学習塾の口コミ比較サイト「塾探しの窓口」が運営。初めて塾を探されている保護者に向けて、塾を探す上での基礎知識や塾選びを成功に導くためのポイント等を、わかりやすくお届けします。
予備校の費用はどれくらい?予備校の費用相場と抑える方法を解説
予備校に通うと、規模の大小にかかわらず、一般的には1年間に100万円前後かかります。また、現役生よりも浪人生の方が費用がかかる傾向があります。
「相場より安い予備校はないの?」
「現役と浪人で、予備校に通うと年間どれぐらい差があるの?」
など、費用についてお悩みの方も多いかもしれませんね。
この記事では大学受験予備校を検討している生徒さん・保護者の方に向けて、
・大学受験予備校にかかる年間の費用相場(現役・浪人)
・予備校の費用を抑える方法
・自分に合った予備校の選び方と予備校選びの注意点
を解説します。実りある受験期間を過ごすために、お子さんに合った予備校を選ぶ参考にしてください。
予備校の一般的な費用相場
予備校には中規模から大手まであります。一般的に、大手予備校の1年間の費用相場は以下のとおりと考えておけばよいでしょう。
大学受験生向けの講座を設けている集団塾などでも、おおむねこれに近い金額になるようです。
・5講座:44,000円(値引き後)
5講座×10カ月(4月~1月)=440,000円(季節講習費が別途加算されます)
小規模の学習塾、オンライン学習塾では相場よりも安くなる傾向があります。志望大学に合格した先輩や知人が通っていた塾や、ネットで評判の良い塾があった場合は、資料を取り寄せてみましょう。
①駿台予備校
②河合塾
③東進ハイスクール
単純な額面だけを比較すると東進ハイスクールの費用が安く見えますが、東進では映像授業の受講ペースを自分で決めるため、講座数を増やしてしまうと、駿台や河合塾よりも費用が多くなってしまうこともあります。本当に自分にとって必要な費用なのかを考えて受講科目を決めるようにしましょう。
駿台予備校や河合塾は、現役生の場合、受講科目は自分で選ぶシステムになっています。ある程度ポイントをおさえたカリキュラムが出来ているので、不安があれば一般的な受講コースを選んで弱点をなくすように努めてください。
また「医学部進学専門予備校」をうたう予備校が存在します。年間数百万円以上かかるところもあります。先祖代々開業医で、跡を継がさなければならないご家庭がお子さんを入塾させる傾向があります。
医学部専門予備校では、上位クラスの合格実績だけを出しているケースもあるため、年間費用合計と同時に実績の出し方についても注意が必要です。しかし成績が規定を満たしていれば医学部に特化した授業を展開してくれるので、合格確率は上がります。自分の実力と、出せる費用との兼ね合いで選びましょう。
何にかかる?予備校の費用項目
予備校では以下の項目に費用がかかります。予備校・塾によって無料のものや、追加で費用がかかるものなど異なるため、入会の際に確認しましょう。
⑤その他(チューター費用、暖房費、施設利用料、システム利用料など)
学習に付随する費用です。名目はさまざまで、予備校・塾によって異なります。チューター費用やコーチング費用は詳細が不明瞭なケースもあるので、事前に説明してもらうようにしましょう。
文部科学省「子供の学習費調査」
この調査では大学受験をしない生徒も含めて平均を算出しているため、高校3年生で年間20万円程度になっていますが、塾に通っていない生徒も半数以上いるため金額だけを参考にすることはできません。
塾は義務教育ではないので費用をかけないこともできますが、現代の大学受験は情報戦のため、なるべく費用を抑えながらも予備校の情報力は利用したほうが有利です。どうしても予備校に通うことが出来ない場合も、駿台模試・全統模試などの大手模擬試験だけは定期的に受けるようにしましょう。
高校生の塾費用について、詳しくは以下の記事をご参照ください。
もっとお得に!予備校の費用を抑える方法
予備校の費用が思った以上に高くて困惑した方もいるかもしれませんね。ここでは予備校の費用を抑える方法を紹介します。
(1)キャンペーン・割引特典を利用する
ほとんどの予備校では、入会金を割引または無料にするキャンペーンや、割引特典を用意していることが多いです(予備校ごとに異なります)。
たとえば河合塾では、通年で以下のような入塾金割引を行っています。(年度により異なる可能性もあるため、詳細は要確認)
●全額免除(0円):2015~2022年度に所定の河合塾系列塾等に所属していた・受講した場合(詳細はHP確認)
●半額免除(35,000円+税):2021~2022年度において講習受講生だった・河合塾実施の模試受験生だった・個別相談、入塾説明会、体験授業へ参加した・Kei-Net会員だった・インターネットから入塾の申し込みをした
●1万円免除:2015年~2022年度に兄弟姉妹が河合塾生で入塾していた・所定の河合塾関連塾等で入塾手続きをしていた
上記は河合塾の例ですが、駿台予備校や東進ハイスクール・東進衛星予備校、その他の予備校でも入塾金割引や無料のキャンペーンを行っています。
特に、入会金割引キャンペーンは通年で行われています。使える特典がないか確認してみましょう。
どこがいいか決められないほど迷っているなら、わかりやすく「少しでも多く値引きされる予備校」を選ぶ方法もあります。
