どちらを選ぶ?大学受験対策には塾か予備校か|向いている生徒を解説

更新日 2024.08.07
どちらを選ぶ?大学受験対策には塾か予備校か|向いている生徒を解説

「大学受験のためには、塾と予備校どっちの方がいいの?」「うちの子には塾と予備校、どちらが向いているの?」とお悩みの生徒さんやご家庭も多いのではないでしょうか。大学受験を無理なく成功するためには、予備校と塾、どちらが向いているか見極める必要があります。

この記事では大学受験対策で塾または予備校を探しているご家庭に向けて、大学受験には塾と予備校どちらを選ぶか、予備校と塾それぞれにどんなタイプの生徒さんが向いているかを解説します。

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塾を選ぶか予備校を選ぶかはケースバイケース

塾か予備校か、自分がどちらに向いているか見極めよう
塾か予備校か、自分がどちらに向いているか見極めよう

ここで言う「塾」とは、大学受験指導ができる個別指導塾、小規模集団指導塾、オンライン塾とします。

結論から言えば、塾でも、予備校でも、大学受験で結果(=合格)を出すことはできます。実際、医学部医学科に個別指導だけで合格した生徒さんもいますし、有名予備校に通わず小規模の学習塾から東大に合格した生徒さんもいます。

しかし生徒さんによって、塾が向いていないケース、予備校が向いていないケースがあるのも事実です。「自分にどちらが向いているんだろう?」と迷う場合は、いくつかのポイントから総合的に判断する必要があります。

そして、どちらを選ぶにしても、必ず生徒本人が体験授業を受け、授業や雰囲気が自分の性格や学力に合っているか、かけられる費用など諸々の条件に合っているかどうか、ひとつひとつ確認してから決めましょう。

「塾」と「予備校」それぞれの特徴・違いとは?

塾と予備校はそれぞれに特徴がある
塾と予備校はそれぞれに特徴がある
「塾」と「予備校」それぞれの特徴・違いとは?

一般的に「塾」とは学習塾を指します。大学受験対策で通う場合、個別指導塾で苦手科目対策をすることが多いかもしれません。小規模な集団指導塾、地元密着型で小学生から大学受験まで指導する塾(集団・個別両方対応)もあります。

一方、通常「予備校」といえば大学受験予備校を指します。さらにその中でも「大手予備校」を指すことが多いです。ほかに、東大など最難関大に特化した有名予備校もあります(鉄緑会など)。

予備校は志望大学ごとのクラス分けがされており、同じレベルの生徒たちが一斉に集団授業を受けます。予備校のカリキュラムは固定です。個別指導塾では個々の生徒の学力に合わせてカリキュラムを作成します。小規模塾では対応はさまざまのようです。

費用については、予備校の方が高い傾向があります。しかし個別指導塾で有名講師などが担任になると、大手予備校並みの年間費用がかかるケースもあります。

他にも、塾と予備校にはさまざまな特徴と違いがあります。またそれぞれにメリットとデメリットがあります。塾と予備校の違いについて、詳しくは以下の記事でご確認ください。

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大学受験生のタイプ別で見る塾と予備校の向き不向き

塾か予備校か、自分がどちらに向いているか見極めよう
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大学受験生が一律に大手予備校に通わなければならないわけではありません。一方で、塾(小規模塾や個別指導塾、オンライン塾)で大学受験を成功させるには、必要な条件が揃っていなければ難しいのも事実です。

ここでは塾と予備校、それぞれに向いている受験生のタイプを解説します。

塾が向いている人の7タイプ

(1)基礎固めから着手したい人

これまで勉強をあまりきちんとしてこなかった、大学受験の勉強をこれから始める高校3年生や、現役の頃に受験の足を引っ張った苦手科目・基礎の抜けを丁寧に埋めていきたい浪人生などは、大手予備校よりも塾が向いているかもしれません。

大手予備校の大学受験カリキュラムは緻密なデータで作成されていますが、個々の生徒ごとにカスタマイズすることはほぼできません。そのため、得意な科目と苦手な科目の差が大きくても、狙う大学のレベルで分けられたクラス内で、同じレベルの授業を受けなければなりません。

例えば、英語だけ偏差値が低い場合や、小論文が志望大学の入試に必要なのに文章の書き方がわからないなどの場合に、個別指導塾や小規模塾でそれだけを集中して学ぶことができます。

