【大学受験】高校生が勉強すべき時間は?高1・2・3年生別に解説

更新日 2024.01.26
【大学受験】高校生が勉強すべき時間は?高1・2・3年生別に解説

「大学受験に向けて、どのくらい勉強時間を取ればいいのかな?」

「自分の目指す大学に合格した先輩と同じ時間、勉強できる気がしない…本当にそんなにやらないといけないの?」

「今の勉強時間で十分と思っていたけれど、他の人がどれくらいやっているのか、自分は多いのか少ないのか気になる」

大学受験を目指す高校生にとって、このような悩みをもっている人も多いのではないでしょうか。大学合格のためには、もちろん勉強時間の確保は重要です。しかし、勉強は「時間=量」だけではなく、その勉強のための「集中力や内容の密度=質」がさらに大切です。

この記事では、大学受験を志す高校生が、どのくらいの時間勉強すべきなのか、各学年に分けて説明します。また上手に集中する方法、勉強時間を増やす工夫などについても紹介します。

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高校生は大学受験合格のために何時間、どのように勉強すべきか

「質の高い学習」をいかに積み重ねるかが最も重要
「質の高い学習」をいかに積み重ねるかが最も重要

ここでは、大学受験合格を目指す高校生の「勉強時間」をさらに具体的に、データも参照しつつ考えてみましょう。

高校生は大学受験合格のために何時間、どのように勉強すべきか?

(1)【大前提】受験勉強は「時間=量」だけでなく、「質」が大切!

この記事では大学進学を目指す高校生に必要な勉強「時間」を紹介していますが、すでに少し触れたとおり、まず大前提として、勉強した時間について「ただ漠然と使った時間」では意味がないことをおさえておきましょう。

勉強は「単純な時間数」さえあれば効果が上がるものではありません。「集中して取り組む密度の濃さ(質)」×「時間(量)」が大切です。この記事で紹介する「時間」とは、「質」を担保した勉強を行う時間と考えてください。

大学受験は高校受験よりも、はるかに膨大かつ幅広い知識と、問題を見極めて時間内に解くための経験値が必要になります。それらを身につけるために勉強を積み重ねるわけですが、例えば「一日10時間勉強して東大に入った人がいるから自分も」と考えるのは早計です。同じ時間勉強したからといって同じ大学に合格できるわけではありません。人より多く勉強したから上位の大学に行けるわけでもありません。

「集中して考える・覚える時間」、すなわち「質の高い学習」をいかに積み重ねるかが最も重要になります。大学受験の勉強における「時間」とは、密度の濃い時間、集中している時間であることをおぼえておいてください。

ただし、人間が集中できる時間には限界があります。質の高い学習内容で量(時間)を積み重ねるにはどうすればよいかは、後ほど説明します。

(2)【データで見る】高校生の平均的な勉強時間はどのくらい?

実際に他の生徒がどのくらい勉強しているのか、気になりませんか?以下は高校2年生に対する、平日の家庭学習時間(塾・予備校などでの学習時間を含む)についての調査結果です。

※調査対象:高校2年生(公立普通科)。全国4地域(大都市(東京23区内)、および東北・四国・九州地方の都市部と郡部

平日の学校外の平均学習時間

(出典)Benesse教育総合研究所「第5回学習基本調査」報告書 [2015] 「家庭での学習 第2節 学校外の学習時間

注目したいのは、偏差値によって学習時間に差があることです。特に偏差値55以上の高校に通う生徒は他の偏差値帯と比較して大幅に時間が多く、平均して約2時間は平日に家庭・塾・予備校などで勉強しているとなっています。

またボリュームゾーンと考えられる偏差値50以上55未満に該当する生徒も、平均約85分(約1時間半)は勉強していることがわかります。この偏差値帯では大学進学以外の進路を希望する生徒も一定数いると考えられるため、実際に大学受験を目指す生徒の勉強時間はさらに長いと考えられます。

