夏期講習は何のためにある?目的やメリット、費用相場も解説

更新日 2024.08.07
夏期講習は何のためにある?目的やメリット、費用相場も解説

「夏期講習」の広告にある『短期集中!』『苦手克服!』といった言葉が気になる季節になりました。ただ、あまりに広告が多くて、どの夏期講習を受ければ良いのかと迷ってしまうのではないでしょうか。

今回は「夏期講習とは?」というテーマで、多くの塾が行う夏期講習を徹底解説します。そもそもの目的から受けるメリット、親御さんが心配になるポイントや費用相場まで網羅しました。最後まで読めば、夏期講習に関する疑問がすべて解決しますよ。

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夏期講習とは?目的と指導内容

夏期講習には復習/克服/受験対策などの目的がある
夏期講習には復習/克服/受験対策などの目的がある

夏期講習は、夏休み中に2~3週間かけて行われます。ではこの夏期講習、そもそも何のためにあるのでしょうか。最初に、夏期講習の目的と意義について確認しておきましょう。

夏期講習とは?目的と指導内容

(1) 1学期に習った内容の復習

多くの塾では、夏期講習のカリキュラムに「1学期に勉強した内容の復習」を盛り込んでいます。

1学期といえば、新しい学年になって最初の学期です。進級して勉強が難しくなったのに、学校行事も多く、落ち着いて勉強できないまま終わってしまうことも多いのではないでしょうか。

1学期に習った内容は、2学期以降の土台となります。夏期講習には、1学期の内容を十分に理解し定着させ、2学期の勉強準備を整えるという目的があります。

(2) 苦手科目や弱点分野の克服

苦手科目や弱点科目は、放っておいてもできるようにはなりません。本腰を入れてじっくり対策することが大切です。そこで、まとまった時間がとりやすい夏休みに、苦手科目・弱点分野の克服をしようと夏期講習を開催する塾もあります。

特に受験を控えるお子さんは、夏休みが克服のラストチャンスです。夏休みに克服しておけば、受験本番まで十分演習に取り組めるでしょう。

(3) 2学期以降の学習準備

夏期講習の目的に「2学期以降の先取り」を入れている塾もあります。夏期講習で2学期の内容を先取りすることで、学校の授業を余裕を持って受けられるようになります。この余裕を、よりハイレベルな問題演習やテスト対策に回していけば、成績アップにつながる循環が生み出せるというわけです。

2学期の先取り学習を行う夏期講習は、進学塾や難関校対策コースなどでよく見られます。

(4) 受験対策

「天王山の夏」という言葉が象徴するように、受験生にとって夏休みはとても大切な意味を持ちます。学校がある間は手が回らない対策ができるのが、夏休みだからです。

過去問の傾向研究や入試問題の演習、また小論文や面接といった受験でしか使わない科目の対策をメニューに盛り込む夏期講習もあります。また先輩たちも夏休みになるので、卒塾生を集めて体験談を聞くイベントを開催し、モチベーションアップの機会を作ってくれる塾もあります。

(5) 主要科目以外の実力アップにも

「夏期講習=5教科の勉強」というイメージが強いかもしれませんが、実は主要科目以外の力を伸ばすこともできます。英会話スクールやプログラミング教室の夏期講習に通ってみると、興味の幅を広げることができるかもしれませんね。

英検や数検など、資格試験を目指している場合も夏期講習が活用できます。短期間で集中的にトレーニングしてくれる塾もあるので、夏休み明けの試験を目指しモチベーション高く取り組めるでしょう

夏期講習で得られるメリット

夏期講習には「夏ならでは!」のメリットが沢山
夏期講習には「夏ならでは!」のメリットが沢山

夏期講習に参加することで得られるメリットは、大きく5つにまとめられます。どの学年にも共通していえる夏期講習のメリットをまとめました。

夏期講習に参加することで得られるメリット

(1) 快適な環境で勉強に集中できる

まず、学校とは違う「塾ならでは」の環境で勉強に取り組める、というメリットがあります。塾には分かりやすい授業、質問できる講師、よくまとまった教材など、勉強に前向きになれる要素が沢山!クーラーが効いた涼しい場所で勉強できるという居心地の良さも見逃せません。

また決まった時間割に沿って授業が行われるので、夏休み中でも規則正しい生活が維持しやすいというメリットもあります。

(2) 一人では進めにくい勉強に取り組める

塾のサポートを得ることで、自力ではなかなか進まない勉強に取り組めるというのも夏期講習のメリットです。

苦手科目対策はもちろん、暗記や記述問題など、一人ではやりにくい勉強というのは意外とたくさんあるもの。後回しにしがちな勉強を、やり方から指導してもらうことができるのも夏期講習ならではだといえるでしょう。

