繰り返し学習で復習効率アップ!受験まで使える勉強法を解説

更新日 2024.08.08
繰り返し学習で復習効率アップ!受験まで使える勉強法を解説

テスト範囲のお知らせをもらうと、必ずといっていいほど「繰り返し勉強しておくこと」という一言が書かれていることに気づきませんか?

確かに、繰り返し学習はその響きからして大切そうです。

でもどうやればいいのか分からない!何回やればいいのか決めて欲しい!といった中学生の声もお聞きします。

今回は学校の先生もよく言う「繰り返し学習」に注目しました。繰り返し学習とはどんな勉強でどんなメリットがあるのか、また今日から取り入れられる繰り返し学習のコツや具体的なやり方について解説していきます。

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「繰り返し勉強しておけよ!」と先生が言う理由

繰り返し学習が大切なのには、きちんと理由がある
繰り返し学習が大切なのには、きちんと理由がある

どうして先生は「繰り返しやっておけよ」と、それこそ繰り返して言うのでしょうか。

はじめに、繰り返して勉強することで得られる効果を整理してみましょう。

「繰り返し勉強しておけよ!」と先生が言う理由

(1) 記憶が定着しやすくなるから

「繰り返し学習は、暗記を記憶に残りやすくしてくれる」、これが繰り返し学習が大切な理由の1つ目です。

人間の脳は、触れる頻度の高い情報ほど「重要だ!覚えておかないと!」と知覚し、忘れにくくする性質があるそうです。繰り返し学習をすると、単語や用語を目にする機会も増えますよね。暗記の完成度を高めやすいという点で、繰り返し学習は効果的なのです。

(2) 理解のムラがなくなるから

初めて勉強する範囲を、まんべんなく一度で理解できる中学生はほとんどいません。誰でも得意不得意があり、苦手分野は一度や二度の勉強では定着しないのが普通です。

そこで繰り返し学習の出番!全体を薄く、何度も何度も繰り返すことで、はじめはムラだらけだった理解が徐々に均一になっていきます。また反復を通じて「自分が分からないところ」が明確になり、どこを勉強すればよいかわかりやすくなるになるというメリットもあります。

(3) 応用問題への対応力が身につくから

繰り返し学習は、応用問題への対応力をつけるためにも効果的です。

高校受験で問われる応用問題というのは、実は基本問題の組み合わせでできていることがほとんど。組み合わせ方が複雑だったり、初めて見るものだったりすることが、問題の見た目を難しくしているに過ぎません。

基本問題を反復し、基礎をしっかり身につけることで、自然と応用問題を解く力も伸びていくことが期待できます。

繰り返し学習にはデメリットもある

繰り返し学習は飽きやすく、時間がかかりやすい
繰り返し学習は飽きやすく、時間がかかりやすい

メリットばかりに見える繰り返し学習ですが、実はデメリットもあります。繰り返し学習は以下にまとめた3つのデメリットを知り、それぞれに対策を立てていくことが大切です。

(1) 時間がかかる

繰り返し学習は、何度も反復することで学習効果を高めるのが目的です。1つの単元を何度も勉強することになりますし、成果が出るまでには適切な期間が必要です。勉強時間がかかる、というのがデメリットかもしれません。

しかし本来、勉強とは長期的な視野で結果を求めるものですよね。受験というゴールに向けて長い目で成果を積み上げていけるように、計画的に取り組んでいきましょう。

(2) 飽きやすい

繰り返し学習は、お子さんが飽きやすいというデメリットもあります。

子どもというのは元来が飽きやすい生き物、さらにやりたくない勉強を何度も繰り返すとなると、飽きないほうが珍しいといえるでしょう。飽きが勉強モチベーションを下げる原因になることもあります。

適度に新しい内容も織り交ぜ、好奇心を刺激しながら勉強できる計画にしておくことが“飽き対策”として大切です。

(3) 勉強量が増える

繰り返し学習は復習を何度も反復するわけですが、勉強すべき内容がどんどん増えやすい点には注意が必要です。A単元の繰り返し学習を進めつつ、新出のB単元の繰り返し学習も始まり、別の教科ではCという単元が…、と山積みになってしまっては、お子さんも何から手をつければよいか困ってしまうかもしれません。

無駄な繰り返し学習を防ぐポイントは、復習が必要な箇所だけを抽出して取り組むこと。もう大丈夫!と自信を持てる問題はスキップすることが大切です。

効率良く繰り返し学習を進める勉強法は、後ほどまとめてあります。併せてご覧ください。

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繰り返し学習と比較される「インターリーブ学習法」も知っておこう!

