中学生が夏休みにすべき受験勉強とは?教科別ポイントも解説

更新日 2024.08.07
中学生が夏休みにすべき受験勉強とは?教科別ポイントも解説

部活も引退し、時間がたっぷりある中3の夏休み。でも、燃え尽き症候群になっている暇はありません、高校受験まではわずかに半年!合格のためには、この夏休みが勝負です。

そうはいっても、具体的にどんな勉強をすれば合格に近づけるのでしょうか。今回は中3受験生が、高校入試に向けて夏休みにやっておくべき勉強について解説します。教科別に対策のコツもまとめました。夏休みの計画を立てる前に、ぜひご一読ください。

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夏休みは受験勉強のチャンス!その理由とは

夏休みはまとまった勉強時間がとれる“最後の機会”
夏休みはまとまった勉強時間がとれる“最後の機会”

夏休みは受験生にとって「天王山」、つまり勝負の分かれ目となる大事な機会だといわれます。でも、どうしてそれほどまでに夏が大切、といわれるのでしょうか?

夏休みは受験勉強のチャンス!その理由とは

(1) 夏休みは基礎力完成の「最後の機会」

高校受験で最も大切なのは「5教科の基礎力」です。基礎力なくして、応用問題や入試問題を解くことはできません。秋からの半年を入試に向けた実戦演習に充てるためにも、夏休みは基礎力を完成させる最後の機会なのです。

夏休み中は学校の授業が進みません。新出単元がなく、勉強に余裕がある夏休みに基礎を完成させられるかどうかが、秋以降の受験勉強の差につながります。

(2) 勉強だけにたっぷり時間を割けるのも夏休み

部活引退後の夏休みは、中学に入って初めて勉強だけに時間が割ける長期休み、という中学生も多いのではないでしょうか。そんな夏休みは、十分に勉強時間を確保できる最後のチャンスでもあります。夏休みの次には冬休みがありますが、夏休みほどの長さはありません。

夏休みはぜひ、長時間勉強に挑戦しましょう。長い時間勉強できる体力は、勉強を続けることでしか養えません。夏休みを利用して、この先半年続く受験勉強を乗り切る「勉強体力」を身につけてしまいましょう。

(3) ライバルに差をつける勉強も可能

夏休みは、普段手が回らない分野の勉強にも取り組める機会です。数学の「場合の数」「確率」、国語の「文法」など、後回しにしやすい単元の勉強も進めてみましょう。

これらは、みんなが苦手・みんなが後回しにしやすい単元でもあります。ちょっと面倒だなと思うことに敢えて取り組むと、ライバルに差をつけることができますよ。高校入試は1点の差で合否が決まることもありますから、どの分野の勉強も貪欲なくらいで丁度良いのです。

夏休みの高校受験対策のポイント

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(1) 全教科共通:基礎力を身につけることが最重要

「基礎=簡単」というイメージがあるでしょうか。しかし、実際は多くの中学生が最も苦労するのが、基礎力の養成です。中1からの学習範囲のすべてを理解・暗記しなければならない基礎力は、一朝一夕でなんとかなるものではありません。

だからこそ、早めに完了させることが大切なのです。中3の夏休みは、教科書をマスターすることを最優先事項にしてください。夏休みに基礎が完成できると、2学期からは定期テスト対策と入試演習だけに集中でき、成果が出やすくなります。

(2) 勉強の計画を立ててから進めることも大切

勉強は「なんとなく」「手が付けやすいものから」始めてはいけません。計画を立てずに受験勉強を始めると、受験勉強全体が虫食い状態になるおそれもあります。

夏休み中に取り組みたい勉強内容を洗い出し、何を(教科・教材)・どこまでやるかを計画してから取り組むことが大切です。

(3) 苦手教科は夏休み中に克服を!