この調査では私立中高一貫校など、高偏差値大学に入学する率が高い高校は対象外のため一概にいえませんが、おおむね偏差値55以上の大学に入ることを目標とした場合、高校2年生で1日平均約2時間以上の勉強時間確保は必須といえそうです。

なお、偏差値55以上の大学とは、一般的には「GMARCHの一部の学部」「成成明学獨國武の準MARCH」「地方国公立大学」「関関同立の一部学部」(全て学部により偏差値は異なる)となります。

このランクの大学に入れる人数は、高校3年生全体の上位約30%といわれます。当然、それ以上のランク、いわゆる「最難関大学」を目指す場合はさらに学校以外の学習時間を増やす必要があるといえるでしょう。

【大学受験を見据えて】高校生が実際に勉強すべき時間は?

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ここでは大学受験を目指す高校生が、学年ごとにどのくらい勉強すればよいかの目安時間を紹介します。

ただし、あくまでも「目安」です。そして、勉強は継続できなければ意味がありません。生徒の個性や勉強のスタイル、得意科目かどうか、現在の学力などを考慮して、「毎日続けられる勉強時間」を決めてください。

(1)【学年別】平日に確保したい勉強時間

一般的に「学年+1時間」と塾などではいいますが、それだけでは不十分な場合もあります。

【大学受験を見据えて】高校生が実際に勉強すべき時間は?

①高1

あくまで目安、理想になりますが、高校1年生は、予習・復習・高校から出される課題を合わせて1時間~できれば2時間は確保したいところです。平日に時間が取れない場合は、1週間で平均して1日2時間程度になるよう、土日で調整をしてください。

この学年は、まず学習習慣をつけることが目標になります。また大学受験に向けて、できるだけ苦手科目を作らないこと、不明点を残さないことも目標にしましょう。

例えば数Ⅰなどは、曖昧にしていると2年生で数Ⅱを学んでいる間に忘れてしまうことも多いようです。そのため共通テストで数Ⅰの点が取れないという生徒は多くいます。高1でしっかり定着させておくと、忘れてしまっても復習することで比較的楽に思い出すことができます。

②高2

高校2年生は、予習・復習・高校から出される課題、それに加えて比較的難易度の低い入試レベルの問題に取り組みましょう。平日は1日平均1.5時間~できれば3時間を目標にしてください。

高校2年生は、学校での部活動などで中心となる学年です。後輩もでき、文化祭や体育祭などの催しでも3年生から頼りにされます。調査書の様式も変わって学校活動を詳細に記載されることになっているため、部活や学校活動をおろそかにすることはおすすめできません。特に推薦合格を狙う場合は、まずは学校での成績上位を安定させて内申点を取れるよう、意識して学習内容と時間を配分してください。

高2も高1と同じく、苦手科目と不明点をつぶしておくことに注力しましょう。基礎ができていないと、大学受験のハイレベルな問題には対応できません。

③高3

夏休み前・部活動終了までは高2と同じペースにならざるを得ないと思われます。その分、夏休み後・部活終了後~入試までは十分に毎日の勉強時間を確保する必要があります。

具体的には、夏休み前までは1日平均4時間程度、夏休みに入って以降は平日1日平均5時間、土日は6~8時間を目標にしてください。

ただし、これもあくまでも目安です。これまで部活三昧でまったく勉強してこなかった生徒が、いきなり5時間以上の勉強をできることはほとんど無いでしょう。そのような場合は、まず1時間を目標にして、少しずつ増やしていってくださいね。

(2)国公立大学・私立大学で必要な勉強時間は違うのか?

