塾の振替授業とは?振替授業を受けられる条件や注意点を解説

更新日 2024.08.07
塾の振替授業とは?振替授業を受けられる条件や注意点を解説

毎週休まずに塾に行くのが理想です。しかし、急な予定や体調不良、冠婚葬祭など、どうしても授業を休まないといけない場合もあるでしょう。そんな時に頼りになるのが「振替授業」です。

ただ、普段意識していない分、「休んだ場合はかならず振替できるのか?」「どの塾も振替授業をやっているのか?」など、振替授業に関する疑問も多いのではないでしょうか。

この記事では、振替授業のルールや提供方法、授業を休む際の注意点などを詳しく解説します。塾の振替授業について、あらためて理解を深める一助としてください。

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塾の振替授業とは

振替授業とは、休んだ授業を別の日に受けられるサービス
振替授業とは、休んだ授業を別の日に受けられるサービス

都合が悪くなり授業を受けられなかったとき、別日に休んだ分の授業を行ってくれる仕組みが「振替授業」です。

振替授業の実施形態は塾によって異なります。また振替授業は塾側のサービスでもあるため、そもそも振替授業がない塾もあります。

振替授業については塾の規約に書かれています。あらためて確認してみましょう。

塾のタイプ別・振替授業の行い方

振替授業をどのように行うかは、塾形態によって傾向がある
振替授業をどのように行うかは、塾形態によって傾向がある

塾の形態によって振替授業のやり方は異なります。集団指導塾、個別指導塾、オンライン塾と形態をわけ、一般的にどのように振替授業が行われているかを解説します。

塾の振替授業の対応について

(1) 集団指導塾の対応

集団指導塾の振替授業は、次の2パターンが多く見られます。

  • 別クラスの授業を受ける
  • 講師が個別で補習する

集団指導塾では授業の曜日・時間、また参加する生徒もあらかじめ決まっています。予定の授業を受けられなかった場合、まったく同じ授業を受けることは不可能です。

別の日に同じ教科・レベルの授業があれば、その授業を受けて振替とする場合もあります。別の日に適した授業がなければ、個別に補習してもらえる可能性もあります。ただしあくまで補習であり、要点だけを短時間で指導する塾が多いようです。

(2) 個別指導塾の対応

個別指導塾は、休んだ分の授業を別の日にあらためて実施します。そもそも授業の曜日や時間帯も生徒に合わせ個別に組む個別指導塾は、振替にも柔軟に対応できます。

ただし、振替授業日に担任講師のスケジュールが確保できるとは限りません。担任講師の都合が合わなければ、別の講師が授業を担当する場合もあります。

(3) オンライン塾の対応

オンライン塾の振替授業は、授業形態によって異なります。同時に多くの生徒が参加するライブ形式は、集団指導塾に準じる対応となります。「別の日にある同教科・同レベルの授業に参加する」、もしくは「講師が個別に補習を行う」です。

オンライン個別指導やオンライン家庭教師など個別に指導するスタイルの塾は、個別指導塾同様に別の日に授業を行います。

(4) 振替授業が有料の塾もある

振替授業は無料で行う塾が多いのですが、中には有料とする塾もあります。振替授業の実施には「スケジュール調整の手間」「講師の人件費」がかかるためです。

有料の振替授業の相場は、1回1,000~2,000円です。また通常授業時間外に「補講枠(有料)」をあらかじめ設けておき、授業を休んだ生徒は補講枠に参加するスタイルをとる塾もあります。

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振替授業が受けられる条件

振替授業を受けるには条件を満たす必要がある
振替授業を受けるには条件を満たす必要がある

授業を休めば、無条件で振替授業が受けられるわけではありません。規律ある塾運営のために、多くの塾は振替授業に条件を設けています。

振替授業を受けるために必要な条件を4つ解説します。

振替授業が受けられる条件

(1) 欠席連絡がきちんと来ている

無断欠席は、授業のために用意した教材や講師人件費などを無駄にし、振替授業にはさらにコストがかかります。そのため、「振替授業は連絡があった場合のみ」とする塾が多く見られます。

また、振替授業が可能な連絡期限を設ける塾もあります。「前日18時までの連絡分は振替授業をします」といった例です。無断欠席は、学習意欲を疑われ信用も損なってしまいます。休む場合は、かならず連絡するようにしましょう。

(2) 欠席理由が正当である

振替授業が受けられる欠席理由を定める塾もあります。遊びなど、個人的な用事で授業を休んだ場合は振替不可、などです。

勉強は子どもたちの本分です。「軽い気持ちで本分をないがしろにしてほしくない」「休み癖がつくと勉強に悪影響を与える」と考える塾に多く見られるルールです。

欠席の正当な理由には、次の例があります。

  • 冠婚葬祭
  • 見舞い
  • 長期帰省
  • 感染症、体調不良 など

(3) 講師が手配できる

振替授業を受けるためには、授業を担当する講師が必要です。授業を受け持つ講師が確保できるかどうかによって、振替授業の可否が決まる場合もあります。

長期休みやテスト・受験直前期などは、授業数が増え講師のスケジュールが埋まりやすい時期です。希望した日に担当できる講師がいなければ、振替授業を行えない場合もあり得ます。