苦手教科は、夏休み中に克服しましょう。2学期からは定期テストの問題も難しくなるため、苦手があると点数がどんどん下がってしまいます。

また苦手ではない教科でも、難しくなることでこれまで以上に時間がかかるようになります。苦手教科の克服に回せる時間はどんどん減ると思っておいてください。だからこそ、苦手は夏休み中の克服が大切なのです。

(4) 進捗管理と実力チェックを習慣に

「進捗管理」とは、勉強が計画通りに進んでいるかを定期的に確認する作業のことです。夏休みの終わりになって、間に合っていなかったことに気づくことがないように、日々進捗をチェックすることは欠かせません。また、必要に応じて計画を修正することも大切です。

実力チェックも、時々取り組むのがおすすめ!過去の定期テストを解き直したり、模試を受けたりすると、弱点の発見やモチベーションアップにもつながりますよ。

(5) 規則正しい生活と睡眠を確保する

生活リズムが崩れ、勉強がうまく回らなくなる…、というのは受験生の夏休みにありがちな失敗です。熱心なあまり深夜まで勉強し、朝起きられなくなる受験生や、暑さで疲れがたまり、三食・睡眠のリズムが乱れる受験生もいます。

受験勉強と受験本場を乗り切るには、健康と体力が何より大切!夏休み中も、規則正しい生活と睡眠時間確保を意識しましょう。決まったスケジュールに沿って、涼しい環境で勉強させてくれる夏期講習を利用するのもおすすめです。

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受験生の夏休みはどれくらい勉強すべき?

受験生の夏休みは「1日8時間勉強」が目標
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他のお子さんは、夏休みに何時間くらい勉強しているのか、気になるところですよね。1日4時間?5時間?それとも10時間!?受験生の勉強時間について、調べてみました。

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(1) 1日の勉強時間の目安

高校受験生の夏休みは、1日8時間勉強するのが目安だといわれています。

1日24時間のうち、睡眠時間に8時間+勉強時間に8時間を割り振っても、まだ8時間残ります。食事やリラックスタイム、塾への移動などを考えても、8時間あれば十分ですよね。睡眠時間を削るのはパフォーマンスを下げる原因になるので、8時間は寝るようにしましょう。

受験勉強が8時間と聞くと長く感じるかもしれませんが、午前中に4時間(8時~12時)勉強できれば、午後と夜で4時間です。意外とできそうではありませんか?

「1日8時間」を目標に、勉強計画を立ててみましょう。

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(2) 受験勉強は「無理せず継続できること」が大切

夏休みは大切だといっても、無理はいけません。「今日は12時間頑張るぞ!」と張り切っても、疲れて翌日まったく勉強できないようでは、総勉強時間はむしろ少なくなってしまいます。

受験勉強は、夏休み以降も続くものです。継続可能な勉強スタイルを確立するのも、夏休みの大切な役割です。頑張ることと休息のメリハリも意識して見てあげてください。

教科別!夏休みの受験勉強のコツ

基礎力完成までのポイントを教科別に解説
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中学生の夏休みに、必ず押さえたい受験勉強のポイントを解説します。不安がある分野は、優先的に学習計画に組み込みましょう。

(1) 英語

高校受験英語で最も重要なのは、英単語力と文法力です。

英単語は、これまで習った単語が「正しく読めて/書けて/意味がわかるか」チェックしましょう。教科書以外にも、テストや問題集で登場した単語も押さえたいですね。

次のような、スペルが似ている単語は特に要注意です。

スペルが似ている単語の例
●walk(歩く) work(働く)
●play(する) pray(祈る)
●quite(かなり) quiet(静かな)
●heart(心) hurt(傷つける)

文法は学校ワークなどで一通り復習してから、不安な単元を入念に繰り返しましょう。高校入試でよく出る文法事項は、自信を持って解けるレベルにしておきます。

高校入試頻出の英文法
●助動詞
●時制(※ 現在完了形は特に重要!)
●受動態
●構文(※ so~that…/ There is/are ~ など)

教科書ワークの後は、入試の英文法問題を解くのもおすすめです。

(2) 数学

高校受験の数学は、「正しくスピーディーな計算力」と「定義・定理の正しい理解」が最重要です。

計算は「どうしてそうなるのか」と考えながら練習するのが、上達の秘訣!教科書基本~章末問題を中心に、“そのように計算する理由”を説明できるか確認してみましょう。

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関数や図形分野は、「定義・定理」を確認します。間違って覚えているものや、あやふやな箇所があったら、しっかり理解しておきましょう。秋以降の応用問題演習は、「正しい理解」があってこそ進みます。理解のサポートには、教科書ガイドや映像授業コンテンツ、塾の夏期講習などの利用がおすすめです。

