大学受験に塾は必須!予想以上にかかる費用は「授業料」、年間60万円が1つの目安

更新日 2025.12.08
大学受験に塾は必須!予想以上にかかる費用は「授業料」、年間60万円が1つの目安。お子さまの塾選びをサポートする【塾探しの窓口】が、全国の保護者に独自調査

お子さまの塾選びをサポートする【塾探しの窓口】が、全国の保護者に独自調査

全国の塾情報を掲載し、保護者の方とお子さんの効率的な塾選びをサポートする「塾探しの窓口」は、高校生(大学受験生)の教育サービスの利用状況に関して、「費用」の面から調査を行いました。

高校生の学習ニーズは多様化しています。大学受験対策をとっても、かつてのように「大学受験なら、予備校一択」「一斉授業で過去問を解説」といった固定的な指導は鳴りを潜めるようになりました。多彩な入試方式に対応する個別の指導、高校生の個性に合わせ可能性を拓く指導が、大切にされています。

一方で、個別にカスタマイズされた指導には、費用(コスト)も掛かります。いま、高校生の教育サービス利用には、どれくらいの金額がかかるのでしょうか。また、高校生の子どもを塾に通わせた保護者は、費用についてどのように感じているのでしょうか。調査から見える傾向を分析します。

〈調査概要〉
調査対象:高校生以上の子どもに塾・予備校を利用させた経験を持つ全国の保護者(40代~60代・男女)
調査実施期間:2025年10月~11月
有効回答数:550
調査方法:インターネットを通じたアンケート調査

※本調査では、2人以上の子どもを持つ保護者には、子どもそれぞれに関して回答を得ています。また、複数回答可の設問もあります。そのため、数値の合計が100%にならない場合があります。

【結果概要】高校生の塾費用で「想定以上にかかった」と保護者が感じる項目は、授業料。その理由は?

【高校生の塾費用】高校生の塾費用で、想定以上にかかったと感じる費用項目は?の回答結果

本調査では、高校生以上の子どもを持つ保護者に対し、塾や予備校等に支払った費用に関して調査しました。まず注目したいのは、保護者が「予想以上にかかった」と感じる費用項目です。高校生の通塾で想定以上だったとの声が最多だったのは、「授業料(48.8%)」でした。

下表は、「高校生の塾や予備校でかかった費用のうち、想定以上にかかったと感じる費用項目」の調査結果です。

順位費用項目割合(%)
1授業料48.4
2季節講習費34.0
3特別講習費27.5
4教材費22.0
5模試受験料20.4
6入会金16.5
7管理費・諸経費9.8
8子どもの交通費9.5
9手数料6.4
10子どもの食費・雑費6.2
11送迎にかかる費用5.5
12その他0.4

※ 特別講習費:テスト対策や受験直前対策など、特別に開講する講座の受講料
※ 諸経費:コースや講師の変更、各種手続きにかかる費用

さてここで、塾探しの窓口が行った過去の調査結果から、小学生と中学生の子どもを持つ保護者が「塾で予想以上にかかったと感じる費用項目」を見てみましょう。実は、学年ごとの傾向が見えてきます。

順位小学生中学生高校生
費用項目割合(%)費用項目割合(%)費用項目割合(%)
1季節講習費52.4授業料46.7授業料48.4
2授業料37.8季節講習費46.4季節講習費34.0
3特別講習費30.7特別講習費30.9特別講習費27.5

上の結果から、以下がわかります。

・ 小学生では、「季節講習費」が最多回答率となっている
・中学生以上は、「授業料」が最多回答率となっている
・中学生は授業料と季節講習費の回答率が拮抗しているが、高校生になると両者に差が生まれる

季節講習費は一般的に、受講教科や授業数によって費用が変動します。入塾時に講習費用を確定させることは難しいため、申し込み時になって「こんなにかかるのか」と驚く保護者も珍しくありません。その結果、「想定以上にかかった」との感想につながりやすいと考えられます。

一方、中学生以上になると、授業料の項目が最多回答となります。入塾時に金額が明確にわかるはずの授業料に「予想以上」という感想を抱くのは、なぜでしょうか。

公立高校志望の中学生は、高校受験に向けて初めて塾に通うケースもよく見られます。保護者も塾の費用項目や相場感に慣れていないことも、要因でしょう。毎月続く数万円の引き落としを見て、「こんなにかかるのか」と実感し、予想以上と感じる結果につながると考えられます。授業料と季節講習費が同程度の回答率であることからも、何もかもが想定外と驚く保護者の姿が垣間見られます。

一方、高校生になると、授業料の絶対的な金額が上がります。個別指導塾で毎月4~5万円程度、大手予備校になると年間で100万円以上かかる場合も珍しくありません。予備校は半年、あるいは1年分の前払いとなるため、支払いが家計に与えるインパクトも大きくなります。

こうした要素によって、高校生の通塾は「(わかってはいたが)予想以上にかかった」との感想が生まれると考えられます。

高校生の通塾で保護者が支払った具体的な金額は、後ほど詳しくまとめています。先をご覧ください。

調査結果の要点

調査からは、高校生の塾利用に関して、さらに興味深い結果がわかりました。「大学受験に向けて塾に通うべきか」「高校生の通塾率はどれくらいか」といった疑問への回答が見つかります。