飽きずに勉強が続く!「インターリーブ学習法」
飽きずに勉強が続く!「インターリーブ学習法」

繰り返し学習と似た勉強法に「インターリーブ学習法」というものがあります。初めて聞いた方もいるかもしれませんね。飽きずに続けられると、人気の学習法です。

ここでは知っておいて損はない「インターリーブ学習法」について解説します。

繰り返し学習と比較される「インターリーブ学習法」も知っておこう!

(1)「インターリーブ学習法」とは

「インターリーブ学習法」とは、繰り返し学習の合間に関連性がある別の学習を挟む勉強法をいいます。英単語の暗記途中で、文法や読解の勉強を混ぜるといった勉強スタイルですね。

一方、繰り返し学習はある勉強を始めたら、ひと段落するまで同じことを継続します。連立方程式の計算問題を始めたら、決めたページが終るまでは連立方程式を解き続ける、ということですね。

繰り返し学習は「同じ勉強を続ける」、インターリーブ学習法は「ある勉強の合間に別の勉強を挟み変化を持たせる」という点で違いがあります。

(2) インターリーブ学習法のメリットとデメリット

インタリーブ学習法のメリットは、勉強に関連性のある別の勉強を混ぜることで、内容の特徴が際立ち、理解や暗記がしやすくなるという点です。

重要用語の暗記中に練習問題を解くことで、知識同士の区別がつきやすくなり、結果的に記憶にも残りやすくなる、といった具合ですね。

また目先の内容が変わるため、勉強全体にメリハリがつき、飽きにくくなるという点もメリットでしょう。

一方で、集中力のコントロールや勉強バランスの確保が難しい中学生という年頃には、「関連性のある勉強を適度に挟む」という加減が難しいことも押さえておいてください。別の勉強を始めるつもりが、関係のないことに気が散ってしまう可能性もあります。

慣れるまでは大人の目が届く場所で勉強させ、適度に声を掛けてあげると良いでしょう。

やっぱり繰り返し学習は大事!効果的な反復のコツ

繰り返し学習の効果を最大化するにはコツがある
繰り返し学習の効果を最大化するにはコツがある

繰り返し学習もインターリーブ学習も、勉強へのアプローチは異なるものの、「反復し、何度も目にすることで学習効果を高める」という点では共通しています。

結局、繰り返すことでしか勉強ができるようにはなりませんし、暗記も定着しないのです。

そして繰り返し学習は、ちょっとしたコツで効率が上がり、勉強時間もグンと短縮できます。上手な繰り返し学習法についてまとめました。

やっぱり繰り返し学習は大事!効果的な反復のコツ

(1) テキストには書き込まない!

繰り返し学習は、その名の通り「繰り返す」ことが前提です。テキストには、基本的に書き込まないルールで進めましょう。

問題を解いたプロセスや答えはもちろんのこと、読解問題の本文に線を引く、図形問題で補助線を引くなどもNGです。傍線や補助線は、2回目以降解く際のヒントになってしまうからです。

毎回、まっさらな状態から解き始められるように、教材には書き込まないこと。ただし、後ほど解説する「印付け」だけは書き込みOKです。

(2) 最低3回繰り返す

繰り返し学習は何回くらいやるべきか、気になりますよね。

答えは「最低3回」です。難関大や医学部を目指す大学受験生は「7回」と指導されることもあるようですが、高校受験においては「最低3回、苦手は5回」が目安でしょう。

それぞれの回数には、きちんと狙いがあります。

狙いについて
■ 1回目:解ける問題と解けない問題を区別する
■ 2回目:1回目で解けなかった問題を解けるようにする
■ 3回目:テスト前などに全問解き、正解できるか確認する

問題集は、1回解いただけでは役に立たない、といわれるのはこれが理由です。1回解いただけでは、その時解けなかった問題を解けるようにする・定着させるというプロセスが抜けてしまうからです。最低3回は繰り返す計画を立てるようにしましょう。

(3) 短期間に何度も繰り返す

繰り返し学習の効率アップには、頻度に加えて「期間」も大切です。

先に、脳は何度も触れる情報ほど大事だと認識し、忘れにくくすると書きました。実は、「短期間に何度も触れる」という点がポイント。初めに触れたことを忘れないうちに再び目にするから、「大切だ!」と認識するのですね。