(4) 教室が空いている

個別指導塾で振替授業のハードルになるのが、授業スペースの有無です。振替を希望する曜日・時間帯の授業が埋まっており、振替授業ができる机がない場合もあるからです。

校舎の規模や授業コマの埋まり方によっては、希望の日時に振替授業ができない場合も考えられます。

(5) 補足:振替授業に関する規約の例

振替授業に関する、実際の規約を見てみましょう。

下は、愛知県のある塾の規約です。以下について書かれています。

  • 欠席連絡の期限
  • 振替授業を行わない事例
  • 振替授業を受けられる期間 など

◆第10条 〈遅刻・欠席について〉

1.体調不良、学校行事、クラブ活動など、やむを得ず授業を欠席、または遅刻される場合には、必ず保護者様が欠席当日の15:00まで運営本部までにご連絡ください。生徒からの連絡は保護者が予め承諾しておいていただくものとします。それによる不利益は、すべてお客様に帰属します。

2.授業の当日に欠席のご連絡があった場合、理由の如何を問わず、当塾は、振替授業を行わず、当日分の月謝を返金いたしません。

3.連絡のない欠席・遅刻は、いかなる理由でも、当塾は、振替授業をいたしません。

4.習字かきかた教室は振替授業をいたしません。

5.振替授業は欠席した日から1週間以内に振替授業を受けてください。正規の時間割生徒を優先するため、希望に添えない場合があります。

学習塾てらこや 教室利用規約

次は東京のある塾の規約です。授業をキャンセル(欠席)扱いとするルールが定められています。この塾では授業をキャンセルした場合、規約にのっとりキャンセル料が発生します。

【第12条 当日キャンセル】

(1)当日キャンセルの適用について

当塾では、「授業」「グループ授業」「特別授業」について、以下の条件で欠席をした場合、当日キャンセルとして扱います。

・事前連絡なしに授業を欠席した場合

・授業予定日の1営業日前の15:00以降に欠席のご連絡があった場合

※ただし、インフルエンザ・麻疹などの感染症や、電車の大幅遅延・大規模災害などのやむをえない理由で欠席となった場合は、キャンセル料は発生しません。

学習支援塾ビーンズ 入塾規約

振替授業の代わりに提供される授業の例

「授業」以外にもさまざまある振替の指導形態
「授業」以外にもさまざまある振替の指導形態

振替授業は「休んだ分の学習を補う」ために行われます。同程度の学習効果が得られると塾が考える、別の指導形態で実施される場合もあると押さえましょう。

振替授業で採用されやすい授業形態を4つ、紹介します。

(1) プリント学習

プリントなどの補助教材を使い、欠席した授業内容を自主学習するよう指示する塾もあります。基本的に自分で進められるプリントを使いますが、わからない点があれば次の「質問対応」で解決することになります。

(2) 質問対応

欠席した授業の内容は基本的に自分で取り組むよう指示し、わからない・不安な点を質問するスタイルをとる塾もあります。学校進度の後追いで授業が進む塾や、補習塾などでよく見られる形態です。

自分のペースで進められる点が魅力ですが、次回の授業までに内容を終わらせる計画性が大切になります。

(3) 次の授業前に補習

毎回の授業前に補習の時間を設け、振替授業に代える塾もあります。授業を休んだ生徒は、次の授業が始まる前に前回の補習を受けて新しい授業に入るスタイルです。授業のつながりが把握しやすい点がメリットですが、塾に早めに行かないといけない点は負担になるかもしれません。

(4) 映像授業視聴

該当単元の映像授業を視聴し、振替授業とする塾もあります。大手教育サービス会社が制作した映像授業を使うケースのほか、自塾のオリジナル授業を使うケースもあります。

映像授業は理解度に合わせて再生を調整できる点がメリットです。映像授業を見てもわからない箇所は質問もできます。

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塾の授業を休む際の注意点

塾の欠席は「早めに連絡・その場で振替確認」が鉄則
塾の欠席は「早めに連絡・その場で振替確認」が鉄則

塾は、授業ごとに一人ひとりの学習計画や教材を準備しています。1回休むと授業進度が遅れ、計画を立て直さないといけない場合もあります。休む場合はできるだけ早く伝えましょう。

塾を休む場合に気を付けたいポイントを3つ解説します。

塾の授業を休む際の注意点

(1) 欠席が決まった時点で速やかに連絡する

どのような理由であれ、授業を休まないといけないと決まった時点ですぐに連絡しましょう。欠席連絡は「塾が開校している時間に電話をかける」のが一番はやい方法ですが、メールやLINEなどの代替手段でもかまいません。

授業準備の都合上、欠席連絡をする期限を決めている塾もあります。連絡期限を過ぎたからといって休めなくなるわけではありませんが、「振替授業が受けられなくなる」などのペナルティが課されるかもしれません。

