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【塾って意味ない?】「意味がない」で考えられる2つのケースを解説
「塾なんて意味ない」「塾は不要」という意見を見かけ、「本当にそうなら、塾に行かなくてよいのでは?」と考えてしまう人もいるのではないでしょうか。実際に「塾に行かずに自分で勉強して難関校に合格した」という体験記が見られます。しかし、それが一般的なことかといえばそうではありません。
この記事では、「塾は意味がない」という場合に考えられる2つの意味「塾に行く意味(必要)がない生徒」「行っても意味がない(成績があげられない)塾」について検証し、「塾は意味がないのか」についてより深く考えていきます。塾に通いたいけれど意味がないのではないか…とお悩みの方は、ぜひお読みいただき、参考にしてください。
あなたはどっち?「塾に行く意味がない」で考えられる2つのケース
初めに、「塾に行く意味がない」と言ったときの2つのケースについて考えてみましょう。この言葉は2つの捉え方ができますよね。
(1)勉強は自分でできるから「塾に行く意味がない」というケース
「自分で勉強できるから」、つまり「塾に行かなくても勉強はできる」という生徒の場合です。
(2)成績が上がらずお金の無駄だから「塾に行く意味がない」というケース
「塾なんて通っても成績も上がらないなら、お金の無駄だから行く意味がない」という意味です。
この2つ、どちらも「塾は意味がない」と言っているのですが、(1)は生徒側に理由があり、(2)は塾側に理由があります。それぞれについて、次の章で正しいかどうか、検証してみましょう。
(1)生徒側の理由:できる生徒の「塾は意味ない」は一般的ではない
結論から言えば、塾に行かなくても勉強ができて、受験で志望校に合格できる生徒は存在します。そういう生徒にとって「塾は意味ない」というのは正論です。
ただし、それに当てはまるためには、以下のような様々なスキルを身に着けた生徒である必要があります。
・毎日一定時間以上、集中して学習する習慣がある
・どうすれば成績が上がるか考えたうえで、try and error を繰り返して成長できる
・自分に合った(着実に成果の出せる)学習方法が確立できている
・学校の先生に質問に行くなど、大人に素直に頼れる。また正しい受験情報を学校やネットで集められる
・毎日の規則正しい生活を管理できている
・計画性があり、タスクも把握できている
いかがですか?「こんなの、無理だ!」と思ってしまう人がほとんどではないでしょうか?
大多数の生徒は上のようなことが一人でできません。それが普通です。大人でも、完璧にできる人はいないでしょう。
そもそも「塾に行かなければならない」と言われるのは、上記のようなスキルをほとんどの人が持っていないからです。勉強はつらくて苦しいもので、自分一人ではできないから、塾を、誰かを頼る必要があるのです。
最初から効率の良い、自分に合った勉強方法を知っている人など誰もいません。みんな、試行錯誤しながら学んでいくのです。塾は、そのためのお手伝いをする場所といえます。
例えば、家族が塾の代わりをできるなら、塾に行かなくてもよいかもしれません。実際、勉強計画の管理・情報集め・スケジュールやタスク管理、模試の結果分析と弱点の洗い出しなどを行うご家庭も稀にあります。塾に通わず、親子二人三脚で有名中学や高校、難関大学に合格したという成功例を見たことがある人もいるのではないでしょうか。
ただし、これもほとんどのご家庭では難しいといえます。ご夫婦二人とも仕事があったり、お子さんが多かったりすると、困難です。何より、中学生や高校生になると、親に口うるさく指示されることを嫌う生徒がほとんどです。
つまり、「塾に行かなくても勉強ができる生徒はいるが、ごく少数で、一般的ではない」ということになります。ほとんどの生徒にとっては「塾は意味ない」というのは間違いです。
(2)塾側の理由:目的が達成できない塾なら「通う意味ない」は正しい
ほとんどの生徒にとって「”塾は意味ない”は誤り」とお伝えしましたが、だからといって「どんな塾でも通う意味がある」わけではありません。
塾に何故通うのでしょうか?
