【例文つき】合格できる自己推薦書の書き方5ステップ

更新日 2024.10.01
【例文つき】合格できる自己推薦書の書き方5ステップ

「出願書類に『自己推薦書』があったけれど、何を書けばいい?」「自己推薦書の書き方に決まりはある?」など、毎年推薦入試が始まる時期になると、書類の書き方に悩む受験生が増加します。

出願書類はさまざまな種類があり、それぞれに適した内容をふさわしい書き方でまとめることが大切です。

では「自己推薦書」とはどのような書類で、何を書くべきなのでしょうか。

この記事では合格できる自己推薦書の書き方を、詳しい手順とともに解説します。真似できる例文もついていますので、書き方に迷ったときはぜひ参考にしてください。

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自己推薦書とはどんな書類?

自己推薦書は自分の個性を出願校にアピールする書類
自己推薦書は自分の個性を出願校にアピールする書類

自己推薦書とは「自分はどのような人間か」を出願校に伝えるための書類です。

推薦入試・総合型選抜などで出願書類の1つとして提出が必要なケースが多く、指定のフォーマットに合わせて作成します。

「自分がこの学校にふさわしいと思う理由」「入学後に学びたいこと」「将来の目標」など、書くべき内容を指定される場合もあります。

大学入試の場合は1,000~2,000字程度、高校入試では400~800字程度が多いようです。

【参考】上智大学・推薦入学試験(公募制)自己推薦書

※ 引用:推薦入学試験(公募制)|上智大学

【参考】東京都立高校「自己PRカード」

※ 引用:都立高等学校入試案内等|東京都教育委員会

自己推薦書と志望理由書の違い

両者は似ているが、目的を理解すると違いが明確になる
両者は似ているが、目的を理解すると違いが明確になる
自己推薦書と志望理由書の違い

自己推薦書とよく似た書類に「志望理由書」があります。それぞれの違いは、次のとおりです。

  • 自己推薦書:自分をアピールする書類
  • 志願理由書:入学したい理由を説明する書類

したがって、重点的に書くべき内容も異なります。

自己推薦書には、自分が出願校にふさわしい理由や入るべき理由をまとめます。「なぜ自分を合格させるべきなのか」を書くのだと考えましょう。

志願理由書には、なぜ自分は出願校に入学したいと思ったのかをまとめます。志願したきっかけや、入学後に力を入れたいことを書きます。

自己推薦書の書き方・手順5ステップ

いきなり原稿用紙に向かうのはNG!順を追って書くのがコツ
いきなり原稿用紙に向かうのはNG!順を追って書くのがコツ

「自己推薦書を書かなきゃ」といきなり用紙に向かっても、書く内容や順番、分量がわからず途方に暮れてしまいますよね。

自己推薦書を書き上げるコツは「書ける手順」に沿って進めることです。自己推薦書の書き方を5つの手順に分けて解説します。

自己推薦書の書き方・手順5ステップ

(1) これまでを振り返り、書く要素を決める

はじめに、書く内容を整理します。

自分のこれまでを振り返り、どのようなエピソードが書けそうかメモに書き出しましょう。この段階ではまだ、さまざまな話が雑多に並んでいて構いません。できる限り多くのエピソードや思いを書き出すことを心がけてください。

実際に書く内容は次のステップで精査します。

(2) 出願校を研究し、自分がふさわしい理由をまとめる

次に手順1で集めた要素を精査し、どのエピソードや思いを書き入れるか選び出します。

このとき、出願校や募集要件に合った内容を選定するよう心がけてください。

たとえば、「外国語の運用能力や国際的な興味関心が強い人物」を募集している学校にスポーツの実績をふんだんに盛り込んだ自己推薦書を提出しても、関心を持ってはもらえないでしょう。

アドミッションポリシーや教育方針、卒業後の進路などをよく研究し、出願校にふさわしいと自信をもって言える要素を抽出してください。

(3) 書く要素を順番に並べる

手順2で選定した要素を、書くべき順番に並べます。

自己推薦書の場合、次の順番で要素を並べるとまとまりやすくなります。

  1. 将来の夢・ビジョン
  2. 夢を抱くに至ったきっかけ
  3. 夢に向かって在学中に力を入れたこと
  4. 入学後に力を入れて取り組みたいこと

具体的なエピソードはかならず入れましょう。話に具体性と真実味が生まれます。

ただし、「あれもこれも」と欲張って多方面に言及すると、かえって話がぼやけてしまいます。とくに伝えたいことに絞り、それを深掘りして書くことも大切です。

(4) 実際に書き、文字数や表現を調整する

いよいよ、実際に書いてみます。書類の書式をコピーし、書くべき要素を決めた順番に従って書いていきましょう。

書き始める前に、要素ごとにおよその文字数(あるいは行数)を配分しておくのもおすすめです。文字数の目安を身ながら書くと、書きすぎや不足を防げるからです。

表現に迷ったり、よりふさわしい言い回しを探したりしたいときは「連想類語辞典」を利用しましょう。

(5) 添削してもらう

書きあがった原稿は、受験に詳しい大人の添削を受けてください。添削者に向いているのは、以下の人たちです。

  • 学校の先生(国語科、進路指導担当)
  • 塾・予備校の先生
  • 家庭教師

添削を受けた原稿は、必ず先生たちの指示を参考にして書き直します。修正し、添削してくれた先生のOKが出たら清書し提出しましょう。

なお、身近に頼める学校の先生がいない場合、自己推薦書の書き方や書くべき内容の抽出に困ったら、推薦入試専門塾のサポートを受けるのもおすすめです。「総合型選抜専門塾AOI」ならオンラインでも指導可能なため、地方にお住まいの方でも出願書類の相談や添削が受けられます 。