(2)特待生制度・スカラシップ制度などを利用する
入塾金の割引特典はどの予備校・塾でも用意されていますが、月々の費用が割り引かれる制度は成績優秀者特待のみです。この制度については、成績優秀者のみが対象になるため、制度の詳細を知らない方がほとんどかもしれません。
例えば河合塾の場合、全統模試で一定の成績を上げていると年間費用が割り引かれます。
初年度京都大学を受験して不合格(早稲田・慶応・上智の下位学部は合格)。浪人を決め、入塾を電話で問い合わせた際に割引があることが告知されました。
高3の1年間を通してずっとA~B判定だったわけではありません。最も判定の良かった結果が反映されているようです。入塾後は無試験で東大コースに入れました。
ネットの口コミなどでは、河合塾の割引率は数万円~半額程度とのことです。筆者のケースでは数十万円安くなりましたが、半額ではありませんでした。成績により判定基準があり、割引段階が決まっていると考えられます。
なお特待生制度は河合塾の場合、基本的に高卒生が対象のようです。
駿台予備校の場合は、スカラシップ制度と呼ばれます。駿台模試の成績で50位以内、または大学別模試でかなり上位の順位を取れている場合に特待生への打診があるといわれています。また現役高校生でも継続して上位の成績を取れていると打診があり、学費が全額または一部免除となります。
駿台予備校のスカラシップ制度の基準は、河合塾の特待生制度よりも難易度は高いとされています。
特待生制度やスカラシップ制度は、詳細が対象の生徒にしか明かされていない面があります。特に現役生の選定基準は公開されていないため、特待生となった生徒が身近にいないと知るチャンスもないかもしれません。自分の成績で可能性がある場合は、直接各予備校にお問い合わせください。
(4)通学費補助が利用できる(浪人生)
実際に通うことになってからですが、規定の月数通うことが予定されている場合、通学費用の学割が申請・利用できます。
浪人生は国の定めた「高校生」「大学生」ではありませんが、学割価格になるように予備校が差額を返金してくれる仕組みになっています。
ただし、駿台予備校や河合塾では年度の最初から通うと取り扱ってくれますが、例えば夏休みから通うなど期間が1年に満たない場合は、利用できないケースもあります。何カ月以上在籍すれば学割制度対象者になるのかは、各予備校に問い合わせるようにしてください。
予備校の費用に関する注意点
「安いからここにしよう」と安易に決めてしまうと、後から想定外に高い費用を請求されてしまった…ということになりかねません。決める前に知っておきたい注意点を解説します。
【注意点1】志望大学の指導ができる講師はいるか確認する
小規模な塾で大学受験対策をしてくれるところもあります。費用はおおむね大手予備校よりも安いため、条件によっては非常にお得と感じられるかもしれません。
しかし、小規模塾では、大学受験の指導ノウハウを講師のスキルに頼っていることもあるようです。そのようなケースでは、良い講師に担当してもらえなければ通っている意味がなくなってしまいます。志望大学合格のための指導が受けられないと、お金を払う意味がありませんよね。
入会前に、志望大学向けの指導をしてくれる先生がいるか、受け持ってもらえるか。また、その塾で受験の最新情報は取得できるか、志望大学の合格実績はあるか、確認しましょう。
【注意点2】個別指導塾やコーチング塾は、料金体系をチェックする
個別指導塾やコーチング塾では、受講講座が増えれば増えるほど費用がかかるのが通常です。中には相場よりも高く、授業の取り方やサービスの受け方によっては年間150万円を超える個別指導塾やコーチング塾もあります。
必要な講座は受講したほうがよいですが、「あれもこれもと追加した結果、身につかず費用が無駄になってしまった」と後悔するケースも毎年実際に起こっています。
志望大学のレベルと自分の現在の学力を冷静に見極め、合格に必要な勉強量がどれくらい必要か、入会する前に尋ねてみましょう。細かく事例を挙げて答えてくれる予備校や塾は、信頼がおけると考えられます。
まとめ
大学受験予備校の費用について、1年間の費用相場、どんな費用がかかるのか、費用で予備校を選ぶ場合の注意点、予備校費用を抑える方法について解説しました。
大学受験のために予備校を活用すると、情報力で優位に立てることは間違いないでしょう。予備校に入学して与えられた課題をこなし、自分の弱点を押さえて努力することで志望大学への合格確率は上がります。
しかし費用をやみくもにかけてたくさんの授業やコースを受ければいいというものではありません。またご家庭の事情・都合で予備校にかけられる金額が限られていることもあるでしょう。そのようなときには予備校にこだわらず、大学受験の実績がある、希望する費用でおさまる小規模な塾を探すのもひとつの方法です。
予備校や塾を探す場合は「塾探しの窓口」もぜひご利用ください。現役生から浪人生まで、エリアや条件で探すことができます。資料請求や無料体験授業の申し込みも一括で申請できるため便利です。予備校や塾探しに時間をかけず、お子様に合ったところを早く見つけ、早めに受験体制に入ることがスムーズな合格の秘訣です。この記事の情報がより条件に合う予備校・塾探しに役立つことをお祈りします。