塾の掛け持ちを決める前に考えておきたい6つのポイントを解説

更新日 2024.08.07
塾の掛け持ちを決める前に考えておきたい6つのポイントを解説

「塾に行っても成績があまり上がらない」「今の塾のままで大丈夫だろうか」、そんな不安から塾の掛け持ちを考える方もいます。実際、「A塾のサポートもB塾でやってくれるから、親の負担が軽くなった」という声も聞かれます。

ただし、塾の掛け持ちは成功するとは限りません。お子さんのタイプによって向き不向きもあります。

この記事では塾の掛け持ちを検討中の親御さんに向けて、塾の掛け持ちを成功させるための6つのポイントや、塾を掛け持ちする目的やメリット・デメリットなどを解説します。ぜひ最後まで読み、お子さんが掛け持ちをすべきかどうか判断するヒントにしてください。

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塾の掛け持ちを成功させる6つのポイント

目的、意志、費用…塾の掛け持ちを成功させる6つのポイント
目的、意志、費用…塾の掛け持ちを成功させる6つのポイント

塾の掛け持ちが成功するかどうかは、事前準備にかかっています。掛け持ちを決める前に、かならず考えておきたいチェックポイントは、次の6つです。

塾の掛け持ちを成功させる6つのポイント
1.掛け持ちの目的は明確になっているか
2.子ども本人の意志は確認できているか
3.勉強以外のやりたいことも尊重しているか
4.親ができるサポートは明確になっているか
5.塾の費用は問題なく払える範囲か
6.掛け持ち以外の方法も検討したか

それぞれを詳しく解説します。

塾の掛け持ちを成功させる6つのポイント

(1)掛け持ちをする目的を明確にする

「友だちもやってるから」「今の塾だけでは何となく不安だから」など、あいまいな理由で掛け持ちを始めると失敗します。なぜ塾を掛け持ちする必要があるのか、目的をはっきりさせておきましょう。

また、今通っている塾に不安を相談する姿勢も大切です。塾によっては理解不足の箇所は補習をしてくれたり、個別で学習計画や管理のサポートをしてくれたりする場合もあります。

(2) 子ども本人の意志・気持ちを確認する

親御さんが先走って掛け持ちを決めるのはやめましょう。親御さんが一方的に決めたことがストレスとなり、反発心から勉強そのものに対するやる気が低下してしまう懸念もあります。

掛け持ちする本人であるお子さんの意志や気持ちも、丁寧に確認しましょう。今の塾で不満や不安がないか、勉強はしやすいかなども聞き出し、判断材料とします。

(3) 子ども本人の趣味、やりたいことも大切にする

塾の掛け持ちを始めると、これまで自由に過ごしていた放課後や休日の時間を勉強に充てる必要性が出てきます。自由時間の減少がお子さんにとってストレスとなる可能性もあるため、塾以外の時間はできるだけお子さん本人のやりたいことを優先してあげましょう。

家族で過ごす時間も大切です。入試で重視されることも多い「実生活に根ざした学び」の時間を、意識的に確保しましょう。

(4) 必要な費用を冷静に検討する

掛け持ちを始めると、2塾分の費用がかかります。無理なく払えるかどうか、塾に以下の費用について問い合わせて検討しましょう。

(5) 親ができるサポートを明確にする

塾の掛け持ちには、親御さんのサポートも欠かせません。ただ、塾のサポートといってもさまざまです。プリント1枚まではさすがに管理しきれない場合は、「何を・どこまで面倒みるか」の線引きを明確にしておきましょう。

宿題や課題、教材、進捗などは、お子さんと相談して「誰が・どのように管理するか」を決めます。送迎やお弁当が必要な場合は、あらかじめ親御さん自身のスケジュールと照らし合わせることも大切です。

(6) オンラインなど負担が少ない方法も検討する

お子さんが抱える課題の解決は、もしかしたら2つの塾に通わなくても解決できるかもしれません。オンライン塾など、多彩な手段を検討してみても良いでしょう。

オンライン塾は、自宅でマンツーマン指導を受けられます。校舎に移動する必要がなく、授業料も比較的安価な塾が多いため、お子さん・親御さんの双方にとって掛け持ちの負担を軽減できます。

良質なオンライン塾を探す際は、「塾探しの窓口」をご利用ください。評判のいいオンライン塾を簡単に見つけられます。

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よくある塾の掛け持ちパターンとその理由

先取り、補習、受験対策…塾を掛け持ちする理由はさまざま
先取り、補習、受験対策…塾を掛け持ちする理由はさまざま

塾の掛け持ちには、学習目的や教科、指導形態などの使い分けパターンがあります。それぞれ、どのような理由で掛け持ちをさせているのでしょうか。

よくある塾の掛け持ちパターンとその理由

(1) 進学塾と個別指導塾を使い分ける

進学塾を学習の軸に据えて受験対策をしながら、個別指導塾でわからない箇所や苦手分野の補習を受ける使い分けは、掛け持ちの中でも耳にする機会が多いパターンです。

進学塾では濃密なカリキュラムに沿って授業が速く進むため、理解しきれない箇所が残る場合があります。進学塾での課題を解決する手段として、個別指導塾を併用する方もいます。

