましょう!

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国語力を効率良く伸ばしたいときに、おすすめの塾5選

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まとめ

国語で最も配点が高い読解問題の解き方についてまとめてきました。

もしかしたら、少し難しく感じる部分もあったかもしれません。しかし書かれている文章を正確に理解できる力というのは、高校受験だけではなく大学受験や、その先、社会に出てからもずっと必要になる、とても大切なスキルです。ぜひ、早いうちに正しい練習を取り入れ、お子さんの読解力を伸ばしていきましょう。

読解を伸ばすのは、読書ではなく「論理の力」です。そして論理の力は、正しい読み方を知って、初めて伸びていきます。もしご家庭でのトレーニングが難しいと感じたり、学校の授業だけでは成績が下がる一方…と困ってしまったりという場合は、学校の先生やお近くの塾に相談してみるのがおすすめです。

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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

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