個別指導塾のメリット・デメリットとは?集団との違いを解説

更新日 2024.01.26
個別指導塾のメリット・デメリットとは?集団との違いを解説

これまで塾に通っていなかったお子さまの塾通いを検討し始めた際、最初に迷うのは「集団指導塾か、個別指導塾か」ではないでしょうか。「勉強が苦手な子は最初は個別指導のほうが良いのか」「個別指導のほうが集団指導より費用がかかると聞いたが本当?」とお悩みの保護者さまもいるかもしれません。

この記事では個別指導塾と集団指導塾を比較しながら個別指導塾のメリットとデメリットを紹介します。また個別指導塾のデメリットを解消する方法、個別指導塾に向いている子のタイプ、個別指導塾の選び方についても説明します。

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個別指導塾のメリット・デメリットとは?集団指導塾と比較

勉強が苦手な子は個別指導塾のほうが丁寧に指導してもらえるため、集団指導塾より向いている傾向がある
勉強が苦手な子は個別指導塾のほうが丁寧に指導してもらえるため、集団指導塾より向いている傾向がある

「個別指導塾」とは、講師と生徒が1対1(マンツーマン)、または1対2~最大5人程度の少人数で授業を行う塾を指します。先生1人が大勢の生徒に一斉に授業を行う「集団指導塾」とはさまざまな違いがあります。ここではそれぞれの特徴について説明します。

個別指導塾の特徴

個別指導塾のメリットとデメリット

①どのような授業形式か

集団指導塾と個別指導塾の最大の違いは、カリキュラムの在り方です。集団指導塾はあらかじめ決められたカリキュラムに従って生徒たちは勉強します。一方、個別指導塾では、生徒の学力や成績状況、目標などから、その生徒に合ったカリキュラムを作ります。

また個別指導塾では、先生は生徒に対して常に1対1で対応します。これは複数人数を相手にする個別指導塾でも同じで、指導中は常に「先生対個々の生徒」の関係になり、生徒一人一人に合った指導を講師は行います。生徒はわからないところを質問し、不足している箇所を補う問題を出してもらったり、解説してもらったりすることができます。

②個別指導塾のメリット

個別指導塾には以下のようなメリットがあります。

生徒のペースで学べる

学習状況に合ったカリキュラムを使える

必要な教科のみを重点的に学べる

都合に合わせて塾に通う予定・回数を変更可能

先生と距離が近くコミュニケーションがとりやすい

特に勉強が苦手な子、何をすればわからない子などには個別指導塾のほうが丁寧に指導してもらえるため、集団指導塾より向いている傾向があります

③個別指導塾のデメリット

個別指導塾のデメリットは以下のとおりです。

カリキュラムが流動的すぎると、目標まで到達しないことがある

ライバルがいないため競争意識を持ちづらい

費用が割高

生徒に合ったカリキュラムを作ってもらえることはメリットですが、1対1の指導の中で甘えが出てくると、最終的に目標に到達できないこともあります。例えば受験を控えているのに、受験範囲まで復習が終わらないケースなどです。

またライバルの存在は受験という競争の中では重要です。そのため個別指導塾だけで高校受験や大学受験を乗り越えるには、生徒本人にある程度自学自習の習慣がついているうえで、「苦手科目を克服したい」「志望校に合格したい」という目標がないと難しいかもしれません。

ほか、大学受験に関しては集団指導塾または予備校に所属しているほうが情報が多く得られ、模試も優先的に受けられます。個別指導塾は集団との併用や、推薦入試狙い(内申点アップ)に利用する人が多い傾向があります。

費用は、個別指導塾によって大きな差があります。各塾に問い合わせて確認しましょう。

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集団指導塾の特徴

集団指導塾のメリットとデメリット

①どのような授業形式か

集団指導塾では1人の先生が大勢の生徒に対して一斉授業を行います。学校の授業と同じスタイルです。

②集団指導塾のメリット

集団指導塾には以下のようなメリットがあります。

カリキュラムが固定のため、学習計画や目標が立てやすい

周りの生徒と競争意識が芽生え、学習意欲が高まる

費用が割安

特に受験生にとっては、集団指導塾に入ってライバルたちと共に学ぶことは大きなモチベーションになります。

③集団指導塾のデメリット

カリキュラム固定。生徒個人の理解度に合わせられない

生徒の都合で授業の振り替えはできない(※近年はアーカイブ配信を視聴できるケースが多い)

