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「併願」はどのような受験方式?専願との違いや注意点を解説
                誰もが、入試では第一志望の学校を決めているでしょう。しかし同時に決めておかなければならないのは「併願校」です。
併願校は、第一志望の受験にも影響を与える大切な要素です。戦略的に活用することで、本命校の受験成功にもつながります。
この記事では、入試における「併願」について詳しく解説します。併願校の選び方や無駄な出費を抑えるコツ、知っておきたい注意点もまとめました。高校受験、大学受験などで合格するためのヒントとして、ご活用ください。
入試における「併願」とは?

併願は、第一志望校とは別に、他の学校にも出願・受験する方法です。併願で受験した場合、第一志望校を含む複数の学校の合否を見てから、進学先を決めます。
受験における併願は、第一志望の合格を目指しつつ、万が一、第一志望が不合格だった場合の進学先を確保する目的で利用されます。併願する受験生の心理を踏まえ、併願日程の入学手続締切日を配慮する学校も見られます。
これは、3月6日~3月10日にある「国公立大学の合格発表(前期日程)」を確認してから、入学手続きをできるようにとの意図が込められています。
併願と専願の違い

併願とセットで登場する受験用語に「専願」があります。
併願は「他の学校も受験できる」「合格結果を見てから進学先を決められる」と選択の自由度が高いのに対し、専願は「合格したら入学することが前提」となる点が違いです。
併願の方が自由度が高く、メリットも大きいと感じるかもしれません。しかし、第一志望の学校に「専願枠」があれば、専願での受験をおすすめします。詳しくは、募集要項をチェックしてください。
なお、専願には「合格ボーダーラインがやや低め」「優遇措置がある」「合格が早く決まる」などのメリットがあります。第一志望校は専願で・第二志望以下は併願で受験するようにしましょう。
併願できない入試日程

大学・高校・中学、いずれの入試にも「併願できない入試日程(専願のみ募集の日程)」があります。
専願で合格すると、原則的に合格辞退はできません。以下に、専願受験がマストの日程を紹介します。
(1) 大学入試の場合
大学入試で専願受験となる日程は、次の3つです。
学校推薦型入試
総合型選抜入試(例外あり)
指定校推薦入試は「大学が高校に推薦枠を用意し、高校の選考を通過した生徒を推薦する」入試方式です。高校の校内選考を通過できれば合格確実といわれます。
学校推薦型入試とは、高校の推薦書を携えて受ける公募型推薦入試です。かならずしも合格できるとは限らない点で、指定校推薦と異なります。
総合型選抜入試は、大学のアドミッションポリシーに合う受験生をさまざまな選抜方法を用い、時間をかけて選考する入試です。以前のAO入試の流れを汲んでいます。大学や入試方式によって、併願可能な場合もあります。
(3) 中学入試の場合
中学入試で専願受験となる日程は、1つだけです。
私立中高一貫校の入試は、ほとんどが併願可能です。一部に「専願日程」を設け、専願入試を実施している場合もあります。

