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【徹底比較】個別指導塾と集団指導塾の違いとは?向いている子の性格を解説
塾に通うと決めたものの、「個別指導と集団指導、2つの違いがわからず決められない」「そもそも個別指導って何?マンツーマンでなくても個別指導なの?」「個別と集団、どちらの費用が安いのかな?」…などとお悩みではないでしょうか?
個別指導と集団指導は塾の指導スタイルの違いですが、それぞれにメリットとデメリットがあり、合う性格のお子さんも異なります。また費用面でも細かい違いがあります。この記事では塾における個別と集団の違いを詳しく解説します。
塾の指導方法の違い|「個別指導」「集団指導」は何が違う?
個別指導か集団指導か?塾に通うならどちらを選ぶべきか?とお悩みかもしれませんね。まずはどちらにするかを決める前に、「個別と集団の指導方法の違い」を知っておきましょう。
個別指導とは?個別指導塾の指導スタイル
個別指導は、塾の指導方法の一つです。名前のとおり1人の講師が生徒に「個別」に対応して教えます。
講師1人に対して1人の生徒(マンツーマン)、または2人~4人程度の少人数を指導します。生徒一人一人のニーズに応じて、きめ細かい教え方をしてくれるのが特徴です。
マンツーマンの場合は個別のスペースがあり、ホワイトボードと生徒の席があるスタイルが多いです。先生の講義を一人の生徒だけが受けます。質問などはある程度自由にできます。授業中心で進めるか、問題演習形式で進めるかは生徒の学力状況や時期(入試直前など)によります。
複数の生徒がいる個別指導の場合は、
①生徒同士が区切られた座席スペースに座り、そこを講師が巡回する形式
②小さめの教室で、講師が生徒(2人~4人)に対して黒板を使って授業をする形式
の2つがあります。
②の形式では、黒板を使った説明(授業)が終わった後、①の形式に移行して質問対応などを「個別に」行うことが多いようです。
集団指導とは?集団指導塾の指導スタイル
集団指導とは、一つの教室に10人前後〜数十人の生徒を集め、一人の講師が授業を行う指導形式です。この形式では多人数を一人の講師が担当する都合上、あらかじめ決まっているカリキュラムに沿った授業を全員に対して行います。学校の授業と同じ形式と思えば良いでしょう。
入塾の際に学力テストを受けて、所属するコースが決まるスタイルも多く取られています。塾に入ってからも、習熟度(月例テストなどの結果)でクラスが変更になることがあります。
集団指導塾では、補習塾でも進学塾でも、学力別にクラス分けをすることが多い傾向があります。集団指導では個別のように一人一人に合わせたきめ細かい指導ができないため、できるだけ同じ学力レベルの生徒を集めることで、クラスのレベルに合わせて授業を行います。
個別指導塾と集団指導塾の「費用」の違い
ここでは、集団指導塾と個別指導塾の費用の目安を比較します。
個別指導塾の費用の目安
上の表は、実際の個別指導塾の1コマ当たりの時間と一般的な月謝から割り出した、60分当たりの料金を比較したものです。同じ個別指導塾でも、差があることが分かりますね。
例えば小学6年生ならば、最も高い塾と最も安い塾で1時間あたり約4,000円以上の差があります。お子さんに個別指導塾を選ぶ場合は、こちらの表も参考に、どの程度の金額ならば塾代として家計から出せるかを検討してみてください。
ただし、上で紹介したように、同じように「個別指導塾」という名称でも、マンツーマンではなく講師1人に対して生徒2人~4人の場合があります。必ず資料請求の際に確認し、希望の指導スタイルかどうかを確認してくださいね。そのうえで、サービス内容と費用が見合っているか、ご家族で話し合うことをおすすめします。
集団指導塾の費用の目安 (受験塾・補習塾別)※小学生の場合
上は、集団指導塾の費用目安です。集団指導塾は多くはカリキュラムが決まっており、月単位の授業料になるため、月当たりで提示しています。
補習塾か進学塾(受験塾)かによっても、かかる費用は異なります。その他、どのようなサービスを追加するかで追加料金が必要になる塾もあります。
集団指導塾の方が個別指導塾より割安の傾向あり