繰り返しの期間があまりに空いてしまうと、はじめに勉強したことを忘れてしまいます。これではせっかく勉強しても、ザルで水をすくうようなもの。

「短期間に」繰り返す、ということを忘れないようにしましょう。

(4) 繰り返す学習日を初めに決めておく

繰り返し学習を短いスパンで忘れずに行うには、1回目の学習をしたときに、2回目・3回目の反復日を決めてしまうのがおすすめです。 2回目は1回目の3日後、3回目は1回目の1週間後…、などとあらかじめスパンを決め、カレンダーなどに書き込んでおくと忘れにくくなりますよ。達成したら好きなシールを貼る、思いっきり消すなど、モチベーションを上げる工夫をするのも良いですね。

最初に復習日も決める、達成したらシールを貼るなどの工夫が◎
最初に復習日も決める、達成したらシールを貼るなどの工夫が◎

(5) 「印付け学習」も利用する

繰り返し学習といっても、毎回すべての問題を解き直さないといけないわけではありません。できなかった問題をできるようにすることこそが成績アップの秘訣ですから、問題ごとに「できた/できなかった」を区別しておくことが重要です。

問題には出来具合を示す「印」を付けておくようにしましょう。印はスピーディーに付けられ、かつひと目で分かるシンプルなものがおすすめ。印はお子さんの様子に合わせて、3つくらいを決めましょう。

印の例
自力で解けた/次も自信を持って解ける ⇒「◎」
少し不安/解説を見れば理解できた ⇒ 「△」
まったくわからなかった ⇒ 「×」

こうした印を付けておくと、2回目以降の繰り返し学習で取り組むべき問題が一目瞭然です。そう、「△」と「×」ですね。「◎」の問題は、テスト直前に念のため確認するといった復習で良いでしょう。

印を付ける勉強法については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください!

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教科別!繰り返し学習が活きるのはココ!

繰り返し学習が向いている分野を知り、今日から実践を
繰り返し学習が向いている分野を知り、今日から実践を

繰り返し学習は、上手く取り入れることで勉強効率を高めることが可能です。勉強も分かるようになり、やる気も出やすくなるかもしれませんね。

教科別に、繰り返し学習が効果的なポイントをまとめました。取り入れやすいところから、ぜひ始めてみましょう。

(1) 英語

英単語の暗記は、繰り返し学習が最も活きる場面です。新出単語に「印つけ」をしながら、短期間で何度も反復してみてください。

英単語50個なら、「10個を完璧に×5セット」よりも、「50個ワンセットで速く何度も」の方が、圧倒的に記憶に定着します。

(2) 数学

計算練習は繰り返し学習がピッタリの分野です。反復で基本を定着させ、応用問題への足がかりを完成させましょう。

数学は「解説を見て理解したものを、自力で再現する」過程に壁がある中学生がたくさんいます。なかなか解けない問題などは、繰り返しの回数を増やすのも良い取り組みです。

(3) 国語

国語は漢字練習や古文で繰り返し学習を取り入れてみてください。漢字は何度も書いてみることで、正しい形や読みが定着していきます。高校入試でも漢字問題は10点分ほど出題されます。早いうちから繰り返しを習慣にすることが大切です。

古文は現代仮名遣いや単語の意味などの勉強で、繰り返し学習を取り入れてみてください。

(4) 理科・社会

理科や社会では、重要用語の暗記に加えて、問題練習にも繰り返し学習が役立ちます。理科・社会では、単元ごとによく出る「定番問題」というものがありますから、そうした問題を繰り返して基本を身に付けてしまうのです。

定番問題は教科書ワークや学校から配布された問題集の「A問題(基礎問題)」が該当します。苦手分野も定期的に反復することで、理解が深まっていきますよ。

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まとめ

 先生が「繰り返して勉強しておけよ!」と言う理由でもある、繰り返し学習のメリットや具体的な勉強法、科目別に繰り返し学習のコツなどを解説してきました。

「ローマは一日にして成らず」とも言いますが、勉強も一朝一夕、1回や2回の取り組みで結果がでるほど簡単な世界ではありません。暗記も問題演習も、何度も繰り返し続けることで、はじめて得点や順位アップという結果につながるのです。

また学校は「新しい知識を教える」という役割がメインになるため、生徒一人ひとりに合った細やかな勉強法の指導までは期待できないでしょう。お子さんの個性を活かした勉強のコツを知りたい場合は、塾を利用するのがおすすめです。

今回ご紹介した繰り返し学習も、塾ならではの成績アップノウハウの一つ。塾はさまざまな勉強法の知恵を持っています。

お子さんの復習や勉強への姿勢が気になったら、お近くの塾に相談してみても良いでしょう。「塾探しの窓口」を使って、ぜひお子さんに合った塾を探してみてくださいね。

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この記事を書いた人

塾探しの窓口編集部

塾探しの窓口編集部

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