(2)講師とコミュニケーションを密に取りたい人

予備校の講師は学校の担任の先生や個別指導塾の講師のように、生徒に手取り足取り指導することはあまりありません。予備校の講師は生徒との面談なども行いません。生徒への進路指導や面談は、予備校の社員が行います。

また大手予備校の集団授業は、授業と言うよりは大学などに近い「講義」形式で一方通行のため、質問などもほとんどの場合できません。

小規模塾や個別指導塾は、塾長や講師と生徒の距離が近く、直接話をしやすいです。勉強に関する質問、悩みごとや困りごとの相談にも親身にのってくれます。合格したときは我が事のように喜んでくれるでしょう。

勉強を教えてくれる講師とコミュニケーションを密に取って、やるべきことをすぐ教えてもらい、落ち込んだときは励ましてもらえるのが塾のよいところです。それによりモチベーションが維持できるタイプの生徒は、塾の方が向いています。

(3)長期的な計画より短期的な目標をもって進めたい人

予備校のカリキュラムは非常に練られており、志望大学に合格するための内容、年間計画が過不足なく盛り込まれています。

ただし、すでにある程度基礎ができている人でなければ、予備校のカリキュラムどおりに学習を進めるのは難しいでしょう。しかし、個々の生徒の苦手科目に合わせた指導は、予備校では行ってくれません。

長期的な計画だけでは、特に基礎ができていない生徒にとっては「具体的に何をしたらいいか分からない…」ということになりかねません。

塾のほうが生徒ごとの弱点に合わせた「短期目標」を設定してくれるでしょう。「今、何をすべきか」がわかったほうがよい人は、塾が向いています。

(4)強制力がないと予習復習が出来ない人

予備校では、生徒は予習復習をしてくるのが大前提で、当然という考え方があります。最近は大手予備校でも、課題を出してくれるところは増えていますが、塾の方がより細やかに、いつまでに何の課題をやるかを決めてくれるでしょう。

宿題や課題を出されて勉強するのは本当の勉強ではない、という意見もあります。確かに、最終的には自学自習が目標なのですが、勉強が苦手な生徒や勉強の仕方そのものがわからない生徒にとって、「自分で全部やりなさい」と突然言われてもできるはずもありません。

宿題という強制力や、講師からの「勉強がんばれ」という声掛けがあってこそ頑張れる、という生徒には、塾の方が向いています

(5)内申点アップから推薦入試を狙いたい現役生

現役生でまだ高校1年生~2年生の場合、指定校推薦など推薦入試への出願のために内申点を上げておきたい人もいるでしょう。推薦入試を狙いたい現役生には塾が向いています。

大手予備校のカリキュラムは大学受験に特化されており、学校の進度に合いません。学習指導要領よりも先取りの内容になっているため、特に公立高校の定期テストには向いていないといえます。

塾(集団指導・個別指導)では、定期テスト対策をしてくれるのが一般的です。大学受験対策ができる塾でも、希望すれば行ってくれます。小規模な塾では、大学受験の問題や模試の質問に対応できる講師がいないこともありますが、高校のテスト対策ならばおおむね可能です。

近年は大学の学校推薦型選抜(推薦入試)の合格者割合が、一般選抜入試の割合を上回っています。志望大学が決まっているならば、コツコツと高校の内申点を確実に稼ぎ、推薦合格を狙うほうが確実かもしれません。特に地元密着型の小規模塾や、個別指導塾がよいでしょう。

(参考)文部科学省「大学入学者選抜における英語4技能評価及び記述式問題の実態調査の結果」p4-p5

(6)費用をあまりかけられない人

大手予備校の費用は、現役生で20万円~50万円、浪人生で70万円~100万円以上、年間で必要です。これに対して塾の費用は、一教科あたり月(週1回とする)に1万円以下のところもあり、塾のほうが予備校より安いです。

また予備校はカリキュラムが固定ですが、塾だと苦手科目だけ受講するなど自分に合ったカリキュラムが組めるため、費用をあまりかけられない人には塾の方が向いています。

(7)部活や習い事が忙しい現役高校生

予備校でも現役コースは高校生活の妨げにならない時間割が組まれていますが、部活が運動部などで忙しかったり、体力的に難しかったりする場合は塾のほうが自由度が高く、向いています。

