塾の授業の特徴は?学校との違いや多様な指導スタイルを解説

更新日 2024.08.07
塾の授業の特徴は?学校との違いや多様な指導スタイルを解説

「そろそろ塾へ」と塾探しを始めたものの、塾ごとの違いがよくわからない!というお悩みをお聞きすることがあります。一体、塾の授業にはどんな特徴があって、お子さんにはどのスタイルが合うのでしょうか?

今回は塾の授業に注目し、「指導形態」「指導目的」「規模」などを切り口に、塾の違いを解説します。塾ならではの対策授業(定期テスト対策や受験対策など)もご紹介していますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

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塾の授業と、学校の授業との違いとは?

学校は教育の機会均等のため、塾は個人の目標達成のため
学校は教育の機会均等のため、塾は個人の目標達成のため

塾の授業と学校の授業とは、そもそもの目的が異なります。特徴や違いに注目し、塾と学校の授業を比較してみましょう。

塾の授業と、学校の授業との違いとは?

(1) 学校の授業の目的・特徴

学校の授業の目的は、すべてのお子さんに一定水準の教育を提供することです。文部科学省が定める「学習指導要領」は、どの学校でも同程度の教育課程を編成できる指針として使われています。

授業で使う教科書も文部科学省の検定を経ており、教わる内容も全国一律です。また知識の獲得だけではなく、子どもたちの人格や価値観、自主精神を育てるという役割も担っています。

(2) 塾の授業の目的・特徴

塾の授業の目的は、「学校対策」と「受験対策」に大別されます。学校対策とは、学校の授業をより理解するための補習学習や、内申点対策の意味も持つ定期テスト対策を意味します。受験対策とは、志望校合格に特化した勉強のことです。

指導方針は塾ごとに決められるのが特徴で、授業のレベルやペースもさまざまです。また生徒・保護者に対するサポートやサービスも充実しています。

「指導形態別」に塾の授業を解説

塾は目的達成のためにさまざまな指導形態を用意している
塾は目的達成のためにさまざまな指導形態を用意している

ここからは、塾の授業をさまざまな視点から解説していきます。はじめに最も区別しやすい「指導形態」から見ていきましょう。塾の指導形態は、「集団指導/個別指導/自立学習指導/オンライン指導」の4つに分けられます。

(1) 集団指導塾

集団指導とは、一人の講師が15~30人ほどの生徒に授業するという形態です。学校の授業をイメージしていただくと、分かりやすいでしょう。授業のクラスは学年別・習熟度別、あるいは学校別などで編成され、それぞれのクラスに合った解説が受けられます。

集団指導塾のメリット・デメリット

集団指導塾のメリットは、周囲に他の生徒が大勢いるおかげで、競争意識や仲間意識が芽生えやすいという点です。ハイレベルな授業を行う塾は集団指導を採用していることが多く、難関校志望のお子さんにも集団指導塾は向いています。

デメリットは、お子さんによって合う・合わないがはっきり分かれる点でしょう。集団指導の特性上、引っ込み思案な性格だと質問ができなかったり、理解していなくても授業が進んでしまったりということも起こり得ます。

(2) 個別指導塾

個別指導とは、生徒1~3人に講師が1人ついて授業を行うという形態です。講師は一人ひとりを巡回しながら、解説や質問対応を行います。指導を受けている最中は1対1になるということです。講師が他の生徒を指導している時間は、問題演習などに充てられます。

個別指導塾のメリット・デメリット

個別指導塾のメリットは、お子さんのペースに合わせて進められるという点でしょう。学習計画や解説のペース、問題演習の量など、勉強のすべてがお子さんに合わせて組み立てられるからです。周りの目を気にせず集中しやすい、講師が隣にいるので質問しやすいという利点もあります。

デメリットは競争心が生まれにくい点です。自分だけの勉強に没頭できる反面、全体の中での自分の位置が見えにくくなるのです。周囲の頑張りを自分への刺激にしたいタイプのお子さんには、物足りないかもしれません。

(3) 自習塾・自立学習指導塾

自習塾、あるいは自立学習指導塾と呼ばれる塾もあります。授業よりも、自分で勉強を管理できる力を育てることを重視する塾のことです。講師は学習計画や勉強法の相談に乗ったり、質問対応をしたりするのが役割です。塾での過ごし方も自学が中心になります。

自習塾・自立学習指導塾のメリット・デメリット

自習塾・自立学習指導塾は、勉強する習慣が身に付きやすいという点がメリットでしょう。勉強計画や進捗管理のやり方から指導してくれる塾もあり、何を・どう勉強すべきかがしっかり把握できるからです。授業がないため、自分のペースで黙々と勉強したいタイプのお子さんにも向いています。