周りに友達がいるため勉強に集中できないこともある

先生とのコミュニケーションは個別指導塾よりとりづらい

集団指導塾は指導内容が固定のため、生徒本人が頑張って授業内容についていく必要があります。そのハードルを乗り越えることで、受験合格や成績アップなど「効果」が大きく出ることも多いです。しかし中には授業内容を理解できないまま、ただ授業に出ているだけになってしまう生徒もいます。

また、競争を好まない生徒が集団指導塾の厳しい競争にさらされることで、成績が伸び悩み、メンタルを病んでしまうケースもあります。

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個別指導塾に向いているのはどんな子ども?

ここでは、特に個別指導塾に向いている子の性格や状況について説明します。

個別指導塾に向いている子
集団指導塾に向いている子

個別指導塾は一人一人の理解度などに合わせて、講師が丁寧にサポートを行ってくれる指導方法です。そのため集団指導塾とは講師との距離感が異なります。優れた指導方法である個別指導塾にも、向いている子、向いていない子がいます。

自分のペースでじっくり取り組みたい子

集団の中だと物怖じしてしまう子

このような性格の子は集団の中では、理解できていないのになんとなく分かった気になり、雰囲気で流されてしまう可能性があります。

勉強に対して苦手意識が強く、まずは基礎能力を上げたい子

極端な苦手科目がある子

体力がなく集団指導塾のカリキュラムがこなせない子

習い事が忙しく、決まった時間に塾には通えない子

学習・生活状況が以上のような場合は、個別指導塾で力をつけるとよいでしょう。

なお、特に受験生の場合は個別指導塾で十分な力と自信がついたら集団指導塾へ転塾し、集団の中で切磋琢磨して実力をさらに上げていく方法をおすすめします

個別指導塾のデメリットを解消する方法

集団指導塾と比べると費用は割高。費用が予算内の塾の中から、お子さんと相性の合う塾を選ぼう
集団指導塾と比べると費用は割高。費用が予算内の塾の中から、お子さんと相性の合う塾を選ぼう

ここでは個別指導塾のデメリットを解消する対策について紹介します。

①カリキュラムが流動的すぎると、目標まで到達しないことがある

先生と馴れ合いになってしまうと、このようなことが起こり得ます。長時間の授業を2人だけで行っているとどうしても集中力が途切れてしまうため、授業時間を短く、回数を増やすという方法が考えられます。

他には、講師にまかせっきりではなく、カリキュラムのどこまで到達しているか、塾長や保護者と情報共有する仕組みがある塾を選びましょう

②ライバルがいないため競争意識を持ちづらい

模試を定期的に受け、自分の成績の位置をチェックしましょう

その他、あえて1対2の個別指導塾を選び、他の生徒がすぐ傍にいる緊張感をつくる方法もあります。この場合、同じ先生に教わる生徒が友だちだとおしゃべりしてしまうおそれがあります。全く別の学校の知らない生徒のほうが良いでしょう。

③費用が割高

個別指導塾にかかる費用は塾によって大きく異なります。週1回の授業で月6,000円程度の塾から、1カ月の夏期講習で100万円を超えるような塾もあります。まずは予算を考え、いくつかの個別指導塾をピックアップしてみましょう

最も大切なのは生徒本人と講師、塾との相性です。費用が予算内の塾の中から、お子さまと相性の合う塾を選んでください。

その他、集団指導塾と併用して、苦手な科目だけを重点的に個別指導塾で学ぶ方法もあります。集団指導塾に個別指導塾費用が追加になりますが、全ての科目を個別だけで賄うより費用はかなり抑えられます。

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個別指導塾を選ぶ際のチェックポイント

入塾前には無料体験を受けて、お子さんに合っている個別指導塾かどうかを必ず確認しよう
入塾前には無料体験を受けて、お子さんに合っている個別指導塾かどうかを必ず確認しよう