(2) 教科ごとに塾を掛け持ちする

教科ごとの得意不得意と塾の個性を比較し、よりお子さんに合った指導が受けられるようにと塾を掛け持ちする方もいます。

集団指導塾は一斉授業でスピーディーに先取りしていくケースが多く、得意教科に向いています。反対に個別指導塾は、じっくりと自分のペースで勉強したい教科に向いています。

英語は地元の名物先生が教える塾に通い、他教科は総合塾に通うなどの掛け持ちも見られます。

(3) 指導形態が異なる塾を掛け持ちする

多様化する指導形態を利用し、塾を使い分けるケースもあります。塾の特性を活用するため、学習効果の向上が期待できます。

苦手な科目の克服なら、「予習・復習は映像授業を繰り返し視聴し、個別指導塾でわからない点を詳しく解説してもらう」といった掛け持ちも可能でしょう。集団塾は競争心や危機感を刺激するために使い、個別指導塾で実力に合った勉強をする使い分けも考えられます。

(4) 塾と習い事とを掛け持ちする

どのくらいのお子さんが塾を掛け持ちしているか、実際のデータはわかりません。参考までに文部科学省による「子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告」によると、塾や通信教育、習い事を含む複数の学習活動を掛け持ちするお子さんの割合は、小学生で38~45%・中学生で30~40%でした。

もっとも掛け持ちの割合が高かったのは、小学6年生の44.9%です。中学受験に向けて塾を掛け持ちするお子さんも含まれると考えられます。

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塾を掛け持ちするメリット

塾の掛け持ちは、上手に使うと多くのメリットを手にできる
塾の掛け持ちは、上手に使うと多くのメリットを手にできる

塾の掛け持ちは簡単なことではありません。しかし上手に使うと、1つの塾に通うだけでは手に入らない、多くのメリットを得られます。

塾を掛け持ちするメリットを3つ解説します。

(1) 子どもに合う塾・講師が見つかりやすい

塾によって指導方針や雰囲気、在籍する講師の個性は異なります。複数の塾に通うと、よりお子さんに合った塾や講師と出会いやすい点はメリットでしょう。

1つの塾だけに通う場合、お子さんと塾が合っているのか比べる対象がありません。しかし塾を掛け持ちすると、塾ごとの良さや特徴を比較できるようになるため、どのような塾・講師がお子さんに合うか基準を見つけやすくなります。

(2) 時間を効率的に使いやすい

塾を掛け持ちすると時間効率がアップする場合があります。

例として、カリキュラムや方針が理想通りの塾(A塾とします)が見つかったが、遠方のため平日の通塾は難しい場合を考えてみましょう。休日にA塾で指導を受け、平日はA塾の補習を近所のB塾で受ける掛け持ちをすれば、休日も平日も時間を有効活用できます。

(3) 学習目的を達成しやすい

1つの塾だけでは指導法やカリキュラム、お子さんの相性などによって、理解度や習熟度に偏りが生まれる場合があります。塾に行っているのに期待通りの成果が得られないのは、この偏りが原因かもしれません。

塾を掛け持ちすると、複数のカリキュラムにもとづき学習できるため、広くムラなく勉強できます。結果的に目的の達成にも近づけるでしょう。

塾を掛け持ちするデメリット

メリットばかりではない、塾の掛け持ちには注意点も多い
メリットばかりではない、塾の掛け持ちには注意点も多い

塾の掛け持ちにはデメリットもあります。デメリットを正しく理解し適切な対策をすれば、掛け持ちの効果を高められます。

塾の掛け持ちで懸念されるデメリットを3つ解説します。

(1) 環境や人間関係がストレスになるおそれがある

新しい校舎、講師や他の生徒との人間関係、通塾手段など、新しい環境はお子さんに不安と緊張を与える可能性があります。

とくに環境の変化に敏感なお子さんは、適応するまで慎重に見守ってあげてください。塾の掛け持ちを始める前に、塾の教室見学や体験授業など、足を運ぶ機会をできるだけ増やすのも良い方法です。

(2) 勉強のやり方が異なり子どもが混乱する

計算の仕方やノートの取り方、教材の使い方など、細かい点で塾によって指導法が異なり、お子さんが混乱するかもしれない点も想定しておきましょう。

勉強のやり方ばかりが気になり、肝心の内容が頭に入らなくなっても困りものです。慣れるまでは塾の宿題をご家庭でチェックしながら、親御さんが適宜やり方を整理してあげると良いでしょう。