志望大学が国公立か私立かによって、学校での高校3年生の授業時間は異なります。私立大学は国公立大学より受験科目が少ないため(1科目~3科目が多い)、トータルの授業数が少なくなります。

しかし、勉強時間が短くてよいかといえばそんなことはありません。私立大学の試験問題は、かなり深い知識が必要なもの、小論文など独特の形式のもの、科目を分けず総合的な能力を問うものなどさまざまな種類があります。特に英語は、難関大学であるほどレベルが高く、公立高校で学ぶ教科書レベルでは到底太刀打ちできません

一方、国公立は共通テスト対策が必要なこと、受験科目が多いこと(大学による)などから、授業時間は高校3年生になっても多くなります。私立のような独特の、癖のある問題は比較的少ないですが、2022年1月に行われた共通テストでは数学Iの平均点が21.89点 と過去のセンター試験平均点を大きく下回りました。それ以外の教科も軒並み平均点が下がりました。その後2023年には上昇しています。

とはいえ、共通テストの今後の動向は単純には読めないため入念な準備が必要となります。また二次試験では大学ごとに試験問題に個性が出ます。

以上から、トータルで必要になる時間は国公立がやはり多くなりますが、私立大学は特に、受験する各大学の傾向と対策に時間をかけましょう。GMARCHレベル以上が第一志望の場合、過去問の周回数を多くしてください。

なお、国公立大学の滑り止めで私立大学を複数選ぶ際は、あまりにも受験傾向が違う大学は避け、第一志望の国公立の勉強の延長線上で解ける問題が多い大学を選ぶと無駄がなくなります。どの大学を組み合わせればよいかは、自分だけではなかなかわかりません。また調べるのに時間がかかってしまいます。塾や予備校を上手に利用して、勉強時間を確保してください。

(3) 公立高校では先取り学習を行う必要がある = 勉強時間がさらに必要!?

公立高校と私立中高一貫校ではカリキュラムが異なります。私立中高一貫校では高校3年生は受験対策に充てられるため、ほとんどの科目と単元が高校2年生までに終了します。そのため、学校のカリキュラムに従って学習内容を定着・維持できれば、高校3年生では受験対策に集中できます。

しかし公立高校では、少なくとも春~夏ごろまでは新しく学ぶ単元が組み込まれているため、特に難関大学を目指す場合は、高校2年生までに少し先取り学習を行っていく必要があります。

自学自習で先取り学習をすることは、多くの場合はかなり困難でしょう。中には自分で問題集を解いて理解できる生徒もいますが、通常は塾や予備校でこの先取りを行うことをおすすめします。

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勉強時間を増やす工夫3選

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大学受験で必要な「集中する時間」はある程度お分かりいただけたのではないでしょうか。「でも、部活も秋ごろまであるのに忙しくてそんな長時間は取れない」という生徒さんも多いかもしれません。ここでは、勉強時間を確保し、できれば増やすための工夫を紹介します。

【大学受験】高校生が勉強時間を増やすための工夫3選

(1)まずは5分、やるべきことを決めておく

スムーズな勉強への切り替えとスタートのために、「これをやる」ということを決めましょう。その際、時間がかかることではなく、5分程度で終わるものを選ぶのがコツです。

人間のやる気は行動によって呼び覚まされると言われています。何かを始めればモチベーションが後から上がる仕組みです。そのためには、短い時間で終わることをまずはやってみましょう。その5分が、そのあとの数時間を生み出します

(2)短い時間×回数でトータル時間を稼ぐ

人間の集中力は50分~長くても90分程度しかもちません。そのため高校や大学の授業は50分~90分と設定されています。実際には、その50分~90分の間にも何度か集中力は切れます。

おすすめしたいのは、15分程度の短い時間の学習を何度か繰り返す方法です。例えば15分ごとにタイマーをかけ、終わったら休憩を5分入れます。これを1日に繰り返します。

やっているうちに、試験時間の配分ペースや、自分がどの問題にどれくらい解く時間がかかるかなどもわかるため、ぜひ試していただきたい方法です。

(3)スキマ時間を活用する

高校生は忙しいですよね。通学・通塾の往復時間もかかります。目標としている時間がどうしても確保できないと、焦ってしまうかもしれません。

短い時間×回数の応用で、スキマ時間を有効に活用しましょう。例えば電車やバス通学なら、その時間は英語のリスニングをやる、塾の動画授業を見る(聴く)などです。気軽にできる方法を続けるのがコツです。