■ 大学受験対策において、塾や予備校は「必須」といえる存在!8割以上が利用

【高校生×大学受験】塾・予備校は、「必須」の存在!「高校生で塾・予備校を利用」したうちの8割以上が、大学受験を経験

本アンケートでは、「高校生以上の子どもが塾・予備校などを利用した」保護者に、子どもの大学受験の有無も調査しました。その結果、8割以上から「大学受験を経験した」との回答を得ました。

・子どもは大学受験をした                                  83.5%
・子どもは大学受験を予定している                    12.5%
・子どもは大学受験を経験していない                 1.6%
・子どもは大学受験を予定していない                 0.5%
・その他                                                          5.0%

塾を利用した高校生以上のほとんど全員が、大学を受験した(予定含む)とわかります。高校生が塾を利用するおもな目的は大学受験対策であり、大学を受験する高校生は塾等を利用するのが既定路線と考えて良いでしょう。

近年、大学入試制度は複雑化の一途をたどっており、保護者世代の様相とは隔世の感があります。毎年のように新しい制度や変更点が発表され、学校や塾からさえ「情報更新が大変」との声も聞かれます。

一方、多様化する受験ニーズに対応するように、新しいタイプの塾も登場し人気を集めています。入試の一方式である総合型選抜を専門的に対策する塾や、学習の徹底管理で成績を伸ばす塾などが一例です。

これから大学を受験するお子さんをお持ちの方は、「ライバルは皆、塾等を利用している」との前提に立ち、戦略を練ったほうが良いでしょう。早めにさまざまな塾を比較検討し、お子さんに最適な塾を見つけておくことも、合格の大切な準備といえます。

■ 高校生の保護者が塾に支払った具体的金額は、かなり幅がある

【高校生の塾等にかかる費用】「30万円」までが最多。しかし年100万円を超える支出例もある

本調査は、高校生の子どもが塾等を利用した保護者に対し、実際に支払ったおよその金額も尋ねました。結果は、以下の通りです。なお、金額は1年間に支払った総額です。

金額帯回答割合(%)
~30万円39.9
~40万円4.5
~50万円10.4
~60万円6.4
~70万円2.7
~80万円3.3
~90万円0.9
~100万円10.9
~120万円3.8
~150万円2.9
~180万円0.5
~200万円2.0
それ以上3.1
その他13.4

最多は「~30万円(39.9%)」でした。本調査では「季節講習のみ利用」など、利用の仕方を区別していません。したがって、比較的リーズナブルな金額帯には、少コストで済むサービスの利用による回答が集約していると考えられます。

一方、「~100万円」との回答は10.9%に上ります。年間に100万円以上かかったという回答も、少ないながらも確実にある点に注目してください。冒頭で「個別指導塾で毎月4~5万円程度、大手予備校では年間100万円以上かかる場合も珍しくない」と解説しましたが、それを裏付ける結果といえないでしょうか。

塾の授業料が月々5万円とすると、年間では60万円かかります。月8万円だと、年額96万円です。どちらも、実際にある月謝金額帯です。ここに講習費や教材費、諸経費が加算される以上、「年間100万円」は、決して非現実的な数字ではないといえます。

この金額に対し、当事者である保護者はどのように感じているのでしょうか。次項で解説します。

■ 高校生の塾費用は「年間60万円」を境目に、費用感が変わる

高校生の通塾にかかる費用の感じ方は、保護者によって差があるようです。調査からは、以下のポイントがわかりました。

・年間費用30万円を超えると「高いと感じる」との回答が増加する
・年間費用60万円を超えると「安い」「相応」との回答がなくなる

年間30万円を1か月に均すと2.5万円、中学生向け個別指導塾の月謝平均額といったところです。同様に、年間60万円は1か月平均5万円。高校生向け個別指導塾の授業料の相場といった金額になります。月平均で2.5~5万円程度が、保護者にとって「相応」の金額であり、これを超えると「高い」と感じる人が増えるという構図が見て取れます。

実際には、先述のとおり、授業料に季節講習費や特別講習費、教材費、管理費などの諸費用が加算されます。「月に5万円なら払えそうだ」と入塾を決めても、その後に何かと費用が追加になり、結果的に100万円近くになるご家庭もあるのでしょう。多くの保護者が多様な項目に「予想外に費用がかかった」と回答していたとの結果(前述)も踏まえると、塾選びにおいて「月謝のみ」で判断するのは危険といえます。

大学は受験、そして入学後も費用が掛かります。これから必要になる費用を客観的に把握し、現時点で無理なく支払える費用に収まる塾を探すことも、受験成功の秘訣です。

塾の費用は、公式ホームページ等では公表されていないケースも散見されます。気になる塾があったら積極的に資料請求や問い合わせを行い、正しい費用の把握に努めると良いでしょう。

総括

塾探しの窓口は、小中高生と保護者の方に向けて、全国各地にある塾の情報を客観的に、わかりやすく紹介するサイトです。塾の個性や特徴的な指導・サービスなどについて、豊富な情報をプロの切り口からお伝えしています。

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・本調査ページ(https://jyukumado.jp/column/252)へのリンク設置
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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

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