個別指導塾のメリット・デメリット、そしてどんなお子さまが個別指導塾に向いているか、おわかりになったのではないでしょうか。これらをふまえて、個別指導塾に実際に入塾する際、チェックしておきたいポイントを解説します。

【チェックポイント1】講師1人に生徒何人?希望するタイプの個別指導塾か

個別指導塾にもタイプがあります。最も大きな違いは、「マンツーマンか、先生1人に複数人数の生徒か」「複数生徒の場合、2人~5人程度のどれか」です。個別指導塾を選ぶ際は、必ず「どのような授業形式か」を確かめ、希望に合った生徒数で授業を行ってくれるところを選んでください。

マンツーマンと1対複数人数ではどのような違いがあり、どう選べばよいかを紹介します。

①しっかり指導してもらいたいときはマンツーマンか1対2を選ぶ

「勉強が苦手」「勉強の仕方がわからない」「成績がとても悪い」などの場合は、出来る限りマンツーマン、最低でも講師1人に生徒2人までの個別指導塾を選ぶことをおすすめします

マンツーマンの個別指導塾では、先生は生徒一人だけのために授業を行います。そのため生徒は勉強の仕方、テスト前の過ごし方、授業の受け方、ノートの取り方など、初歩的なことから丁寧に指導を受けることができます。

先生1人に生徒2人のタイプでは、先生1人が生徒1人に割ける時間はマンツーマンの半分になります。ただし、このタイプでは授業(問題解説)と演習(問題を生徒が解く)を組み合わせて進められます。1人の生徒が問題を解いている間、先生はもう1人の生徒へ説明と演習課題の指示を行うことができるため、時間を有効に使え、無駄がありません。また1対2の個別指導では、生徒は自分以外の生徒がすぐ近くで勉強していることから、適度な緊張感や競争心も得られます。これはマンツーマンタイプの個別指導塾には無いメリットといえるでしょう。

②費用を抑えて勉強時間を確保したいなら1対3以上もOK

「塾では問題演習を中心に行いたい」「近くにいる先生にわからない問題を気軽に質問したい」「それほど勉強が苦手というわけではないが、集団指導塾に通う前に塾に慣れておきたい」などのケースでは、講師1人に対して生徒3人~5人程度の個別指導塾を選ぶとよいでしょう。

授業の形式としては、生徒は各自の演習問題を解き、先生は生徒たちを巡回して進捗を確認、必要に応じて質問に答える方法が取られるようです。

このスタイルは先生1人に対する生徒数が多い分、個別指導塾としては割安で、集団指導塾に通うより安い塾もあります。そのため「できるだけ塾費用は抑えたい」と考えるご家庭にも向いています。

ただし、指導の効率はどうしてもマンツーマンより落ちるので、生徒本人の自主的な学ぶ姿勢も必要になってきます。まず何よりも塾に通う目的とお子さまの性格や成績を考慮して、どちらのタイプがよいか選んでください。

【チェックポイント2】講師は専任かどうか

個別指導塾の講師には、大きく分けて「社会人プロ講師」と「学生アルバイト講師」がいます。どちらを選ぶかは【チェックポイント1】と同じく、指導の密度や費用を考えて決めることになります。

①しっかり指導してもらいたいときは社会人プロ講師・担任制を選ぶ

社会人プロ講師は、生徒たちの成績を上げるあらゆるノウハウと豊富な指導・合格実績をもっているため、さまざまな生徒の状況に合わせた指導を行ってくれます。

また、社会人プロ講師は、担当の生徒の授業時間は基本的にその生徒のためだけに空けてくれます。急に授業がなくなるということはほとんどありません。

ただし、プロ講師でも担任制でなければ、授業のたびに先生が変わることになるため、同じ先生に継続して担当してもらいたいときは、あらかじめ塾に依頼しておきましょう。

②気軽に話せる先生がいいときはアルバイト講師を選ぶ

学生アルバイト講師にメリットが全くないわけではありません。例えば志望する高校や大学の卒業生・在校生のアルバイト講師がいれば、志望校のことを良く知っている先輩に直接話を聞けるため、受験のモチベーションが上がるでしょう。

また年齢が近い分、友だちやお兄さんお姉さんのように親しく話せます。受験を乗り越えてきた先輩なので、受験生のときに気を付けていたことや、ちょっとした勉強のコツなども教えてもらえるかもしれません。