その場合、推薦狙いなのか、一般選抜狙いなのかをあらかじめ決めておき、目的に合った指導ができる塾を選んでください。

予備校に向いている人の5タイプ

(1)最難関大学を志望する人

大学受験の一般選抜入試では、全国のライバルたちと競い合わなければなりません。東大・京大・一橋大・東京工大・旧帝大などの最難関国立大学、早大・慶大などの最難関私立大学、医学部医学科を目指す場合は、同じレベルの生徒たちとの切磋琢磨が必須です。そのため、最難関大学を目指す人には、大手予備校をおすすめします。

模試を定期的に受けることで自分の立ち位置は分かりますので、普段から大手予備校の最難関クラスに入る必要はない…と考える人もいます。ただ、周りに同年代の生徒たちがいて頑張っている姿を見ることは刺激になるでしょう。

また、予備校の同じクラスで友達になり、お互いに大学生以上になってからもずっと続く友人関係になったという人も少なくありません。苦しいときに一緒に頑張り、励まし合った人とは通じ合えるものも何倍も大きいでしょう。

また、小規模の塾では、最難関大レベルの指導ができる講師は期待できないかもしれません。

ほかに、大学別記述模試は最難関大志望の場合必須です。その申し込みも、大手予備校に所属していれば申し込みもしやすく手間がかかりません(全統模試、駿台模試は、初期費用に含まれているためスケジュールに最初から組み込まれます)。

以上から、高偏差値帯の大学を狙う人ほど、予備校をおすすめします。ただし、個別の大学に特化した塾もあるので、志望大学対策ができる塾があるならそちらを検討してもよいでしょう。

(2)信頼性の高い情報が欲しい人

大学受験は情報戦と言われます。近年、大学受験は毎年細かい変更があります。保護者の方も「上の子のときはこうだった」という思い込みでお子さんに迂闊な話はしないほうがよいでしょう。

大手予備校は情報力・分析力が高いことは間違いありません。有名進学校も大手予備校の偏差値や模試の傾向などを信頼し利用しています。

小規模な塾だと、この点がどうしても予備校より遅れをとります。難易度の高い大学を志望する人で信頼性の高い情報が欲しい人は、予備校を利用するとよいでしょう。

(3)基礎がすでにできており応用力を身につけたい人

基礎的な勉強は終わっており、実戦で使える力を身につけたい場合は、予備校の集団クラスで学んだほうが効率がよいといえます。

予備校のカリキュラムは、年間を通して志望大学に合格するための内容が過不足なく盛り込まれています。しっかり学べば大学合格は自然と近づくでしょう。

(4)自分で予習復習ができる人、すすんで動ける人

予備校では手取り足取り、あれをやれこれをやれという指示はもらえません。自分で予習復習を当たり前と思ってできる人、自己管理ができる人、誰かに言われなくても問題を発見し、コツコツ努力できる人は予備校に向いています。

最近では予備校でも、講師による質問対応が設定されています。ただし、ある程度生徒が積極的に質問に行く必要があります。自分からすすんで動ける性格の人、物怖じせずに講師や予備校の職員と話ができる人は予備校に向いているといえます。

(5)現役の頃よりも一段階上の大学を狙いたい浪人生

現役生の頃は受験勉強とはどうしてすればわからず、とりあえず合格しそうな大学を受けてみたが落ちてしまった…という浪人生の方もいるでしょう。

その中で、受験本番の2カ月ほどで、実戦経験を積むことで一気に学力が上がる人がいます。いざ浪人生活を始めてみると意外に模試が解けているような場合、さらに上のランクの大学を狙える可能性があります。

このケースの方は、予備校に通うことでさらに実力を高め、上を目指すことができるでしょう。

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【大学受験】塾と予備校で迷う人からのよくある質問

迷ったら実際に訪問し、体験授業を受けよう
迷ったら実際に訪問し、体験授業を受けよう

ここでは「大学受験対策のために通うなら塾と予備校どちらがいいか」と悩んでいる生徒さんと保護者の方に向けて、いくつかの質問にお答えしています。参考にしてみてください。

【大学受験】塾と予備校で迷う人からのよくある質問

Q1.まだ受験本番学年ではありませんが、塾や予備校に通ったほうがいいですか?

