「塾をやめたい」と言われた親のNG行動4例・正しい行動4例

更新日 2024.08.07
「塾をやめたい」と言われた親のNG行動4例・正しい行動4例

もし、お子さんがある日突然「塾をやめたいんだけど」と言ってきたら、どうしますか?

実はお子さんは、「塾をやめたい」と言ったときの親の対応をよく見ています。これからもお子さんに勉強を頑張ってほしいと願うなら、間違った対応をしないことが大切です。

この記事では「塾をやめたい」とお子さんに言われたときに、親がすべき対応を解説します。最後まで読むと、きっと急に「塾をやめたい」と言われても、落ち着いて対応できるようになるはずです。

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目次

子どもに「塾をやめたい」と言われた親のNG行動4例

カッとなり、感情的に反応すると子どもは反発するばかり
カッとなり、感情的に反応すると子どもは反発するばかり

子どもは唐突に「塾をやめたい」といいます。親も反射的に対応してしまいがちですが、「やってはいけない親の行動」があると押さえておきましょう。

間違った対応はお子さんの「やめたい」気持ちを頑なにし、良い結果にはつながりません。

(1) やめたい理由や子どもの話を聞こうとしない

お子さんにはお子さんなりの、やめたい理由があります。しかし、「絶対やめちゃダメ」「ここまで続けたのにもったいない!」とお子さんの話をまったく聞こうとしない姿勢は、塾や勉強、さらに親に対するお子さんの反発心を助長します。

(2) 無理やり塾に行かせる

お子さんは「やめたい」と言っているにもかかわらず、無理に塾に行かせ続ける行動もNGです。自分の気持ちをないがしろにされた虚しさと、やめたい場所に行かなければならないプレッシャーから、塾から逃げ出すなどの問題行動につながるおそれがあります。

(3) 塾にクレームを入れる

「うちの子がやめたいと言うのは、塾に問題があるに違いない」と、すぐに塾にクレームを入れるのもやめましょう。事実関係の確認なしにクレームを入れても、問題の焦点が明確にならず、事態は解決しません。

さらに「クレームを入れた家庭の子ども」として、お子さんが周囲から注目される原因にもなります。

(4) ヒステリックに怒る

ヒステリックな人への対応は、大人でもやりたくありません。まして子どもたちにとって、ヒステリックな親は「手が付けられない」以外のなにものでもないでしょう。

「塾の話をしているのに、学校の三者面談で言われた課題を持ち出す」など、他の問題を思い出して“ついでに怒る”行動も避けてください。

子どもに「塾をやめたい」と言われた親の正しい行動4例

子どもには子どもなりの理由がある、まずは話に耳を傾ける
子どもには子どもなりの理由がある、まずは話に耳を傾ける

どのお子さんでも、ある日突然「塾をやめたい」と言い出す可能性はあります。では、実際に「塾をやめたい」と言われたら、どう対応すれば良いのでしょうか。

子どもに「塾をやめたい」と言われた親の正しい行動4例

(1) 子どもの話をじっくり聞く

「辞めたい」というネガティブな話題を安心して話せるように、親御さんはしっかり話を聞く態度を示しましょう。家事や仕事の手を止めお子さんの隣に座り話します。

お子さんが話し始めたら、途中で遮ったり否定したりしてはいけません。お子さんが思いのすべてを吐き出すまで、根気よく付き合ってください。

(2) 隠れたストレス要因がないか探る

「塾を辞めたい」と子どもたちが言う理由はさまざまです。「先生と合わない」「学校が終わったあとまで勉強したくない」といったストレートな理由もあれば、「受験や将来が不安」「親に金銭的負担をかけているのではと心配」など、言葉にしにくい理由もあります。

内心、言葉にしきれていないストレス要因がないか探るつもりで聞いてみてください。

(3) やめてどうしたいか希望を聞く

やめてどうしたいか、希望はあるのかも聞いておきます。「別の塾に移りたい」「自宅で自分のペースで勉強したい」「部活をもっと頑張りたい」など、やめたあとのビジョンをすでに描いている場合もあるからです。

もしやめた後までは考えていないお子さんなら、考えるきっかけにもなります。

(4) 今の塾での成果を思い出させる

「塾をやめたい」と考えるお子さんの気持ちは、「やめる」一択です。途中で投げ出す自分に無力感を抱き、自信を喪失しているかもしれません。

しかし、自信を失ったままでは良い選択はできません。ここまで塾で頑張ってきた以上、何かしらの成果は見出せるはずです。塾での成果を思い出させ、下がってしまった自己肯定感を上げられるよう促しましょう。

すぐに塾をやめた方が良いパターン3つ

「合わない」と感じたときは、無理に続けないほうが良い
「合わない」と感じたときは、無理に続けないほうが良い

やめたい理由によっては、すぐに退塾を決心したほうがお子さんのためになる場合もあります。

すぐに塾をやめたほうが良いパターンを、3つ解説します。

(1) 人間関係のストレスがある

勉強する場所であるはずの塾でも人間関係のストレスは生まれます。生徒同士の人間関係が複雑になり、周りが気になって塾に足が向かなくなるお子さんも実際にいます。

人間関係は相手がいる問題なだけに、解決は容易ではありません。やめる選択をして塾を離れ、もっと集中できる環境を探すのが得策です。

(2) 講師が合わない

塾の講師にはさまざまなタイプがいます。講師が合わないと感じ、講師変更もできない場合は塾をやめたほうが良いでしょう。合わない人に教えられていても、勉強に主体的にはなれないからです。