勉強時間の「質」を上げるための4つの工夫

集中を切り替えるための自分なりのルーティン・パターンを作ろう
集中を切り替えるための自分なりのルーティン・パターンを作ろう

受験生にとっては、ただ漠然と時間をかけるのではなく、勉強自体の「質」を上げることが何よりも気にかけたいことです。ここでは質の高い勉強時間を過ごすための工夫を紹介します。

(1)部屋を片付けて何がどこにあるかわかるようにする

部屋が散らかっていると、集中が妨げられます。まずは整理整頓をしましょう。できないなら、勉強をする場所と自室を分けましょう。

(2)モチベーションを上げ集中するためのルーティンやパターンを作る

さきほどの「まず5分何かをしてみる」と同じで、「これを始めたら勉強する合図」という約束事を決めましょう。これはアンカリングとも呼ばれ、プロスポーツ選手などが、試合の前に同じ行動をとるというのも一つの例です。

(3)誘惑になるものを遠ざける

スマホやタブレット、ゲーム機は別の部屋に置く、家族にあずかってもらうなど、勉強の妨げになるものは意図的に遠ざけましょう。休憩時間はスマホを見てもよい、などのようにルールを作るとよいでしょう。家族にも協力してもらってください。

(4)息抜きの時間を意識して取る

質×量の良いパターンづくりのためにも、息抜きする時間は定期的に、意識してとりましょう。「今は勉強する」「今は休憩する」と緩急をつけることで、集中する時間は集中し、リラックスする時間はリラックスできます。

タイマーではなく、集中に適した環境音楽やクラシックを流すのもよいでしょう。15分~25分程度の長さで終わるものを選びます。動画の中には、集中する時間とリラックスする時間を切り替える構成になっているものもあります。

ただし、スマホやタブレットが近くにあるとつい触ってしまうかもしれないので、自分に合う方法かどうか確認してから利用しましょう。

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塾や予備校を賢く利用しよう

受験生にとって塾や予備校のプロ講師は心強い味方

ここまで紹介してきたように、ただ勉強時間を漫然と増やすのではなく、質の高い勉強時間を確保することが、高校生の勉強、特に大学受験のための勉強には重要です。しかし、「どうしても自分の家では集中できない」「周りが気になって勉強できない」「家にいるとつい遊んでしまう」ということもあるでしょう。

そのような場合は、塾や予備校を活用してください。塾や予備校は、受験生が集中できる環境を工夫して提供してくれます。周りに同じように目標に向かって勉強する生徒がいることで、やる気も上がり、より集中することもできるでしょう。

また塾に通うことで、一日に必要な勉強時間が無理なく確保できます。さらに、高1~高2の段階で大学受験のための先取り学習もでき、志望大学の傾向と対策など最新情報も提供してもらえます。

自分で全てやろうとするのではなく、受験や勉強方法についてのプロを頼って、効率よく勉強を進めるようにしてください。高校生の塾通いのおすすめの開始時期や、塾費用の相場は以下の記事で詳しく解説しています。是非、参考にしてください。

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まとめ

この記事では、大学進学を志望する高校生に必要な勉強時間を、学年ごとに紹介しました。また、

時間を確保するためのコツ

集中するための工夫

質の良い学習内容を短い時間で集中し、回数を重ねて学習時間を蓄積する

などの方法をお伝えしました。

一人で長い勉強時間を確保し、集中し続けることは至難の業です。塾や予備校を利用することで無理なく無駄なく質の高い勉強時間を増やすことができるでしょう。自分の目指す大学のレベルに合った勉強方法やカリキュラム、必要な教科や、併願大学などの情報も塾や予備校に通うことで手軽に得られます。

まずは自分に合った塾や予備校を探してみましょう。「自分にどんな塾が合うかわからない」「塾に行ったことがないからどう塾を選べばいいかわからない」「志望大学合格に強い塾を知りたい」という方は、「塾探しの窓口」を利用することで、費用や通いやすさ、授業方式など自分の求める塾・予備校が見つかります。ぜひ「塾探しの窓口」を利用して、効率よく学習が進められる塾を選んでくださいね。

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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

塾探しの窓口編集部

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