「志望校に合格したい」「勉強する習慣を身に着けたい」「勉強のやり方を教えてもらいたい」「得意科目をさらに伸ばしたい」「不得意科目を克服したい」「学校では学べないことを学びたい」「頑張る生徒たちの中に入って、モチベーションを上げたい」など、生徒によって目的はさまざまでしょう。
これらの目的が達成できない、あるいは達成が期待できない塾には、通う意味はありません。せっかくお金を払って塾に通うのですから、目的が達成できる塾を選び、活用しましょう。
お金の無駄?「通う意味がない塾」5つのケース
ここまでで「塾は意味ない」の2つの意味について解説しました。特に(2)、塾に問題があるケースは要注意です。「通う意味がない塾」に通い続けるとお金と時間の無駄になってしまいます。ここでは、「通う意味がない塾」を見極める方法について、ケースごとに解説します。
【ケース1】現在の学力と塾の授業レベルが合っていない
例えば、授業についていけない生徒なら、塾に通うのは「勉強の仕方から教えてもらいたい」と考えるからでしょう。それなのにいきなり受験コースに入ってしまえば、塾の授業スピードについていけず、何を習っているかもわからない…という事態になってしまいます。学校の勉強の補習にもならず、無駄に難しい塾の課題に追われて時間も体力も無駄に使うことになるでしょう。
また逆に、学校の授業は理解できている生徒なら、さらに上のレベルの問題に挑戦したいと思って塾に通うでしょう。しかし学校レベルのことしか教えてくれない塾ならば、その生徒は不満を感じるでしょうし、せっかく塾に通っても実力を上げることができず、時間の無駄になってしまいます。
塾を選ぶ際は、必ず現在の学力レベルに合ったところにしてください。そのためには自分の現在の実力を、正確に知る必要があります。入塾テストがある塾ならば概ね現在の学力や弱点が測れるので、無料体験とともに必ず受けるようにしましょう。
【ケース3】講師のレベルが低く質問対応ができない
わからない問題があるとき、すぐに質問ができるのは塾のメリットです。しかし、講師が大学生アルバイトばかりだと、質問にすぐ応えてもらえないケースもあります。
大手大学受験予備校や大手有名進学塾では、授業は社会人のプロ講師が行うことがほとんどです。しかし小規模塾や中堅塾、特に個別指導塾では大学生のアルバイトを多く抱えていることも多い傾向があります。
大学生のアルバイト講師の中にもとても優秀で生徒思いの人もいますが、塾によってはアルバイト採用試験もとても簡単な、学力レベルの低い学生を雇っていることもあります。講師に質問しても間違った教え方をされたり、満足に答えてもらえないならば、「塾に通う意味がない」といえるでしょう。
【ケース4】授業を教えるだけでサポート体制がない
塾の提供サービスは勉強を教えることだけではありません。一番重要で生徒や保護者から求められるのは「課題(宿題)を出す」ことでしょう。
課題は、復習、つまり授業で学んだことを実際にアウトプットすることで「わかる」から「できる」にシフトするために、絶対必要です。復習ができていないと「わかったつもり」になりやすく、学力が定着しないからです。
塾から強制的に課題を出してもらうことで、授業と復習を継続していくうちに自然とインプットとアウトプットの訓練、そしてそれを模試などテストで確かめるルーチンが出来上がっていきます。
逆に言うと、授業だけやって課題を出さない塾は、「意味がない」といえます。
ただし、大手大学受験予備校では、日々の予習復習は「当然やるべきもの」として講師から指示されないことが多いです。毎日の課題を出してほしい場合は、大手予備校ではなく個別指導塾や中規模以下の予備校を選ぶとよいでしょう。
ほかにも、塾の「サポート体制」にはさまざまなものがあります。塾によってサポート体制の内容は異なりますが、主に以下のようなサービスがあります。
目標に応じたカリキュラム作成
生徒の成績推移の管理、およびそれを生徒本人と保護者にフィードバックする
自習室などを提供し学びやすい環境を作る
必要に応じて、生徒の生活リズム改善指導
生徒のメンタル的な問題を解決する面談を行い、場合によっては外部の心理士などと連携して解決にあたる
定期的な学力テストの実施と、外部模試など大規模な模試への参加