塾によっては「暗記特訓」「計算トレーニング」など、かなり細かなメニューを用意しているところもあります。

(3) 効率の良い勉強法が身に付く

塾は単に勉強を教えるだけではなく、成績が上がる正しい勉強法を教えてくれる場所でもあります。勉強の効率は、やり方のコツをちょっと押さえるだけでグンとアップするものです。もしお子さんの勉強法が心配なら、夏期講習で勉強法をチェックしてもらうと良いかもしれません。

編集部が知るある塾では、夏期講習の丸一日を「勉強法指導」に充てています。やり方を伝えるだけではなく、「できるようになる」まで指導するので、一日かかるんだそうですよ。

(4) 分からない点はしっかり質問できる

分からない点をすぐに気軽に質問できる、というのも夏期講習を受けるメリットです。

学校ではなかなか質問に行けないお子さんも、講師がすぐ近くにいる塾の環境なら質問しやすいというケースもあります。また質問しやすいように、授業時間以外に個別に対応する「質問タイム」を設定している塾もあります。

(5) 模試で実力が客観的に測れる

夏期講習カリキュラムの一環として、模試受験を設定している塾もあります。科目別に成績が数値化され、志望校の合格可能性判定も明示されるので、実力を客観視するまたとない機会です。弱点を見つけて、夏休み以降の学習にも活かすこともできるでしょう。

模試を希望する場合は、受験が可能かどうか塾に問合せてみてください。また成績表を一緒に見て学習アドバイスをくれる塾なら、より詳しい分析が得られます。

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夏期講習の懸念点と対策

懸念点は事前に対策しておくことが解決のコツ
懸念点は事前に対策しておくことが解決のコツ

夏期講習にはメリットがたくさんありますが、一方で親御さんとしては心配な面もあるというのが本音ではないでしょうか。夏期講習の参加前によくお聞きするご相談事を、3つピックアップしました。

(1)「友達と遊んでしまいそう」

多くのお子さんが通う夏期講習では、友達と一緒になることも多いでしょう。こうなると心配なのは、塾で遊んでしまわないか、帰りに遊びに行ってしまわないか…、という点ですよね。

こんな時は、友達をライバル認定してしまうのがおすすめ。友達がいる、という状況を良い方に利用するのです。

「先に単語を20個覚えた方が勝ち」とゲーム感覚で競争するのも良いですし、「休み明けのテストの点数を競い合おう」と共通の目標を設定してもやる気になります。

どうしても心配な場合は、授業の時間が一人ひとり異なる個別指導塾を選ぶのもおすすめです。

(2)「勉強が身に付くのか心配」

夏期講習で勉強がちゃんと身に付くのか?というご心配もお聞きします。夏期講習の受け方を失敗すると、この心配が現実のものになってしまいます。次の点に注意して取り組むよう、お子さんを導いてあげてください。

まず、夏期講習で勉強したことを身につけるには、夏期講習“以外の”時間にもしっかり勉強することが大切です。ただ何となく授業を聞いていても、力にはなりません。予習と復習・宿題にきちんと取り組む、理解不足を塾で補い、自学で定着を測るというサイクルを続ければ、必ず実力が伸びていきます。塾にもやり方を相談しながら、授業以外の時間もしっかり勉強していきましょう。

(3)「うちの子に合う塾が見つかるか不安」

充実した夏期講習のためには、塾や講師、学習環境がお子さんに合っていることが欠かせません。

ただ、塾は「行ってみないとわからない」というのが本当のところでもあります。だからこそ、夏期講習を申し込む前に校舎に足を運んでみてください。親御さんも必ず一緒に行き、校舎長やスタッフの対応、雰囲気、清潔さ、立地などを確認しましょう。

講習前に体験授業を受けるのも良い方法です。実際に授業を受けるのと、話を聞いただけなのとでは印象が違うことも多いからです。チラシやホームページを見ただけで夏期講習を申し込むのではなく、詳しい資料を請求し、校舎訪問や体験授業を受けてから決めるようにしましょう。

>>お子さんに合う塾が簡単に見つかる!資料請求もできる「塾探しの窓口

夏期講習の費用相場

夏期講習の費用相場は学年や目的によって幅がある
夏期講習の費用相場は学年や目的によって幅がある

夏期講習を受ける際に、もう1つ気になるのは「相場」ではないでしょうか。ここでは小・中・高生それぞれの夏期講習相場を解説します。

(1) 小学生の夏期講習

小学生の夏期講習は、学校の授業がわかるようにするための授業なのか、中学受験を目指すものなのかという目的によって差があります。また中学受験予定の小学6年生は授業料が高くなる傾向があることも知っておきましょう。