補習に限れば、わからないところを丁寧に教えてくれる大学生のアルバイト講師も多いです。1対4人程度の個別指導塾で演習中心に行うタイプでは、アルバイト講師でも十分なケースも多くあります。

ただし、アルバイト講師は都合ですぐに辞めてしまったり、塾に来る曜日が不定期だったりすることもあります。教え方もプロではないので、講師の資質によって左右されます。時間あたりの費用は、プロ講師とは明確に違う塾もあれば、同じ塾もあり、必ずしも費用節約にならないことはデメリットです。

先生との相性は実際に指導を受けてみないとわからないので、プロ講師だから必ず良い、アルバイト講師だから絶対に良くないということではありません。無料体験を受けて、どのような先生がどういう指導をしてくれるのか、見極めてから入塾しましょう。

【チェックポイント3】授業以外の塾のサポート体制は十分か

個別指導塾で授業を受けるだけで成績が上がるわけではありません。生徒自身が繰り返し、定着するまで復習し、アウトプットを正確に行うことができて初めて成績は上がります。授業時間が集団指導塾より少ない個別指導塾に通う場合は、この「授業以外の時間」を有効に使えるか、そのための仕組みが塾にあるかどうかが大切です。例えば、以下のような例があります。

自習室を開放していていつでも利用できる

質問対応の先生が授業担当の先生とは別に常駐していていつでも質問ができる

確認テストや宿題の継続提出者、模試の成績優秀者を表彰するなど、勉強へのモチベーションが上がる仕掛けを作っている

授業内容はもちろん、授業以外のサポートも行ってくれるかどうか、確認してください。

【チェックポイント4】費用や料金体系に不明点はないか

個別指導塾は、一般的に集団指導塾より割高といわれます。入塾の際はどのような費用がかかるのか、通常授業と別に講習費用はどれくらいかかるのか、授業以外の固定費はいくらかなど、1年単位でかかる費用を確認しましょう。

なお、個別指導塾ごとに授業1コマの時間は異なります。例えば週に1回1コマ取る場合、90分12,000円コースと45分7,000円コースで比較してみましょう。90分の方が時間当たりの費用は割安です。しかし1カ月あたりの月謝は45分コースのほうが安くなります。授業のあと自習室に残って演習問題を解き、先生に質問をするなら、実質45分コースのほうが費用対効果が高いかもしれません。

このように、個別指導塾を比較する際は、同じ時間単位・月単位・得られる効果をトータルで考えましょう。

【チェックポイント5】無料体験できるか

入塾前には無料体験を受けて、生徒自身に合っている個別指導塾かどうかを必ず確認してください。

どんなに評判のよい塾でも、友だちに合ったから自分にも合うというわけではありません。また個別指導塾ごとに授業形式や生徒の人数、サポート体制やサービス内容は異なり、それぞれに特色があります。いくつかの個別指導塾をピックアップしたら無料体験を申し込んで、実際に塾を利用してみましょう。相性は良いか、施設や環境は良いかも含め、塾や講師の雰囲気、授業内容をチェックしてください。

なお、無料体験授業を行った講師が入塾後の担当にならないケースがあります。無料体験で気に入って入塾したのに、その先生は担当してくれなかった、ということもあり得ます。あらかじめ「体験授業を受けて気に入った先生を担任にしてほしい」と塾に伝えておくとよいでしょう。

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まとめ

この記事では、個別指導塾のメリットとデメリットについて紹介しました。

個別指導塾は集団指導塾とは異なるメリットを持っており、上手く利用すれば成績や勉強へのモチベーションを大きく上げることも可能です。一方で個別指導塾ならではのデメリットもあります。また個別指導塾に向いている子、向いていない子があるため、「個別だから良い」「集団より高い費用だから良い」と思いこまず、まずは体験授業を受けましょう。

塾探しの窓口」を利用すれば、お近くの個別指導塾の中から、お子さまにぴったりの塾が見つかります。まずは資料を請求し、比較検討してみてください。「塾探しの窓口」を利用して、個別指導塾に通い、目標へのスタートをきってください。

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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

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