同じコマ数の授業を受けると仮定して集団指導塾と個別指導塾を比較すると、一般的には集団指導塾のほうが個別指導塾より割安の傾向があります。これはある意味当然で、講師1人の担当する生徒数が、集団指導塾は10人以上に対し、個別指導塾は多くても4人程度まで。つまり、生徒一人当たりに先生が多数必要になり、人件費がかかるからです。また個別指導塾の方が、個別ブース設置など施設費用がかかることも一因です。
とはいえ、上記はあくまで「傾向」「目安」です。塾の費用は塾ごとに異なるため、入塾前に必ず塾に直接問い合わせておきましょう。
小学生・中学生・高校生の塾費用については、さらに詳しい記事がありますので、そちらでご確認ください。
個別指導のメリット
なんといっても、生徒一人一人に合わせたカリキュラムを組んでくれて、きめ細かい指導をしてくれるところが個別指導の魅力です。勉強の仕方がわからない、基礎ができていない、集中できない…などの特性のあるお子さんでも、その子に合った先生を選んでくれます。
また、他の教科は高い偏差値が取れているけれど一教科だけ苦手教科がある場合、その教科の授業だけ受講することもできます。集団指導塾ではカリキュラム固定のため、必要のない授業も受けなければなりませんが、個別指導塾では不要な授業を受ける必要がありません。
スケジュールの自由度の高さも、忙しい生徒にはメリットです。部活動や習い事で忙しくても自分のスケジュールに合わせた時間割を組んでもらえます。
集団指導のメリット
集団指導の大きなメリットは、一緒に頑張る仲間がいること。同じ目標に向かってがんばる生徒たちを見て、モチベーションを上げることができます。
また競争する中で自分の成績における立ち位置、志望校までの距離(どれくらい点数を上げる必要があるのか、内申点はあとどれくらい必要か)などを客観的に知ることができます。
集団指導に向いている子
・負けず嫌いで、競争でモチベーションを上げられる子
・決められたカリキュラムのとおりにきちんと課題ができる子
・自分のすべきことを理解して、準備したり、予定を組んだり、自分の身の回りのことは自分でできる子
集団指導が向いている子は、一般的には社交性が高いと言われます。また負けず嫌いで、競争によってさらに頑張るモチベーションを保てる子も集団指導に向いています。
また良くも悪くも友達から影響を受けやすく、誰かと一緒に勉強することで、自分も勉強しようと思える子も向いています。しかし同時にそのような性格の子は、友達と遊んでしまい、勉強しなくなってしまうケースもあるため、注意が必要です。
個別指導塾と集団指導塾の選び方
ここまでごらんになって、「うちの子は集団の方が合っている気がする」「個別の方がうちの子には向いているかも」など、なんとなく方向性は見えてきたかもしれません。
実際に塾を選ぶ場合、「塾に行く目的」をはっきりさせることが大切です。それに加えて「個別か集団か」選ぶ際は、お子さんの性格などもあわせて考え、選ばなければなりません。
個別指導と集団指導のどちらにするかは「何に最も重点を置くか(一番ゆずれないものは何か)」によって絞り込み方が変わってきます。次のような視点から選んでいきましょう。
(1)現在の学力・成績から選ぶ
お子さんの現在の学力や成績があまり良くない場合は個別指導が向いています(成績がある程度安定していて基礎固めができている場合は集団指導が選ばれる傾向があります)。
また、「勉強の仕方がわからない」「何から手をつけたらいいかわからない」というような、そもそも勉強の習慣がなく、一から「何を、どうすべきか」教えてもらいたいお子さんには、個別指導が大きな効果を発揮します。
学校の授業についていけないお子さんは、無理して集団指導塾を選ばず個別指導塾を選ぶ方がよいでしょう。無理をしたり見栄をはったりすると、学校の授業だけでなく塾の授業にもついていけなくなり、やる気をなくしてかえって成績が落ちてしまう…という悪循環になるおそれがあります。
個別指導を受けて成績が上がり、学習習慣や自分で考える癖が身につけば、集団指導に切り替えることもできます。
その他、「全体の成績は良いが、一教科だけとても苦手である」場合も、個別指導でその教科のみを徹底して対策するとよいでしょう。
なお、高校受験・大学受験対策では集団指導の進学塾を選ぶのが基本ですが、一教科だけ苦手科目対策をする場合や、有名講師に1対1で集中的に教えてもらいたい場合などは、個別指導塾を選ぶ生徒さんもいます。