一方で、授業がない点がデメリットになります。解説してもらわないと理解できない教科や単元の学習には不向きでしょう。また自主的に勉強に取り組む姿勢がないお子さんは、途中で続けるのがしんどくなるかもしれません。

(4) オンライン指導塾

オンライン指導とは、パソコンやタブレットなどを通じて授業を受ける形態のことです。リアルタイムで授業を行う家庭教師スタイルや、録画された映像授業を視聴するスタイルなど、さまざまな形態があります。自分のペースで学習できるサービスが多いのも特徴です。

オンライン指導塾のメリット・デメリット

オンライン指導塾のメリットは、自宅で勉強できるという点にあります。通塾時間がいらないので勉強時間が確保しやすく、他の習い事とも両立しやすいでしょう。居住地を問わず、全国の講師とマッチングできる点もオンラインならではの利点だといえます。

デメリットは対面指導ほどの緊張感が保てない点です。いつも自室という環境や講師は画面の向こうという特性から、気持ちが緩みやすいともいわれます。また機材やインターネット環境の準備が必要な点も、デメリットといえるかもしれません。

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「目的・レベル別」に塾の授業を解説

塾の授業は目的や目標、レベルに合わせて提供される
塾の授業は目的や目標、レベルに合わせて提供される

塾は、指導の目的やレベルによっても授業の特徴が変わります。「進学塾/補習塾/総合塾/特化塾」という4つの切り口から、それぞれの違いを解説します。

塾の4つの種類【進学塾/補習塾/総合塾/特化塾】

(1) 進学塾

進学塾とは受験、とくに難関校への合格を目指して授業を行う塾のことです。ハイレベルな授業が速いペースで行われることが多く、演習や課題も多めです。学校より先取りで進めるケースもあります。

進学塾が向いているタイプ

進学塾は、次のようなお子さんに向いています。

進学塾が向いているお子さんのタイプ
● 難関校合格を目指している
● 学校の成績は上位である
● 中高一貫校に通っている

時に教科書以上の内容を教えることもある進学塾は、学校よりハイレベルな勉強をしたいお子さんに向いています。授業進度が速いため、一貫校に通うお子さんにもおすすめです。

(2) 補習塾

補習塾とは、学校の授業をより理解できるようにすることを目的とする塾のことです。学校の授業進度に合わせてカリキュラムが組まれ、テスト前には学校別に対策授業も行います。

補習塾が向いているタイプ

補習塾が向いているのは、次のようなタイプです。

補習塾が向いているお子さんのタイプ
● 学校のテストで良い成績を取りたい
● 苦手教科・分野がある
● 学校の授業が理解できないことがある

より丁寧に、わかりやすく解説してくれる補習塾は、学校の授業やテストを重視するお子さんに向いています。テストの得点を上げ、内申点対策をしたい場合にもおすすめです。

(3) 総合塾

総合塾とは、学校の授業から受験まで、幅広い目的に対応したクラス・コースを用意している塾のことです。小学校から高校まで、全教科・全レベルに対応する塾もあります。

総合塾が向いているタイプ

総合塾が向いているのは、次のようなタイプです。

総合塾が向いているお子さんのタイプ
● 進路や志望が変わる可能性がある
● まだ目標が決まっていない
● 仲間と一緒に頑張りたい

総合塾は補習から受験まで、その塾内で対応できるのが強みです。途中で目標が変わっても、塾を変える必要はありません。同じ気持ちの仲間と切磋琢磨したいお子さんにも向いています。

(4) 専門・特化型塾

専門・特化型塾とは、特定の目的・分野に特化した指導を行う塾のことです。英会話や数検対策、プログラミングなどのほか、特定の科目を深く指導する塾もあります。

専門・特化型塾が向いているタイプ

専門・特化型塾が向いているのは、次のようなタイプです。

専門・特化型塾が向いているお子さんのタイプ
● 極めたい科目・分野がある
● 専門的な指導を受けたい
● 将来の目標が決まっている

極めたいジャンルや将来の目標が決まっているお子さんには、専門・特化型塾が向いています。学校の授業や受験とは別のカリキュラムで、深く専門的な指導が受けられるからです。

「規模」によっても塾の特徴は異なる

全国規模の大手塾から地元の個人塾まで多彩な個性も塾の特徴
全国規模の大手塾から地元の個人塾まで多彩な個性も塾の特徴

塾の授業や雰囲気は、規模によっても異なります。塾の規模を3つに分け、それぞれの特徴を解説します。

(1) 大規模塾

大規模塾とは、全国各地に校舎を展開する塾のことです。スケールメリットを生かした情報収集力が強みで、受験や勉強に関して詳しいのが特徴です。また自社でオリジナル教材を開発するなど、高い教務力も注目ポイントです。