(3) 金銭的な負担が増える

同じ2教科でも、1つの塾で2教科受講するよりも、2つの塾で1教科ずつ受ける掛け持ちの方が、金銭的負担が多くなります。入塾金や教材費、管理費などは、それぞれの塾でかかるからです。

さらに交通手段や最寄り駅が異なると、交通費もかさむでしょう。掛け持ちは学校や家から通いやすい塾を選ぶと、多少でも負担を減らせるかもしれません。

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塾の掛け持ちが向いているタイプ

お子さんが塾の掛け持ちに向いているかわかる3つのポイント
お子さんが塾の掛け持ちに向いているかわかる3つのポイント

塾の掛け持ちは、時間的にも体力的にも負担がかかる選択です。向いているお子さんと、向いていないお子さんのタイプがあることは押さえておきましょう。

はじめに塾の掛け持ちが向いているタイプを、3つの視点から解説します。

(1) 情報を適切に取捨選択できる

与えられた情報を、目的に照らし合わせて取捨選択できる力があるお子さんは、塾の掛け持ちに向いています。

A塾とB塾とで違う勉強法を指導されるのは、よくあることです。その都度「どちらが正しいんだろう」と悩んでいては、勉強が混乱します。「自分にとって必要なのはどれか」と常に考え整理できる力があるお子さんなら、それぞれの塾の良い点を取り入れ伸びていけます。

(2) 掛け持ちの目的が明確になっている

2つの塾に通う目的を理解して納得できるお子さんなら、掛け持ちしてもうまくやっていけます。それぞれの塾で伸ばすべきポイントを念頭に置いて、授業を受けられるでしょう。

お子さんに掛け持ちの目的を理解させるためには、親御さん自身がその目的を明確化できていなければなりません。なぜ塾を掛け持ちさせたいのか、その目的をしっかりと整理して伝えられるようにしてください。

(3) ストレス耐性が高い

塾の掛け持ちは、新しい環境にストレスを感じにくいお子さんに向いています。あるいはストレスは感じるものの、総じて新しい環境が好き、刺激が好き、人間関係を築くのが得意なお子さんも、塾の掛け持ちを検討しても良いでしょう。

入学やクラス替えにどのような反応をしたかは、ストレス耐性の良い判断材料です。

塾の掛け持ちが向いていないタイプ

あてはまるお子さんは、掛け持ちを慎重に検討するのがベター
あてはまるお子さんは、掛け持ちを慎重に検討するのがベター

塾の掛け持ちに向いていないタイプを、3つ解説します。もしお子さんにあてはまる項目があれば、無理に掛け持ちを始めても時間とお金を無駄にしてしまうかもしれません。

塾の掛け持ちが向いていない、3つのタイプを解説します。

(1) 創意工夫や自己管理が苦手

勉強に対する主体性や自己管理、創意工夫が苦手なお子さんは、掛け持ちに向いていないかもしれません。

塾を掛け持ちすると、宿題も予習・復習もそれぞれ必要になります。予定の把握や学習管理も2塾分必要になるため、工夫して管理する力がないとすぐに散らかってしまいます。

このタイプのお子さんが掛け持ちをする場合は、スケジュールや宿題、提出物の管理など、親御さんがサポートする必要もある点を押さえておきましょう。

(2) やる気がない

勉強に対するやる気がないお子さんは、掛け持ちに向いていません。やる気のなさは勉強の必要性を理解していないことに起因するケースが多いため、塾をわざわざ掛け持ちする理由が理解できず、勉強にも前向きに取り組めないからです。

やる気がないお子さんの場合は塾を掛け持ちするのではなく、相性の合う塾で徹底的にモチベーションを高めてもらう方が事態の好転が期待できます。

(3) 忙しく時間がない

通う塾を増やすと、その分時間がかかります。平日も休日も部活があり、時間の余裕がないお子さんも掛け持ちを控えた方が良いでしょう。部活を引退するまでは通塾時間がかからない学校の近くの塾などに通い、少しでも勉強時間を確保した方が成績アップにつながります。

まとめ

塾の掛け持ちは、上手に活用すると高い学習効果を得られます。お子さんに合う塾や講師に出会える可能性も高まり、勉強へのモチベーションも上がるかもしれません。

ただし、「周りも掛け持ちしているから」など、曖昧な動機で始めるのはやめましょう。掛け持ちは時間的にも費用的にも負担が大きな選択肢です。「進学塾で上のクラスに入るために、個別指導塾で補習を受ける」など、目的を明確にしてから始めることが大切です。

この記事を参考にしつつ、お子さん自身の気持ちも丁寧に確認して最適な道を選んであげてください。

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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

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