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自己推薦書に書き入れたい要素3つ

これを入れると自己推薦書が締まる!書きやすくなる!
これを入れると自己推薦書が締まる!書きやすくなる!

自己推薦書にかならず取り入れたい要素は、3つあります。書き加えたい理由と合わせて、出願校に目を留めてもらえる書き方のポイントを解説します。

自己推薦書に書きたい3つの要素と注意点

(1) 自分の長所

長所は自分のよい面です。しかし「明るい」「元気」「積極的」など、抽象的で一般的な書き方をしても出願校には響きません。 自己推薦書に長所を書く理由は「客観的に自己分析できていること」をアピールする点にあります。長所そのものより、長所を長所として把握するに至った経緯に注目し書いてみましょう。

以下の例でAとB、説得力があるのはどちらでしょうか?

A「私の長所は積極的なところです」

B「クラスや部活動で〇〇のような自主的な取り組みを続けていたら、先生から『積極的で良い』と声をかけてもらえました。自然と積極性が持てるところが、私の長所だと自覚しています」

説得力があるのはBですよね。長所を把握した経緯を書くと、話の具体性が増すというメリットもついてきます。

(2) 独自性の強い経験

自分ならではの経験も、ぜひ書き加えましょう。志望理由や将来の夢に結びつけると、オリジナリティの高い自己推薦書が完成します。

留学や国際交流などの特別な経験でなくても構いません。日常的な、普段の自分なら見逃してしまいそうな当たり前の中にも、自分ならではの経験や観点は隠れています。

◎ 独自性の強い経験の例
● 部活で意見が対立したメンバーの仲介をすることが多かった
→ 異なる価値観を持つ人の橋渡しができる人材になりたい

● 弟が事故で数か月間車いす生活となり、自分も生活をサポートした
→ ハンディを持つ人が暮らしやすくなるサポートがしたい

● 友だちから恋愛相談をされることが多かった。話しやすいらしい
→ 人の悩みを聞くという得意を活かし、メンタルサポートの道に進みたい

(3) 入学後の目標や将来のビジョン

入学後に力を入れたいこと、また将来の夢やビジョンも書きましょう。

ただし、募集要項や教育方針、アドミッションポリシーに沿った内容であるよう注意します。

国際的な学びに力を入れる学校なら留学や英語資格試験の取得への意欲を、基礎研究に力を入れている学校なら研究者として貢献したい意志を書くと、書いた内容に一貫性が生まれます。

(4) 注意!事実でないことは書いてはいけない

「良く見せたい」「もっと文字数が必要」などの理由から、事実ではないことや誇張した内容を書きたくなるかもしれません。

しかし事実以外は書かないようにしましょう。

面接で自己推薦書の内容に関して深く質問されることもあるためです。嘘や誇張が書かれていると話のつじつまが合わなくなり、面接官に疑念を抱かせる結果になります。

自己推薦書例文

受験に詳しい塾「探しの窓口」編集部が、自己推薦書の書き方にのっとった例文を作成しました。

書き方に迷ったら、ぜひ参考にしてみてください。

大学入試用・高校入試用ともに、400字程度です。もっとボリュームが必要なときは、「具体的なエピソードを盛り込む」「自分の思いを盛り込む」など工夫してみてください。

(1) 大学入試用

大学入試用の自己推薦書の例文
私は高校の交換留学制度を利用し、高校1年生の夏休みにイギリスに行きました。イギリスで見た「互いの個性を等しく尊重する」あり方に衝撃を受け、個性を生かし人々が自分らしく生きられる社会づくりに貢献したいと思うようになりました。

私は幼いころから容姿にコンプレックスを抱えており、そのせいで自分を卑下し卑屈になることが当たり前になっていました。「このまま大人になるのか、生きている価値はあるのか」と思いつめたこともあります。

しかしイギリスで私がコンプレックスだと感じていた容姿も「個性」なのだと教えてもらいました。考え方も前向きになり、視野や価値観も広くなったように思います。一人ひとりの個性を自然と尊重できる社会が実現すれば、もっと多くの人が生きやすくなるはずです。

社会構造や社会的心理の研究に力を入れている貴大学で学び、個を尊重し合える世の中づくりに貢献できる人材になりたいと考えます。

(2) 高校入試用

高校入試用の自己推薦書の例文
私には年の離れた弟がいます。私は共働きだった両親を助けながら、弟の世話もしてきました。その経験から、保育士になりたいという夢を持っています。