さらにお子さんが「講師と合わない」と感じる理由を明らかにしておくと、次の塾を探す際に同じタイプの講師を避けられるようになります。

(3) 目的・目標と合わない

塾の方針やカリキュラムが、ご家庭の目的や目標と合わない場合も、すみやかに退塾したほうが良いでしょう。そのまま通い続けても、ご家庭が目指すゴールには近づけません。

塾が家庭の目的・目標と合わない例
・途中で中学受験をすると決めたが、通っている塾に中学受験コースがない
・予習重視の塾だったが、復習重視の方が合っているようだ
・目標と塾の指導レベルが合わない
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塾をやめるのではなく“状況改善”を検討すべきパターン3つ

「塾をやめたい」理由によっては、いまの塾をやめてもまた同じ問題が起きる可能性があります。塾をやめるのではなく、根本的な問題を解決したほうが良いパターンを3つ解説します。

(1) 部活が忙しい、部活で疲れる

部活と両立できないことを理由に塾をやめるなら、本当に退塾が最善の選択か再考しましょう。部活の忙しさや疲れが変わらなければ、また「両立できない」と悩む可能性が残るからです。

悩みながらも両立している中高生も、大勢います。両立できている先輩や友人の取り組みも参考にしながら、コマ数を減らすなどまずはいまの塾で頑張れる方法を探してみてください。

(2) 勉強に意欲がわかない

勉強に対して無気力なお子さんは、塾をやめたからといって急に意欲的になるとは限りません。そもそも興味・関心が持てないのは「塾ではなく勉強」だからです。塾をやめると勉強に向き合う環境が一つ減り、無気力に拍車がかかる展開も考えられます。

勉強に意欲がわかない理由や将来の夢、目標を一緒に考えてあげましょう。

(3) 勉強が面倒くさい

「そもそも勉強がキライ」「勉強が面倒くさい」というタイプも、塾をやめても解決しません。むしろ、「これで勉強しなくていいんだ!」と喜んでしまうでしょう。

勉強を面倒くさがるお子さんは、合う講師を探すのがおすすめです。相性が合う講師と出会えれば、ちょっとしたことをきっかけに勉強に興味を持つ可能性があります。

「塾をやめたい」は通塾や勉強の目的を再考するチャンス

立ち止まり、勉強の目的をじっくり考える時間があってもいい
立ち止まり、勉強の目的をじっくり考える時間があってもいい

「塾をやめたい」という言葉は、休憩を求めるお子さんからのSOSの場合もあります。

塾をやめたいと思ったら、勉強や通塾の目的を振り返ってみましょう。自然とまたやる気がでるケースもあります。

(1) そもそも、なぜ塾を始めたのか思い出そう

そもそも、どうして塾に通おうと思ったのでしょうか。

長く通塾していると、いつの間にか「塾はあって当たり前の存在」になります。しかし、当初は夢や希望とともに入塾したはずです。あのころの気持ちや「塾で頑張ろう」と思った初心を思い出してみましょう。

(2) 塾を始めて目標に近づけたのか客観的に評価しよう

入塾してからこれまでに成果が出ていると確認できれば、やる気が戻ってくるかもしれません。反対に成果が出ていなければ、退塾・転塾を検討する機会なのだと納得できるでしょう。

「やめたい」という主観的な気持ちを入れずに評価できるよう、以下の客観的指標をチェックしてみてください。

客観的な指標になるもの
・定期テストや模試の得点、順位推移
・通知表の評定
・英検、数検など資格試験の取得状況

(3) 現在の目標に向けていまの塾がベストか検討しよう

目標は常に変わります。当初は目標までの最短距離だと思って選んだ塾も、目標が変われば最短距離ではなくなっているかもしれません。

現在の目標と塾の方針やレベルを比較し、本当にいまの塾で良いかを考えてみましょう。その結果、継続、あるいは退塾・転塾などの選択肢が出ても、納得して選べるはずです。

塾をやめたあとの選択肢

「退塾」という結論に至った場合、すぐに考えなくてはいけないのがやめたあとにどうするかです。いまの塾をやめたあとに選べる勉強方法の選択肢を、4つ紹介します。

塾をやめたあとの選択肢

(1) 他の塾に移る

「塾に通う」という手段が合っているお子さんには、他の塾への移籍がおすすめです。周りからの刺激があったほうが頑張れる、家だとサボってしまうといったタイプが該当するでしょう。

他の塾に移る場合は、いまの塾が合わなかった理由を明確にし、同じ失敗をしないよう注意しましょう。お子さんに合う塾の選び方も後ほど解説します。

(2) 通信教育・タブレット教材などを始める

通塾ではなく、自宅で学習する方法もさまざまあります。通信教育やタブレット学習は、自宅学習の代表例です。「部活が忙しい」「自分のペースで進めたい」「周りに友だちがいると気が散ってしまう」などのお子さんには、このスタイルが合っているかもしれません。