(2) 中規模塾

中規模塾とは、都道府県全体に校舎を持つ規模の塾を指します。カリキュラムや指導スタイルが地域事情に即している点が特徴で、公立学校受験にも強さを発揮します。地域の生徒を対象とした地方模試を主催する塾もあります。

(3) 小規模塾、個人塾

校舎の数は1~数校で、個人や小規模法人が経営する塾もあります。規模が大きくない分、生徒一人ひとりに目が届く指導が特徴です。保護者面談も頻繁に行うなど、生徒とご家庭を主体にしたサービスに力を入れる塾もあります。

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塾の授業では、さまざまな対策も受けられる

塾では生徒の目標に合わせて各種対策講座も行われる
塾では生徒の目標に合わせて各種対策講座も行われる

塾では、普段の授業に加えて、さまざまな対策授業も受けられます。多くの塾で実施している特別授業をご紹介しましょう。「定期テスト対策/受験対策/面接・小論文対策/検定対策」の4つをピックアップしました。

塾の授業内容【定期テスト対策/受験対策/面接・小論文対策/検定対策】

(1) 定期テスト対策

定期テスト対策は、学校のテスト日程の2~3週間前から始まります。テスト範囲の学習を完成させ、テストで1点でも多く取れる状態にするのが目的です。

一般的なテスト対策の流れは、次の通りです。

テスト対策の流れ
1.テスト範囲の理解度を確認
2.理解不足があれば、復習
3.類題や応用問題の演習
4.過去問や模擬テストで実戦練習

テスト対策は、普段の授業とは別日程で行う塾が多く見られます。土日を使って長時間勉強会を開催するケースも見られます。

(2) 受験対策

受験対策とは、受験に向けた専用カリキュラムで指導を行うことを指します。受験学年の夏以降に始まることが多く、志望校別にクラスを分けて授業を進める塾も見られます。

受験対策でよく見られるメニューには、次のようなものがあります。

受験対策でよく見られるメニュー
● 全教科の基本を総復習
● 苦手克服の特訓授業
● 実践模試の受験
● 過去問の傾向を研究
● 志望校の過去問チャレンジ

特に中学受験や私立高校受験、大学受験は、志望校別の対策が合否の分かれ目になります。志望校に特化した対策を行う塾の受験対策は、強い味方となってくれるでしょう。

(3) 面接・小論文対策

推薦入試などで課される面接や小論文への対策も、塾は請け負ってくれます。塾は、卒業生から収集した「よく聞かれる質問集」や「小論文のテーマ集」を持っていることも多く、傾向に合わせた対策が可能なのです。

面接練習では、基本的なマナーや立ち居振る舞いの指導、本番さながらの模擬面接などを行います。小論文指導では、原稿用紙の使い方から添削まで見てくれることが多いようです。「志願理由書」「自己PR文」といった出願書類の添削をしてくれる塾もあります。

(4) 英検・数検対策

各種検定対策も塾の得意分野です。特に英検や数検は受験で有利に働くこともあり、塾で対策し、早めに取得しておきたいというご家庭も増えています。対応可能な検定の種類は塾によって異なりますので、事前に問い合わせてみてください。

また塾の校舎が検定の受験会場になっていることもあります。慣れた会場での受験は、お子さんにとって心理的な安心感につながるというメリットもあります。

お子さんの性格や目標に合う塾を見つけることが大切

塾は、合わなければ続かない。続かなければ成績は上がらない
塾は、合わなければ続かない。続かなければ成績は上がらない

「塾の授業」といっても、指導形態や目的、規模によって特徴が異なることが分かりました。そしてどの塾も、いくつかの特徴を併せ持っていることは押さえておきましょう。「集団指導×進学×中規模」という塾もあれば、「個別指導×総合×大規模」という塾もあるということです。

表面的に見える違いだけに注目しても、お子さんに合う塾は見つかりません。ましてネームバリューや入会特典、友達が通っているから、といった理由で選んでも、良い塾には出会えないでしょう。

塾選びで大切なのは、通塾の目的を明確にした上で、お子さんの性格や習熟度に合う塾を見つけようとする姿勢です。そのためにも、校舎見学や体験授業は積極的に受けるようにしましょう。

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まとめ

塾の授業は、学習の目的やレベルごとにさまざまな形態で提供されています。講師の人柄や校舎全体の雰囲気、通いやすさなども塾ごとに異なります。お子さんに合うこと、通いたいと思う塾であることを大切に選ぶと失敗がありません。

お子さんに合う塾選びで迷ったら、ぜひ「塾探しの窓口」をご利用ください。条件に合う塾の絞り込みはもちろん、実際に通った方の口コミもチェックできます。下のタブから、「お住まいの地域×学年」を選択してみてくださいね。

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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

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