一般的な小学生の夏期講習費用は、以下の通りです。

補習塾:2~5万円

中学受験塾(小5まで):5~10万円

中学受験塾(小6):15~20万円

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(2) 中学生の夏期講習

中学生の夏期講習は、集団指導塾で受けるのか/個別指導塾で受けるのかによって変わります。また中学3年生は受験対策メニューが加わることも多いので、中1・2年生より費用が高くなることもあります。

一般的な中学生の夏期講習費用は、以下の通りです。

◎ 集団指導塾

中学1・2年生:3~6万円

中学3年生:5~8万円

◎ 個別指導塾

中学1・2年生:6~9万円

中学3年生:10~18万円

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(3) 高校生の夏期講習

高校生向けの夏期講習は、塾の形態や受講する目的、授業の回数などによって大きく異なります。また「共通テスト対策(英語)」のようにセット講座を選んで申し込むスタイルの塾もあり、この場合は講座をいくつ受けるかによって費用が変動します。大学受験を目指す高3生は、他の学年より高くなります。

一般的な高校生の夏期講習相場としては、以下を想定しておくと良いでしょう。

◎ 集団指導塾

高1・2生:5~10万円

高3生:7~15万円

◎ 個別指導塾

高1・2生:6~14万円

高3生:9~20万円

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夏期講習に関してよくある質問Q&A

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夏期講習に関して、費用面以外でよくある質問についてまとめました。夏期講習だけ受けるつもりの方が、入塾の営業を回避する方法もご紹介します。

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(1) 夏期講習だけを受けても構わないか

多くの塾は、夏期講習は誰でも受けられるようにカリキュラムを組んでいます。塾生はもちろん、「夏期講習で苦手を克服したい」「経済的な理由で通年は無理だけれど、講習だけ行かせたい」といった理由で夏期講習だけ受講する生徒も大勢います。

塾にとっても、夏期講習は新規生を募集する大切なタイミングです。どの塾でも夏期講習に関連したキャンペーンが行われているのは、そのためです。

もし「夏期講習“だけ”受けるつもりなのに、入会を勧められたらどうしよう」というご心配がある場合は、はじめに「夏期講習だけ受けます」とハッキリ意思表示をしておくことをおすすめします。はじめに伝えておけば、後から入会を勧められても断りやすいですよね。

塾は、夏期講習だけだからといって、他の生徒と指導に差をつけるようなことはしません。むしろ、限られた期間しか指導できないのだからと、より一生懸命教えてくれる講師もいるはずです。

(2) 気になる塾がいくつかあった場合は、どうすれば良いか

気になる塾が複数あった場合は、すべてに「資料請求」と「校舎訪問」をしてみることをおすすめします。対応の仕方やスピード感からも、どんな塾か垣間見れるもの。大切なお子さんを安心して預けられる塾かどうか判断する材料になります。

また夏期講習だけを受ける場合でも、塾は校舎訪問や体験授業を受け入れてくれます。実際に校舎に行き、納得できるまで話を聞いてみるのが良いでしょう。

塾探しの窓口」を使うと、気になる塾に一括で資料請求や校舎訪問の申し込みができます。記事下のタブから、「地域×学年」で検索してみてくださいね。

(3) 続けて通いたい場合は、いつ申し出るべきか

あらかじめ夏期講習後も継続して通うことを想定している場合は、夏期講習の申込時にあわせて伝えましょう。条件が合えば入会金や月謝の割引を受けられる場合もあります。

夏期講習の途中や終了後に継続入会の意志が固まった場合は、その時点で校舎長に相談するのがおすすめ。2学期からのクラスが定員に達してしまうこともあるため、早めに伝えて座席を確保してもらうためです。送迎時に伝えてもOKですし、電話やメールで連絡しても大丈夫です。

まとめ

夏期講習の目的や意義、申込前に気を付けるポイント、相場などについて解説してきました。

夏休みはまとまった時間がとりやすい反面、暑さや長さのせいでダラダラしてしまいがちです。規律正しい生活を維持し、2学期に向けての勉強を進めるためにも、夏期講習はきっと役に立つでしょう。英語や数学の重点対策のほか、国語・理科・社会など、あまり復習できていない教科を受講するのもおすすめです。

記事内では「夏期講習」と一括りにはしていますが、カリキュラムや指導方針は、塾によって本当にさまざまです。お子さんに合う夏期講習を見つけるためには、「なぜ夏期講習を受けるのか?」という目的を明確にしておくことが大切。その上で、費用やお得感、通いやすさなどの項目も加えて比較検討すると、きっとお子さんにピッタリの講習が見つかりますよ。

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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

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