中学受験では、まだ小学生ということもあり、子どもの性格や年齢を考えて検討しましょう。集団指導塾と個別指導塾を併用するご家庭や、個別指導塾だけで受験対策をするご家庭もあります。
いずれにせよ、受験に個別指導を利用すると、費用がかなりかかってしまうため、注意が必要です。
(2)スケジュール・時間の都合から選ぶ
習い事などで時間の都合がつけづらい場合は、時間やカリキュラムが自由に決められる個別指導塾のほうが向いています。
ピアノやバレエ、絵画など芸術系の習い事をしているお子さんも多いでしょう。その分野に才能があり、将来を見越して熱心に打ち込んでいるお子さんもいます。スポーツならばプロリーグの下位チームに所属してプロを目指しているお子さんもいるでしょう。
そのようなケースでは、習い事を中心に生活すると、決まった時間に塾に通うのは難しくなります。また、上記のようなケースでなくても、部活動が忙しい中学生や高校生は多いです。強豪校の部活動に所属していると、やはり時間は自由になりません。
勉強はもちろん大切ですが、お子さんが打ち込んでいるならば、そちらを優先してあげましょう。塾に通うために、無理に習い事をやめる必要はありません。習い事を極めた結果、将来、一芸に秀でているということで高校や大学に推薦入学できる可能性もあります。お子さんの意志を尊重しながら、通える塾を選びましょう。
集団指導塾は授業時間やカリキュラムが年度初めから年度末まできっちり決まっていることがほとんどです。個別指導塾ならば、お子さんの都合に合わせてカリキュラムを作成してもらえます。また授業日程や時間の変更も、比較的スムーズに行ってくれます。
(4)かかる費用から選ぶ
現実的な話として、費用面で通う塾が限定されることはよくあります。それも大切な一つの選び方です。塾に通うお金がかかりすぎて、せっかく合格した学校の学費が払えなくなったら、本末転倒です。
塾では、授業料と基本料金(必ずかかる毎月の固定費用)しかホームページや広告に載せていないことがあります。これは、志望校のレベルによって追加サービスの必要性や模試費用などが異なるため、基本的な費用しか書けないというのも理由です。
基本の費用だけしかかからないと思い込み、実際に入塾してみたら、季節講習費などで予定より高くなってしまった…となるケースもあります。
塾費用の「相場」については事前にある程度調べておき、実際に入塾前の面談では、詳細な費用を確認することが大切です。
①塾を併用する(2つの塾に同時に通わなければならない)理由と目的を、保護者だけでなく子ども本人にも一緒に考えさせ、明確にする
②子どもの体力や時間的リソースに注意し、絶対に無理をさせない
③費用面に不安はないか、あらかじめ塾に問い合わせて確認しておく
お母様がお子さんのためにと塾を追加した結果、お子さんが無理をしすぎて体調を崩してしまった例もあります。
お子さん自身が納得して塾に通うのでなければ、成績アップや志望校合格は望めません。きちんと親子で話し合い、やるべきことを共有し合うようにしてくださいね。
まとめ
この記事では、塾における個別指導と集団指導の違いについて解説しました。
個別指導と集団指導、それぞれに特徴や費用は異なり、それぞれにメリット・デメリットがあります。また、合うお子さんの性格も異なります。塾になぜ通うのかをよく考え、お子さんの学力や成績状況、性格、費用なども考えて選びましょう。
個別か集団か、どちらにするかある程度決めたら、資料を取り寄せて比較してください。あるいは、完全にどちらと決めずに、個別も集団も両方検討してみるのもよいでしょう。
入塾前には、必ず体験授業を受けましょう。ほとんどの塾では無料で体験授業を受けられます。「個別がいいと思っていたけれど、実際に授業を受けてみたら集団の方が合った」「集団より、個別の先生のほうが丁寧に教えてくれてわかりやすかった」など、体験授業を受けることで分かることもあります。
ぴったり合う塾を見つけるには、「塾探しの窓口」を使うと便利です。エリアごとにどのような塾があるかがわかり、各塾を利用した方の実体験に基づいた口コミもあります。ぜひ「塾探しの窓口」を使って、お子さんにぴったりの塾を見つけてあげてくださいね!