両親は弟が赤ちゃんだった頃から保育園に預けていました。親が「保育園があるから働ける」「うちの子をよく見てくれて本当にありがたい」と話す様子を見て、保育園は単に子どもを預かるだけの場所ではない、家庭を支える役割もあるんだと驚いた記憶があります。

近年は幼児虐待や育児放棄など、悲しい事件も数多く見聞きします。保育園のように親が子どもを預けられる場所がもっと増えれば、救える家庭も多くなるかもしれません。

保育園が増えるためには保育士が必要です。もちろん、保育や子どもの発達に理解があり、質の高い保育士でなければ意味がありません。

私はキャリア教育に力を入れており、かつ地域の保育園や幼稚園での職場体験の機会が多い貴校で、将来の夢に向かって知識や経験を蓄えたいと思っています。
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評価が高まる自己推薦書の書き方ポイント3つ

書類審査を通過するには「会ってみたい」と思わせること
書類審査を通過するには「会ってみたい」と思わせること

自己推薦書の評価を高め、書類審査を通過しやすくするポイントを3つ解説します。ちょっとしたコツばかりなので、ぜひ取り入れてみてください。

評価が高まる自己推薦書の書き方ポイント3つ

(1) 入試日程によって重視される要素を書き分ける

入試日程が複数ある大学入試の場合、日程によって重視される要素が異なるケースがあります。

たとえば推薦入試は基準を満たす学生を求める日程ですが、総合型選抜(AO入試)は大学のアドミッションポリシーに合致する学生を求めます。

総合型選抜に出願する際の自己推薦書であるにもかかわらず、アドミッションポリシーを無視した内容を書いていての合格は難しいでしょう。

「出願校が知りたいこと」を想像し、丁寧に書き込む配慮を忘れないでください。

(2) かならず複数の先生に添削してもらう

複数の先生に添削してもらうと、先生によって赤を入れるポイントが異なることに気付きます。

先生の個性や得意分野、これまでの経験などにより着眼点が異なるためです。どちらの先生が良い・悪いではなく「さまざまな見方がある」と学べる機会となるため、可能な限り複数の先生に添削を依頼しましょう。

多くの人に見てもらうほど、多くの人にとって分かりやすい文章になります。入試本番で自己推薦書を見るのは、あなたのことを全く知らない出願校の試験官です。多くの添削を利用し伝わりやすい文章を完成させておくのは、大切な準備だといえます。

(3) 誤字脱字やおかしな言い回しには注意する

誤字や脱字、おかしな言い回しは限りなくゼロを目指しましょう。

せっかくの良い話も「誤字脱字がひどい」「表現が不適当」などのミスがあると、読んでいる方は内容がスムーズに頭に入ってきません。

以下は、大人でも間違えやすい日本語の例です。正しい使い方を確認しておきましょう。

なお、書き言葉としては正しい方を用いるべきですが、「荒らげる」のように公共放送でも誤用のほうも使用許可されている用語もあります。言葉は時代に合わせて変化していくため、合っているか間違っているか不安ならば別の表現に変えましょう。

◎ 誤用しやすい慣用表現
誤:足元をすくわれる
正:足をすくわれる

誤:声をあらげる
正:声をあららげる
※ただしこの表現は、最近はどちらも使えるようです(参考:NHK放送文化研究所)。

誤:押しも押されぬ
正:押しも押されもせぬ

誤:ありえる
正:ありうる
◎ 意味を間違えやすい表現
「気が置けない」
誤:気が許せない、油断できない
正:気遣いの必要がない、遠慮が要らない

「確信犯」
誤:悪いとわかっていながら故意に行う犯罪
正:信念に基づき正しいと信じて行う犯罪

「姑息」
誤:卑怯、ずるい
正:その場しのぎ、一時的な間に合わせの対応

自己推薦書対策・推薦入試対策におすすめの塾5選

生徒一人ひとりを細やかに見てくれる個別指導がおすすめ
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推薦入試など、自己推薦書が必要な入試の対策は、多様な側面からの支援が必要です。自己推薦書に書く自分の経験の棚おろしや、将来の目標の裏付けとなる社会情勢の把握など、受験生が自分一人の力で進めるのは難しいケースもあるでしょう。

塾の力を借り、プロのサポートを受けてみることも選択肢のひとつです。受験指導経験が豊富なプロに指導してもらうことで、自分では気づけない着眼点や書くべき要素に気づける場合があります。

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まとめ

自己推薦書は「どう書けばいいかわからない」「改まって書く内容が思いつかない」などの理由で、つい先延ばしにされがちな書類です。

書くべき内容から考えないといけない点では、他の書類よりハードルは高いかもしれません。

しかし書く内容を自分で考えられる自己推薦書は、志望校に自分をアピールできるまたとないチャンスです。合格したい熱意、自分が頑張ってきたことをふんだんに盛りこみ、魅力的な自己推薦書を書き上げましょう。

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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

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