併願校を選ぶ際にチェックしておきたい9つの観点

「第一志望ではないから」と、併願校選びを適当に済ませてはいけません。もし、本命校が不合格だった場合は、併願校に進学する可能性も十分あるからです。
併願校選びのチェックポイントを9つ解説します。
(5) 卒業後の進路
卒業後の進路は、学校ごとに傾向があります。進路を見ると、ある程度授業の難易度やスピードも推測できます。「難関大学への進学率が高い高校は、授業スピードが速く難しい傾向がある」といった具合です。
また、卒業後に就職を希望する場合は、キャリア教育の充実度や資格取得に対するサポートもチェックしましょう。はやいうちから仕事観を育てる指導をしてもらえると、就職に対する意識も高まりやすくなります。
(7) 費用
公立の学校は、どこに通っても学費は一定です。その他、部活や課外活動、生活にかかる費用も想定しておきましょう。
私立は学校ごとに学費が定められています。高額になるケースもあるため、かならず「入学時支払の総額」「通う期間の総額」を算出してください。家計に過剰な負担なく、卒業まで支払い続けられるかどうか、がチェックすべきポイントです。
大学には、学年によって通うキャンパスが変わるケースもあります。「3年生からキャンパスが遠くなり、転居の費用がかかった」といったケースも考えておきましょう。
(9) 入試科目
併願校は、第一志望校の入試科目で受験できる学校を選びます。
わずかな時間でも第一志望校の対策に使いたい受験生にとって、わざわざ併願校向けの勉強をするのは時間がもったいないと感じるはずです。
「併願=滑り止め」という前提を忘れずに、第一志望校への対策でカバーできる学校を併願に選びましょう。
・A校:受験科目は英語・数学・社会
・B校:受験科目は英語、数学or国語から選択
A校を受験しようとすると、第一志望校の受験勉強では不要な「社会」の対策も必要になります。受験勉強のすべてを第一志望校合格に注ぎたい受験生にとって、社会学習は気が進まないことでしょう。
B校は、第一志望校の受験対策で十分対応できます。しかも、数学と国語の得意な方を選べ、合格可能性がさらに高まると考えられます。
併願校の出願前に確認しておくべき3つの注意点

併願校に出願する前に、かならず確認しておきたい項目は3つあります。万一、確認漏れがあると「受験できなかった」「対策していなかった」など、受験の失敗にもつながりかねません。
確認必須の3項目を解説します。
実際にある!併願受験の失敗談

併願は、あくまで併願。とはいえ、併願校の受験結果は受験生の心理に大きく影響します。併願校の受験で起こりやすい、失敗談を3つ紹介します。先達の轍を踏まないよう、十分気をつけて臨みましょう。
(1)「数打ちゃ当たる」作戦でむやみに受験するのはNG
受験生の中には、「数打ちゃ当たる」つまり、数多く受験すれば、どこかは合格できるだろうと、むやみやたらと併願校を受ける人がいます。これは、失敗する可能性が高いと言えます。
併願とはいえ、どの学校にもそれぞれ傾向があり、受験生を選抜するため(不合格者を出すため)に試験を行っています。
併願が増えると対策の手が回らなくなったり、手続きに時間をとられたりして、本来確保できたはずの勉強時間が失われることもあるのです。
併願校は、「この学校に進学しても納得できる」と自分が思える学校を厳選し、受けるようにしましょう。
(2) 過去問をまったく解かずに本番を迎えるのはNG
「第一志望校の対策に専念したい」という気持ちはわかりますが、併願校の過去問をまったく解かずに受験に向かうのもおすすめできません。
過去問演習は、出題傾向や難易度、制限時間と配分、解く順番など、合格点をとるために必要なノウハウを知るために行うものです。過去問を解かずに本番を迎えることは、敵の様子を全く知らずに迎え撃つことと同義。あまりに無策です。
併願校対策に時間をかけすぎる必要はありませんが、少なくとも2~3年分は取り組んでおきましょう。
(3) スケジュール管理をおろそかにするのはNG
併願受験でよくある失敗の3つ目は、スケジュール管理がおろそかになることです。
受験校が増えるにつれ、受験日程や受験地、移動と宿泊など、管理すべき事項が増えます。これらを受験勉強と同時進行で把握するのは、至難。いつのまにかスケジュール管理が後手になり、前もっての準備ができなくなることもあります。
スケジュールは一覧表にして可視化し、机の前やリビングなどに貼りだしておくようにしましょう。家庭全体の目でスケジュールを見守れば安心度が高まります。
まとめ
併願校は「もしかしたら行くかもしれない学校」です。第一志望ではないからどこでも良い、と適当に選ぶのではなく、やりたいことができそうな学校、お子さんが輝けそうな学校を選びましょう。
併願校受験では、入試日程や難易度、入学手続締切日をチェックします。第一志望校の受験にも影響を与える要素も多いため、入試要項とカレンダーを丁寧に見比べてスケジュールを組みましょう。
お子さんが本命受験で最高の結果を手にできるよう、併願校を戦略的に利用してみてください。