→A.志望大学のレベル、自分の現在の学力、部活動や自分の性格で総合的に判断しましょう。

もしも志望大学が決まっており、推薦選抜で合格できそうであれば、内申点を維持するためにも塾に通い効率よく勉強したほうがよいでしょう。

志望大学が最難関大学の場合は、自分の学力がある程度上位であれば予備校をおすすめします。早い時期から大学受験模試や、大勢の中で競い合う環境に慣れておいたほうがよいからです。

進路そのものが未定の場合は、学校の成績をある程度真ん中以上で維持できるように努力してください。

なお、苦手科目が英語の場合は、英語だけ塾に通うことを強くおすすめします。英語はどの大学どの学部でも必須のためです。将来の選択の幅を広げるためにぜひ着手してくださいね。

Q2.塾と予備校で迷っています。できるだけ費用を安くしたいです。費用を抑える方法はありますか?

→A.費用を抑えたいなら、塾がおすすめです。ただし、大手予備校でも、授業内容をカスタマイズや選択できるところがあります。また、個別指導塾は費用が高めになります。オンライン塾を選ぶ方法もあります。

費用を抑えたいならば塾のほうが無難です。

ただし、現役生ならば大手予備校の現役生コースで、不要な科目は受講しない方法があります。また浪人生コースでも、河合塾は選択科目を自分でカスタムできます。ほか、代々木ゼミナールはオンラインコースがあるためそちらを選べば対面型より費用は安くなります。

オンライン塾は費用はかなり安くなりますが、モチベーションの持続という点で懸念があります。続けられそうかどうかを実際に試してみて、確かめてください。

最も費用を抑えて、さらに学力アップ効果やモチベーションの維持が期待できるのは、なるべく安い個別指導塾を選び、最低限の授業コマ数を受講したうえで、塾の自習室を使って自学自習する方法です。塾の自習室は自宅では落ち着いて勉強できない人にも最適です。

ただし、安すぎる塾の中には、あまり良くない環境のところもあります。必ず入会前に無料体験を受けて確認してください。

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Q3.塾や予備校は絶対に必要ですか?自宅学習だけで合格できませんか?

→A.自宅学習(独学)で合格することは不可能ではありません。ただし、モチベーションと学習ペースの維持管理は、一人ではなかなか難しいです。上手に塾や予備校を利用することをおすすめします。

自宅学習だけで大学に合格する人はもちろん、たくさんいます。オンライン塾や通信教材だけで難関大に合格する人もいます。

塾や予備校は絶対に必要なものではありません。塾や予備校は、大学受験を効率よく突破するための「便利なツール」と考えるとわかりやすいのではないでしょうか。

一人で学んでいると「この方法で本当に間に合うのか、合格できるのか」と不安になることもあります。そんなときに、学校の先生に質問に行ける生徒さんで、学校の先生がその問題に適切に応えてくれるのなら問題はありません。

しかし現実には、学校の先生は忙しく、なかなか対応してもらえない可能性もあります。

塾や予備校は、受験に特化しています。質問も受け付けますし、志望大学の赤本なども用意されており、すぐ閲覧することができます。自習室もほとんどの塾や予備校では、入会していれば自由に使えます。これらの便利な機能を使ったほうが、合格に近づけるならば、塾や予備校を利用したほうが結果的によいのではないでしょうか。

なお、同じ目標を目指す仲間と競い合うことができるのも塾や予備校のメリットです。特に浪人生は高校を卒業しているため、この「同年代の生徒と集まり、話せる環境」は、あったほうがいいと感じるならばぜひ塾や予備校を利用してください。

まとめ

この記事では、大学受験のために塾と予備校、どちらを選ぶべきかについて、それぞれに向いている人・向いていない人を解説しました。

塾も予備校も、大学受験突破に特化したサービスです。上手く利用して効率よく学力を上げ、大学受験に合格してくださいね。

塾や予備校を利用する際は、必ず入会前に無料体験を受けましょう。お住いの地域にどのような塾や予備校があるか探したい場合は、「塾探しの窓口」をお使いいただくと便利です。大学受験対策ができるか、個別か集団かなどがタグづけされており、実際に利用している人の口コミもあるためどのような塾かわかりやすくなっています。

また無料体験を「塾探しの窓口」経由で一括で依頼でき、入会するとお得な特典が受けられる場合もあります。上手に利用して、大学受験対策にぴったりの塾や予備校を見つけてください。

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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

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