(3) オンライン形式の指導を受ける

オンライン形式の授業とは、パソコンやタブレットを通じて授業を受ける学習スタイルです。生徒と講師が1対1の「オンライン家庭教師」や、ライブ授業を配信する塾、映像授業を視聴するタイプなど、豊富なバリエーションの中から選べます。

(4) 独学する

塾や教育サービスを使わず、独学で頑張る選択肢もあります。市販教材を使って学習するほか、YouTubeをはじめとする動画配信サービスにある解説動画を活用するなど、無料で学べる環境も整いつつあります。

独学の難点は、学習計画から進捗管理、模試分析まですべてお子さん自身が行わないといけない点です。高い自己管理力が求められるため、場合によっては親御さんのサポートが必要になる可能性もあります。

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塾をやめる手順4ステップ

気持ちよく終えられるよう、手順とマナーを守った退塾を
気持ちよく終えられるよう、手順とマナーを守った退塾を

塾をやめると決めたら、4つの手順を踏んで退塾となります。やめる理由が何であれ、最後は気持ちよく終えられるよう誠実に進めましょう。

塾をやめる4つの手順

(1) やめる意志を伝える

まず塾に「退塾」の意思を伝えます。伝える方法は電話・メールで構いません。塾との専用チャットがある場合は、チャットでも大丈夫です。

塾をやめようと思った理由を添えて、簡潔に伝えましょう。

(2) 事務手続きを進める

退塾の意向が受理されると、退塾に向けた事務手続きに入ります。主な手続きは次の2つです。

・退塾届を書く
・未清算費用を精算する

月謝等の引き落としが残っている場合は、やめたあとも銀行口座の残高不足に注意しましょう。

(3) 授業は最後までしっかり受ける

最終日までに授業が残っている場合は、真面目に受けるようにします。「どうせやめるから」といってふざけた態度をとるのはNGです。

周囲のお子さんはこれからもその塾で勉強を続けることを思いやり、やる気を乱す行動は控えましょう。

(4) 親からも挨拶をする

これまでの指導に対する感謝とお礼は、親御さんからもしっかり伝えましょう。最終日の授業後に迎えに行って伝える、もしくは電話でも構いません。

親御さんが塾に誠実に向き合う背中は、お子さんも自分を投影しながらきっと見ています。

お子さんに合う塾を見つけるコツ

お子さんに合う塾探しは「合わない塾を除外する」のがコツ
お子さんに合う塾探しは「合わない塾を除外する」のがコツ

退塾を経験すると、「次は子どもに本当に合う塾を選びたい」と思う気持ちが強くなるものです。では、お子さんに合う塾は、どう探せば見つかるのでしょうか。

塾探しで押さえたい4つの注意点を解説します。

(1) 塾をやめた理由を明確にする

「人間関係のストレスがあったからやめた」なら、次は学校から遠い塾にしようと考えられます。「講師の一方的な教え方が嫌だった」なら、対話式で授業を進める個別指導塾が良いかもしれません。

塾をやめた理由を裏返すと「そうじゃなかったらやめなかった」、つまりお子さんに合う塾を見つけるヒントが見つかります。

(2) 塾に対して「譲れない希望」を3つ決める

すべての希望が叶う「理想の塾」に出会うのは、現実的に難しいかもしれません。しかし、どうしても譲れない希望3つを満たす塾なら、見つかる可能性が高まります。

立地や授業形態、授業のレベルなど、「これだけは必須」という希望を3つだけ決めましょう。

(3) 校舎見学・体験授業を受ける

譲れない希望を満たしてくれそうな塾を探し、見学・体験授業に行きましょう。雰囲気や他の生徒の様子、体感で得られる情報も判断材料になります。

もし希望を満たす塾が見つからない場合は、「塾探しの窓口」を使ってみてください。学年とお住まいの地域を選択するだけで、評判のいい塾をみつけられます。

(4) 不明点や心配な点は入塾前に解決する

不明点や心配な点は、遠慮なく塾に問い合わせましょう。「こんなことを聞いたら、変に思われるかな」などの懸念は不要です。

塾側も「しっかり納得の上で入塾してほしい」と思っています。「自転車を停める場所はあるか」「講師の交代は何回まで可能か」など、小さな点でもクリアにしておきましょう。

まとめ

もしお子さんが「塾をやめたい」と言い出した、またはやめたい様子が感じられる場合は、この記事を参考に正しい対応でお子さんを導いてあげましょう。

間違った対応は親と塾に対する不信感、勉強に対する拒否感につながる可能性もあります。まずは「お子さんの話を丁寧に聞く」ことを心がけてください。

塾をやめたあとも、勉強は続きます。別の塾に通う、タブレット教材やオンライン教育を利用するなど、お子さんに合う学習環境を探してあげましょう。

塾探しの窓口」も、お子さんにピッタリの学習環境を探すお手伝いをいたします。

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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

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