現在の塾は、ただ授業を提供するだけではなく、少子化に合わせた経営努力を行っています。多くの塾の中から、生徒本人に合ったサポート体制やサービスを提供してくれる塾を探してください。
【ケース5】その他、学ぶ環境として良くない要素がある
例えば生徒に暴力をふるったり、やたらと触ってくる講師がいた場合、生徒は落ち着いて授業が受けられないでしょう。このような、明らかに「学ぶための環境」として不適格な塾の場合、通う意味はありません。
他には、以下のような塾も「通う意味が無い」可能性が高いです。このような塾の場合は、転塾を早めに考えましょう。
生徒が勉強せず雑談ばかりしていても、塾長やスタッフが干渉せず放置している
生徒同士で派閥のようなものができており、勉強以外の付き合いが発生してしまっている(特に女子に多い)
夏期講習など季節講習の前に、塾から「もっと個別指導や補習を追加しないと、志望校に合格できません」などと営業をかけてきて、追加で授業を増やされ、費用がかさんでしまう
「清掃が行き届いていない」「壊れている備品や設備が修理・交換されず放置されている」「暖房費を請求しているのにエアコンを適性温度に保っておらず寒い」など、教室の環境そのものが良好に保たれていない
「塾に通っても意味がない」生徒、3つのパターン
最初に「生徒側の理由で塾に通っても意味がないケース」もお伝えしました。あらためて、ここで「塾に通っても意味がない」生徒をまとめておきます。
ただし、「自分で勉強ができる」だけではないため、自分やお子様が当てはまっていないか、確認してください。
(1)自分で何でもできる生徒
最初にお伝えした、自分で自分の管理ができ、勉強する習慣が身についている生徒です。情報収集力や分析力もあることが多く、このタイプは一人で考えて試行錯誤をしながら成長していきます。保護者は、求められたときだけ手を貸し、ふだんは少し離れた立場から見守ってあげてください。
ただし、塾は勉強を教えてもらうだけではなく、ライバルたちと切磋琢磨する場所でもあります。一人で黙々と勉強するのはもちろんとても良いことですが、もしも、知的好奇心をさらに満たしたい場合や、全国区で通用する賢い生徒さんたちと競い合いたい場合は、より高いレベルを目指して塾に入って良いでしょう。
その場合は、目標レベルに合った塾を選ぶのが大切です。例えば東大を目指している生徒が目指す有名な塾に「鉄緑会」があります。一部の有名高校に通う生徒を除き、学力テストに合格しなければ入塾できません。
通う意味のある塾を選ぶために!押さえておきたい7つのポイント
ここまでの内容で、どんな塾を選べば「塾なんて意味が無い」とならずに、十分に満足して塾を活用できるか解説してきました。ここでは通う意味のある塾を選ぶために押さえておきたいポイントを、あらためてまとめてみます。
(1)学力に合ったクラスや指導方法、カリキュラムをすすめてくれる
(2)質問対応ができる質の高い講師がいる
(3)授業のほか自習や生活態度までサポートしてくれる
(4)学習に集中できる適切な環境がそろえられている
このほか、以下のようなことにも注意しましょう。
(5)志望校合格や同じ目標を叶えた先輩が多く出ている
(6)費用がサービス内容に見合っている
(7)丁寧に、熱意をもって、親身になって対応してくれる
まとめ
この記事では、「塾なんて意味がない」という意見について、2つの考え方を示して検証しました。塾に通う意味がない「なんでもできる生徒」は実際のところほとんどいません。多くの生徒は勉強を一人で進められないから塾を頼りにした方が成績が上がります。
一方で、「通っても意味がない」質の悪い塾があることも事実です。そのような塾の見抜き方も解説しました。塾に通うならば、意味がある、効果がある、満足できる塾を選びたいものですね。「塾に通ってよかった」と感謝できた経験は、その後の人生で、生徒が誰かに何かを教え伝える立場になったとき、きっと役に立つことでしょう。
通っても意味がない塾ではなく、「通ってよかった」と思える塾を選ぶには、「塾選びの窓口」をご利用ください。お住いのエリアにどのような塾があるのか、塾の特徴が分かるだけでなく、実際に通っていた保護者の方の口コミもあり、塾をより広い視点から選ぶことができます。資料請求をしたら、無料体験授業をぜひ受けてください。お子さんに合った、良い塾が選べるようこの記事をお役立ていただければ幸いです。