塾の欠席は「速やかに、理由を添えて」伝えましょう。

(2) 振替授業の有無について確認する

欠席連絡の際、振替授業の有無についても確認します。または入塾した際に受け取った規約を読み、ルールを把握しても良いでしょう。

振替授業の条件や期間が決まっている塾も多くあります。「後で確認すればいいか」と思っていると、期限を過ぎてしまうおそれもあります。欠席連絡と同時に振替授業についても確認し、勉強の機会を逃さないよう気を付けましょう。

(3) 振替授業の日程を調整する

できれば欠席連絡と同時に、振替授業の日程を調整しましょう。

集団指導塾はとくに注意します。1週間後には次の内容の授業が待っているためです。次の授業までに休んだ分の内容を取り返しておかないと、理解不足が溜まってしまうかもしれません。

個別指導塾では、次回の定期テストまでに受講しましょう。塾は定期テストを目標に学習計画を立てているからです。定期テストまでの授業回数が1回減ると、残りの授業回数だけではテスト対策を完了させられないことも考えられます。

振替授業に関するQ&A

振替授業に関する不安を解消するポイント5つ
振替授業に関する不安を解消するポイント5つ

振替授業は頻繁にあるわけではないからこそ、いざ直面するとわからないことばかりかもしれません。振替授業に関して、編集部によく寄せられる相談と回答をまとめました。ぜひ塾の規約と照らし合わせながら、疑問を一つひとつ解消してください。

(1) 振替授業を休んだら、また振替してもらえる?

A.いいえ。基本的に「振替授業の振替」はありません。

振替授業は1回きりのチャンスです。振替授業を休んだ場合は、再度の振替は行わない塾がほとんどです。

振替授業の振替を可能にすると、どうなるでしょうか。「振替の振替の振替の…」と、消化できない授業がいつまでも溜まることになります。取り組むべき勉強ができず、正規の授業進度にも支障をきたしかねません。

「授業を休んだときの振替は1回だけ」と心得ましょう。

(2) いつもと同じ先生の授業を受けられる?

A.場合によります。別の先生が担当するケースもあります。

振替授業の実施には、生徒本人と講師の都合を調整する必要があります。当然、講師は別の授業も受け持っていますから、希望の日時にスケジュールが空いてないことも考えられます。どうしても日程調整ができない場合は、担任とは別の講師が振替授業を担当する場合もあります。

ただ「たまたま別の先生の授業を受けてみたらとても良かった」という展開も実際あります。振替授業の担当が別の先生だった場合は、相性の合う先生を探すチャンスになったと前向きにとらえましょう。

(3) 休んだ授業と同じ内容を教えてもらえる?

A.基本的に同じ内容を指導してもらえます。

振替授業は休んだ分の授業内容を習得するのが目的です。基本的には、休んだ授業と同じ内容を指導してもらえます。

ただし「まったく同じ授業」というわけにはいきません。授業を受ける環境や時間が異なり、指導形態も“いつも通り”ではない場合もあるためです。プリント学習や映像授業視聴になった場合は、理解度も変わるかもしれません。

もしわからない箇所や理解不足があった場合は、かならず質問し解決するよう、お子さんに伝えてあげてください。

(4)「直前の欠席連絡は振替なし」と言われた。どうして?

A.規約と塾の方針に基づく回答です。

直前の欠席連絡に対して振替授業を行わない理由は、次のとおりです。

  • 「急に友達と遊ぶことになった」など、軽い気持ちで塾を休む生徒を増やさないため。
  • 振替授業の準備にもコストがかかるため。
  • 待機していた講師の時間と人件費が無駄になるため。

直前の欠席連絡は振替授業を行わないルールは、軽い気持ちの欠席に対する抑止力として機能しています。

(5) 休んだけれど振替授業はいらない。どうすればいい?

A.塾と相談しましょう。ただし返金にはなりません。

「授業を休んだが、十分理解している範囲だった」「自学でも取り組めそう」など、かならずしも振替授業が必要ではないケースもあるかもしれません。その場合に振替授業をどのように扱うかは、塾と相談してみましょう。

テスト対策や別教科の補講、先取り授業など、休んだ分の授業とは別の内容での授業を提案してくれる塾もあるかもしれません。ただし、「振替授業がいらないから1回分の授業料を返してほしい」という要望は通らないでしょう。授業が不要なのは生徒側の都合だからです。

まとめ

塾の振替授業は、授業を欠席した生徒の学習をフォローする目的で行われます。塾がサービスとして行っている授業であり、すべての塾が実施しているわけではありません。

振替授業は通常と同じ授業形態のほか、プリント学習や映像授業視聴などで代替される場合もあります。振替授業が受けられる条件や期限を決めている塾も多いため、規約を確認しておきましょう。

塾は1年間の授業計画を立て、テストや受験に間に合うよう戦略的に授業を進めます。授業を休むと計画にズレが生じ、場合によっては全体の見直しが必要になる場合もあります。勉強は計画的に進めてこそ、成果につながります。塾はできるだけ休まないようにし、やむを得ない場合は早めの連絡を心がけましょう。

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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

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