(3) 国語

夏休み中に漢字・文法をマスターしておきましょう。漢字は正しく書けるように、文法は品詞の識別やはたらきを復習しておきましょう。

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読解問題は「根拠を持って解答する」意識をつけることが大切です。選択問題でも記述問題でも、「なんとなく」「これっぽいから」という答え方は卒業しましょう。本文のどこが根拠になり、その解答になるのか、と説明できる状態を目指します。解説も丁寧に読み、本文や問題文を正しく読み取れているか確認することも大切です。

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(4) 理科・社会

理社は、これまで勉強した単元の重要用語や実験の目的・手順、出来事の因果関係といった基本事項を総復習しましょう。教科書を見ながら、一問一答式の問題集を進めるのが効率的なやり方です。これまでの定期テストを解き直すのも、良い勉強になります。

また理社は、中3の2学期以降に扱う単元も入試に出題されます。2学期以降は新出単元の勉強に集中するためにも、既習範囲は夏休みに完成させておきましょう。

(5) 過去問に取り組む際の注意点

夏休み中に高校入試の過去問に取り組む場合は、解けなくても焦らないことが大切です。

入試問題には、中3の2学期以降に習う単元も含まれます。また、夏休みにはまだ入試レベルの問題演習が済んでいない、ということもあります。焦らずに、夏休み中は基礎を徹底的に磨きましょう。

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塾の夏期講習もおすすめ!

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「受験勉強は何からやればいいか分からない」と悩む中3生には、夏期講習の利用もおすすめです。

(1) 中3生が夏期講習を受けるメリット

夏期講習は「中学別」「志望校別」など、目的に合わせて最適化されたカリキュラムで勉強できるのが最大のメリットです。勉強すべき内容や優先順位もすべて受験のプロである塾が綿密に組んでいますから、効率良い勉強が実現するでしょう。

また、自力で立てるのが難しい学習計画の相談ができることも見逃せません。「何を・どこまで・どのように」勉強すべきかアドバイスが受けられるので、勉強に迷うことがなくなります。

毎日決まったスケジュールで授業が行われるので、生活のメリハリを保ちやすいのもメリットだといえます。

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(2) 2学期のテスト対策にもなり、一石二鳥!

中3の夏期講習は、受験対策が主な目的。そのため、2学期のテスト対策を兼ねる場合もあります。なぜなら「内申書」には2学期までのテスト結果が記載されるから!合格を盤石なものにするためにも、夏休みに2学期のテスト対策をすることは理にかなっているのです。

2学期のテスト対策のやり方は、学習内容の先取りをする塾や応用問題の演習をさせてくれる塾など、さまざまです。気になる塾には、具体的な内容を問い合わせてみると良いでしょう。

(3) 自分に合う塾や夏期講習の選び方

受験生の塾や夏期講習は、志望校や習熟度、理解力、また勉強の癖や性格など、総合的に見て相性が良いことが重要です。

チラシやホームページだけで決めず、実際に校舎まで話を聞きに行くようにしましょう。校舎の立地や雰囲気、校舎長の人柄、通う生徒の表情など、訪問して初めて分かる情報もあるからです。

お子さんにピッタリの塾を見つけるには「塾探しの窓口」の利用も便利です。お住まいの地域と学年を入れるだけで、希望に合う塾が簡単に比較できます。塾探しを時短したい方にもおすすめですよ。

まとめ

受験まで残り半年あまり、中学3年生の夏休みはどう過ごすべきか解説してきました。

受験生にとっての一番の敵は「時間」だといわれます。合格できるのは、限られた時間を目標達成のために、最大限有効に使えた受験生だという意味です。

夏休みは5教科の基礎力を完成させることが必須課題!自力での対策が難しい場合は、すぐに塾に相談してみてください。迷っている時間も勉強した方が合格に近づきますから、親御さんもお子さんもスピーディーな行動を心がけましょう。

お子さんの第一志望合格を、心から応援しています。

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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

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